2023年10月02日

「第39回俳優祭」 やっぱり楽しい模擬店編


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お楽しみ模擬店は一幕終演後。
以前はやる気マンマンで一つでも多くのお店を巡る、といった感じでしたが、もはやそのリキはなく。
前回は聴かずに飛び出した彦三郎さんのご説明もちゃんと最後までお席で聴いて、「みんなー散財してこーい!」という言葉に送られてゆるゆると出動しました。


「お楽しみ模擬店」
企画・構成:中村又五郎  坂東彦三郎 
(時間:50分)



2階画廊の押隈と色紙は開演前にザクッと拝見して、長三郎くんの色紙(5,000円)がとても可愛かったけれど、ほしい人のじゃんけんと聞いていましたので模擬店時間には近づかず。

おなかペコペコで「焼きそばとフランクフルトかなぁ」と思いつつ、高麗屋贔屓といたしましては、まずは幸四郎さんから公式グッズを買いましょう、と3階へ。
模擬店開始5分以内ぐらいの時間帯でしたが、同じ3階にある七之助さんや巳之助さん、橋之助さん三兄弟のゲームコーナーにはすでに長蛇の列ができていました。

それを横目に高麗屋さんの公式グッズ売場へ。
ここも激混みで、やっと売場のテーブルに辿り着いたところ、幸四郎さんも染五郎くんも姿は見えず(染五郎くんは直前の演目に出演されていましたので、少し遅れるかなと予想はしていましたが)。
とはいえせっかくだからと気を取り直してクリアファイルを買おうとしたら目の前で売り切れてあえなく退散。
ならば2階の勘九郎さんの公式グッズ売場へ、と思ったのですが、ここもとんでもなく長蛇の列で近寄れず。

おなかペコペコだったので(2回目)、2階の歌六さん、米吉くんの焼きそば売場に行ったところすでに完売💦
こちらの食堂コーナーは、中車さん、團子くんの唐揚げ・ポテト、菊之助さん、彌十郎さんたちの揚げたこやき・フランクフルト、鴈治郎さん・寿治郎さんの国会カレーパン・コロッケと軒並み完売していました。みんな出足はやーい💦

おなかペコペコだったので(3回目)、仕方なく3階に戻って、眞秀くんからいちご大福を買って(それも残り数個でした)その場でがっついて食べる。
眞秀くんの後方ではお着物お召しになった寺嶋しのぶママが笑顔で見守っていらっしゃいました。

とりあえず空腹は満たされましたので、次は飲物だわと歩いていると、「飲物買っていただいたら壱太郎と虎之介がサインします」という呼び込みが。見ると壱太郎くん、虎之介くんが缶ビールやペットボトルにせっせとサインしていらっしゃいました。
これは!と早速缶ビール買って、缶にではなくプログラムにサインしていただきました。「お写真もいいですか?」と言うとちゃんとそのプログラム持って、わざわざマスクはずして笑顔でカメラに収まってくださお二人。今回の俳優祭で私の中で優勝👑です。


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缶ビールで喉を潤し、そういえば1階まだ行っていなかったと1階に降りて、短パンTシャツでグッズ売る團十郎さんや、カウンター内でテキパキドリンクサービスする錦之助さん、獅童さん、その前で呼び込みしつつ気軽に写真撮影に応じてくださる梅枝さん、マスクでも笑わせてれる猿弥さん、マスクもやっぱりグリーンな笑三郎さんなどナド、あちこちで楽しませていただきました。

2階の画廊ではすでに販売終了していましたが、ご担当の梅玉さんがずっとそこにいらして、お話したり写真もご一緒に撮ってくださいました。
右團次さんと売店に並ぶ右近くんが大きくなっているのに驚き、吉弥さん、吉太朗くんにもまたお目にかかれてお話できてうれしかったです。

