
イギリスのロイヤル・シェイクスピア・カンパニーが2010年に製作して瞬く間にウエストエンドの超ヒットミュージカルとなった作品。
2013年にはブロードウェイに進出。トニー賞で5部門を受賞し、オーストラリア、韓国など全世界で1100万人以上を動員したミュージカルの日本初演です。
Daiwa House presents
The Royal Shakespeare Company Production
ミュージカル「マチルダ」
脚本:デニス・ケリー
原作:ロアルド・ダール
音楽・歌詞:ティム・ミンチン
脚色・演出:マシュー・ウォーチャス
振付:ピーター・ダーリング
出演:
マチルダ:嘉村咲良・熊野みのり・寺田美蘭・三上野乃花(クワトロキャスト)
ミス・トランチブル校長:大貫勇輔・小野田龍之介・木村達成(トリプルキャスト)
ミス・ハニー:咲妃みゆ・昆 夏美(Wキャスト)
ミセス・ワームウッド:霧矢大夢・大塚千弘(Wキャスト)
ミスター・ワームウッド:田代万里生・斎藤 司(Wキャスト)
ミセス・フェルプス:岡 まゆみ・ 池田有希子(Wキャスト) ほか
2023年5月31日(水) 6:00pm 梅田芸術劇場メインホール 1階3列センター
(上演時間: 2時間50分/休憩 20分)


マチルダ役のクワトロキャストはじめメインキャストはすべて複数の役者さんが演じていますが、私が観た回のキャストはこちら。
田代万里生さんと霧矢大夢さんのワームウッド夫妻はハズせないと選んだら私が行ける日はこの日一択でした。
後になって、カーテンコール撮影OKとアフタートーク「ミスター・ワームウッドの部屋」が発表されて、ラッキー♪となりました。
物語:5歳のマチルダ(三上野乃花)は難解な本も全部読みつくしてしまうほど高い知能と豊かな想像力を持った少女でした。
しかしながら両親のワームウッド夫妻(田代万里生・霧矢大夢)はそんなマチルダに全く関心を示さず、家庭に居辛い彼女は図書館に居場所を求め、そこで教師のハニー先生(昆夏美)と出会います。担任の先生と生徒として再会するハニー先生とマチルダ。ハニー先生はすぐにマチルダが「天才」であることに気づき、その才能を伸ばしたいと願いますが、学校は校長であるミス・トランチブル(木村達成)が恐怖で子どもたちを支配する『監獄』のような場所となっていました。マチルダは自らが持つ不思議な力を駆使して、子どもたちを苦しめる大人たちに仕返しを試み、自身も苦しい子ども時代を過ごしたハニー先生は、マチルダの良き理解者となり、いつしか二人の絆は固いものとなっていきます・・・。
物語や設定など事前情報は何も入れずに観て、”元気な子どもが大勢で歌い踊るハッピーミュージカルなんでしょ”という予想はいい意味で裏切られました。
大まかに言えば、小さなマチルダが大きな力を持って立ちはだかる”悪”(=トランチブル校長)に戦いを挑んで勝つ、という勧善懲悪ストーリーなのですが、そのひと言だけでは言い表せない切なさや苦さがあり、マチルダとハニー先生の不思議な結びつきもあって、もちろんポップな楽曲やダンス、カラフルな舞台装置などを楽しみつつ、物語そのものにとても惹き込まれました。
後で原作がロアルド・ダールと知って、「『チャーリーとチョコレート工場』の人か!」とやたら納得しました。
終盤にミセス・フェルプスが言う「これでこの物語はおしまい。そんなものよ。物語がいつもハッピーエンドとは限らない」という言葉がとても胸に響いて「そうよね~」と大いに賛同した次第ですが、客席で瞳を輝かせて観ていたお子様たちにそんなこと教えていいの?とも思いました(^^;)
ただ、この後に訪れたちょっとしたギフトのようなハッピーエンド。
ずっとマチルダのことを「坊主」と呼んでいた(それに対してマチルダはいつも「私は女の子よ!」と言い返していた)、パパワームウッドが、イタリアマフィアに取り囲まれた最大のピンチの時に「俺の娘に・・・」と言い、観ていた私も「あ!娘って言ってる」と思ったのですが、もちろんマチルダも「今、娘って言った?娘って言った?」と何度も聞いていました。
からの、外国へ移住する両親と弟と一緒に行くかとマチルダが決断を迫られた時、「えっ!これは娘と呼んでくれたからって親子の情にほだされて一緒に行く方を選ぶ展開?・・・だったら興覚めだなー」と思っていたら、マチルダはちゃんとそれはそれとして、ハニー先生と残る方を選んだところ、さすがでした。ラストに2人仲良くホリゾントの方へはけて行きながら同時に側転するの、かわいかったな。
楽曲みなよくて、マチルダ役の三上野乃花ちゃんはじめ子役ちゃんたちのポテンシャル計り知れません。
みんなで拳を振り上げて「耐えてるだけじゃ何も変わらない」と歌い踊る ”Revolting Children” のパワーと躍動感。
ミス・ハニーは昆夏美さん。
相変わらずかわいいし、昆ちゃんののびやかな歌声、久しぶりに聴きました。
ワームウッド夫妻はこのお二人が目当ての田代万里生さんと霧矢大夢さん。
歌や演技の実力は言わずもがなですが、とてもつくり込んだ拵えで、万里生くんなんて出てきてからしばらく(厳密には歌い出すまで)誰かわからなかったくらいです。3列目だったのに←
歌声聴いて「万里生か?」とオペラあげて見て「万里生やん!」となったのでした(≧▽≦)
霧矢さんは「オーディションあると知って、絶対この役は私」と思って受けたとアフタートークでおっしゃっていました。
きりやんの舞台も久しぶり。パンチ効いた歌声もキレ味鋭いダンスも健在でうれしくなっちゃった。
ミス・トランチブルは木村達成さん。
3人のトランチブルの中では一番年下だとアフトクでおっしゃっていました。
なぜか観る前に校長先生をずっと男性だと思い込んでいて(”ミス”なのに)、大きくてたくましい女性なことにびっくり。
ミニスカート?で脚出したり、リボン体操やったり、体当たりの奮闘。
でも、お稽古も出番も1/3だから「リプルキャストはもういいかな」ですって(^^ゞ


カラフルな舞台美術もステキでした。



カーテンコール
客席の皆さま 動画もバンバン撮っていらっしゃいました。

こんなに複数キャストだとやっぱり役替りも観たくなっちゃってコマル の地獄度


