
「Gran Cantante!!」は今年4月から7月にかけて、宝塚大劇場と東京宝塚劇場の本公演で上演された作品。
2チームに分かれたため人数が減りましたが、パッションそのままの熱い舞台が繰り広げられました。
twitterで流れてくるご当地アドリブも、毎日読むのが楽しみだったな。
暁千星さん加入で、新しい場面が増えたり、元々あった場面を暁さんのためにリバイスされたり、ちゃんと全ツバージョンにアップデートされていて、「やればできる子 藤井大介」とお気楽にほめていたのですが、公演中止明けからのラスト3日間は、35名中7名、つまり1/5が休演という中で、演出変更もアレンジも、出演者はもちろん、藤井先生もスタッフの方々もどれほど大変だったかと思うと、どの場面を観ても胸がキュッとなって涙がこみ上げてきました。
宝塚歌劇星組 全国ツアー公演
レビュー・エスパーニャ 「Gran Cantante!!」(グラン カンタンテ)
作・演出:藤井大介
作曲・編曲:青木朝子 手島恭子 録音音楽指揮:手島恭子 橋本和則
振付:羽山紀代美 御織ゆみ乃 若央りさ 平澤智 百花沙里
装置:齊藤万希子 衣装:加藤真美
(上演時間: 55分)

出演者、観劇日時は「モンテ・クリスト伯」と同じ(こちら)
宝塚大劇場で観た時の感想はこちら
大劇場公演との大まかな変更点
・太鼓祭り:3人の道化のうち フロレ 華雪りらさん→二條華さん
「大阪!」「たこ焼き!」「イカ焼き!」などご当地アドリブ
・カーニバル:大階段が短いので、降りてきた礼真琴さん、その場でステップ
(またこのステップがキマるんだ)
ムレータ回し 瀬央ゆりあさんはオリジナル通り。
暁千星さんは他の何人かとサイドからフレームイン。
瀬央さんと色違いの濃紺衣装。
・セビーリャの春祭り:「NINJIN娘」カバーロに大輝真琴さん、輝咲玲央さんが
イン。オトナな牡馬。
ザナホリアは綾音美蘭さん(有沙瞳さん代役)
歌手はひろ香佑さん・小桜ほのかさん→夕陽真輝さん・
紅咲梨乃さん
・「BONITA」:音波みのりさんポジションのエルモサは彩園ひなさん
礼真琴さんジュリオ 額にかかるサラサラ前髪◎
・サンファンの火祭り:極美慎さんせり上がりソロ→暁千星さん(せりはないけど)
礼真琴さんと歌うディーバ 美穂圭子さん→紫りらさん
(有沙瞳さん代役)
礼真琴さんx男役5人女装→礼さん・暁さんデュエダン
(ありちゃん女装!)
曲も「別れのフラメンコ」(天寿)→
「瞳の中の宝石」(綺城)に変更
・中詰めラスト:全員で「梅田!」(公演地の地名)からの
礼真琴さん「セェンキュー」
・中詰め終わりの礼・瀬央・舞空銀橋:ご当地アドリブ祭り(後述)
・フェリア・デ・マラガ:天寿さんソロ→暁千星さん
(マタドールの衣装カッコイイ!)
♪祈りはもうすませたか 明日は星となるのか と
去り行く感を滲ませていた天寿さんの歌詞に対して
♪なぜ俺は憧れたのか 命を落とすとしても
とこれからデビューするマタドールのように
歌詞も差し替えられていて、藤井大介芸が細かい。
・ピラール祭り:美穂圭子さんソロ→白妙なつさん
・サフラン祭り:極美慎さん中心の若手男役8人→暁千星さんセンターで
夕渚りょう・天希ほまれ・蒼舞咲歩・希沙薫 98期3人!
