2024年05月19日
あなたが、だれかの夢になる。 雪組 「ALL BY MYSELF」
©宝塚歌劇団
10月13日をもって宝塚歌劇団を退団する雪組トップスター 彩風咲奈さんのストーリー仕立てのリサイタル。
「あなたが、だれかの夢になる。」
という、音楽学校時代の、未来を見つめる彩風咲奈さんのポスター画像で始まるリサイタル。
ブルームのメモリーはそのまま私の雪組メモリーとも重なって、胸熱でした。
©宝塚歌劇団
これが音校時代のポスター
本当にカワイイ
宝塚歌劇 雪組公演
彩風咲奈ドラマティック・リサイタル
「ALL BY MYSELF」
-BLOOM’S COLORFUL MEMORIES-
作・演出:野口幸作
作曲・編曲:青木朝子 太田健 手島恭子 高橋恵 甲斐正人 斉藤恒吉
振付:若央りさ 麻咲梨乃 鈴懸三由岐 三井聡 森優貴 Seishiro
装置:木戸真梨乃 衣裳:加藤真美 映像:九頭竜ちあき
出演:彩風咲奈 愛すみれ 天月翼 諏訪さき 眞ノ宮るい
有栖妃華 愛陽みち 絢斗しおん 音彩唯 華世京 苑利香輝 ほか
2024年5月5日(日) 3:30pm NHK大阪ホール 1階C10列上手
(上演時間: 2時間35分/休憩 30分)
まもなく休暇を取って長い旅に出る大スター ミスター・ブルーム(彩風咲奈)の公演が行われる中、楽屋にブルームの大ファンという編集者カイル(華世京)が訪ねて来て、ブルームの回顧録を出版したいと申し出ます。
はじめは渋っていたブルームでしたが、カイルの求めに応じ、インタビューに答える形でこれまでの舞台を振り返ります。
ブルームの過去の舞台はそのまま彩風咲奈の初舞台からの軌跡と重なり、ずっと”雪組の御曹司”だった彩風咲奈の軌跡はそのまま雪組の歴史とも重なって、とりわけ雪組ファンという訳ではない私でも懐かしさに目がしらが熱くなる思いでしたので、咲ちゃんファン、雪組ファンの皆さまのお気持ちはいかばかりかと。
今年退団するトップスターの退団前コンサート 花組 柚香光「BE SHINING!」、月組 月城かなと「G.O.A.T」と観てきて、どちらもよかったですが、この「ALL BY MYSELF」がトップスターの退団前コンサートの”正解”を観たように思いました。
©宝塚歌劇団
ブルームのメモリーは時代別に色分けされていて
ACT 1
ORANGE:初舞台「シークレット・ハンター」のロケットや「Eres mi amor」など入団当初の作品。
BLUE:新公初主演をつとめた「ソルフェリーノの夜明け」など新人時代。
「早くから抜擢されて実力が追いつかず苦しかった」というブルームのナレーションが入りましたが、ずっと陽のあたる道をスイスイ歩いてきた印象の咲ちゃんにも、そんなふうに苦しんだ時代があったんだと胸がキュッとなりました。
若き日のブルームを演じた苑利香輝くん、目をひきました。
ロミジュリの「世界の王」もここで出てきました。ラストは「仁」の「My Life Your Life」
GOLD:愛すみれさんの「お祭りマンボ」で始まるジャパネスク。「夢介千両みやげ」も。
PURPLE:「灼熱の彼方」「「パルムの僧院」「CAPTAIN NEMO」「ハリウッド・ゴシップ」といったバウ、別箱主演作。
それぞれの作品のパネルを背に下級生が役に扮して歌います。
ここのラストは諏訪さきさんセンターで「Music Revolution!」アガリます。
BLACK:「るろうに剣心」斎藤一の「悪・即・斬」 タバコ加えて剣を構える当時の画像も映写されてと前のめりになりました。大好きだったな
そして一幕ラスト
「ターニングポイントとなったものはありましたか?」というカイルの質問に聞くと彩風ブルームが「そうだな」と出てきた時には黄色の衣裳に着替えていて
YELLOW:「海の見える街」
「SUPER VOYAGER!」の今も語り継がれる名場面を衣裳も装置もそのままにフルで再現。すばらしかったです。
当時朝月希和さんが勤めた相手役は音彩唯さん。咲ちゃんの隣で踊る永久輝せあさんのパートは諏訪さきさんでした。
朝月さん退団時のサヨナラショーで少しやっていましたが、これをまたフルで観られるなんて!
