2022年06月29日

3年ぶり! 「船乗り込み」が帰ってきた


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大阪松竹座 七月大歌舞伎恒例で大阪の夏の風物詩の一つでもある「船乗り込み」。
コロナ禍の下、一昨年、昨年と中止となり、本日 令和4年6月29日 3年ぶりに開催されました。

感染対策として、一般の乗船はもちろん、観覧も公式には中止(それでもたいくさんの方がご覧になっていました)、関係者のみが限られたエリアで応援するという形でしたが、七月大歌舞伎を主催する「関西・歌舞伎を愛する会」の友人の誘っていただいて、応援隊の一員として参加することができました。


朝からぐんぐん気温が上昇するあっつい日でしたが、風が結構吹いていましたので、そこまで暑さは感じず。
12時40分ごろ、役者さんたちを乗せた船が目の前にやってきた時には楽しさにテンション上がり、暑さのことなんてすっかり忘れていました。
応援隊は写真撮影禁止でしたので画像はありませんが、YouTube 松竹チャンネルでライブ配信されましたのでこちらでご覧になることができます。

最初に現れた船には、鴈治郎さんを真ん中に扇雀さん、孝太郎さん、後列に亀鶴さん、松之助さん、寿治郎さんが乗船。
二隻目は、幸四郎さんの左右に勘九郎さん、七之助さん、後列は隼人さん、虎之介さん、千之助さんという若手チームでした。
沿岸の私たちは声援やかけ声はできないものの、用意された手袋を着用して紙吹雪、紙テープ、クラッカー、そしてもちろん目一杯の拍手で盛り上げました。

戎橋のところでとまって、演目・役名の口上に合わせて一人ずつ立ち上がってご挨拶。
「祇園恋づくし」で幸四郎さんが立ち上がると負けじと鴈治郎さんも立ち上がって、二隻の船のあちらとこちらでやり合うユーモラスなやり取りも。
幸四郎さんは橋の上や、船上の他の役者さんをご自身のスマホで撮影されたりもしていらっしゃいました。

最後は両岸からバズーカの白い紙吹雪が盛大に舞い上がってとても綺麗でした。



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配布された応援グッズ。
団扇や役者さんもつけていたマスク、撒ききれなかった紙吹雪など。
下に敷いているのは演目や役者さんのお名前の入った、関西・歌舞伎を愛する会のバンダナ。
これをどこかにつけて目印としました。


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2022年06月23日

祝2周年 「歌舞伎家話 配信開始2周年スペシャル」


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緊急事態宣言下で歌舞伎公演が全く止まっていた2020年5月に第1回目の配信がスタートした歌舞伎家話(こちら)。

もう2年にもなるのかとも思い、昨年5月にはいのうえひでのりさん、古田新太さんをゲストに迎えて1周年記念が配信された(こちら)のがつい昨日のことのように感じるのにもう1年経ったのかといつもながら時の流れの速さに唖然とする思い。

ということで、今回は歌舞伎家話 配信開始2周年スペシャル。
豪華ゲストは天海祐希さんです。


これは、2020年5月にスタートした歌舞伎俳優らによるオンライントークショー「歌舞伎家話」が、配信2周年を迎えることを記念して開催されるトークショー。第1回に出演した幸四郎がホストとなり、天海をゲストに迎えてトークする。


歌舞伎夜話特別編 「歌舞伎家話」 第15回 配信開始2周年SP
出演: ホスト 松本幸四郎   ゲスト 天海祐希

2022年6月16日(木) 8:00pm 配信視聴
(配信時間: 90分)



今回、幸四郎さん、天海さんは画面越しではなく、松羽目の前のステージのようなところに間隔を置いて並んで座る形(間にはもちろんアクリル板)。進行の戸部和久さんも向かって左端に着席されていて、3人顔合わせ。
2年という年月の経過は、私たちの日常にも少しずつ”元の形”をもたらしつつありますが、第1回目から視聴している歌舞伎家話にも、と何だか感慨深かったです。