・ロケット:12人のロケット センターは鳳真斗愛さん。
体もデカいしかけ声もデカい。
初舞台生首席の茉莉那ふみさんがやっていたクルッと回るソロパートは
詩ちづるさん
・バイラ!!:5人口から極美慎さん、天飛華音さん抜けて暁千星さんインの4人。
歌は美穂圭子さん→紫りらさん(有沙瞳さん代役)
・パレード:エトワール 暁千星
天華えま・詩ちづる
綺城ひか理(たぶん with 有沙瞳)
瀬央ゆりあ
舞空瞳
礼真琴

初日に始まってから携帯の電源切ってなかったことに気づいて、慌てて切ろうとして舞い上がってシャッター押してしまい、ベレザ、フロレ出て来てしまったところ(撮ったら怒られるやつ💦)
ラスト3日間 代役公演での変更
・太鼓祭り:ぺレザ(美稀千種)一人。ブリヤー?フロレ?と探す姿が切ない。
「千秋楽も一人ぼっち」とおっしゃっていました。
・サン・ホセの祭り:綺城ひか理さん・天華えまさん→遥斗勇帆さん・蒼舞咲歩さん
・サンファンの火祭り:天華えまさん「情熱の嵐」→瀬央ゆりあさん
「コルドバの光と影」の歌い継ぎは2曲とも瀬央さん
「瞳の中の宝石」の歌手は綺城ひか理さん→鳳真斗愛さん
・ロケットは10人に。でも元気さ変わらず。
・バイラ!!:綺城ひか理さん・天華えまさんの代役は立てず、
瀬央ゆりあさん・暁千星さんと舞空瞳さんで。
綺城ひか理さんの大胆リフトはなし
・パレード:エトワール 暁千星
瀬央ゆりあ・詩ちづる
瀬央ゆりあ・有沙瞳
瀬央ゆりあ
舞空瞳
礼真琴
瀬央ゆりあさんが天華さん、綺城さんのパート歌いながら階段上に残り、
自分のパートになって降りてくるという斬新なパターン。
他にもあげればキリがないくらい、代役、変更の嵐でまさに総力戦となった公演。
舞台裏で早替りのお手伝いをする人数も減っている訳で、その大変さは私たちの想像をはるかに超えていると思われ・・・。
出演者数を数えてくださった方がいらして
宝塚大劇場公演(2022年4-5月): 117名
東京宝塚劇場公演(2022年6-7月): 85名
全国ツアー公演(2022年9月): 33名→34名→28名
代役に目が行きがちですが、「Gran Cantante!!」は人数が少なくなっても熱く、本当に楽しいショーでした。
まず第一にグランカンタンテ=素晴らしい歌い手 である礼真琴さんの響き渡る歌声。
ソロで歌う時も、1 vs 全員でスキャットする時も、あの突き抜けたような歌声は本当に聴き惚れます。
その上ダンスはキレッキレだし、時折切ない表情するし笑顔はチャーミングだし、生まれながらのショースターだなと思います(知ってたけど)。
暁千星さんの加入も新鮮な風が吹き込んできたよう。
ありちゃんも歌、ダンスともに秀でていて華やかなスターなので、思っていた以上にこのショーにハマっていてすばらしい。
星組の皆さんが3ヵ月やってきたショーに後から一人だけ入るのは本当に大変だったと思いますが、そんなこと微塵も感じさせないショースターぶりを見せつけてくれました。
瀬央ゆりあさんの奮闘も目を見張るものがありました。
ご自身のパートだけでも出番多いのに、あかぴーの歌引き受けて大車輪の活躍。
礼さんも、星組の皆さんも、瀬央さんの存在がどれほど心強かったことでしょう。
舞空瞳さんのショーのセンター力もすばらしい。
娘役を引き連れても、男役たちの中に一人入っても、そして2人きりのデュエットダンスでも、輝きを放つことのできる娘役さん。
Bonita で登場した時、礼さんジュリオの目や心もですが、会場全体をかっさらっていく感、本当に素敵でした。
あのまっすぐ上がる脚・・・体幹どうなってるの?(笑)
礼・瀬央・舞空 3人の中詰め残り。