グッズも焼きぞばも買えず金券余っちゃったので、やっぱり高麗屋さんのところで何か買おうともう一度3階に行ったところ、幸四郎さんはいらっしゃいませんでしたが(あまり売場にとどまらず、あちこちに出没されていたらしい)、染五郎くんがまだTシャツ販売されていましたので、染五郎さんがイラストを描かれたTシャツをご本人から購入するという光栄。
さらには、ご本人のソロ写真&ツーショットも撮っていただき舞い上がる不肖スキップ。
いや~、これで幸四郎さんに会えなかったのも、焼きそば食べられなかったのも帳消しになりましたよね。←


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これ ワタクシの自撮りでございます。
手が短いから顔が近い💦
あまり近づけないビミョーな距離感が緊張を物語っております。



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1階の客席に帰る時に遭遇した歌之助くんにもサインいただきました。
ありがとうございました。



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終演後、退出する時にロビーにいらした彦三郎さんに
お礼の気持ちをお伝えすることもできました。



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現 国立劇場 私は今回が見納めでした。
このシャンデリア 好きだったな。




やっぱり楽しい俳優祭
次はいつか、その時自分がどういう状況なのかわかりませんが、ご縁があればまたぜひ行きたい のごくらく度 (total 2417 vs 2414 )


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2023年10月01日

「第39回俳優祭」 見どころたっぷり演目編


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私はナマの舞台を観るのが大好きですが、その根底にあるのは「一期一会」。
つまり、「”次”はない」といつも思っていて、「観たいものはできる限りその時に観る」がモットーです。

不定期に開催される「俳優祭」はその最たるもので、「次」がいつあるかもわからないし、前回観た役者さんが次の回にはもういない、という経験もしています。自分自身のことを顧みても、仕事や健康や家族のことなど、様々な事情でいつ行けなくなるとも限りませんので、行ける時には万難を排して行くと決めています。

7年ぶり(前回が2017年3月なので厳密には6年半ぶり)となる「俳優祭」。
今回が39回目となる俳優祭ですが、私は34回(2007年)から参加していて今回で6回目。観始めて16年です。


初代国立劇場さよなら記念
第39回「俳優祭」 昼の部
開幕ご挨拶  中村梅玉
一、菅原伝授手習鑑 加茂堤の場 吉田社頭車引の場
二、お楽しみ模擬店
三、映像でふりかえる初代国立劇場の思い出
四、戯場八景名残隼
ご挨拶  片岡仁左衛門

2023年9月28日(木火) 12:00pm 国立劇場 大劇場 1階6列上手
(上演時間:4時間)




伝統歌舞伎保存会研修発表演目 
「菅原伝授手習鑑」
企画・構成:尾上松緑
(上演時間:1時間)

「加茂堤の場」
出演:市川團子  片岡千之助  中村玉太郎
   中村吉之丞  中村莟玉 ほか


一幕目は若手 Z世代(by 梅玉さん)による古典の上演。
團子くんの舎人桜丸、千之助くんの女房八重、玉太郎くんの齊世親王、莟玉くんの苅屋姫という、本興行ではまだなかなかお目にかかれないフレッシュな配役ですが、多分役柄の実年齢に近いキャスティングなのではないかしら。

「加茂堤の場」自体を観るのが久しぶりでしたのでおもしろく拝見しました。
團子くんは先日南座で「新・水滸伝」を観た時は、発声が少し苦しそうと感じたのですが、この日は全く問題ないご様子でした。
きっちり楷書の演技で、桜丸の懸命さが伝わってきて、懸命な桜丸に、これが悲劇の発端だなぁと切なくなりました。
千之助くんも声はよく出てがんばっていました。が、千之助くんはどんな役をやっても同じに見えてしまうところが課題でしょうか。八重が「俊寛」の千鳥に見えたりも。
齊世親王、苅屋姫はあまり為所のない役ですが、莟玉くんのまんまるお顔の苅屋姫、かわいかったです。  


「吉田社頭車引の場」
出演:中村鷹之資  市川染五郎  尾上左近
   市川福太郎  市川福之助  尾上松緑 ほか


先日歌舞伎座の秀山祭で歌昇さんのとても力が入った梅王丸を観たばかりですが、鷹之資くんも力漲る梅王丸でした。元より太くよく通るよいお声ですが、劇場を揺るがすばかりに響いていました。もちろん一つひとつの型や見得もピタリと決まって、このまますぐ歌舞伎座の舞台に立てそうです。

