2024年05月31日
さながらプレお披露目 雪組 「仮面のロマネスク/Gato Bonito!!」
©宝塚歌劇団
雪組別箱の3つ目はこちら(順番的にはこれを一番最初に観たのですが)。
朝美絢さんと夢白あやさんコンビでの全国ツアー公演。
まだ正式には発表されていませんが、朝美絢さんは雪組次期トップスターの最有力候補でもあり、ご本人もやる気が漲ってお芝居、ショーともに輝くような存在感を発揮していて、さながら”トッププレお披露目公演”のようでした。
宝塚歌劇雪組 全国ツアー公演
ミュージカル 「仮面のロマネスク」
~ラクロ作「危険な関係」より~
脚本:柴田侑宏
演出:中村 暁
作曲・編曲:寺田瀧雄 𠮷田優子
振付:名倉加代子 装置:齋藤万希子 衣裳:薄井香菜
ショー・パッショナブル 「Gato Bonito!!」
~ガート・ボニート、美しい猫のような男~
作・演出:藤井大介
作曲・編曲:青木朝子 手島恭子
振付:羽山紀代美 御織ゆみ乃 若央りさ 百花沙里 ANJU 中塚皓平
装置:新宮有紀 衣裳:河底美由紀
出演:朝美 絢 夢白あや 透真かずき 真那春人 杏野このみ
希良々うみ 縣 千 咲城けい 聖海由侑 華純沙那 音綺みあ ほか
2024年4月12日(金) 3:00pm 梅田芸術劇場メインホール 2階RB列/
4月13日(土) 12:00pm 1階15列センター
(上演時間:3時間/休憩 30分)
©宝塚歌劇団
「仮面のロマネスク」
舞台はナポレオン失脚後、王政復古した1830年のパリ。
社交界で虚飾に満ちた恋の駆け引きを楽しんでいる貴族たちの中でも注目を集めている美貌の貴公子ヴァルモン子爵(朝美絢)。
女性との醜聞が絶えないヴァルモンでしたが、かつて恋人であった若き未亡人・メルトゥイユ侯爵夫人(夢白あや)だけは特別な存在でした。メルトゥイユは以前の恋人であるジェルクール伯爵(咲城けい)が若い令嬢セシル(華純沙那)と婚約したことを知り、ヴァルモンにセシルを誘惑するよう依頼します。また、ヴァルモンが貞淑なトゥールベル高等法院長夫人(希良々うみ)に興味を持ち始めいることを見抜き、トゥールベル夫人とセシルの両方を誘惑するよう持ちかけ、成功したら自分を褒美にすると提案します・・・。
これ、すみれコード大丈夫なのかしら、という物語ですが、1997年 雪組の高嶺ふぶきさん・花總まりさんで初演されて以降、何度も再演を重ねてきた宝塚歌劇の名作の一つです。
私もこれまでに宙組や花組で観ていて、何度観ても主役の2人には1ミリも共感できませんが、あの耽美な世界観は好みです。
ラストのヴァルモンとメルトゥイユのダンスシーンは本当に名場面だと思います。
大きな時代のうねりの中で、甘く切なく、破滅へと向かうラストシーン。
鳴り響く砲声と燃えさかる火の手の中、微笑み合って踊る2人。
多分もう二度と会うことができない別れを前に、お互いにそれまでかぶっていた仮面をようやく外し、「ジャン・ピエール 楽しかったわ」「あなたが本当に好きだった」と真実の思いを告げながら。
そういえばこのシーン、炎の中2人が踊ってくるくる回りながら幕が下りてくる印象だったのですが、今回演出変わったのかな?
朝美絢さん演じる、女を落とすことには絶対の自信を持っているプレイボーイのヴァルモン。
あんなに綺麗で軍服も似合っていい声で口もうまくて濡れた瞳で・・・そりゃモテるよね~。
危険なオトコと知りつつどうしても引き寄せられてしまう魅力に溢れていて、トゥールベル夫人を落としにかかるところなんて、観ているこちらまでドキドキして、夫人の方が何だか可哀想になっちゃいました。
しかーし、前回 明日海りおさんで観た時にも思ったのですが、ヴァルモンはこの髪型(ポスター画像の)しないといけないのかな?あまり長身とはいえないスターさんには少しツライところ。
夢白あやさんのメルトゥイユ。
研ぎ澄まされた美しさと華やかさ、いかにもプライドが高そうなところもメルトゥイユにぴったりでした。
前述したラストシーンの「ジャン・ピエール 楽しかったわ」というメルトゥイユの台詞が大好きで、花總まりさんの名演が忘れられませんが、初日、2日目(4/12・13)と観た時は「夢白ちゃん、今一歩だなぁ」と思ったものの、先日タカラヅカニュースで観た千穐楽(5/6)映像ではとてもよくなっていてすばらしいなと思いました。
ショーも合わせて歌はまだ不安定なところもありますのでがんばっていただきたいところです。
縣千さんはダンスニー。
華やかなビジュアルとは裏腹に、あまりカッコいい役とはいえませんが、出過ぎず、かといって存在感も失わず、よかったです。
縣くんもお歌がんばれー・・・がんばっているだろうけれどもっとがんばれー。
ジェルクール伯爵は咲城けいさん。
