2019年04月06日

翼の生えた獅子の背に乗れば 花組 「CASANOVA」


casanova.jpg18世紀 イタリアのヴェネツィアに実在した稀代のプレイボーイ ジャコモ・カサノヴァ。
そのカサノヴァを主人公に「人生には、恋と冒険が必要だ」と、生田大和先生のオリジナル・ストーリーで描く祝祭喜歌劇。

1本立てで、「太陽王」や「1789」「アーサー王伝説」などを手がけたドーヴ・アチアさん全曲書き下ろしの楽曲、指揮は塩田明弘さんと、力の入った公演です。
花組トップ娘役 仙名彩世さんはじめ花野じゅりあさん、桜咲彩花さん・・・花組が誇る美しい花たちのサヨナラ公演ともなりました。


宝塚歌劇花組公演
祝祭喜歌劇 「CASANOVA」
作・演出: 生田大和  
作曲: ドーヴ・アチア
装置: 二村周作
出演: 明日海りお  仙名彩世  柚香光  高翔みず希  
花野じゅりあ  瀬戸かずや  鳳月杏  桜咲彩花  
水美舞斗  城妃美伶  音くり寿  華優希  舞空瞳/夏美よう ほか

2019年2月14日(木)11:00am 宝塚大劇場 1階26列下手/
2月28日(木) 11:00am 1階13列センター



物語: 数々の女性と浮名を流したカサノヴァ(明日海りお)はヴェネツィアの風紀を乱した罪で異端審問にかけられ有罪となって鉛屋根のブロン監獄に投獄されますが、同室となった神父のバルビ(水美舞斗)とともに脱獄。折からのカーニバルの喧騒にまぎれて逃亡しようとしますが、その最中、ベアトリーチェ(仙名彩世)という女性と出会います。彼女はヴェネツィア総督(高翔みず希)の姪で、修道院での行儀見習いを終え、総督の娘としてヴェネツィサに迎えられていました・・・。


どんな女性にもモテモテの色男で、自由を愛して、何とかなるさ~と楽天的な(実際いつも何とかなってきた)カサノヴァと、修道院育ちで世間知らずのお嬢様ながら積極的で行動力があってしなやかに強いベトリーチェ。
この二人に加えて、
カサノヴァに敵対心を燃やし、ヴェネチアをわが物にしようと画策する審問官コンデュルメル(柚香光)と、黒魔術に傾倒する夫人(鳳月杏)
ベアトリーチェの婚約者の富豪コンスタンティーノ(瀬戸かずや)とコンデュルメルの元愛人で今はカサノヴァの愛人の一人ゾルチ夫人(花野じゅりあ)
という3組のカップルが織りなす恋模様。
こういうふうになるんだろうな、と思う通りに物語は進みます。

驚きとか感動はないけれど、「祝祭喜歌劇」という名のとおり、明るく華やかで楽しくて、最後は誰も不幸にならないハッピーエンド。観ていて幸せになる舞台でした。


ドーヴ・アチアさんの音楽は、ソロが多くて聴き応えもたっぷり。壮大な曲あり、ラップあり、ちょっと歌謡曲風ありと彩り豊か。
ベアトリーチェが最初にヴェネツィアに降り立った時、あの有名な有翼の獅子像を見て、「本当に翼が生えているのね!」と言って ♪翼の生えた獅子の背に乗れば どこまでも飛べるわ ボンジョルノ!ボンジョルノ!と歌う希望に満ちた歌が印象的でした。

また、サン・マルコ寺院などの舞台美術が奥行きがあってシックな色合いでとても素敵だな~と思いながら観ていて、後でプログラム確認したところ二村周作さんで、なるほど!と感心した次第。
ベアトリーチェの数々の綺麗でかわいいドレスをはじめ、有村淳さんの衣装もよかったな。



image1 (11).jpg


カサノヴァの明日海りおさんは、1017人の女性を・・という稀代のプレイボーイというにはさわやかさが勝ちすぎるかなーと思いましたが、イケメンぶりは申し分なし。
カサノヴァの脱獄がうまく行きすぎで、追い詰められて牢獄の屋根から運河に飛び降りたカサノヴァが、実は用意していた迎えのゴンドラに乗っている、なんて、まんま「ミッション インポッシブル」じゃん!と心でツッコミましたが、まぁ、楽しいから許す(笑)。

