2023年02月27日

宝塚愛は限りなく 「第2回 Suu's Room」


suusrm1.jpeg


元宝塚歌劇団月組組長で現在は宝塚ホテル支配人としてご活躍のすーさんこと憧花ゆりのさんが、ゲストを招いてアフタヌーンティーとともに楽しむトークセッション。
昨年8月に開催された第1回(こちら)がとても楽しかったので、次回もまたぜひ参加したいと思っていました。ましてやゲストは宝塚歌劇団演出家の稲葉太地先生だし。

今回はアフタヌーンティータイムとイブニングティータイムの二部制ということで、アルコールもいただけるというイブニングティーにお邪魔しました。


第2回 Suu's Room
「想像から想像へ~宝塚愛は限りなく~」

出演:憧花ゆりの   ゲスト:稲葉太地

2023年2月23日(木) 5:00pm 宝塚ホテル 琥珀の間
(お茶会時間:2時間10分)



suusrm5.jpeg


袖口に白いレースがあしらわれたラベンダー色のワンピースで登場した憧花ゆりのさん。
稲葉先生を「2000年入団の同期生です」とご紹介。
稲葉先生が入った年は演出家の試験は200倍の競争率だったとか。「私たちの比ではない」と憧花さん。稲葉先生はもし演出家になれなかったら、メイクアップアーティストになりたかったそうです。



■ アイデアノート

suusrm8.jpeg

まずはじめに稲葉先生の「アイデアノート」(先生は「設計図」と呼んでいるそう)を見ながら花組のショー「Fashionable Empire」のお話。
こちらは資料として配られたものですが、スクリーンには稲葉先生手書きの実物が映写されました。
とても几帳面な読みやすい字でぎっしり書き込まれていました。
△=男役 〇=女役 SB=銀橋(Silver Bridge)といった記号や略語も垣間見られて興味シンシン。

ショーは
1.配役
2.振付
3.お稽古
4. 舞台稽古から初日
という流れ。

このアイデアノートを振付の先生に渡して振りをつけていただくそうです。
そして実際のショーの場面をスクリーンで観ました。説明聴きながら観ていたら「ショーの演出家の先生の頭の中ってどうなってるの?!」と驚くばかりです。
約70名の出演者の出入りや動きをすべて考えて把握できるの、凄すぎます。

配役を決める時に意識していることは、直近の公演でやっていないもの、新しい〇〇さんを見てもらいたいということ。
香盤表を発表する時、この役はどんな役で歌やダンスがあって・・・と詳しく書く先生もいますが、稲葉先生はあまり詳しく書かず、振付、演出している過程でこの人いいなと思ったら後で加えられるようにしておきたい、とおっしゃっていました。


■ Deep Sea

絶賛公演中の月組のショー「Deep Sea」についてもたっぷり。
たくさん寄せられた質問に答える形で進められました。

・ダイヴ
開演アナウンスの「ダイヴ」の言い方について特に指導ということはしていなくて、「ミステリアスなアナウンスで、静かにダイヴって言ってくれない?」とだけ言ったら、れいこちゃん一発OKでした。

・秘密の花園
れいこトップでちなつがいて、自分がファンなら一番観たいものってこれだなと思ってつくった。おだちんの歌も含めて今のこの3人だからできた場面。ありがいたらやっていない。
-ありちゃんがいたらどんな場面になったのかも気になるところではあります。

鳳月さんのかつらは当初”令嬢みたいな”ロング案もありましたが、背中が見えなくなるということで今の髪形に。
日によっては地毛の日もあって、月城さんも普段はつけ毛つけているけれどない日もある。おだちんは変わらない。(ここで会場爆笑。憧花さんが「安定の風間」ツッコんでさらに笑いが(≧▽≦)

・デュエットダンス
2人とも芝居がいいので芝居の風情を取り込みたくタンゴにして、曲は「黒い瞳」でイメージぴったり。
あまり踊り込み過ぎないで2人が見つめ合う時間に何かある、という余白を残したかった。
振付の百花先生にはイメージを伝えたが、振付を受ける時の2人の目の色が違って、2人で話し合いながら技を習得していきより深いデュエダンになりました。

・エトワール
全体的の歌のオーディションをした後、5人を指名してエトワールのオーディションを行った。
1回歌ったら全員よくて、作曲や歌唱指導の先生から助言を受けて2回目歌ったら全員さらによくなっていて、何よりも全員に「絶対このエトワールをゲットする」という高いポテンシャルがあった。今の月組にはそういうものが育つ土壌がある。

プロデューサーに5人役替りはできないか相談して、プロデューサーがすぐに一番上の人まで話をつけてくれて、その日の夕方に発表した。
大劇場チケット発売後のタイミングで申し訳ない気持ちもあったし、1人選ばれてこそのエトワールだというのももちろんわかるが今の月組なら5人でやるのがいいと思った。本人よりも周りの人たちが泣いたり抱き合ったりして喜んでいた。

