
©宝塚歌劇団
宝塚歌劇団 星組トップスター 礼真琴さんの日本武道館コンサート。
「退団する前にはコンサートができたらいいな」と考えていたという礼さん。
その会場が日本武道館(宝塚では真矢みきさん、柚希礼音さんに次いで3人目)というのは、やはり歌劇団としても最大級のはなむけではいでしょうか。
総合演出に著名人気アーティストの大型ライブプロデュースを数々手掛ける大田高彰氏を総合演出に招聘し、auと連携したカウントダウン企画など、歌劇団のチカラの入れようも顕著。
いいものになるに違いないとは思っていましたが、想像の10000倍上をいくすばらしいコンサート。
トップスターの退団前コンサートはじめこれまで数々観てきたライブやコンサートの中でもダントツに大好きです。
まさに”唯一無二”。
宝塚歌劇 星組公演
礼真琴 日本武道館コンサート
「ANTHEM-アンセム-」
総合演出・ステージ制作:大田高彰(インターグルーヴプロダクションズ)
構成・演出:竹田悠一郎
作曲・編曲:太田 健 玉麻尚一 Teje
編曲:手島恭子
振付:若央りさ AYAKO 大村俊介(SHUN) KAORIalive
衣裳:加藤真美 歌唱指導:KIKO
ステージデザイン:邨山直也(storyboard)
映像:小川竜朗 大原恵裕(オレンジカラー)
出演:礼 真琴
白妙なつ ひろ香祐 紫 りら 暁 千星 澪乃桜季 夕渚りょう
天希ほまれ 小桜ほのか 蒼舞咲歩 希沙 薫 夕陽真輝
天飛華音 奏碧タケル 都 優奈 鳳真斗愛 綾音美蘭
世晴あさ 凛央捺はる 彩紋ねお 乙華菜乃 碧羽 陽 和波 煌
2025年1月18日(土) 5:00pm 日本武道館 アリーナ Tブロック5列/
1月19日(日) 2:30pm アリーナ Sブロック 6列/
6:30pm アリーナ Gブロック 6列/
1月20日(月) 7:00pm 配信視聴
1月21日(火) 2:00pm アリーナ Rブロック 3列
(上演時間:110分)
4日間5公演 全通しする気マンマンでチケットも持っていたのですが、諸般の事情により1月18日初日、翌日マチソワ観た後一旦帰宅、1月20日は自宅で配信を視聴して、1月21日千穐楽に再度上京しました。
タイトルの「ANTHEM-アンセム-」は “応援歌” という意味。
全編を貫くすばらしいパフォーマンスの中に礼さんが夢を追い、挑戦し続けてきた姿が浮かび上がって本当に胸熱。
私たちファンにとって何よりの応援歌になったのはもちろん、礼さんに憧れその背中を追い続けてきた星組っ子たち(今回の共演者以外も含めて)への力強いエールにも感じられました。

セットリスト:
Phrase1 Heartbeat
Heatbeat’n’soul 礼真琴
ANTHEM 礼真琴
Phrase2 REACH (回替わり) すべて礼真琴ソロ
タマシイレボリューション (Superfly 1/18)
Subtitle (Official髭男dism 1/19 マチネ)
オー!リバル (ポルノグラフィティ 1/19 ソワレ)
タカラモノ~この声がなくなるまで~ (ナオト・インティライミ 1/20)
勇者 (YOASOBI 1/21)
Phrase3 Courage
君に捧げる応援歌(HIPPY) 礼真琴 → 全員
CITRUS(Da-iCE) 男役
オトノナルホウヘ→(Goose house) 娘役
私は最強(Ado) 礼真琴
花になって - Be a flower(緑黄色社会) 礼真琴
Stardom(King Gnu) 天飛華音 with 男役
第ゼロ感(10-FEET) 暁千星・全員
ブルーバード (いきものがかり) 小桜ほのか・綾音美蘭・乙華菜乃
やってみよう(WANIMA) 礼真琴・全員
何度でも(DREAMS COME TRUE) 礼真琴・ひろ香祐・紫りら
流星(コブクロ) 礼真琴・暁千星
ECHO(Little Glee Monster) 礼真琴・全員
MC
Phrase4 Keep Going
Keep Going (詳細別記→こちら)
Phrase5 Impulse
Impulse(Inspiration From Darkside)
バラ色の人生(「オーム・シャンティ・オーム─恋する輪廻─」) 礼真琴
宿命(「エル・アルコン─鷹─」) 礼真琴・暁千星
私から憎しみを奪うな(「モンテ・クリスト伯」) 礼真琴
お前のほしいもの(「BIG FISH」)訳詞:高橋亜子 都優奈
仕える王は私が選ぶ(「ディミトリ~曙光に散る、紫の花~」) 暁千星
マダム・ギロチン(「THE SCARLET PIMPERNEL」) 礼真琴・全員
Phrase6 Blaze
最後のダンス(「エリザベート」─愛と死の輪舞(ロンド)─) 礼真琴
栄光の日々(「THE SCARLET PIMPERNEL」) 礼真琴・全員
Phrase7 Precious
Soranji (Mrs. GLEEN APPLE 1/18・1/20・1/21) 礼真琴
君の願いが世界を輝かす (MISIA 1/19 マチソワ) 礼真琴
あなたがいることで (Uru) 全員
Phrase8 souls
souls 礼真琴
Encore
星を継ぐ者 (龍星) 礼真琴
This is Me! (The Greatest Showman) 礼真琴・全員
アンコールの2曲と Phrase4 Keep Goingの曲(礼さんの主演作品メドレー/別記します)以外はプログラムに記載されていました。
初日の開演が機材トラブルの影響で14:30 → 17:00 に変更になって時間がたっぷりありましたので、先に日比谷のキャトルでプログラム買って Phrase5・Phrase6のラインナップにテンション爆上がりしました・・・このあたりは後半レポでまた改めて。


