2023年01月30日

満天の星よ教えてくれ 俺のストーリー 星組 「JAGUAR BEAT」


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半人半獣のJAGUARを主人公に、その生命と愛を軸に展開するストーリー仕立てのショー。
名もない星のジャングルで生まれたJAGUAR(礼真琴)は、美しいCRYSTAL BIRD(舞空瞳)に恋をし、彼女に誘われて未知なる世界への旅に出ます・・・。


宝塚歌劇 星組公演
メガファンタジー 「JAGUAR BEAT-ジャガービート-」
作・演出:齋藤吉正
作曲・編曲:手島恭子  青木朝子  長谷川雅人  多田里紗
音楽指揮:西野淳
振付:御織ゆみ乃  AYAKO  港ゆりか  百花沙里  松本稽古  
装置:川崎真奈   衣装:大津美香   映像:川上哲一
(上演時間: 55分)


出演者、観劇日時は「ディミトリ」と同じ(こちら


宝塚大劇場の初日に観た時の第一印象は
「いかにもザ・ヨシマサ・ワールド。音と色彩の洪水甚だしく、ちょっと消化しきれず。やっぱりヨシマサ先生とは相性よろしくないかも」
というものでした。

この印象はしばらく続いて、「『Gran Cantante!!』がよかった」とか「モアダン観たい」と思ったものです。
緩急というものなく、ずっと”急”というか、プロローグ・中詰・中詰・中詰・フィナーレみたいな感じでハイテンションの同じような場面と音楽、衣装が続いて、とにかく長く感じました。

ロケット(センターは綾音美蘭さんと詩ちづるさん)がプロローグにあったり、デュエットダンスが終わって大階段も出ているのでパレードと思いきや、極美慎くんが下手からせり上がってきてジャガーメドレーが始まって、変形黒燕尾や2回目のデュエダン?などもう一盛上がりも二盛り上がりもある構成。
初日観終わった後はヘトヘトでした💦

”ストーリー仕立てのショー”といえば、古くは鴨川清作先生の名作「ノバ・ボサ・ノバ」、最近では上田久美子先生の「BADDY」が思い浮かびます。汀夏子さんトップ時代の雪組「Non, Non, Non」(作:草野旦)も大好きでした(古すぎて誰も知りません)。
が、この「JAGUAR BEAT は、観ていてもどんなストーリーなのかさっぱりわかりません。

ところが

慣れというのはおそろしいもので、あのギラギラチカチカにも目は慣れてくるし、曲も入ってくるようになると、ちゃんとストーリーも見えてきました。
その転換になったのは、12月2日 礼真琴さんのバースディ公演を観た時から。
みんなが「ジャガー Happy Birthday!」と呼びかけて、ジャガーが「Thank you!」と応える多幸感に満ちた空間が広がり、私の中で JAGUAR=礼真琴 がピタリと一致して、JAGUARがとても愛おしく思えてきたのでした。

最初は「ビッ ビッ ビッ」としか聞こえなかった主題歌も中毒性があって、この頃には帰り道歩きながら ♪Show me Show you 夢一夜~ と口ずさむまでになりましたよね。


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2023年01月29日

讃えられてあれ 新たなる光よ 星組 「ディミトリ~曙光に散る、紫の花~」


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13世紀のジョージア(旧グルジア)の史実を踏まえた並木陽さんの小説「斜陽の国のルスダン」を原作に、実在の女王ルスダンの王配として生きたディミトリを主役に置き換えた作品。
スィクヴァルリ(愛)・シブルズネ(知恵)・ガンベダオバ(勇気)という名の薄紫のリラの精たちが語り継ぐ、切なくも美しい愛の物語。
とても、とても心に響きました。


宝塚歌劇 星組公演
浪漫楽劇 「ディミトリ~曙光に散る、紫の花~」
─並木陽作「斜陽の国のルスダン」より─
脚本・演出:生田大和
作曲・編曲:太田 健   音楽指揮:西野 淳
振付:御織ゆみ乃  桜木涼介  ノグチマサフミ
擬闘:栗原直樹   装置:國包洋子   衣装:加藤真美
出演:礼 真琴  舞空 瞳  瀬央ゆりあ  暁 千星  美稀千種  白妙なつ
大輝真琴  輝咲玲央  ひろ香 祐  紫 りら  音咲いつき  朝水りょう
綺城ひか理  有沙 瞳  天華えま  天希ほまれ  小桜ほのか  遥斗勇帆
蒼舞咲歩  極美 慎  碧海さりお  夕陽真輝  天飛華音  奏碧タケル
水乃ゆり  瑠璃花夏  詩 ちづる  藍羽ひより ほか