・退団者
この公演で退団する結愛かれんと踊るのが風間で、(自分が演出した)「カルーセル輪舞曲」の併演作「グランドホテル」新人公演でフラムシェンとオットーを演じたペア、ということも考えたキャスティング。
-宝塚の演出家の先生は本当に生徒愛に溢れている😭


■ ラインダンスとパレード
自分の公演で一番大切につくっているのは「ラインダンス」と「パレード」。
いつも ラインダンス:御織ゆみ乃先生 パレード:若央りさ先生 に振付をお願いしている(「ルナロッサ」だけは2人が逆)。
2人には宝塚の魂があると思っています。


■ 若手ピックアップ場面
雪組・花組・月組とやってきた若手ピックアップ場面ですが、そもそもの始まりは花組「DANCE OLYMPIA」の稽古中に、主力メンバーがタカラヅカスペシャルのお稽古+本番で数日お稽古を抜ける日があり、とてもそれを待つ余裕はないので、それならば残っているメンバーで場面をつくろうということになりました。

振付は平澤先生で、本番ではお客様から手拍子が自然発生。「手拍子を引き出したのは君たちだから自信を持って」と伝えた。
憧花さんも今回の月組の若手場面、こんな笑顔で踊る下級生は観たことがない」と絶賛。
まだ星組と宙組やっていないので、ぜひやりたいそうです。
-楽しみ~♪


■ すーさん厳選 稲葉先生名場面
第3位 雪組「Greatest HITS!」 第8場 one love (2016年)
     芝居のうまい2人(早霧せいな・咲妃みゆ)で振付にもニュアンスが。
     大階段がなく、ホリゾントまで使って踊るデュエットダンス。
第2位 花組「宝塚幻想曲」 第10場 さくら幻想曲 (2015年)
     明日海りおさん7分25秒ずっと踊りっ放し
そして

第1位 星組「パッショネイト宝塚!」7場b ファヴェーラ (2014年)
     スクリーン前のテーブルでしたので、大画面にあのカポエイラの衣装を着た
     柚希礼音さんがアップで映し出されて声出そうになりました。
     憧花さんも「この柚希さんのカリスマ性と存在感!」とおっしゃっていました。
     当時カポエイラの場面が他組の生徒の間でも話題になったのだそうです。
     柚希さん vs 鶴美舞夕さんの火花散るようなカポエイラと
     礼真琴さんの♪ファヴェーラが聴けたのがワタシ的至福💕でした。

     振付の森陽子先生にお願いする時「宝塚でなんてやらないわ!」と言われたら
     どうしようと思っていたところ実は宝塚ファンで4回受験された方だったそう。
     受験生時代から知っている生徒も何人かいて、まさこ(十輝いりす)さんなんて
     「ようこちゃん!」と驚いていた。
     ここ、稲葉先生が十輝さんの口真似していて、それがまた似ていて笑ってしまい
     ました(≧▽≦)


最後に昨今の文春報道について憧花さんからコメントを求められた稲葉先生
「報道についてご心配をおかけして申し訳ございません。
 宝塚に関わるすべての者が、お客様に良いものをお届けしたいという気持ちに今までもこれからも変わりはありません。それを信じてまた足をお運びいただきたい」と。



suusrm4.jpeg

イブニングティータイムということで、最初にシャンパーニュのカクテルのサービス



suusrm9.jpeg

人参のムースと魚介類のカクテル
スイーツよりセイヴォリー中心のメニューで、こちらの方が好きかも。



suusrm2.jpeg

スモークサーモンの薔薇仕立
パテ・ド・カンパーニュ タスマニア産粒マスタードとともに
蟹とアボカドのガトー仕立て
ラングスティーヌのポアレ キャビアと鱒の卵添え
生ハムのクロワッサン仕立て
卵とほうれん草、チーズのデニッシュ オリーブのピンチョス



suusrm3.jpeg

ベリーのムース
カップケーキ&ネックレス


suusrm6.jpeg

次回は作曲家の太田健先生がゲスト
これも行きたいところですが、平日なのね💦



suusrm7.jpeg

宝塚ホテルのロビーに今の期間だけ展示されている高見浩美さんの作品。
この画像ではなかなかうまく伝わりませんが、「やわらかそうに見えるレースのドレスもすべてやきもの(磁器)でできている」と解説読んで、驚いて三度見しました。



まさに「宝塚愛は限りなく」盛りだくさんでとても楽しいティータイムでした のごくらく度 (total 2378 vs 2377 )



posted by スキップ at 22:55| Comment(0) | TrackBack(0) | エンタメ et. al | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
コメントを書く
コチラをクリックしてください

この記事へのトラックバック