
©宝塚歌劇団
雪組に続いて星組も3チームに分かれての別箱公演。
まずは暁千星さん 二度目の東上主演です。
宝塚歌劇 星組公演
ミュージカル・ロマン 「夜明けの光芒」
チャールズ・ディケンズ作「大いなる遺産」より
脚本・演出:鈴木 圭
作曲・編曲::𠮷田優子 編曲:伊賀美樹子
振付:若央りさ 平澤智 殺陣:諸鍛冶裕太
装置:稲生英介 衣装監修:有村 淳 衣装:植村麻衣子
出演:暁 千星 瑠璃花夏 美稀千種 輝咲玲央
紫りら 朝水りょう 澪乃桜季 夕渚りょう
七星美妃 天飛華音 紘希柚葉 綾音美蘭 碧音斗和
稀惺かずと 乙華菜乃 藍羽ひより ほか
2024年6月5日(水) 4:00pm シアター・ドラマシティ 4列下手
(上演時間: 2時間30分/休憩 25分)

©宝塚歌劇団
物語の舞台は19世紀初頭のイギリス。
テムズ河口近くの片田舎。両親を亡くし、姉ジョージアナ(澪乃桜季)の嫁ぎ先である鍛冶屋のジョー(美稀千種)に引き取られたピップ(暁千星)は幼いころ、脱獄囚に脅され、自宅から食料とヤスリを盗んで渡してしまったことがいつまでも心に残っていました。ある日、近所の大邸宅に住むミス・ハヴィシャム(七星美妃)から養女エステラ(瑠璃花夏)の遊び相手として招かれます。高慢ながら美しいエステラに心惹かれ、彼女に見合う紳士になりたいという願いを抱くピップでしたが、ジョーのもとで鍛冶屋の道を歩み始めます。
数年後、ピップのもとに莫大な財産の相続人に指名されたという知らせが突然届きます。紳士になるため、故郷の人々に別れを告げロンドンへと旅立つピップ。ロンドンでは田舎暮らしとは一変した夢のような暮らしが待っていました・・・。
「大いなる遺産」はイギリスの文豪チャールズ・ディケンズの代表作の一つで、これまで幾度も映像化され、宝塚歌劇でも1990年に剣幸さん主演の月組で上演されたということですが、いずれも観ておらず、もちろん原作も読んだことなくて全くの初見でした。
原作未読のため、どのくらい潤色されているのかわかりませんが、鈴木圭先生の脚本は「光と闇」をテーマに据えていて、財産を手に入れ、ロンドン社交界で虚飾にまみれて”闇堕ち”したピップが、”光の世界”を取り戻すという構成になっていました。
ラストでピップとエステラが一緒に見る朝日が、一度は闇堕ちしたピップの心を再び照らす光のようで、素敵なシーンでした。
”闇”を象徴する存在として、天飛華音さん扮する闇と男女の闇ダンサーズがいろんな場面に登場して妖しく踊りまくるのもよかったです。
ピップが脱獄囚エイベル・マグウィッチ(輝咲玲央)に脅される場面から始まります。
少年期のピップを藍羽ひよりさん、少女期のエステラを乙華菜乃さんが演じています。この二人、「RRR」ではそれぞれシータの少女時代、ラーマの少年時代を演じていて、今回男女が逆転していますが、いつも安心安定のかわいさと上手さ。
このマグウィッチが物語の鍵を握る人物だと最後の方でわかるのですが、この冒頭の時点では場面が暗かったことと、闇ダンサーズを把握するのに夢中で誰か気づかず・・・幕間に会った友人に「オレキザキ 一幕出てなかったよね?」と言って、「出てましたやん、脱獄囚」と言われる始末です💦
続きがあります