2022年11月12日(土) 1:00pm 宝塚大劇場 2階1列センター/
11月13日(日) 11:00am 2階6列下手/11月17日(木) 3:30pm 2階16列上手
11月24日(木) 11:00am 1階8列下手/11月27日(日) 3:30pm 2階16列センター
12月2日(金) 1:00pm 2階13列センター/12月4日(日) 3:30pm 1階25列上手
12月11日(日) 11:00am 1階7列センター/12月13日(火) 1:00pm 1階12列下手
2023年1月14日(土) 11:00am 東京宝塚劇場 2階7列下手/3:30pm 1階1列上手
(上演時間: 1時間35分)



礼真琴生誕祭(12月2日)のレポはこちら



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物語も音楽も衣装も、すべて美しく、繊細な脚本と演出、それに応える出演者たちの熱演。
ディミトリとルスダンの愛を縦糸に、国や宗教、それぞれの人物の思いが織りなす重厚な物語。
最初に観た時から泣いて、観るたびに泣くポイントが増えていきました。


★物語
13世紀前半 東ヨーロッパの小国ジョージアが物語の舞台。
ディミトリ(礼真琴)はイスラム教国ルーム・セルジュークの王子ですが、友好の証=人質として隣国ジョージア王国に送られ、国王ギオルギ(綺城ひか理)の妹ルスダン(舞空瞳)と幼いころから心を寄せ合っていました。ところがある日、突如来襲したチンギス・ハーン(輝咲玲央)率いるモンゴル軍との戦闘でギオルギ王が瀕死の重傷を負い、ルスダンを女王に、にディミトリをその王配となるよう遺言を遺してこの世を去ります。ギオルギ王を崇拝していた副宰相アヴァク(暁千星)はこれに反発、ディミトリはその出自ゆえに廷臣たちからも政に関わることを拒否されます。それでも、タマラ(藍羽ひより)という娘も生まれ、平穏に暮らしていた二人ですが、今度はジョージア同様モンゴルに侵略され自国を失ったホラムズの帝王ジャラルッディーン(瀬央ゆりあ)が国土を求めて現れます・・・。


上演が発表された時に原作を読んで、すべての観劇が終わってからもう一度読み直したのですが、ほぼ原作に忠実なストーリー。
台詞や歌詞も原作の語句そのままというところも多く、それらがうまく取り入れられていることにも改めて感心しました。

たとえば、トビリシの市
  農夫さえ まるで貴族さ
  貴族なら もはや王族
  王族とくれば それは王様
  豊かなるこの街 トリビシでは~

って、小説の中の一文があんなに陽気で元気な歌詞になって歌い踊るなんて!

ジャラルッディーンとの最初の登場シーンで、ナサウィー(天華えま)が「我が君の御為とあらば、いつなりと名文を書いてみせますとも」と言ってウィンクしますが、ちゃんと原作に「片目をつぶってみせた」と書いてあって、原作通りなんだ!となりました。
ちなみにここのナサウィー、とてもやわらかな物腰なのに、ジャラルッディーンが歌う曲のイントロが流れた途端、パシッとスイッチ入って戦闘的なキリッとした表情になるの、とてもよくて毎回ガン見です。


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2023年01月22日

夢の先へと踏み出す勇気 宙組 「夢現の先に」


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宙組101期 鷹翔千空さん バウホール初主演
そして、作・演出の生駒怜子先生もこれが演出家デビューとWおめでたい作品

1月5日の初日が開いた翌日から休演となってしまってどうなることかと思いましたが、1月13日から公演再開。
さらには、1月17日から21日まで追加公演が上演されるという、劇団所有劇場の強みを発揮。
私も最初に取っていたチケットは飛んで行ってしまいましたが、振替していただいて無事観ることができました。


宝塚歌劇 宙組公演
ウ・ドリーミング 「夢現(ゆめうつつ)の先に」
作・演出:生駒怜子   
作曲・編曲:手島恭子
振付:若央りさ  AYAKO
装置:川崎真奈   衣装:薄井香菜  
出演:鷹翔千空  秋奈るい  花菱りず  澄風なぎ  亜音有星
朝木陽彩  山吹ひばり  泉堂 成  大路りせ  奈央麗斗 ほか

