2024年01月04日

ルパン三世たぁオレがことだ~ 「流白浪燦星」


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免許取りたてのころ、車のバックミラーのところに赤いジャケット着たルパン三世のマスコット(手足がグニャリと曲がるやつ)をつけていたくらいルパン三世好きだった不肖スキップ。
宝塚歌劇版(2015年 雪組)もとても楽しかったですが、それを歌舞伎でやると聞いて「へえぇ」と思ったものの、どちらかといえば歌舞伎は正統派の大歌舞伎好きでイロモノ(失礼)は苦手なのでそこまで食指は動かず。
・・・だったのですが、高麗屋さんのパーティが12月24日に開催されるとご案内があり、チケット取っていた宝塚の公演がいくつか中止になったことも重なって、「ええい!パーティ行ってやる!」となり、それならばついでに(またまた失礼)評判のルパン歌舞伎も観ましょうという気になりました。チケットはすでに完売していましたが、ウオッチしていたら戻りのチケットが取れて、首尾よく観劇と相成りましてござります。


新作歌舞伎 「流白浪燦星」(ルパン三世)
モンキー・パンチ 原作「ルパン三世」より
脚本・演出:戸部和久
出演:片岡愛之助  尾上松也  市川笑三郎  市川笑也  市川中車  
尾上右近  中村鷹之資  市川寿猿  市川猿弥  片岡千壽  坂東彌十郎  ほか

2023年12月24日(日) 11:30am 新橋演舞場 1階4列上手
(上演時間: 3時間25分/幕間 30分・15分)



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歌舞伎はもちろん「ルパン三世」も大好きという戸部和久さんのオリジナルストーリー。
舞台は石川五右衛門が実在した安土桃山時代。
“卑弥呼の金印”というお宝を狙う大泥棒・ルパン三世(愛之助)と相棒の次元大介(笑三郎) 。
金印の封印を解くには雄龍丸と雌龍丸という2本の宝剣が必要で、金印と宝剣が揃えば世を統べる力を手にできると伝えられています。しかし雌龍丸は、ルパン同様卑弥呼の金印を狙う大盗賊の石川五ェ門(松也)の手中にあり、さらに天下をおさめる真柴久吉(彌十郎)も金印を探していました。
峰不二子(笑也)が何か事情を知る様子の中、ルパンの因縁のライバル・銭形刑部(中車)もルパンを追っていました・・・。


ルパンの赤いジャケットは襟付きの赤い羽織、原作アニメそっくりなビジュアルの五ェ門、次元は紙巻煙草ではなく煙管を吸い(道中合羽が緑なの笑三郎さんだからかな(≧▽≦)、不二子ちゃんの着物には藤の花、十手を持った銭形刑部の着物は永楽通宝の銭柄と、随所に遊び心たっぷり。

石川五ェ門の「絶景かな 絶景かな~」の「楼門五三桐」に始まって、締めくくりは「白浪五人男」よろしくルパン・次元・不二子・五ェ門・銭形の名乗り。
ルパンと五ェ門の本水を使った迫力の大立ち回り、不二子ちゃんの華麗な花魁道中(うっとりするくらい綺麗)、ぶっ返りなどケレンもたっぷり、だんまりあり、飛び六方の引っ込みあり。歌舞伎の名場面のあれやこれやがたくさん、浄瑠璃はもとより大薩摩もと、本当によく盛ったねーという感じです。

「ふ~じこちゃ~ん」と時折驚くくらいアニメのルパンの台詞に寄せてくる愛之助さんや「ルパン、逮捕だ~」とこれまた銭形警部そっくりの中車さん。
歌舞伎好きもルパン好きで歌舞伎初心者にも楽しめる仕上がりでした。
あの耳慣れた「ルパン三世のテーマ」を下座音楽で聴くのアガリますし、それに合わせる附け打ちさんすばらしかったです。

ストーリーはまぁアレですが(^_^;)、傾城糸星と伊都之大王を演じた尾上右近くんと松也くん五ェ門が芝居の部分をしっかり担って泣かせてくるし(どこかで観たような話ではある)、端正な長須登美衛門の鷹之資くんは相変わらず所作の美しさが目に、声の良さが耳にとまります。
唐句麗屋銀座衛門って絶対悪いよね、という期待を裏切らない小悪人の猿弥さんとか、これだけみんな出て来て真柴久吉誰?と思っていたら、北条時政 の生まれ変わりらしき彌十郎さんで、「あー、彌十郎さんいたかー」となったり。
そういえば、笑三郎さん次元も「別班にはちょっと詳しい」なんてTVネタおっしゃっていました。
二幕冒頭の片岡千壽さん演じる通人萬望軒はストーリーに直接関係ないけれど(笑)とてもつくり込んだマモーでした。

そして忘れちゃならない牢名主九十三郎の93歳 寿猿さん。
寿猿さんのあんな長台詞、久しぶりに聴きました(後半読んでたけど(≧▽≦)
いつまでもお元気でご活躍いただきたいです。


この公演は、GACKTさんが観にいらしたり、堺雅人さんがご夫妻でご覧になったり、歌舞伎役者さん総見(違)があったりと客席もかなり話題になりましたが、この日も豪華な客席でした(ルパンと次元で客席いじりのコーナー?があるのですぐわかる)。
終演後の劇場前では関係者総出で黒塗りの車お見送りしていらして、どなたが?と除くと車窓からにこやかに御手を振られる皇族の方が。



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ラストは小判がザクザク降ってきて、縁起よい2023年歌舞伎納めとなりました。



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体調悪く多分観ている途中で熱発したと思われ、「早く終わらないかな」とちょっと思ったゴメン の地獄度 (total 2437 vs 2436


posted by スキップ at 22:59| Comment(0) | TrackBack(0) | 歌舞伎・伝統芸能 | 更新情報をチェックする
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