2023年11月24日

平成中村座 小倉城公演 夜の部


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昼の部終演後は三十軒長屋でぷらぷら買物して、近くでサクッとランチして、小倉城も眺めて夜の部です。


北九州市制60周年
平成中村座 小倉城公演 夜の部
通し狂言 小笠原騒動
 序幕 明神ヶ嶽芒原の場より
 大詰 小笠原城内奥庭の場まで

作:勝 諺蔵
脚色:大西利夫
補綴・演出:奈河彰輔    補綴:今井豊茂
出演:中村勘九郎  中村七之助  中村橋之助  中村福之助
中村歌之助  中村鶴松  中村虎之介  坂東新悟  片岡亀蔵 ほか

2023年11月17日(金) 3:30pm 平成中村座 松席 1階10列センター



昼の部の感想はこちら


豊前小倉藩(現北九州市)で実際に起こったお家騒動と当地に伝わる白狐の昔話を基にした物語。
豊前の国 小笠原家の執権 犬神兵部(勘九郎)は愛人お大の方(七之助)を小笠原豊前守(亀蔵)の側室にしてお家乗っ取りを画策しています。忠臣 小笠原隼人(歌之助)は、豊前守が狩で白狐を射ようとするところを諌め、乱れた藩政について進言しますが、逆に閉門を言い渡されてしまいます。その時隼人に命を助けられた白狐は奴菊平(歌之助)となり、兵部に命を狙われた隼人の危機を救います。
一方、足軽の岡田良助(橋之助)は兵部に加担し、隼人から密書を託されたお早(虎之介)を殺し密書を奪いますが、お早の怨霊にとりつかれた末に自らの愚かさを悟り改心するものの、母・妻・娘を一度に失ってしまいます。妻のお早を殺された飛脚の小平次(福之助)は水車小屋で激闘の末、良助を討ちますが、断末魔の良助から遠江守へ届ける兵部一味の連判状と訴状を託されます・・・。


ご当地所縁の演目ということで、4年前の平成中村座 小倉城公演で上演されて大好評を博したということですが、4年前は観に来ていなくて、でも「小笠原騒動」は確か南座で観た、と調べてみたら、2009年の花形歌舞伎で観ていました(こちら)。14年前って・・・(遠い目)。


勘九郎さん、七之助さんが悪役に回って、中村橋之助、福之助、歌之助の成駒屋三兄弟がそれぞれ二役演じて奮闘公演となっています。
三兄弟のうち、橋之助くんと歌之助くんの区別がまだあやふやな不肖スキップ(←)、幕間に配役見て「えっ!あれって橋之助くんだったのっ?!」なんていうこともありましたが、お役については混乱することなく楽しく拝見しました。


一幕で登場人物が出揃って大まかな人間関係がわかり、二幕は岡田良助の家の悲劇を描いて(ちょっと記憶飛びました💦)、三幕は大立ち回りからの大団円。スカッと勧善懲悪で幕。


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この席だったのですが、後ろの通路(松席と竹席の間)をまぁ、役者さんが通る通る。
一幕で、岡田良助(橋之助)がお早(虎之介)に「こっちの方が近道だから」と花道から降りてきて、この通路をやって来たかと思うと私の真後ろで立ち止まって、「こっちの方」がと客席の中にずんずん歩み入りました。観客が自分の横の荷物を慌てて片付けると「道ができた」とご満悦でした。


さらには三幕。
勘九郎さん犬神兵部が鬼神のごとき形相で上手花道を駆けてきたかと思うと、横通路でバッと曲がって花道に立てられた梯子に駆け上がります。曲がった時に両肌脱いだ着物の袖がバサッと私の頭にかかってテンション上がる
さらには、横にした梯子に七之助さんお大の方と勘九郎さん犬神兵部がそれぞれ乗って、これまた鬼の形相で刀構えながら松席の後ろから前まで運ばれていくに至って、梯子の下の私たちのテンション爆上がりでした。

鳥屋上に登場した白狐に向かって、七之助さんが鳥屋を駆け上がったかと思えば、照明がバーンとついたら勘九郎さんがお大尽席の真ん中で見得、からの鳥屋上に駆けつけて二人で白狐相手に立ち回り、七之助さんはとても美しい海老反り見せてくれて・・・と息もつかさぬ展開に小屋が揺れるくらい盛り上がりました。


岡田良助と小平次の水車小屋の本水使った立ち回りもケレン味たっぷりで、ほんと、平成中村座は楽しませてくれるなぁと改めて。
この日は雨模様だったのですが、水車小屋へ向かう小平次が傘をさして「ひでぇ雨だ」と言うあたりで本当に雨の音が小屋に響いて、まるで舞台の神様の采配のようにも感じました。


2009年の南座で観た時も七之助さんのお大の方がとても印象に残ったのですが、時を経て、美しさと冷酷さがさらにマシマシ。
自分の父親(なさぬ仲だけど)の首を縄で締めながら登場するする場面からゾクッとする妖しさを放っていて、情夫の兵部の前では色っぽい女の顔、豊前守の前ではしとやかで可愛らしい女性と、演じ分けも鮮やか。

もちろん勘九郎さんの犬神兵部もすばらしい迫力で、一座を背負う風格と覚悟を感じました。
身体能力の高さも相変わらずで、あのキレッキレの殺陣観るだけでも小倉まで来た甲斐あったと思いました。
勘九郎さん、カーテンコールでは兵部のままで最後までニコリとも笑わないのもよかったです。



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今回 勘三郎さんの ”目” は8ヵ所で発見。
定式幕や大提灯の下、お大尽席の壁の後ろなど、いつものお約束の場所はもちろん、昼の部にあげた菰樽や五軒長屋など、今まで気づかかなった場所もいくつか見つけました。


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ここにもありました。
今までどうして気づかなかったのかしら。


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中村座から見える小倉城 Day & Night



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夜の部終演後、駅に向かう前に後ろに回ってみました。



明日千穐楽 無事に駆け抜けられますように のごくらく度 (total 2431 vs 2429 )




posted by スキップ at 23:41| Comment(0) | TrackBack(0) | 歌舞伎・伝統芸能 | 更新情報をチェックする
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