2023年1月19日(木) 11:30am 宝塚バウホール 11列下手/3:00pm 3列上手
(上演時間: 2時間30分/幕間 25分)



物語:”僕”(鷹翔千空)は毎晩悪夢にうなされるのが日常となっていますが、ある夜、夢の中に”彼”(亜音有星)が現れ、「明るい夢の世界へ行こう」と”僕”を連れ出します。そこには夢の世界の住人やもふもふの白い羊たち、そして“僕”が密かに想いを寄せる“彼女”(山吹ひばり)とそっくりな女性の姿も。1ヵ月前の雨の日に傘をさしかけてくれた彼女にひと目ぼれしたものの、傘を返すことも自分の思いを打ち明けることもできないでいた”僕”は、”彼”や羊たち、夢の世界の住人たちに励まされ、傘を返す練習をして、現実世界で“彼女”の勤める花屋へ傘を返しに行きます・・・。


”僕”の夢と現実が交錯して繰り広げられる世界。
作品のアウトラインが発表された時も、このポスタービジュアルが公開された時も「??」な感じでしたが、その先入観はよい意味で裏切られました。

ストーリーを全く知らずに観ましたので、一幕は、”空想と現実をまじえたファンタジーなラブストーリー”という印象だったのですが、”彼”がどういう人物なのか、”彼”と羊たちとの関係は・・・などがわかってくる二幕の展開に涙。


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2023年01月21日

一生忘れられない誕生日になりました 宙組 「芹香斗亜ディナーショー」


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宙組トップスター目前(かな?)の芹香斗亜さん。
初めてのディナーショーです。

NYのジャズバーがコンセプトの、洗練された大人のショー。
キキちゃんにとてもよくお似合い。
千穐楽となったこの日は奇しくもキキちゃんのバースデイでした。


宝塚歌劇 宙組公演
芹香斗亜ディナーショー「KISS -kiki sing&swing-」
作・演出:三木章雄
出演:芹香斗亜/風色日向  春乃さくら  真白悠希  葉咲うらら

2023年1月20日(金) 7:45pm 宝塚ホテル(配信視聴)
(上演時間: 1時25分)



ジャズバーということで、英語の歌も多く、スタンダードジャズナンバーや、キキちゃんが大好きだというバート・バカラックメドレー、そしてもちろん宝塚の曲も・・・センスよい選曲で楽しませていただきました。
共演の3人もさすがに歌唱力安定のメンバーで、コーラス含めて耳福の時間でした。


セットリスト
1. KISS is my life.
2. What The World Needs Now Is Love
3. What's New Pussycat? (風色・真白)
4. I Say A Little Prayer (春乃・葉咲)
5, I'll Never Fall In Love Again
6. (They Long To Be) Close To You
7. Walk On By
8. Do You Know The Way To San Jose
9. Fly Me To The Moon
10. Take Five
11. 枯葉
12. Sway
13. MY HERO  (MY HERO) 風色・春乃・真白・葉咲
14. 五線譜に描く夢 (フォーエバー・ガーシュイン)
15. The Neva Flows (アナスタシア)
16. Journey To The Past (アナスタシア)
17. We Don't Talk Anymore
18. Nothing Like Us
Encore
19. This Love



毛皮のロングコートで登場した芹香さん。
オープニングの曲は「KISS is my life.」
このディナーショーのためにつくられた曲かと思いきや、草彅剛さんと香取慎吾さんのユニット SingTuyo の楽曲なのだとか。

1曲終わったところでメンバー紹介。
自己紹介で一人ずつ特技を披露します。

葉咲うららさん:早口ことば。
福岡出身ということで博多弁の早口ことば。
「おっとっととっとってっていっとったとになんでとっとってくれんかったとっていっとーと」だったかな。
「おっとっとを取っておいてって言ってたのにどうして取っておいてくれなかったの?って言ってるのよ」という意味だそうです。早口で鮮やかに2回繰り返していました。


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2023年01月18日

真風涼帆が歩いてきた道 宙組 「MAKAZE IZM」


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今年6月11日をもって退団が決まっている宙組トップスター 真風涼帆さんのリサイタル。
昨年7月の「FLY WITH ME」がLDHとのコラボで楽曲もそちら寄りだったのに対し(パン屋さんでアルバイトをしていた少女時代の真風さんの寸劇もありましたが)、今回は純粋に”真風涼帆のこれまでの歩みを思い出のナンバーを中心にしたリサイタル”。