輝くような美しさでどんな衣装も髪型も、本当によくお似合い。歌声にもますます磨きがかかって、まさに“みりお黄金時代”ですね。
(・・・この後、次の公演での退団が発表されて、黄金時代ってほんとに長くは続かないのね、という寂しさと、あの輝きはやはりそういうことだったのねと妙に納得する気持ちと)

これが退団公演となるベアトリーチェの仙名彩世さん。
明るく快活で、「(私と)結婚しないの?」と自分からカサノヴァに言っちゃうような積極的なお嬢さんはこれまでの仙名さんにあまり見なかった役柄で、それがまたかわいくて新鮮でした。最後に「総督の娘だから」とカサノヴァについていかずヴェネツィアに残る決意をするのも凛としていてよかったです。のびやかな歌唱は元より。ラストにこんないい役に出逢えたのも、これまでの努力が報われた形ですね。

女性でもう一人印象的だったのがコンデュルメル夫人ロザリアの鳳月杏さん。
配役が発表になった時、「え~っ ちなっちゃんの男役観られないなんていやだ~」とぶーたれていたのですが、とても存在感のある素敵な役でした。
プライドが高く、夫を愛しているのに素直に口に出せず、黒魔術に傾倒するのは夫に愛されない寂しさの裏返し。
妖艶なクールビューティであまり表情を変えない中で時折見せる寂し気な雰囲気が孤独感を際立たせていました。
抜群のスタイルを脚見せのシックなドレスに包み、女役の高音が難なく出せる力強い歌唱もすばらしかったです。
フィナーレの男役群舞で男役・鳳月杏を観られたのもうれしかったけれど、顔が周りと比べてひと際白かった(笑)。

その夫 審問官コンデュルメルは柚香光さん。
悪役フェチとしてはビジュアルすごくカッコよくてとなったのですが、悪役なのだけどどことなくコメディタッチで軽くて詰めが甘い・・・これは柚香さんの役づくりというより脚本がそうなのだと思いますが。もっと「完全な黒」にしてもよかったのではないかなぁと思います。
ちょっとくぐもって聞える台詞はまだしも、やっぱり課題の歌はもっとがんばれ。

控えめながらベアトリーチェのよき理解者でもある侍女 ダニエラの桜咲彩花さん
たおやかで美しくいかにも良家の奥方様風情のゾルチ夫人 花野 じゅりあさん
男装姿が目を見張るくらい美しかったアンリエットの城妃美伶さん
キュートな仔猫ちゃんベネラの音くり寿さん
リアルお人形のように可愛らしいセラフィーナの華優希さん
役名よくわからないけど(←)どこにいても目立つ舞空瞳さん
花組は本当に美しい娘役さん豊富です。

もちろん男役だって負けていませんが、カサノヴァとコンデュルメルに加えて、コンスタンティーノの瀬戸かずやさん、バルビ神父の水美舞斗さん、そして水戸黄門みたいにラスボス感たっぷりのミケーレ伯爵 夏美ようさん以外はあまり印象に残る役がなかったかなぁ・・・綺城 ひか理さんのモーツァルトもちょっと周りに埋もれてしまった印象でした。


パレード:
エトワール 音くり寿
綺城ひか理・華優希・飛龍つかさ
桜咲彩花・水美舞斗・城妃美伶
鳳月杏
瀬戸かずや
柚香光
仙名彩世
明日海りお


*音くり寿さん初めてのエトワール



楽しかったけれど後にはなーんにも残りません のごくらく地獄度 (total 2037 vs 2038 )


posted by スキップ at 23:05
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