
©宝塚歌劇団
宝塚歌劇の2026年第1作目は星組。
暁千星さん、詩ちづるさんのトップお披露目公演です。
宝塚歌劇 星組公演
ビート・シアター 「恋する天動説」-The Wand'rin' Stars-
作・演出:大野拓史
作曲・編曲:玉麻尚一 高橋 恵 音楽指揮:西野 淳
振付:平澤 智 擬闘:清家三彦 装置:木戸真梨乃 衣装:大津美希
出演:暁 千星 詩ちづる 瑠風 輝
輝咲玲央 ひろ香祐 朝水りょう 夕渚りょう 天希ほまれ 蒼舞咲歩
希沙 薫 碧海さりお 天飛華音 天愛るりあ 奏碧タケル 鳳真斗愛
瑠璃花夏 綾音美蘭 碧音斗和 稀惺かずと 鳳花るりな 大希 颯
乙華菜乃 詩花すず 碧羽 陽 茉莉那ふみ 馳 琉輝 早瀬まほろ/万里柚美 ほか
2026年1月1日(木) 1:00pm 宝塚大劇場 1階14列センター/
1月3日(土) 3:30pm 2階7列上手/1月18日(日) 3:30pm 1階18列下手/
1月21日(水) 3:30pm 2階8列センター/1月24日(土) 3:30pm 2階1列センター/
1月29日(木) 1:00pm 1階8列センター/2月1日(日) 11:00am 2回15列下手/
2月4日(水) 1:00pm 1階8列下手/2月8日(日) 2階9列下手
(上演時間: 1時間30分)


©宝塚歌劇団
物語の舞台は1960年代のイングランド南東部の海浜リゾート地ブライトン。
労働者階級の若者たちは、三つボタンのスーツでダンスミュージックに興じる“モッズ”と、リーゼントに革ジャン、ロックンロールを愛する“ロッカーズ”に二分されて勢力争いを繰り広げていました。両勢力の乱闘騒ぎで警官隊に追われたモッズのリーダー格アレックス(暁千星)は、スクーターに乗って高級ホテルの一角へ突っ込み、気を失ってしまいます。そのホテルでは、グループ社長で一族の実権を握る祖母ドロシー(万里柚美)から家同士の結婚を強いられた孫娘のシンシア(詩ちづる)がまだ見ぬ花婿の到着を待っていましたが、ドロシーともどもアレックスを花婿と勘違いしてしまいます。カーレーサーを目指すシンシアは、目覚めたアレックスにレースの魅力を熱く語り、アレックスもシンシアの熱意に打たれて挑戦を応援し、二人は意気投合します。
アレックスの好敵手であるロッカーズのリーダー格レスリー(瑠風輝)、ホテルグループをわがものにしようと画策するシンシアの叔父ゴードン(輝咲玲央)、本物の婚約者アレックス(大希颯)など、様々な人物の思惑が渦巻く中、アレックスとシンシアの恋の行方は・・・。

暁千星さん、詩ちづるさん
トップお披露目おめでとう🎉
そして、瑠風輝さん、天愛るりあさん ようこそ星組へ。
暁さんひたすらカッコいいし、詩さんはずっとカワイイし、モッズ vs ロッカーズのダンスバトル楽しいしで明るくハッピー♪笑いもたっぷり、そしてちょっぴり胸キュンのラブコメ・・・お披露目のお正月公演にぴったりの作品です。
アレックスとシンシアを中心に若者の群像劇な趣きもあって、舞台上にはいつも人がたくさん。
悪人がいなくて(ゴードンおじさんが悪人といえば悪人ですが、”詰めが甘い”人で何だか憎めないし)、誰も死なない。
モッズコートをはじめ当時のファッションを反映した衣装も明るく華やか、アレックスが乗るヴェスパをはじめ、レスリーのスクーター、そしてシンシアが運転する車と本物が登場して実際に動くのも楽しい。
一見「明るいトンチキ」な印象ですが、アレックスの過去にまつわる苦みもあって、物語の発端ともいえるドロシーの余命いくばくもない設定も「あ、そゆこと!?」みたいなちょっと拍子抜けな回収で物語としてもおもしろく観ました。
アレックスとシンシア 2人の成長物語にもなっています。
お父さんと同じメカニックになりたいと願いながら過去の事故の経緯からうまくいかず、定職にもついていないアレックス。
周りの反対の中、レーサーになるという夢を叶えようと孤軍奮闘するシンシア。
アレックスと出会って心が解放されたシンシアが、まずやりたいことが「挨拶」・・・これまで「ごきげんよう」しか言ったことがなかったのに「おはよう」「おやすみ」と言うシーン 好きでした。
また、アレックスとレスリーの友情物語という側面も。
2人は幼馴染で今は反目しつつも心の底ではお互いを理解し認め合っていて、レスリーは少年期のアレックスの行動に恩義を感じていることが2人一緒に刑務所に入れられた場面で明らかになります。
そしてラストにあの「大好きだー!」ですからね。
この「大好きだ」初日は暁さんアレックスが「こっちはどうなんだ?」と客席に向かって言った時、客席の私たちはどうしたらいいのかわからず拍手で応えたのでした。
「あそこはどうなんだろうね、『大好きだー』って言っていいのかな?」「お手紙書いて聞いてみたら?」などとご一緒したお友だちと話したものですが、カーテンコールで暁さんから「あそこは皆さんぜひ声に出してください」と明確な答えが示されて、「よおし!」となりました。

