
©宝塚歌劇団
月城かなとさんの開演アナウンスに続く「Dive」という声で深海に誘われ、「海底の奥深く、海底神殿に集う海神たちが、見たこともないような深海の美を繰り広げる情熱のカルナバル」というラテンショーです。
宝塚歌劇 月組公演
ラテン グルーヴ 「Deep Sea -海神たちのカルナバル-」
作・演出:稲葉太地
作曲・編曲:太田 健 高橋 恵 長谷川雄大
音楽指揮:上垣 聡
振付:御織ゆみ乃 若央りさ 平澤 智 百花沙里 三井 聡
装置:國包洋子 衣装:河底美由紀
観劇日時、出演者(梨花ますみさん除く)は「応天の門」と同じ(こちら)
初日(2/4)に観た時の第一印象は「え?!これラテン?」
というものでした。
月組らしいといえばそうなのかもしれませんが、品よく端正なショー。
ラテンショーといえば暑苦しすぎるくらい熱いものという先入観が(主に星組(≧▽≦)で)ありましたので、おとなしいなぁ~と感じたのです。
2回目観るまでの間に「Suu's Room」で稲葉太地先生のお話を聞く機会があったこと、月組の皆さんの舞台もすごくこなれてノリよく声も出るようになっていて、次に観た時は「やっぱラテンショーだわ」となりました。
稲葉先生のお話といえば、「月組の皆さんは真面目だからこのショーをやるにあたって『私たちは魚ですか?人間ですか?』と何人も聞いてくるので、まず初めに『あなたたちは人間です』と言いました」というエピソード、おもしろかったな。
以下は印象に残った場面をピックアップ。
🌙 Prologue 海神たちのカルナバル
海底を思わせる映像に光月るうさんのナレーションが重なって、海神の遣いたちが踊る中、チョンパで明るくなると、羽根もつけた派手派手しい衣装の月城さんをセンターに銀橋に一斉に並び、華やかな総踊りとなる幕開きです。
海神の遣いたち、結構薄暗い中(海底だから)踊るのですが、後でプログラム確認したら、ぱるあみはじめ結構な若手スターたちが起用されていてびっくり。よく見えなかったのだけども💦
🌙 Cool Lady 踊るマーメイド
マーメイド(海乃美月)がこれじゃどこへも行けない的な ”Part of Your World" のような歌を歌っているところへ吟遊詩人(鳳月杏)がやってきて彼女は足を取り戻し一緒に歌い踊る、という場面。
千海華蘭さんが歌うま娘役二人(麗泉里・桃歌雪)率いて歌います。
マンボの男、マンボの女という設定でマンボと知る←
🌙 Passion Guy 海神の戯れ
月城かなとさんが風間柚乃さんにじゃんけんで負ける場面が何かと話題になっていました、
争い?の解決手段がじゃんけんとはまー平和ですワ。
大楽ではここ、あいこになって、月城さんが「そこはチョキだろ!」と風間さんに凸っていましたが、あれは単なるミスだったのか千秋楽スペシャルだったのかな。
続く真珠の場面の真珠たち(彩みちる・結愛かれん・天愛るりあ・蘭世惠翔・菜々野あり・羽音みか)が衣装も中の人も本当にかわいい。しかもみんなダンサーで踊る踊る。
ここで結愛かれんちゃんと組んで踊るのが風間柚乃くんで、稲葉先生が、ご自身が演出された「カルーセル輪舞曲」と併演の「グランドホテル」新人公演の「オットーとフラムシェンのカップルということで二人を組ませた」とおっしゃっていたのも印象的でした。
🌙 Groovy Grove 眠れぬ夜
中詰の後、全身真っ赤の衣装そのままで踊る、稲葉先生ショー恒例の若手ピックアップ場面。
オーディションで選ばれたメンバーは
男役:礼華はる・彩海せら・柊木 絢斗・瑠皇りあ・彩路ゆりか・七城雅・涼宮蘭奈・天つ風朱李
娘役:天愛るりあ・菜々野あり・白河りり・羽音みか・きよら羽龍・美海そら・一乃凜・八重ひめか
皆さん本当に楽しそうに元気溌剌で踊っていて、観ているこちらまで元気をいただきました。
場面を引っ張る礼華はるくん、彩海せらくんのセンター力頼もしい。
🌙 Sanctuary 秘密の花園
月城かなとさんと女役の鳳月杏さんが妖艶に踊り、風間柚乃さんが歌うという話題沸騰の場面でした。
「この三人だからこそできた場面」と稲葉先生もおっしゃっていましたが、本当に揃いも揃ったよねー。