©宝塚歌劇団
ACT 2
GREEN:二幕冒頭のインタビューでカイルのポーズがそのまま冴羽遼のポーズと重なって、トップお披露目公演「CITY HUNTER」の「Get Wild」からトップ時代へ。
「Fire Fever!」「Sensational!」「FROZEN HOLIDAY」といったショーの曲の数々や、彩風さん、諏訪さんで「愛するには短すぎる」の「恋は元々アンフェア」。愛すみれさんの歌う「愛の宝石」で彩風さんと白綺華さんのデュエットダンスも。
BROWN:大道具係のウィングさん(天月翼)が登場してブルームの運転がうまいことをほめたら、ブルームがあの舞台そのままに車を運転して登場して「BONNIE&CLYDE」の「When I Drive」
ちなみに、大道具係の他にもいろんなキャラクターがあちこちに登場して衣裳係は愛すみれさん、眞ノ宮るいさんは客席係のルイ、諏訪さきさんは一幕で演出家のビジット先生でした(諏訪の”訪”からビジットらしい・・・野口先生w)。
STRIPE:日替わりコーナーでこの日は「Libertango」でした。
大好きなナンバーなのでうれしかったです。
彩風さんのパートナーは金髪ショートヘアにドレスの眞ノ宮るいさん。色っぽいししなやかで美しいし、タンゴの足さばきキレッキレで見応えありました。
SILVER:彩風さんと華世さんのヴォーカルで「カナリヤ」。
RED:「RIO DE BRAVO!!」「カリビアン・ナイト」「Fire Fever!」と続くラテンコーナー。ラテンはやっぱりアガリます。
「カリビアン・ナイト」は月組の作品ですが、彩風さんが彩輝直さんのファンということでピックアップされた曲のようです。
ここで客席降りがありました。彩風さんがフラッグの振りを丁寧に教えてくれて練習もして。
横には愛すみれさん、後ろに諏訪さん、少し前には眞ノ宮さんという並びで、愛すみれさん目を合わせてフラッグ振ってくれるし、あの美声はナマで聴けて耳福でした。
振付講座を会場のモニターで初めて観たような劣等生ですが
ちゃんとフラッグ振りました🚩
少し前の列で真彩希帆さんが観劇されていたのですが、皆さん舞台に帰る時に笑顔でからんでいて可愛かったです。
このコーナーラストは眞ノ宮さんの「エメラルドの伝説」。
WHITE:カイルの「思い出に残る一作は?」という質問にブルームの答えは「ODYSSEY、いろんな意味で」。
大商人の「The Sheik of Araby」を諏訪さきさんから始まりす。
「ODYSSEY」は一度全公演中止なって、再演(というのか)には諏訪さんは出演されていなかったので、本来ならばここにキャスティングされていたのだろうなと思いました。野口先生の愛。
そして、金の奴隷の彩風さんと囚われた王妃の華世京さんの場面。ここをフルで観るのはさすがにちょっと長いなと感じなくもなかったですが、華世さんの女役がより自然に女っぽくなっていて感心しました。
エピローグはまた楽屋に戻って、インタビューが終わり、ファンや取材陣が詰まる中、ブルームが「I BECAME EVERYONE'S DREAMーわたしがみんなの夢になったー」を1人で歌って幕。
この曲、冒頭で歌った「YOU WILL BE SOMEONE'S DREAM」と対になっていて、歌詞もとても心に沁みました。
あなたがだれかの夢になると
夢見たあの日から
時は過ぎ 今思うことは
ただひとつ
ここで生きられて良かった
彩風咲奈さんご本人はもとより、諏訪さきさん、眞ノ宮るいさんをはじめ下級生の男役、娘役にも活躍の場があって、とてもよきショーでした。
まるでバトンを渡すのが見えるかのような、華世京さんのご活躍も印象的でした。
リサイタルはすばらしかったけれどお別れはやっぱり寂しい のごくらく地獄度 (total 2265 vs 2268 )
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