2023年03月13日

夢と希望を胸に 「宝塚音楽学校 第109期生文化祭」


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昨年初めて観て大いに感動した宝塚音楽学校文化祭。
今年も観ることができました。

第109期生40名。
この卒業公演を経て、4月22日開幕の雪組公演で初舞台を踏みます。


宝塚音楽学校 第109期生文化祭
総合演出:三木章雄
出演:宝塚音楽学校 第108期生 40名

2023年2月25日(土) 12:00pm 宝塚バウホール 3列センター
(上演時間: 2時間35分/休憩 15分x2)



第1部 日本舞踊・予科生コーラス・クラシックヴォーカル・ポピュラーヴォーカル
第2部 演劇「BE SURE Ⅱ」
第3部 ダンスコンサート

3部構成は昨年と同じですが、今年は2年ぶりに「予科生コーラス」が復活しました。
一つの部が終わるたびに、プログラムの出演者と生徒の顔写真とを照らし合わせる作業に忙しいのは昨年と変わらず(^^ゞ

2年間の集大成ともいえる舞台。
歌やダンス、お芝居とそれぞれ得意分野はあるとしても、若さとポテンシャル溢れる舞台は毎年のことながら観ていて胸熱。
以下は印象に残った場面や生徒さんのメモ。
(  )内は3月2日の卒業式後に発表された芸名です。


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第1部 
日本舞踊「清く正しく美しく」

振付・指導:花柳寛十郎

全員黒紋付に緑の袴の正装で扇を持った素踊り。
歌手はソロ1名+コーラス8名の構成。
ソロは今岡悠(楓莉かの)さん。
透き通ったのびやかな声でとてもお上手でした。聞くところによると、歌唱はクラシック、ポピュラーとも首席だったのだとか。
美人さんで卒業時の成績は8番。楽しみな娘役さんです。

昨年は日舞で特に目立った生徒さんはいなかった記憶ですが、今年は板倉彩(空輝紫夕)さんが終始センターでキビキビとした踊りでリード。
扇を落としてしまってドッキリしましたが、とても落ち着いて対応していらっしゃいました。3部のダンスコンサートでも活躍されていましたので、踊り全般お得意なのですね。


予科生コーラス
指導・指揮:本山秀毅  藤谷奈都
「憧れ」
「ボクはウタ」

音楽学校の制服を着て一生懸命歌う美しいハーモニーにただただ感動。
特に「ボクはウタ」は動きのフォーメーションも入って、どれほど練習したんだろうと思うと自然に涙があふれてきました。
この子たちの卒業公演を来年また観ることができますように。


クラシック・ヴォーカル
歌唱指導:風間友香子  蔡旭心

「君はわが心のすべて」 吉川陽葵(輝星 成)
「衣装をつけろ」    岡本のぞみ(響 望歌)

どちらも男役。
昨年の志凪咲杜さんのように抜きん出た歌唱という印象ではありませんが、さすがに安定してお上手。


ポピュラー・ヴォーカル
歌唱指導:金沢淑子  𠮷田優子  立ともみ

久保田舞桜(月世 麗)さん、増子栞(逢莉しゅん)さん、山田早瀬(早瀬まほろ)さん、吉川陽葵(輝星 成)さんの男役ピックアップメンバー+全員の「タカラジェンヌに栄光あれ」から始まる宝塚メドレー。
「忍ぶの乱れ」を岡本のぞみ(響 望歌)さんが歌ったのをはじめ、「ONE HEART」を吉川陽葵(輝星 成)さん、「霧深きエルベのほとり」の「鴎の歌」では山田早瀬(早瀬まほろ)さん、「愛の宝石」を今岡悠(楓莉かの)さんと、それまで活躍した人が何度も主要ポジションを担っている印象でした。歌うまさんが限られていたのかな?

「ごらんなさい ごらんなさい」と「愛あればこそ」ー「ベルサイユのばら」から2曲が選ばれていて、ベルばら初演から50周年にあたる来年(2024)、やっぱり何らかの上演はあるんだろうなぁという予感⤵

ラストは全員で「この愛よ永遠に」。
♪フォーエバー タカラヅカ フォーエバー はいつ聴いてもテンションあがります。


第2部 演劇 「BE SUREⅡ」
作・演出:正塚晴彦

舞台芸術を学ぶ学生たちの卒業公演についての制作会議を舞台として、様々な意見やアイデアが飛び交う中、実際にそれを演じるシーンが劇中劇として挟みこまれて物語は展開します。

例年同様、A組、B組のダブルキャストで、私が観た回はB組でした。
主な配役は

ピエール       岡本のぞみ(響 望歌)
エドワード/白石   板倉彩 (空輝紫夕)
ジェンキンス/黒田  増子栞(逢莉しゅん)
茶谷         安田百仁華(飛翔れいや)
マリー        河谷杏実(音綺みあ)
エリザベス/緑川   坂元南月(朱鷺あおい)
キャサリン/青山   今岡悠(楓莉かの)


いかにも正塚作品といった趣の脚本で、演劇論的な台詞があったり、入れ子構造となった物語で、学生と舞台の登場人物を兼ねる人も多く、衣装や拵えをほとんど変えずに別人を演じる作品は音楽学校生としてはかなり高度でハードルも高かったのではないかと思いました。
私はおもしろく観ましたが、終演後の客席でも「何だかややこしくてよくわからなった」という声も聞こえてきました。