センターに客席に向かって伸びるT字の花道が設置されたステージ。
舞台奥は3階層になっていて、上階や下のステージでパフォーマンスする立体的な構成。
真ん中の階層にバンドメンバーがいて、ホリゾントのスクリーンに映像が投影される形でした。

ブレスレットライトは連動型で自動制御。
楽曲に合わせてオートマティックにいろんな色で光ります。
これは開演前の試験点灯の時。
普段自分でスイッチョオンしたら白色ライトなので、赤いライトが撮れるのはこの時だけ。
開演すると雷鳴が響き、スクリーンに稲妻が走る中、ゴールドのロングコートを着た礼さんが最上段に登場して客席のテンションMAX。
アリーナは幕開きから中ほどの前半ラストのMCで礼さんが「皆さん一旦お座りいただいて」とおっしゃるまでずっとスタンディングでした。立ちっぱ苦手な不肖スキップではありますが、特別なアドレナリンが溢れ出ていたらしく全く苦にならず(≧▽≦)
休憩なしのコンサートですが、大きく分けて二部構成で、前半はJ-POP中心、日替わりMCをはさんで後半は宝塚の楽曲メドレーという流れでした。
楽曲や場面に合わせてスクリーンに様々な映像が投影され、炎が上がり、雪が舞い、レーザービームが走り、光が降りしきるという、武道館の高さ大きさを活かした迫力あるゴージャスな演出。舞台装置含めてとてもお金のかかったステージという印象。
金銀赤の紙吹雪や星組カラーのブルーのテープ、そして礼さんのメッセージ入りの銀テープもバズーカで放たれて、大いに盛り上がりました。
「礼真琴の歌を聴かせる」をイチバンに掲げたコンサートで、中ほどのMCコーナー除いて余計なおしゃべりや笑いを取るような子芝居もなくて、セットリスト含めてとてもハイセンス、ハイクオリティでした。
そして
あの広い武道館に響き渡る変幻自在の礼さんの歌声。
地の底から湧き上がるような超音ボイスから、武道館の天井を突き抜けそうなのびやかな高音。
よく目にする「男役の歌声にとらわれない "アーティスト"礼真琴」の自由な歌声を存分に "浴びる" 構成に涙あふれることしばしばでした。
あんなに広い会場でもしっかりと聞き取れる歌詞、声量、どんな体勢でもブレない音程、キレッキレのダンス、広いステージの端から端まで走っても全く息切れせず、本当に超人的。
表情管理も完璧で、クールにキメてカッコよかったり、いかにも”悪”の表情したり、愛おしそうに仲間たちや客席を眺めたり・・・。
正直なところ、前半のJ-POPは知らない曲も結構あったのですが、「ANTHEM=応援歌」というテーマが1本通っているので心に響き耳に入りやすく、千穐楽にはどの曲も心の中で歌えるくらいになりました(そりゃ4日間5回続けて聴けば覚えるよね、というツッコミは却下)。
公演オリジナルの2曲から始まりますが「ANTHEM」の時、上の階に立つ礼さんをオペラで追うあまり、階段降りてくる時に暁さん、天飛さんの頭がオペラに写り込んで「あ、出て来て踊ってたんだ」と気づくという失敗を4回中4回やらかしました。
ちびっこなのでオールスタンディングのアリーナではこのあたりがツライところ💦
「REACH」からの日替わり曲はどれも好きな曲ばかりですが(というか「REACH」収録曲10曲全部大好き)、特に「オー!リバル」は元々ポルノグラフィティ好きなこともあってナマで聴くことができて本当にうれしかったです。
ここからリアル応援歌メドレー。
「君に捧げる応援歌」は、
立ち上がろうとする 君に捧ぐ 君への応援歌 全力注ぐ
いつか辿り着く その時まで 希望胸に 扉開いて行こう
という冒頭を礼さんが歌って、続きを星組全員で引き継ぐ形。
すでにこのあたりで涙腺ウルウル。
娘役さんたちが歌い踊る「オトノナルホウヘ→」もとてもキュートで途中挟み込まれる♪タタタン タタタン タタタタタタタン という手拍子も初日から客席バッチリ決まっていました。
「私は最強」と「花になって - Be a flower」は羽根のついた赤いコスチュームに着替えた礼さん、トロッコに乗って会場半周して歌いながらサインボール投げてくださいました。
♪私は最強~ と響き渡る声、ほんとサイコーでした。
初日はスタンドの客席見て「うわっ、皆さんのお顔が近い 近いです!!」と何度もおっしゃっていました。
スタンドの人うらやましかったな。
残念ながらサインボールは飛んでこなかったのですが、ナナメ後ろの席の方がキャッチされて写真撮らせていただきました。