暁千星さんのアレックス。
意外にもこんな”等身大”の若者役は久しぶりのような気がします。
モッズを率いるリーダーですが、メカニックを担当していたお父さんの事故で自分自身の未来も見えなくなってしまった翳りを感じさせるアレックス。
長身で華やかなビジュアルにのびやかなダンスとパワフルなヴォーカル。
キラッキラ✨な星組トップスター誕生です。
アレックスがホテルから仲間のもとに戻った時、取り囲む女の子たちに「心配したか」という言い方にいつも
詩ちづるさんのシンシア。
裕福な家のお嬢様でオックスフォードの学生で、両親はすでに亡くなっていてお祖母様に大切に育てられ、今ホテルの後継者に据えられようとしているけれどもレーサーになりたいという強い意志を持つ女性。
人違いとは知らず、自分の夢に理解を示してくれたアレックスに一直線に惹かれていく様を自然にイキイキと演じていて好感。
素直で明るく元気。ロッカーズとのダンスバトルで初めてながら「やるとなったら負けるという選択肢はないから」という気の強さもマル。
瑠風輝さんのレスリー。
アレックスより少し年上に感じられましたが(本当は同い年なのかな)、これくらいの役は瑠風さんにとっては余裕たっぷり。
根っこのところではアレックスとバディという設定も、暁さんとの同期感あってよかったです。
革ジャンにデニムというロックないで立ちもよくお似合い。歌唱は言わずもがな。
天飛華音さんロビンと稀惺かずとさんバートはモッズのメンバーでアレックスの片腕的存在の弟分で、それぞれソロもありますが、役柄的にはさほどストーリーに絡む役ではなく、常に二人一緒にいることもあってあまり面白味はないかなぁ・・・それより大希颯さん演じた本物のアレックスの方ガオイシイ役かもしれません。
シンシアのお兄さんティモシーの碧海さりおさんがいいとこのおぼっちゃんの育ちの良さを醸し出しつつちょっと抜けたところがあって嫌味なくてかわいい。本当にどんな役をやっても上手いなと感心。
アレックスにヴェスパのキーと修理引換証を見せる場面、1月18日だったかな?キーだけでなく引換証もアレックスに取られてしまって大焦りで取り返してたの、おもしろかわいかったです。
シンシアの妹キアラの乙華菜乃さんも存在感抜群でした。
元々注目していた娘役さんですが、可愛いし口跡いいし、舞台度胸満点。
末っ子でみんなに可愛がられてちゃっかりしたところもあって気が強いキアラが大好き。
「あなたたちなんて全力で潰せます」とロビンたちを詰めるところ、毎回楽しみでした。
乙華さんは冒頭の「ブライトン名物ホーンパイプダンス」の場面で少年時代のレスリーで踊っていて(アレックスは茉莉那ふみさん)、短い出番ながらレスリーのちょっとキザった雰囲気出していてすばらしかったです。
熟年チーム。
万里柚美さんの品よいドロシーお祖母さま、ホテル乗っ取りを企てるも詰めが甘いゴードン伯父さまの輝咲玲央さんと奥様の天愛るりなさん、それぞれ好演の中、天文台の所長で元レーサーのダグラスの朝水りょうさんのイケオジぶりに目を見張りました。
娘役では、ドロシーの秘書レイチェルの瑠璃花夏さん、レスリーの恋人ミケーレの綾音美蘭さんが目を引く役どころ。
モッズの女性たちの中で金髪ショートで紫コートのイブリン鳳花るりなさんが際立っていました。
モッズ vs ロッカーズのダンス対決でそれぞれソロを歌った碧音斗和 さん、早瀬まほろさんも印象的でした。


ロビーの装花はお正月と少ししてから変わっていました
ショー「DYNAMIC NOVA」につづく→