歌と踊りで綴る真風涼帆が歩いてきた道。
懐かしい曲モリモリで楽しかったです。


宝塚歌劇 宙組公演
真風涼帆リサイタル 「MAKAZE IZM」 ライブ中継
構成・演出:石田昌也  
作曲・編曲:手島恭子  太田健  高橋恵  玉麻尚一
振付:御織ゆみ乃  若央りさ  AYAKO  平澤智  百花沙里  
装置:稲生英介   衣装:大津美希
出演:真風涼帆  寿 つかさ  松風 輝  桜木みなと  秋音 光  紫藤りゅう  
小春乃さよ  瑠風 輝  若翔りつ  優希しおん  天彩峰里 真名瀬みら
水音志保  雪輝れんや  潤 花  花宮沙羅  湖風 珀  夢風咲也花  有愛きい
彩妃 花  嵐之 真  愛未サラ  美星帆那  鳳城のあん  風羽咲季

2023年1月15日(日) 3:30pm TOHOシネマズなんば スクリーン6 
(東京国際フォーラム ホールC)
(上演時間:2時間



構成・演出の石田昌也 先生はこの作品を担当するにあたりすこし躊躇されたのだとか。
それは、「FLY WITH ME」を観て、自分が新しい時代について行けてないという思いがあったからだそうです。
「へぇ~、自覚あるんだ」と意外でした(毒舌(≧▽≦))
よくも悪くも石田先生らしくもあり、オーソドックスなつくりで破綻なく、真風さんファンにとっては満足なショーだったのではないかしら。

休憩なしの1時間40分(MC長かったりカーテンコール含めて実質2時間)。

1.オープニング
2.ダンディー
3.風と共に去りぬ
4.ジャポネスク
5.海人イレブン
6.ガール・IZMからフィナーレへ
7.アンコール 希望という名の光

という7つのパート構成でした。


♪俺は俺らしく 君は君らしく 胸を張って生きてゆこう
というポジティブなテーマソング「MAKAZEIZUM」から始まるプロローグの後、トップバッターは桜木みなとさん。
「カルトワイン」から「ワイン狂想曲」。
この曲やっぱり好きだし「カルトワイン」もう1回観たかったなと思いました。中止になってしまって本当に残念。


「ダンディー」のコーナーでは、寿つかささんの「Mr Bojangles」が始まってびっくり。
真風さんのトップお披露目公演のショー「シトラスの風」(2018年)の中ですっしーさんが踊った名場面で、力つきて動かなくなる老ダンサーがとても印象的でした。あれをもう一度観られるなんて。もしかしてすっしーさんも真風さんとともに退団か専科異動かな?と余計な勘ぐりをしてしまいました。

「オーシャンズ11」から 「JACKPOT」、「ロミオとジュリエット」から「今日こそその日」とヒットナンバーが続きます。
こうしてみると、真風さんは星組三番手時代(つまり柚希礼音さんトップ時代)からずっと観ていたなぁと改めて思いました。
宙組に異動してからも、観ていないのは多分博多座の「黒い瞳」だけだったのではないかしら。

「NICE GUY‼」では、桜木みなとさん主導で客席も手拍子で参加。
「お茶の間でも、映画館で観ている人もやって」とおっしゃって隣のカップルの男性は手拍子していました。


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2023年01月11日

あなたは難しい方を選んでください 雪組 「蒼穹の昴」


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宝塚歌劇での上演が決まってから原作を読んで(こちら)、あまりの面白さにその後、「珍妃の井戸」「中原の虹」「マンチュリアン・リポート」とこのシリーズをずんずん読みました。特に「中原の虹」では、張作霖のカッコよさにとなり、「蒼穹の昴」ラストで日本に亡命した梁文秀が出てきた時には「文秀 生きてた~」と思わず手を叩いたくらい←

それほど思い入れのある作品。
文庫本4冊にもなる長編大作を、1本ものとはいえフィナーレ含めて2時間半の舞台でどのように描くのか、楽しみでもあり不安でもありました。
が、原田諒くんがんばった←どんな上から目線 (≧▽≦)

原田諒くんについては昨年末にとんでも事案が発覚しましたが、それはこの作品のすばらしさや、この作品をよきものにしようと一丸となってがんばった役者さんたち、スタッフさん、舞台関係者の皆さまの努力とは別次元の話なのでこの際スルー。