桜丸の尾上左近くんはまず、「え?左近くんってもうこんなに大きくなったの?!」とオドロキ。そりゃおばちゃん歳とるはずですわ~💦
あまり左近くんの舞台を拝見する機会がなく、お芝居も口跡もしっかりしていることにおばちゃん二度びっくり。

染五郎くんは桜丸とばかり思っていましたので松王の方なのかーと意外な気がしましたが、しっかり勤めていたと思います(謎の上から目線)。
線の細さとか声とか、まだまだ課題はたくさんあるのでしょうが、見目麗しく、全身を使って大きさを表現する松王。よかったです。
最後に松王、梅王、桜丸の三人で決まる姿の絵になること。

福太郎くんの杉王丸、福之助くんの金棒引藤内 ともにしっかり。
そしてラスボス感たっぷりに登場する松緑さん時平、さすがにこの座組では別格感漂います。



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映像で振り返る「初代国立劇場の思い出」
企画・構成:尾上菊之助
(上映時間:25分)


国立劇場で上演された歌舞伎公演を、昭和41年11月のこけら落とし公演から周年ごとの主な公演を映像尾で振り返るというもの。
ナレーションは菊之助さん。

古い年代の公演はもちろん、国立劇場で歌舞伎公演を観る機会がそれほど多くなかった私にとって、初めて観るものも多くく、とてもおもしろかったです・
第1回公演「菅原伝授手習鑑」の菅公役 片岡孝夫(現 仁左衛門)さんが映し出されると客席どよめきました。
他にも、「仮名手本忠臣蔵」で尾上辰之助さん斧九郎さんの「五十両~」(色っぽかった~)や、三代目猿之助(猿翁)さん、吉右衛門さんのなど、名優が登場するごとにどよめく客席。
もしテレビで放映されたら自宅ライブラリに永久保存したいくらい貴重映像で、本当に楽しませていただきました。


「戯場八景名残隼」(ゆめのくにへようこそありがとうこくりつ)
企画・構成:松本幸四郎
脚本:「戯場八景名残隼」製作委員会   補綴:鈴木英一
振付:尾上菊之丞
美術:尾上右近  中村種之助   補助:中村壱太郎
出演:市川笑三郎  市川笑也  市川猿弥  市川青虎  市川團十郎白猿  市川中車
市川門之助  澤村宗之助  中村歌之助  中村壱太郎  中村勘九郎  中村鴈治郎
中村錦之助  中村児太郎  中村芝翫  中村七之助  中村獅童  中村扇雀
中村鶴松  中村虎之介  中村橋之助  中村福之助  中村萬太郎  中村米吉
坂東新悟  坂東巳之助  坂東彌十郎  松本幸四郎  水谷八重子 (五十音順) ほか
(上演時間:1時間10分)



歌舞伎の「三世相錦繍文章」や落語の「地獄八景亡者の戯れ」をベースにした地獄めぐりモチーフの物語。
軽業 曲屁高麗吉(幸四郎)、山伏 法螺尾福童(獅童)、歯技師 辺田奈四海(巳之助)、医者 山井直仙(新悟)の4人があの世に迷い込み、冥途で三途の川の婆(勘九郎)やメイドたちに会い、閻魔大王夫妻(團十郎白猿・児太郎)から極楽へ行けるか地獄行きかの裁定を受けることになり・・・。

楽しかったです。
同じく「地獄八景亡者の戯れ」をベースにした宝塚歌劇星組の「Another World」(2018年)味もあって、ちょっぴり懐かしく楽しく拝見。
全編笑いの部分が多くて、声出してよく笑いましたが、その中にしっかり歌舞伎のいろいろな要素、演目も織り込まれていて、幸四郎さんの歌舞伎愛を感じる作品。
若手を中心に出演者全員に活躍の場があるのもいかにも幸四郎さんで胸熱でした。