この役は花組版で鳳月杏さんが演じた”髭も似合って色気ムンムンの大人のオトコで”で、咲城さんには挑戦だったかと思いますが、声までしっかりつくって健闘だったのではないかしら。
メルトゥイユ夫人より実はこっちの方がいい役なんじゃないかとかねがね思っているトゥールベル夫人は希良々うみさん。
雪組が3分割された中での抜擢かと思いますが、悪くはないけれどもいささか荷が重かった印象です。
貞淑な妻だけど隠れた色気を持っていて(そこにヴァルモンは気づいている)、どこか「触れなば落ちん」雰囲気があるトゥールベル夫人。
いけないいけないと知ではわかっていても情が傾いてしまう悩ましい感じがもう少し欲しいところでした。
華純沙那さんのセシル。
育ちがよくて可愛らしく、もう少女ではないけれど成熟した大人の女性でもないというセシルを嫌味なく演じていて好感。
まだ若いけれど華純さんのトゥールベルも観てみたかったな。
聖海由侑さんのアゾランがいかにも遊び人のヴァルモンの遊び人の従者(ほめています)でとてもよかったです。
せーみくん、やっと出てきたかなと思ったら次の公演での退団が発表されて⤵⤵
そのアゾランと恋仲のジュリー・音綺みあさんも可愛くてしっかり者でよかったです。
109期首席の音綺さん。”メルトゥイユの影”では面差しが夢白さんに似ていて、表情など細かく研究されたものと思いますし、ラストのあのダンスシーンでのかげソロも絶品でした。
©宝塚歌劇団
「Gato Bonito!!」
2018年に望海風斗さんの月組で上演されたショー。
「何で今さら?」と思いましたが、当時の紹介文:
「『Gato Bonito』はポルトガル語で“美しい猫”の意味。クールで気まぐれな性質、気品溢れるしなやかな身のこなしなど、猫からイメージされる姿を望海風斗率いる個性豊かな雪組生達に重ね合わせ、バラエティ豊かな場面で構成する華やかでドラマティックなラテン・ショー」
の『望海風斗』を『朝美絢』に置き換えると納得・・・なるほど朝美さんって猫のイメージありますものね!
6年ぶりに観る「ガトボニ」。
何でもすぐ忘れてしまう私のポンコツ海馬も、楽曲聴くといろんな場面が甦ってきますので、音楽のチカラは本当に偉大。
朝美絢+ラテンショーの強さよ。
序盤様子見な客席に朝美さんが♪エルクンバンチェロで「行くぞ〜!初日ぃっ!」と気合入れてから俄然客席の温度が上がった感じでした。
「ガトボニ」初演観た時、「エル・クンバンチェロ」といえばとうこ(安蘭けい)さん、なイメージだったのですが、望海さんもとてもよかったと感想書きましたが、朝美さんもやっぱりお似合いでした。
ちなみに朝美さんご本人は♪黒ネコのタンゴまで体感5秒だそうです。
♪黒ネコのタンゴのアドリブでは各地で沸かせてくれた朝美さん。
初日は「朝から胸がドキドキソワソワしちゃってここまで体感5秒・・・なぜって、初日だからー!みんなお待たせー!初日 おめでーとボニート!!」とおっしゃっていました。
4/13に観た時は「まいど!」という元気な声とともに登場して、「関西弁ヘタって言われんねん。知らんけど。関西弁めっちゃ好きやねん。誰か正しいイントネーション教えてにゃ~」と関西弁ネタw
カーテンコールのご当地出身者紹介で名前呼ばれたら、みんな「ニャ〜」って手を挙げるの可愛かったのですが、極めつけは透真副組長に「美し過ぎる男 朝美絢」と紹介された朝美さんの超デカ元気ボイスの「ニャ〜」でした。
初演時に女装祭りで話題になったサバンナ。
オールインワンのパンツスーツでお背中全開というセクシーな衣裳で、白:彩風咲奈 青:彩凪翔 紫:朝美絢 黄緑:永久輝せあ が望海さんを取り囲んで踊ったのが印象的でしたが、今回は白の縣千さんと朝美さんのタイマン(違)。
縣くん、とてもほっそりしていたのに驚きました。
もう一つ、初演で話題になった場面といえば朝月希和さんがやったアメリカンガール”ピンク猫”ですが、今回は麻花すわんさん。
とってもキュートなピンクキャットでした。
中詰はじまりの咲城けいさんが娘役さんたちと歌い踊る場面は、さんちゃんが元星男の本領発揮とばかりのオラオラぶりで、「さんちゃーん!」と自分で歌っていてウケました(もちろん藤井大介先生の作詞)。
客席降りもたくさんあって盛り上がり、ガートボニートさんでなくても体感5分の楽しいショー。
千穐楽まで完走 おめでとー!
パレード:
エトワール 希良々うみ
咲城けい・華純沙那
縣千
夢白あや
朝美絢
お席的に客席降りにご縁がなかったのがちょっぴり残念だったなー のごくらく地獄度 (total 2266 vs 2269 )
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