2024年06月17日
星組 「BIG FISH」 エドワードを取り巻く人々編
©宝塚歌劇団
©宝塚歌劇団
一面に黄色い水仙の花咲くプロポーズの場面で一幕が終わって、二幕開演前はこの幕。
上が6月13日に撮ったもの。TLがざわついていたので自分が撮ったもの比べてみたら、
なるほど6月2日に撮ったもの(下)は水仙が直線になっていました。
作品の細かい好きポイントや礼真琴さんについては、延々と書き続けそうな勢いですが、いずれまた加筆するといたしまして、エドワードを取り巻く人々について。
宝塚歌劇 星組公演
ミュージカル 「BIG FISH(ビッグ・フィッシュ)」
脚本:JOHN AUGUST
音楽・作詞:ANDREW LIPPA
原作:DANIEL WALLACE
潤色・演出:稲葉太地
以下、スタッフ、出演者、観劇日時は本編の感想(こちら)と同じ
ウィル:極美慎
”父と息子”の物語ということで、エドワードの次に重要な役割を担うウィル。
極美慎くんもそこのところはよく自覚していて最大限の力量を発揮していたのではないでしょうか。
元より高いポテンシャルを持っている人ですが、目覚ましいほどの「二番手」ぶりで、本編の感想にも書いたとおり、極美くんにとってこのウィルはエポックメイキングな役になったと思います。
父親への葛藤も揺れる心も、最後に理解し合って見送る思いも、今度は自分が父親として立つ姿も、感情細やかに表現。歌も台詞も、ちょっと硬質な声が「僕は現実的なんだ」というウィルにとてもよくハマっていました。
ビジュアルは言わずもがなですが、結婚式のシーンのタキシードの似合いっぷり、ホレボレしました。
ラストのエドワードの How It Ends 毎回涙流しながら聴いていたなぁ。
ヤングウィル:茉莉那ふみ
キャスト一覧にも掲載されていませんでしたが、大抜擢。”Fight The Dragons” では礼さんとのデュエットもあります。
パパの話を楽しみにしつつも、ちょっと醒めた目で見るようになる幼少期から少年期のウィルを適格に演じてお芝居の上手さが光ります。
歌ももちろん聴かせてくれて、礼さん相手に物怖じしない舞台度胸もすごい。サーカスのオーディションで詩さんサンドラと3人娘で♪アラバマの子羊を歌い踊る姿、大学生のおさげ髪もキュートでした。
108期首席で飛びぬけて小柄ながら何でもできる注目の新人さん。ケガで休演も乗り越えて、今後の活躍が楽しみです。
サンドラ:小桜ほのか
エドワードの愛する妻サンドラは小桜ほのかさんと詩ちづるさんで年代を分けてキャスティングされました。
小桜さんといえば直近では「RRR」の総督夫人の冷血っぷりが記憶に新しいところですが、当然ながらまるで別人で、夫と息子への愛情溢れた、いかにもアメリカのファミリーにいそうなママを体現。ほんとお芝居がお上手。
私は小桜さんの歌声が大好きで、これも本編の感想に書きましたが、”I Don't Need A Roof” の包み込むような歌唱は何度聴いても至福でした。
若かりし頃のサンドラ:詩ちづる
サーカスでエドワードと出会って、一目ぼれしたエドワードにプロポーズされて結婚、ヤングウィルのママ時代までのサンドラ。
サーカスの登場の場面、大学でエドワードにプロポーズされる場面、どちらもとても可愛くて正統派ヒロインの役どころ。
礼さんとのデュエットのハーモニーも美しくて、この役を観ていると舞空さんの次はやっぱり詩ちゃんなのかなぁと感じました。
若いママ時代も意外と(と言っては失礼ながら)よくて、昔TVで見たアメリカのドラマにこんなママいた~と思いました。
二幕の冒頭で戦時中の慰問団として登場して、サンドラとはまた違ったショースターぶりも発揮。
ジェニー・ヒル:白妙なつ
エドワードのハイスクール時代のガールフレンド ジェニーも年代を分けてのキャスティング。
白妙さんは、父の真実を知りたいとウィルが訪ねてくる晩年のジェニーでした。
出番は多くないし動きも少ないのですが、ウィルがエドワードの真実に目覚める大切な場面をさすがの演技で締めていらっしゃいました。
「お父さんの気持ち、わからないのね」と切なそうにウィルに言うジェニーが好きでした。
若かりし頃のジェニー:鳳花るりな
ハイスクール時代のいかにもギャルなジェニー。
鳳花るりなさんは「RRR」ではFIRRREで、キレッキレのダンスが冴え渡っていましたが、この役で歌もお芝居もイケることが広く認知されましたね。