冒頭、4人があれこれ話していると花道に北条時政(彌十郎)と滝の白糸(水谷八重子)登場。
彌十郎さんの花道の出が同じ時政でも「盛綱陣屋」の時政の演奏で、「俺こんなんじゃないんだよなぁ。もっとこう、オンベレブンビンバ~って感じて」とおっしゃっていました。さらには幸四郎さんに向かって、「小四郎!じゃなかった幸四郎!」ですって。


三途の川の婆の場面:
勘九郎さんの婆がまずおかしい。
姫路城平成中村座の「天守物語」で演じた舌長姥を思わせる風貌。そしてやり手ババアの雰囲気。
高麗吉たちが舟で三途の川を渡って行った後は花道で「おーい!おーい!」と波にのまれながら手を振る「俊寛」見せてくれました。
いつか勘九郎さんの「俊寛」、本興行で観られますように。

ここで働くメイドたちが中村米吉くん筆頭に、澤村宗之助さん、中村鶴松くん、上村吉太朗くん、河合雪之丞さんというキレイどころのアイドルふう。
米吉っくんのメイド ヨミなんて完璧にあざとかわいくて押しも押されもしないセンター。
メイドたちが踊る場面で、見とれいた客席に「手拍子しなさいよ」と米吉ヨミから一括入り、即座に素直に手拍子始める客席の私たち(笑)。

閻魔大王の前では4人の前に裁定される人々が次々登場。

トップバッターは萬太郎くんの弁天小僧で、「弁天小僧菊之助たぁ俺がことだ~」という名乗りを何回もやらされて、ご本人ももう勘弁してくれ感が漂ったところで客席から「がんばれ!」と声が飛びました。

橋之助くんの碇知盛は大きな碇を持って登場。

そして、花道から「新・水滸伝」チームです。
本公演とはキャストをシャッフルしていて、大まかに立役⇔女形入れ替えだったのですが、先頭に立つ林冲は猿弥さん。
丸顔に白塗りメイクで最初誰だかわかりませんでした(^^)
「お前林冲じゃない!」と言われて「京都でおいしいもの食べ過ぎて太ったんだよ。やせたら『大富豪同心』もやれるよ」と言い返す強気の林冲。
2か月間同じ座組でやってきたチームワークは抜群で「お年寄りもいらっしゃるみたいだし」と閻魔大王の奥様(児太郎)さんがおっしゃった寿猿さん(お夜叉)がカンペ見ながら台詞を言った後、周りを囲んで踊りながら中車さん(姫虎)がサラッと回収していらっしゃいました。
梁山泊の歌は猿弥さん林冲のソロ。よいお声でめちゃめちゃ上手かったです。
このパート、本当に盛り上がって客席からもヒューヒューと歓声が。

直前まで京都で公演していた(ので多分俳優祭のお稽古参加が難しかった)このチームをそのまま登場させる・・・ただし役柄はシャッフルして・・・というところに幸四郎さんの愛を感じます。

そして七之助さんお七。
登場した瞬間から華やかなオーラ半端なかったです。
閻魔大王の妾で、法螺尾福童(獅童)の元カノという設定。
ここで獅童さんが「七くんが・・」と言って閻魔様はじめ全員に「今、七くんって言った」とツッコまれ、出からやり直し。
その後も「七子」と連発してそのたびに「あたしゃお七だよ」と七之助さんさんはじめ周りから総ツッコミ。
最後には「自分で自分が情けない」と泣き言おっしゃっていました(笑)。

ちなみに、夜の部では七之助さんの役名は七子に変更されたのに、ラスト花道で盛大に「お七~」と叫ばれたそうです。


曲屁高麗吉(幸四郎)、辺田奈四海(巳之助)、山井直仙(新悟)と水滸伝チームで一人残された王英(壱太郎)の4人で和ドラムセッション。
これはかなり練習されたのでしょうか。リズムも息もぴったりですばらしかったです。

中村福之助さん・中村虎之介さん・中村歌之助さんの力強い三鬼とか、花四天は中村鴈治郎さん・中村扇雀さん・中村芝翫さん・中村錦之助さんのベテランチームで「まだまだ若い者には負けないぞ」と(動きはゆったりだったしトンボもなかったけれども)。