貴族の令嬢マリーが皇太子妃に選ばれたものの、家宝ともいうべき秘宝・ナイルの涙が盗まれ、舞踏会にその宝石をつけて皇太子と踊らなければならないマリーが窮地に立つところへ泥棒紳士のピエールが現れる、という劇中劇で、この二人が主人公と言えそうです。

マリーを演じたのは、河谷杏実(音綺みあ)さん。109期首席の娘役さん。
華奢で可憐な容姿でさすがに口跡よくお芝居はしっかり。落ち着いた雰囲気でもう少し若さがあってもいいかなと感じたのですが、緊張していたのかもしれません。

ピエールの岡本のぞみ(響 望歌)さんは、お顔立ちが少し珠城りょうさんに似ていて、声よし姿よし。クラシック・ヴォーカルでソロを歌ったくらい歌もお上手で期待の男役さんです。

ちなみにこの作品は89期生の文化祭でも上演されていて、その時のピエールは凪七瑠海さんと望海風斗さんだったそうです。路線男役のやる役なのですね。

キャサリンがマリーの親友でありながら自分も候補となっていた皇太子妃に選ばれず、マリーに嫉妬して陥れようとするというなかなかハードな役でしたが、今岡悠(楓莉かの)さんとてもお上手でした。後でプログラムを見て「日舞の歌のソロの人か」と驚きました。プログラムの写真はとても可憐で可愛いのにあんな黒い役ができるなんて。

学生のシーンで会議を仕切る緑川、劇中劇ではマリーの姉エリザベスを演じた坂元南月(朱鷺あおい)も存在感を発揮。森口瑤子さんのお嬢さんなのだそうです。


第3部 ダンスコンサート
構成:三木章雄  尚すみれ/演出:三木章雄

プロローグ ジャズダンス(振付・指導:尚すみれ)
ジャズダンス(若央りさ)
バレエ「韃靼人の踊り」(鈴木里佳)
タップ(藤井真梨子)
ジャズダンス(仲本智代)
モダンバレエ(御織ゆみ乃)
フィナーレ ジャズダンスS(伊賀裕子)

というプログラム
去年も同じことを思いましたが、ほぼ群舞で皆さん出ずっぱり、踊りまくりで体力的にも相当キツイかと思いますが、若さのポテンシャルすごいなと感心。
尚すみれ先生はじめ、若央りさ先生や御織ゆみ乃先生と、歌劇団でバリバリご活躍中の先生方の振付と指導は大いに勉強にも刺激にもなったことでしょう。

ここではとにかく、平澤桜(美鈴 桜)さんがダントツに目立っていました。
小柄な娘役さんですが、どこにあんなパワーが、と思うくらい力強くてキレッキレのダンス。何度もセンター取っていて、「またあの子出てきたわ」「あ、またあの子だわ」と目が吸い寄せられました。
振付家の平澤智先生のお嬢様なのだとか。DNAをしっかり受け継いでいらっしゃる模様です。

昨年もとてもよかったバレエは今年も見応えありました。
ソリストは田中南帆(帆華なつ海)さんと久保田舞桜(月世 麗)さん。
トゥで立つ田中さんの姿勢がとても綺麗。長身の久保田さんのピルエットやリフトは美しくも迫力たっぷりでした。


最後のご挨拶は川島笙(翠笙芹南)さん。
やり切った感満載の清々しい笑顔が印象的でした。


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2023年度音楽学校生徒募集のポスターモデルとなった109期生。
彼女たちを目指して、また新しい夢と希望が続くことでしょう。



109期生 宝塚音楽学校卒業そして宝塚歌劇団入団 本当におめでとう のごくらく度 (total 2380 vs 2380


posted by スキップ at 23:17| Comment(2) | TrackBack(0) | TAKARAZUKA | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
CSで拝見しました。
芸名も決まり、ネットで配役表を見比べながらでしたが、なんだか今年の方たち、実力の高い方が多いですね。印象に残った方、
輝星成さん、空輝紫夕さん、月世麗さん、早瀬まほろさん、朱鷺あおいさん、美鈴桜さん・・・は覚えちゃいました。
それにしてもダンスって、本当にレベルが上がった・・というか、なんだかアクロバティックになってきて、大変だなぁって(おばさんの感想)
久々に40人全員が入団。配属も決まりました。これからが楽しみですね!
Posted by はぎお at 2023年05月13日 15:57
♪はぎおさま

一度ではなかなか把握しきれないので私もまたスカステで復習
しなければ(^^ゞ

雪組公演もすでに観たのですが、この子たちがさらに研鑽を
詰んであの初舞台を迎えたかと思うと本当に胸がいっぱいに
なります。

美鈴桜さん、文化祭のダンスでぶっちぎりの実力を
見せていましたが、初舞台ロケットでもチェッサーの
先頭で銀橋を渡っていて輝いていました。
憧れのジェンヌさんが礼真琴さんで星組配属、うれしいでしょうね!
Posted by スキップ at 2023年05月13日 22:59
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