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2022年05月25日

7年ぶり 南座「歌舞伎鑑賞教室」


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歌舞伎の魅力をより多くのお客様に知っていただこうと平成5(1993)年に始まった南座の歌舞伎鑑賞教室。
このフライヤーを見て、「あれ?何だか久しぶり」と思ったのですが、何と7年ぶりの開催だとか。

茂山逸平くんの解説に、千壽さん、吉太朗くんの「吉野山」だなんて、そりゃ観たいでしょ、と張り切ってチケット取りました。


南座 歌舞伎鑑賞教室
2022年5月15日(日) 1:00pm 南座 1階3列センター



一、歌舞伎のいろは
出演:茂山逸平
   片岡千太郎  片岡佑次郎  片岡富史弥  鈴木実
(上演時間: 40分)



茂山逸平さんが狂言の冠者の姿で舞台に現れて相変わらずよいお声で「これはこのあたりに住まいいたす者でござる」と狂言の名乗り。
「今度歌舞伎の解説とやらをすることになったが、歌舞伎のことはあまりよく知らない。そうだ!四条の南座で歌舞伎鑑賞教室なるものが開かれておるらしいので、拙者も行って学んで来よう」というようなことを言って一旦引っ込みます。

再び登場した逸平くんはお着物も紋付き袴にお召し替えされていて、いつもの話し口調。
ここから解説が始まります。
狂言もチラリと聴くことができて、始まりから何だかお得感満載(そもそも全席3,500円というチケット代が驚くほど安い)。

自分は狂言師だから、とまずは能舞台と松羽目について解説。
そして、能と狂言の始まりについて簡単に説明した後、出雲阿国から始まった歌舞伎がどのようにして今の男性だけで演じる形になったのかというお話に至りました。

片岡富史弥さんが加わって、まずは普通のおっさん(笑)がどのようにして女性になるか、の実演。
富史弥さん、拵えも顔もせず、素のままなのですが、肩を落として肩甲骨を狭めて足に手ぬぐい挟んで・・・と女形をしたら劇的に変わって、会場一瞬どよめきました。
教わったとおりにやってみた逸平くんはなかなか女性には見えなかったけれど(^^ゞ

片岡佑次郎さんが登場して見得の実演や、ツケや太鼓の音が何を表しているか、といった鑑賞教室お約束の解説もありつつ、今回特に楽しかったのは、歌舞伎と狂言の女形を対比して見せてくれたこと。


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2022年05月11日

「三月大歌舞伎」 第三部


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3月にはもう1本歌舞伎を観ました。
こちら。


三月大歌舞伎 第三部
2022年3月8日(火) 6:30pm 歌舞伎座 1階1列下手



一、信州川中島合戦 輝虎配膳
作:近松門左衛門
出演:中村芝翫  中村雀右衛門  松本幸四郎  片岡孝太郎  中村魁春 ほか
(上演時間:43分)



戦国時代。武田信玄の好敵手・長尾輝虎こと後の上杉謙信の物語。
武田の軍師 山本勘助を味方にしようと計略した輝虎(芝翫)は、家老の直江山城守(幸四郎)の妻 唐衣(孝太郎)が勘助の妹であることを利用し、勘助の母 越路(魁春)と妻 お勝(雀右衛門)を館に招待。小袖を進呈したり、自らお膳を供しますが・・・。


タイトルロールは輝虎ですが、2人の女形- 越路お勝のお芝居です。
これまで何度か観ていますが、初めて観た時の竹三郎さんの越路、秀太郎さんのお勝の印象がとても強く、特に秀太郎さんのお勝が絶品で、後に越路を演じられた時にも観ましたが、三つ子の魂何とやらで、私の中ではお勝=秀太郎さんで刷り込まれています。
音舌不自由のところを懸命に話す姿、越路を斬ろうとす輝虎を止めて侘びを述べながらつまびく琴の音色、すべて終わった後花道を引き上げる前に見せるほっとしたような笑顔・・・忘れられません。
調べたところ、2006年7月松竹座のの坂田藤十郎襲名披露興行だったらしく、その藤十郎さんも秀太郎さんももうこの世にいらっしゃらないなんて