最後の裁定では閻魔様が間違ったらしく「閻魔様、もう一度閻魔帳をご覧になった方が・・」と幸四郎さんに言われていました。
最初に「台詞もみんなこの閻魔帳に書かれている」と言ってたのに。

ここに限らずいろんな皆さんがフリーダムで、間違えたり勝手なことをするたびいに幸四郎さんと巳之助さんが「え!?」と言う顔したりマジ笑いしているのもおもしろかったです。


最後は現世に戻った曲屁高麗吉(幸四郎)たちが「この世こそ夢の世界」という綺麗な幕切れ。
グダグダなところもありつつ、役者さんが全力でお客様を楽しませようとしてくださっているとともに、皆さま楽しそうで、普段の演目では見られない素の部分も垣間見られて本当に楽しかったです。


終演後は仁左衛門さんからのご挨拶とご発声で、舞台に勢揃いした役者さんたち、客席一緒に手締め。
皆さま笑顔で多幸感あふれていました。




模擬店編につづく →


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2023年06月29日

船乗り込みが大阪に夏を連れてきた


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昨年、3年ぶりに復活した松竹座 七月大歌舞伎の船乗り込み。
雨予報も何のその、晴れ渡った空の下、今年もにぎにぎしく開催されました。
大阪に夏を連れてくる船乗り込み。
涼やかな浴衣姿の役者さんたちに暑さも忘れる思いでした。


昨年は一般の乗船はもちろん、観覧も公式には中止(それでもたいくさんの方がご覧になっていました)、関係者のみが限られたエリアで応援するという形でしたが、今年は制限撤廃。
ただし、下船後の式典は、昨年同様、松竹座内で開催。
松竹座の前で手ぬぐい撒きやってたころが遥か昔のように感じます。

式典の入場券は歌舞伎美人の抽選以外は一般発売していないようでしたが(基本無料)、友人に誘ってもらって観ることができました。
せっかくだからその前に船乗り込みも最後の方をちょこっとだけ見ようと船の到着予定時刻(2時45分)ごろ物見遊山で道頓堀に行ってみたのですが、とんでもなかった💦

戎橋の上は何重にも人だかりができていて、ちびっこの不肖スキップ、どんなに背伸びしても見えず。
仕方なく昨年応援隊と参加した川岸に降りてみたのですが、そこも数珠つなぎのように人垣ができていました。

上の段に何とか隙間を見つけて、少し遠目ではあるものの役者さんたちのお顔ははっきりと見えましたし、ラストのバズーカの紙吹雪(冒頭の画像)はInstagramにも動画を投稿しましたが、横からとはいえ役者さんたちが紙吹雪を見上げる画像も撮れて、なかなかのベストポジションだったのではないかとご満悦。
幸四郎さん、染五郎くん父子の乗った船が私のいる岸とは反対側に着いたことだけがちょっぴり残念でした。


昨年は応援隊の一員として撮影禁止でしたが今年はたくさん撮りました・・・とはいうものの、遠くから撮ったものをズームしましましたので画像ワルワルですが少しご紹介。



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仁左衛門さんは終始穏やかな笑顔
昨年は参加されませんでしたが、今年はお元気なお姿拝見できてうれしかったです


続きがあります
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2023年06月04日

平成中村座姫路城公演 第二部


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平成中村座姫路城公演 第二部は張り切って千穐楽のチケットを取っていたのですが、思わぬところからご招待のチケットが舞い降りてきて、ありがたいことに2回観ることができました。


姫路城世界遺産登録30周年記念
平成中村座姫路城公演 第二部


2023年5月25日(木)4:00pm 平成中村座 松席 1階10列センター/
5月27日(土) 4:00pm 松席 1階4列上手


一、棒しばり
作:岡村柿紅
出演:中村勘九郎  中村橋之助  中村扇雀
  (上演時間: 40分)


曽根松兵衛(扇雀)は留守の間に酒好きの次郎冠者(勘九郎)と太郎冠者(橋之助)に酒を盗み飲まれないよう、次郎冠者の両手を棒に、太郎冠者を後ろ手に縛りつけて外出します。飲めぬとわかるとますます酒が飲みたい二人は、協力して酒を酌み交わし始めます。そうして二人がほろ酔い気分で踊り出したところへ、松兵衛が帰ってきて・・・という狂言を題材とした松羽目物の舞踊。