魔女率いるWitchesの一人としても目力で妖しげな魅力を振りまいていました。
ベネット:ひろ香祐
エドワードの古くからの友人で主治医。エドワードのとてもよき理解者です。
終始穏やかで温かい雰囲気。エドワードとウィルの関係を案じつつも余計な口を出さない、とてもステキなお医者様でした。
この役にひろ香さんを持って来られることがとても安心。
ドン&ザッキー・プライス:蒼舞咲歩 夕陽真輝
エドワードの少年時代からの遊び仲間でライバルのドンとその弟ザッキー。
蒼舞咲歩さん演じるドン・プライスが、いかにもアメリカ映画に出てきそうな不良の悪ガキ(「バック・トゥ・ザ・フューチャー」のビフのような)で本当に上手い。その兄に金魚のフンのようにくっついている弟のザッキーもポンコツだけどどことなく憎めません。
ドンは大学に入ってサンドラの婚約者としてエドワードと再会しますが、「サンドラ、なんでこのオトコを選んだ?」と思いましたよね。
でも大学で政治学を学んで、後にはアシュトンの町長にもなって、案外勉強家だったのかもしれません。
エーモス・キャロウェイ:碧海さりお
トルネードに巻き込まれたエドワードとカールがたどり着いたサーカスの団長。
ちょっとクセのある役やらせたら安心安定高品質の碧海さりおくん。ダンサーでもありますが、今回力強い歌声も披露してくれています。
狼男としても遠吠えもうまかったなぁ。
魔女:都優奈
森の沼地に棲む未来を予言する魔女。
都優奈さんは星組が誇る歌姫の一人ですが、魔女の大ナンバー I Know What You Want を大迫力の歌い上げ。
もちろん台詞も含めて、ブロードウェイミュージカルなのにまるであて書きかと思うくらいハマっていました。
カール:大希颯
アシュトンの森の洞窟に棲み、人々から恐れられている巨人。エドワードが説得して一緒に旅に出ることになります。
竹馬のような高足を履いて天井につきそうなくらいの巨人。体は大きいけれど繊細な心の持主で、数字に強く頭も切れるカールを大希颯くんが熱演。歌がお得意の大希くんですが、その歌唱力も存分に発揮してくれました。
人魚:希沙薫
オープニングに登場する人魚。
エドワードがキスして水から出て自分の足で歩き始めることになります。台詞も歌もありませんが、折りに触れて登場する希沙さんの人魚、とってもキュート。
本来は男役の希沙さんですが、今回は二幕冒頭の慰問団のUSOレディーなど、群舞の場面でもショートヘアのまま女役として踊っていらっしゃいました。またこのダンスがキレッキレなんだ。
ジョセフィーン:星咲希
ウィルの妻で世界的に活躍するレポ-ター。
ずっと身重の姿なので世界を飛び回って活躍するレポーターのイメージはありませんでしたが、聡明で、ウィルのことを愛しているのはもちろん、エドワードにも優しい心遣いを示すステキな女性でした。
星咲希さん、これまであまり大きなお役をやったイメージがなかったのですが、こういう抜擢があるのも別箱公演のよさだと思います。
書き下ろしではないので役は多くありませんが、主要キャストの他にも
天希ほまれさんが白い長靴履いた超イケメン漁師で、♪アラバマ・ストンプで礼さんエドワードと一緒にタップ踏んだり、サーカスのジャグリングはトリプルキャストだったり、御剣海くんはセントラルパークで長い脚でサックス吹いていたり、この公演で退団する星影ななさんにはエレベーターで「緑が似合いますね」とエドワードに話かけられる看護師役を振ったり、随所に稲葉先生らしい工夫とやさしさが表れていました。
何より
礼さん筆頭に出演者が一丸となって、みんな活き活き楽しそうに、すばらしいパフォーマンスでこの「BIG FISH」の世界を紡ぎ出していたこと、その思いと感動が客席の隅々にまで伝わっていたこと・・・あの空間にいることができて、心の震えと涙を共有できて、本当に幸せでした。
18日間23公演 完走おめでとうございました。
6月2日は東や西や南(笑)のお友だちと一緒になって乾杯したり
6月13日は my 楽だからとエディさんと乾杯したりドーナツ食べたり
(いつだって乾杯はつきもの)
終演後 オーケストラが演奏してくれるイグジットの間はこんな光景
この星組の「BIG FISH」と礼さんのエドワード きっと ずっと 忘れません のごくらく度 (total 2270 vs 2273 )
この記事へのコメント
コメントを書く
コチラをクリックしてください
この記事へのトラックバック