「Stardom」 天飛華音くんセンターでカッコよく歌い踊る姿に見とれていたら「ありちゃん、ありちゃん」という声が後ろから聞こえてきて、振り向いたら暁さんがトロッコに乗って、超クールなポーズキメていました。
学習した2日目は、アリーナの後ろの方だったこともあって、ありちゃんがドアから入って来て足早にトロッコに乗るところまでしっかり目撃。
飛翔(はばた)いたら 戻らないと言って
目指したのは 蒼い 蒼い あの空
で始まる「ブルーバード」は、青空が本当に見えるような小桜ほのかさんの美しい歌声が響き渡っていました。
「やってみよう」は
悲しいときは笑って 寂しいときは声出して
雨はいつまでも続かない 土砂降りも楽しもう
と続く歌詞が今の私には個人的にとても心に響いたのですが、この曲、礼さんがバズーカ銃で会場のあちこちにサイン入りTシャツ飛ばしていて、時には全然飛ばなかったりして照れて笑って、楽しそうで、その様子見ているだけで幸せな気持ちになりました。
からの「何度でも」ですよ。
ドリカムのこの曲を、星組に残った95期の同期3人で歌うなんて・・・

客席でご覧になっていた95期の現役やOGの皆さまがここで泣いていらしたというレポをたくさん見かけてまた胸がいっぱいになりました。
そしてここでも
悔しくて苦しくて がんばってもどうしようもない時も
きみの歌を思い出すよ
という歌詞が心に刻み込まれて、私もきっと折にふれて礼さんの歌声を思い出すだろうなと。
本当に選曲 神だな。
コブクロの「流星」は礼さん、暁さんのデュオ。これもすばらしかったです。
曲終わりに二人が向かい合って握手するのですが、手を衣裳で拭いてから握手したり、急にじゃんけん始めたり、礼さんが出した手を暁さんが握ろうとすると礼さんがスッと手をはずして、を何回か繰り返した後、暁さんが強引に礼さんの手を掴みにいったり、と日替わりでいろんなことやっていらっしゃいました。
そして、笑顔で肩を組む二人。
この時、礼さんは愛おしそうに客席を見渡して、暁さんは前を見据えていて、お二人それぞれの表情の違いも印象的でした。
前半ラストはLittle Glee Monsterの「ECHO」を全員で。
力強い楽曲を、圧倒的な迫力で聴かせてくれる星組のコーラスに胸が高鳴りました。
全員が横一列に並んでメンバー紹介。
その回によって礼さんが「今日は下手から」「上手から」と言って順番に名前を名乗る形。
礼さんも順番通りに「礼真琴です!」と言って毎回拍手と笑いが起こっていました。
ひろ香祐さんが進行をつとめる日替わりMC。
1/18 澪乃桜季・ 蒼舞咲歩・希沙薫・彩紋ねお
1/19昼 紫りら・小桜ほのか・鳳真斗愛・ 凛央捺はる
1/19夜 天希ほまれ・天飛華音・奏碧タケル・乙華菜乃
1/20 白妙なつ・夕陽真輝・世晴あさ・碧羽陽
1/21 暁千星・夕渚りょう・都優奈・綾音美蘭・和波煌
というメンバーでした。
礼さんがステージにいる間に礼さんまじえていろいろやって、礼さんが衣裳替えで去った後はそれぞれが「礼さんに背中を押してもらったこと」や「私だけが知っている礼さんのエピソード」を話たり。
初日は「オトノナルホウヘ→」の「タタタン・・」という手拍子に合わせて礼さんにカッコイイポーズをキメてもらうというリクエスト。
「手拍子は早すぎても遅すぎてもいけません」と客席に求めるさすが体育会系の星組。
1/19は客席みんなでウェーブしたり、千穐楽の1/21は礼さんにこの台詞を言ってもらうということで「ディミトリ」と「阿弖流為」から。
「ディミトリ」の台詞を説明する暁さんに「誰のせいで飛ばされたと思ってんの?」という礼さんナイスツッコミ!
天飛華音さんの初新公の時のお話など、皆さまの口から発せられる礼さんのエピソード一つひとつがまるで宝物のよう。
白妙さんが「礼さんの舞台での最初のキスの相手はワタシ」と客席にマウント取るのもおもしろかったです。
そして千穐楽、ずっと司会をしてきたひろ香祐さんに夕渚りょうさんが「ひろ香さんはずっと司会でご自分のこと話されていないから・・・」と振ってくれて、「礼真琴が私のANTHEMです」とキッパリと宣言するひろ香さんにナミダ。
後編につづく →