これまでいろんな役者さんの組み合わせで観ていますが、勘九郎さんは、勘三郎が亡くなった翌年(2013年)の「八月納涼歌舞伎」(こちら)で坂東三津五郎さんの次郎冠者で太郎冠者を踊られたのを観て(そして号泣した)以来で、次郎冠者は多分初めて観たのではないかしら。

勘九郎さんのほとばしる愛嬌とこれでもかの身体能力が詰め込まれた演目で、まぁ楽しいったらありゃしない。
客席のリアクションもよくて、至るところで笑いや拍手が起こっていました。

次郎冠者が棒に縛らた手に盃を持って最初に飲もうとした時に、全く口元に届かず「シェーッ」となる所作や表情が勘三郎さんのそれにそっくりで、2回観て2回とも泣きそうになってしまいましたが、それ以外は楽しく拝見。

あの扇を上下持ち変える(それも2本も)ところとか、棒に縛られたまま左手で投げて右手でキャッチするところとか、毎回感心しますが、歌舞伎役者さんって本当に凄い。
勘九郎さん、ちょっとドヤ顔で楽しそう。

次第に酔いがまわってくる勘九郎さんかわいいし、そんな勘九郎さんに負けじと奮闘する橋之助さんもすばらしかったし、松兵衛が帰って来て3人でわちゃわちゃするところの扇雀さんも楽しそうで、笑顔で気持ちよく幕となりました。

そういえば橋之助さん、次の「天守物語」含めて一部二部全演目にご出演。
何気に「中村橋之助奮闘公演」ですね。


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一緒に観た友人と乾杯
バランタイン十七年のハイボール「天守物語」
ジャパニーズクラフトジン「播州皿屋敷」


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いつも完売で買えなかった「4人でひとつの隈取りうちわ」
ラストチャンスとばかりに千穐楽は開演前から入口に並んで一番乗りで買いました←


続きがあります
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2023年05月30日

講談に乗せて立ち廻り 「南座 歌舞伎鑑賞教室」


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昨年、7年ぶりに復活した南座の歌舞伎鑑賞教室。
「来年もやります」とおっしゃっていたとおり今年も無事開催されて、楽しみに行ってまいりました。

南座 歌舞伎鑑賞教室
2023年5月21日(日) 2:00pm 南座 1階1列センター


一、歌舞伎の講釈
出演:旭堂南龍
   片岡千太郎  片岡佑次郎  片岡富史弥  片岡愛治郎
  (上演時間: 45分)



はじめは旭堂南龍さんの解説から。
旭堂南龍さんは初めて・・・というか、これまでに講談で聴いたことがあるのは松之丞時代の神田伯山さん一度きりですが。
まずは講談から始まって、「講釈師 見て来たような嘘を言い」というよく聞くフレーズをおっしゃっていましたが、これが最後までよく効いていて、頭のいい人だなという印象でした。
「講談は続きを聴きたい!と思うところで大体持ち時間が終わる」ともおっしゃっていて、これが後に・・・。

出雲阿国から始まった歌舞伎の歴史や、片岡富史弥さん、片岡千太郎さんとともに舞台機構や赤、青、黒の隈取、歌舞伎の演出などについてユーモアをまじえつつ解説。
富史弥さんが赤隈の写真を出すと後ろの席の外国人の方が「Oh!」とおっしゃっていました。
海外の方にとって、あの赤い隈取はやっぱり歌舞伎のアイコン的存在なのかな。

片岡千太郎さんが「17歳です」と自己紹介すると客席からどよめきと拍手が起こったのですが、「年齢言っただけで拍手もらえるのは若さの特権ですね」と南龍さん。

そして、南龍さんの講談「忠臣蔵」に乗って、佑次郎さん小林平八郎 vs 愛治郎さん堀部安兵衛の立ち廻り。
とても贅沢で見応えありました。

最後に次の演目「妹背山婦女庭訓」の解説。
上演される「願絲縁苧環」の場に至るまでの状況や登場人物の説明をわかりやすく。
知っているストーリーですがお話がとてもお上手で惹き込まれて「それからどうなるの?」というところで「続きはこの後」と幕。
最初におっしゃっていた「続きを聴きたい!と思うところで持ち時間が終わる」を思い出して「ヤラレタ!」と思いました(^^ゞ