色っぽいお二人のダンスはもちろん、風間さんの歌の上手さが際立っていました。
月城さんも鳳月さんも時折鬘をつけず地毛のままの時があって、「地毛園」とか言われていましたが、私は残念ながら遭遇できず💦
🌙 Tango
デュエットダンスは笑顔なく、終始闘うように踊るタンゴで、曲も終わった後に熱いキスを交わすという演出。
ドラマチックでカッコよかったです。
が、踊っているのはほぼ海乃さん一人という印象。
小走りに月城さんのもとへ近づいたりまた遠ざかったりは元より、タンゴ特有の足上げも・・・(以下自粛)。
🌙 Grand Parade
エトワールは 桃歌雪・天愛るりあ・白河りり・きよさ羽龍・咲彩いちご の5人が役替りという初めての試み。
エトワールは人事バランスの産物とかではなく、本当の歌姫に勤めていただきたい派なので、オーディションで1人に絞り切れないくらいみんなうまかったというのは喜ばしいことですし、この中で私が聴いたのは3人皆伸びやかな声ですばらしかったのも事実ですが、それでは今まで1人だけ選んでいたのは何だったの?とか、今後どうするのとか、他の組の場合は?という思いはやはり残ってしまうかなぁ。
エトワールは”選ばれた1人”であってほしいです。
パレード:
エトワール5人 役替り(上述)
礼華はる・彩海せら
彩みちる・天紫珠李
風間柚乃
鳳月杏
海乃美月
月城かなと

開演前の緞帳は月が徐々に欠けていく映像で、時を追って撮ってみました。
4月30日 大千穐楽
月城さんと退団者7名だけが舞台に残ってのカーテンコール。
「遠い~」と言ってみんなをセンターにぎゅっと寄せる月城さんがまず可愛かったし、退団者のひと言ずつに返すメッセージが、その人の退団ご挨拶での言葉や日ごろの言動に触れていて、本当に組子のことを細やかに見ている気遣いのあるトップさんだなぁと思いました。
これまであまり感情を表に出すタイプではない・・・というより苦手なのかな?トップとしてのご挨拶の時も「ヘヘヘ」とか照れ笑いしていることがよくありましたし・・・月城さんが涙を見せていたことにも驚くとともに、そこまで自分を出せるようになってよかったねとも感じました。
光月さんの目からあふれる涙を見て、(自分も泣いているのに)月城さんが「泣いてる~」と言って、「泣いちゃだめ?」と光月さんが返すのもよき光景でした。
からの「私は背中を見せましたので・・・」とキリリと締めた光月さんカッコよかったです。
そして、最後の緞帳前の月城さん「退団者がたくさんいて寂しいですが、明日から月組が変わるのではなく、これからも続いていくのだと思っています。退団者の思いを受け継ぎ、お客様にそれをお伝えできるよう走り続けたいと思います」という言葉、すばらしい👏👏👏
とはいえ、るうさんはじめ7名の退団はやはり寂しく切ない のごくらく地獄度




こちらも配信で拝見。
月組とラテン・・一番かけ離れた印象でしたが、芝居の組にもダンサーはたくさんいるんだなぁと、改めて実感。
ショーでもこれから期待される子が多くの場面で活用されてました。期待の一輝翔琉くんの同期、天つ風朱李くんが随所に目立っていて。107期も意外とスターが生まれる期?
でも、光月組長の退団は本当に惜しいです。美弥さんから「セクシー組長」と呼ばれ、芝居にダンスに色気があったし、トークの端々から聞こえる組子への厳しくも温かい愛情。月城さんも頼りにされていただろうな、と。
期待の新人が現れる一方で、惜しまれながら去っていく人たち。仕方ない世界とはいえ、毎度寂しい限りです。
いえいえ、コメントはいつでも何度でも大歓迎です!
最近SNSで月組のショーのことが話題になりましたが、
お芝居がそれぞれ違うように、ショーも組ごとに
いろんな色があるのはいいですよね。
朱李ちゃん、友人がご両親と少しお知り合いなのですが
レッスンめちゃがんばっていて、入団時16番だったのが
研1の試験首席にジャンプアップしたそうです。
今回の若手ピックアップ場面にも107期の男役でただ1人
選ばれていますし、今後の活躍も楽しみですね。