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2022年05月08日

身分違いの恋の明暗 「三月花形歌舞伎 午前の部」


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5月に入ってゴールデンウィークもあっという間に去り、もはや1年の半分が終わったくらいの気分ですが、3月に観た舞台の感想ですよ💦

南座の三月は花形歌舞伎。
昨年(こちら)から始まりましたが、昨年の主要メンバーから尾上右近さんが抜けて、今年は坂東巳之助さんと中村隼人さんが加入。午前、午後の役替りで、若さあふれる力の入った舞台を見せてくれました。


三月花形歌舞伎 午前の部
2022年3月6日(日) 11:00am 南座 3階1列センター



ご挨拶
出演:中村米吉  中村橋之助
(上演時間: 10分)



ご挨拶は午前の部が米吉くんと橋之助くん、午後の部が壱太郎くんと隼人くんという振り分けでした。

米吉くんが「自分がしゃべりすぎると橋之助くんが頼り切ってしまってダメだから今日はしゃべりません」というようなことを冒頭に言って、橋之助くんが大汗かいて演目の説明などをしているのを黙って見ているという構図。
「ほんとにしゃべらないの?」と何度も米吉くんの方を見る橋之助くん。

当然のことながらトークはあまりおもしろくありません(笑)。
午前の部を選んだ理由の一つに米吉くんの軽妙なトークが聞きたかったこともあるのにちょっぴり残念。


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恒例の写真撮影タイムもありました。
この日は桟敷席に舞妓ちゃんたちが座っていて華やかで、米吉くんも橋之助くんも何だかうれしそうでした。
右の画像はインスタにポストするために橋之助くんの写真を撮る米吉くん。


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2022年04月02日

中村屋ファミリーが春と一緒にやってきた 「陽春特別公演2022」


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中村屋さんの春の公演は3月に全国16ヵ所で開催される「春暁特別公演」と3月30日から4月4日まで5ヵ所をまわる「陽春特別公演」があって、
どちらも関西に来てくださったのですが、勘九郎さん、七之助さんの「かさね」をまだ観たことがないし、勘太郎くん・長三郎くんも出るしということで「陽春」の方を選びました。

「『かさね』はパリで踊ったことあるけど日本で踊るのは今回初めて」と七之助さんがトークでおっしゃっていて、やっぱりこちらを選んで正解!となりました。


「中村勘九郎 中村七之助 中村勘太郎 中村長三郎 陽春特別公演2022」
2022年3月31日(木) 11:30am フェニーチェ堺 大ホール 1階9列センター



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会場に入って、中村屋さんのこの黒・白・柿色の定式幕と角切銀杏の揚幕を見たら何だか胸がいっぱいになりました。


一、玉兎 
出演:中村勘太郎  中村長三郎
  (上演時間: 18分)



丸い月の中にシルエットで浮かび上がるお餅つきをする月之助(勘太郎)、兎之助(長三郎)。
もうこの時点でかわいくて客席のあちこちから笑い声や「かわいい」という声があがっていたのですが、その満月の中から飛び出してくるようにリアル二人が現れた時は思わず私も「あー」と声が漏れてしまいました。

観ているだけで顔がほころんでしまうかわいらしさ。
少し見ない間に勘太郎くんがグンとお兄さんになっていて、イメージしていたより身長差のある二人になっていました。
4月から6年生になる勘太郎くんと3年生になる長三郎くん。差が出やすい時期ですね。 

月の中で兎が餅つきをしている説を題材にした舞踊で、本来は一人で踊るものですが今回は二人のためにつくられたもの。
途中には「カチカチ山」のうさぎと狸を思わせる振りもあって、楽しい舞踊となっていました。

二人とも教えられたことを日一つひとつきっちり丁寧に踊っている印象でしたが、勘太郎くんが一人で踊る時、小さい長三郎くんがきちんと正座して両手をひざに置いてじっと見ていて、自分の出番になるとすっと立って前へ出ていく姿がいじらしくて立派でウルウル。


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