続きがあります
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2023年05月14日

平成中村座姫路城公演 第一部


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「平成中村座が来年姫路城に来るらしい」
「『天守物語』やるらしいよ」

と教えていただいたのは去年のずい分早い段階だったように思います。
「えーっ!それ絶対七くん富姫様だよねっ!パッカ~ンと後ろが開いて白鷺城が見えるやつだよね!行く!絶対観るっ!!」とテンション爆上がりたものです。

その「天守物語」は公演の終盤に観に行く予定で、まずは第一部。
今回桜席が復活していて、「桜席!絶対座りたい!」とここでもテンション上がりまして、web松竹発売日に気合入れて張り切ってチケット取りました。


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姫路城ど~ん!
白すぎてまぶしい



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天守閣に見守られるように平成中村座



姫路城世界遺産登録30周年記念
平成中村座姫路城公演 第一部
2023年5月11日(木) 12:00pm 平成中村座 桜席 左1列


一、播州皿屋敷
原作:浅田一鳥
出演:中村橋之助  中村虎之介  片岡亀蔵 ほか
(上演時間: 50分)


細川巴之介家の家老 浅山鉄山(橋之助)は、天下を狙う山名宗全と通じ、邪魔になる巴之介暗殺を企てています。将軍家に献上する唐絵の皿10枚を届けに来た腰元お菊(虎之介)に横恋慕する鉄山が言い寄りますが、きっぱりとはねつけられます。悪事を知られた上に恋もかなわぬ恨みから、鉄山は皿を1枚盗んでお菊に罪を着せ・・・。


「お菊井戸」のあるご当地姫路城にまつわるということで選ばれたのかと思いますが、「番町皿屋敷」と比べて上演回数は少なく、非常に珍しい演目だそうです。
「なぶり殺しにされるお菊を壱太郎くんで観た」と思い込んでいたのですが、昨年「三月花形歌舞伎」の「番町皿屋敷」だった模様。

「悪事を知られた浅山鉄山が、お菊に無実の罪を着せて惨殺する嗜虐美がみどころ」ということですが、惨殺にもほどがあるでしょうというくらい残忍な殺し方で、しかも悪事を知られたとか横恋慕を拒絶されたといったことはお菊に非がある訳でもなく、鉄山が恨みに思うほど何かひどいことをされた訳でもいのに、あんなに酷い殺し方しなくても・・・。「一気に殺すのでなくじわじわと苦しみを味わわせて・・」とか鬼畜のなせる所業。観ていて気分悪くなることこの上ありません。そりゃお菊ちゃんでなくても化けて出るというものでしょうよ。

「たとえこの身は滅んでも、魂魄この世にとどまり生き返り死に返り恨みをはらそうぞ」みたいなことを言っていましたが、そりゃお菊ちゃんでなくても化けて出るというものでしょうよ。

全く余談ですが、この「魂魄」といえば、宝塚歌劇月組「桜嵐記」(2021年)で一樹千尋さん演じる後醍醐天皇の「玉骨はたとえ南山の苔に埋もるとも、魂魄は常に北闕の天を望まん」が強烈に印象に残っているのですが、歌舞伎や文楽では結構出てくる言葉ですね。「仮名手本忠臣蔵」の勘平も最期に「魂魄この土に止まって」と言っていますし。

最後にお菊ちゃんの「いちま~い」「にま~い」という声が響き、亀蔵さん岩渕忠太が連理引きされて終演と思いきや、暗くなった場内で悲鳴が。
お菊ちゃんの幽霊が客席を駆け回っていて、私たちの席にも毛束のようなものがふわりとやってきました。
平成中村座公演独自の演出だったのでしょうか。


続きがあります
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