宝塚歌劇 雪組公演 
グランド・ミュージカル 「蒼穹の昴」
原作:浅田次郎 「蒼穹の昴」
脚本・演出:原田 諒   
作曲・編曲:玉麻尚一  音楽指揮:御﨑 恵
振付:羽山紀代美  麻咲梨乃  AYAKO  百花沙里
京劇指導:張 春祥   所作指導:袁 英明   
装置:松井るみ   衣装:有村 淳
出演:彩風咲奈  朝月希和   朝美 絢  和希そら  縣 千  夢白あや
奏乃はると  真那春人  久城あす  天月 翼  叶ゆうり  諏訪さき
野々花ひまり  眞ノ宮るい  星加梨杏  一禾あお  咲城けい  壮海はるま
音彩 唯  紀城 りや  華世 京
/凪七瑠海  京 三紗  汝鳥 伶  一樹千尋  夏美よう  悠真 倫 ほか

2022年10月6日(木) 3:30pm 宝塚大劇場 1回階12列センター/
10月27日(木) 3:30pm 2階1列センター/
10月30日(日) 11:00am 1階13列上手/
11月3日(木) 3:30pm 2階6列下手/
11月6日(日)11:00am 1階21列センター/
12月6日(火) 6:30pm 東京宝塚劇場 1階17列下手/
12月25日(日) 1:00pm TOHOシネマズなんば(ライブ中継)
(上演時間: 3時間5分/休憩 35分) 



光緒12年(1886年)から光緒25年(1899年)までの清朝末期の物語。
梁家屯の地主の次男・梁文秀(リァン・ウェンシウ/彩風咲奈)は、村に住む老占い師の白太太(京三紗)から「汝は帝を扶翼し奉る重き宿命を負うておる」と予言されたとおり、熾烈な科挙試験に状元(首席)で合格し、ともに合格した順桂(和希そら)、王逸(一禾あお)とともに翰林院で九品官人法の官僚となります。
一方、文秀の夭逝した友人の弟で義兄弟の契りをかわした李春児(リィ・チュンル/朝美絢)もまた、極貧の中、白太太から告げられた「その手にあまねく財宝を手にするだろう」という言葉を信じて自ら浄身(去勢)し、妹・玲玲(リンリン/朝月希和)を故郷に残して宦官となって紫禁城に出仕します。
折しも清朝内部では、政治の実権を握っている西太后(一樹千尋)を戴く栄禄(悠真倫)をはじめとする保守派と、西太后を引退させて清国第十一代皇帝・光緒帝(縣千)の親政を実現しようとする楊喜楨(夏美よう)を筆頭とした変法派とに分かれ、激しく対立していました。
光緒帝を支え、変法派若手官僚の俊英としてその中心となる文秀、西太后の寵を得て、誰よりもその側近く仕える春児。
敵味方に分かれてしまった2人が、滅びゆく清朝の中で自らの宿命を全うして懸命に生きる姿を、滅びゆく清朝と彼らを取り巻く人々とともに壮大に描いています。



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キャストが発表された時、主要人物ばかりでなく、ミセス・チャンやトーマス・バートン、岡圭之介、安徳海や黒牡丹なども役名があがっていて「え?その人も出てくるの?」「あのエピソードもあるの?」と驚いたものですが、原作の序盤で長く描かれた文秀の科挙試験のくだりをバッサリカットしたのをはじめ、物語の出来事を取捨選択しつつダイジェスト版にならなかった脚本の手腕が光ります。

西太后が身を引いて紫禁城から頤和園へ移る決意をし、これからは光緒帝の治世、と変法派に希望が見えてきた矢先に楊喜楨が暗殺されるまでが一幕(蠍の毒で殺される原作に対して、銃殺となっていました)。
風雲急を告げる二幕はさすがに急ぎ足の印象で、「これ、原作読んでいない人理解できるのかな?」とも思いましたが、友人に聞いたところプログラムと公式サイトの人物相関図で何とかなったそう。

細部まで考証された衣装や舞台装置は華やか。
専科から特出の6名と雪組総力あげて、スケール感たっぷりに重厚な世界を描き出して、楽曲もすばらしく、見応え聴き応えのある作品となっていました。

物語の冒頭、白太太に促されて昴を見上げる文秀と春児、玲玲。
2階6列下手で観た時、ちょうどその視線の先が私たちの座席で、オペラのぞく目が合うくらい。
幕間に隣席の友人と「私たち昴だったねぇ」と喜んだものでした(^^ゞ


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