2024年03月17日
天井から降り注ぐ音 辻󠄀井伸行 日本ツアー2023/24≪楽興の時≫
思いがけずご招待いただいて、辻井伸行さんの日本ツアーに行ってきました。
オーケストラと一緒の演奏は以前にも聴いたことがありますが、ソロ・リサイタルは初めてでした。
辻󠄀井伸行 日本ツアー2023/24 ≪楽興の時≫
2024年3月10日(日) 2:00pm ザ・シンフォニーホール 1階E列下手
(演奏時間:2時間/休憩 20分)
演奏曲
バッハ:フランス組曲 第5番 ト長調 BWV816
ショパン:4つの即興曲
第1番 変イ長調 作品29
第2番 嬰へ長調 作品36
第3番 変ト長調 作品51
第4番 嬰ハ短調 作品66 《幻想即興曲》
ラフマニノフ:ヴォカリーズ 作品34-14(リチャードソン編)
ラフマニノフ:楽興の時 作品16
第1番 変ロ短調(アンダンティーノ)
第2番 変ホ短調(アレグレット)
第3番 ロ短調(アンダンテ・カンタービレ)
第4番 ホ短調(プレスト)
第5番 変ニ長調(アダージョ・ソステヌート)
第6番 ハ長調(マエストーソ)
アンコール
ショパン:ノクターン 第20番「遺作」
ラフマニノフ:鐘
リムスキー=コルサコフ(ラフマニノフ編):熊蜂の飛行
リスト:ラ・カンパネラ
前半はバッハとショパンとラフマニノフで美しくメロディアスなピアノを響かせ、休憩を挟んだ後半は、2023年に生誕150年を迎えたというラフマニノフの「楽興の時」全曲演奏に初挑戦するという構成。
カーテンコールでも「『楽興の時』は初めての挑戦で大変でしたががんばりました」とおっしゃっていました。
まるでピアノの音色が天井から降り注いで空間を包み込むよう。
軽やかさと繊細さ、力強さ。
奏でる響きのドラマチックで豊かな表情と振り幅の広さ。
一台のピアノで演奏しているとは思えない重層的な響き。
演奏がすばらしのはもちろん、シンフォニーホールの音響の良さもあって、ショパンの「幻想即興曲」なんて、華やかな音の波状攻撃に、「え?!後ろで何か別の楽器も演奏してる?」と背伸びしてピアノの後ろを覗いてみたくらい。
これ、ずい分昔にやはり同じシンフォニーホールで、ヨーヨー・マの無伴奏チェロを初めて聴いた時も同様の驚きがあったなぁと懐かしく思い出しながら聴いていたら、休憩時間に同行の友人も 同じこと言っていて笑ってしまいました。
初挑戦というラフマニノフの「楽興の時」は私も多分聴くのは初めてでしたが、第1番から第6番まで、それぞれ違った表情を持った曲なのに流れるような繋がりもあって、聴き惚れている間に「もう全曲?!」という感じでした。
鳴り止まない拍手に用意されたアンコール曲プラス3曲も演奏してくださって、短い曲ばかりですが、この4曲どれもすばらしくて、これだけでもコンサート1回分くらいの満足感。
聴けると思っていなかった、辻井伸行さんといえば、な大好きな♪ラ・カンパネラ 演奏が始まった時にはテンション爆上がり。客席からもどよめきと拍手が起こりました。
まだまだ拍手は続きましたが、最後にちょっと笑いながら自分で鍵盤蓋閉める仕草もとてもチャーミングでした。
またぜひ聴きに行きたいけれどチケット即完がタマにキズ のごくらく地獄度 (total 2252 vs 2257 )
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