大劇場では3人がそれぞれオゥゥラ~とかアイヤーとか声出しながら踊っていましたが、全ツ初日に観た時、瀬央さんが去り際に「邪魔するでぇ」と言ってて、「??邪魔するって何?どういうこと?」と思ったのですが、それに続いて舞空さんが「邪魔するなら帰って」と言って「ええ~っ(笑)」となりまして、ラスト 礼さんが下手壁に手をかけて「はな帰るわ」とイケボで言うに至って「ヤラレタ~」と思いました。
この「ほな帰るわ」は本当にいい声でしかもイントネーション完璧で、何度でも聴きたい。
9月3日は 「なんてこった」「パンナコッタ」「許してやったらどうや」(イケボ)でした。
「なんでやねん」「どないやねん」「なにがやねん」とか「みそバター」「コーンバター」「やっぱじゃがバター」とか、毎日Twitterのレポ読むの楽しかったな。
9月21日千秋楽は、3人で踊っている時から「千秋楽!」「サンキュー!」「ありがとー!」などおっしゃっていたのですが、ラストは一人ずつ「愛してるぜ!」「愛してるぜぇ!」「愛してるぜ!」の3連発でした。
元々好きなショーですが、全国ツアーバージョン、本当に楽しかったです。
礼真琴さんの千秋楽のご挨拶はいつも心打たれますが、今回もとてもすばらしかったので、ここに残しておきたいと思います。
皆さま 本日は星組全国ツアー公演 千秋楽を最後までご観劇くださいましてありがとうございました。星組の礼真琴でございます。
梅田から始まりましたこの全国ツアー、途中公演中止もありましたが、何とかこうして再開させていただくことができ、本日千秋楽を迎えることができましたこと、心から感謝の思いでいっぱいでございます。今日を迎えるにあたり、スタッフの方々、関係者の皆さまが本当に全力で私たちの背中を押してくださり、絶対に再開させるためにと、舞台には上がらなくても陰でたくさん支えてくださいました。
そして何よりも、お客様が再開を待ちわびてくださったからこそ、私たちは前を向いて今日を迎えることができました。本当にありがとうございます。
35名でお稽古をしてまいりましたこの作品、その35名で舞台に立つことは、初日から千秋楽まで叶うことはありませんでしたが、その35人がこの舞台で、この作品で息づいたことには変わりありません。この全員でつくりあげた全国ツアーを一生忘れません。
いろんな思いがうづく中で、お客様にも不安な思いをたくさんさせてしまいました。
コロナ禍での星組としては初めての全国ツアー。まだまだ太刀打ちできない見えない敵がとっても強くて、私たちはもっと強くならなければと、心から思いました。
19日に先に千秋楽を迎えた愉快な仲間たち、バウチームのみんなと、また全員揃って大劇場の舞台に立てますこと、そして今日ここにいない7名の大切な大切な仲間たちと全員でお客様の前に立てることを心から楽しみに、これからも精進してまります。
本日は・・・と言いかけて、違う違うとセルフ思い出し。
地元神奈川県出身者紹介。御剣海さん、音咲いつきさん、そして「それではお待たせいたししました。神奈川県横浜市出資 舞空瞳ぃ!」
全国ツアー公演、初めて宝塚に触れたという方々もたくさんいらっしゃると思います。私たちのホームであります宝塚市にあります宝塚大劇場、いつか観に来ていただければ幸せでございます。いつでもムラで待ってます。本日は本当にありがとうございました。
今日初めて宝塚を観劇されたよって方、いらっしゃいますか?
(鋭い目つきで会場見まわす)
さすがにいないかー。さすがにいないですか。そうですか。
いつも温かいご声援を本当にありがとうございます。
再開するにあたり、この状況で自分たちが再び幕を開けていいのだろうかと思った時もありました。
ですが、一人でも再開を待ち望んでくださるお客様がいるなら、こっちだって一人でも舞台に立ってやると、そうじゃなきゃおかしいだろ、迷うことはありませんでした。
それだけの思いを持って、日ごろから支えてくださるお客様に感謝を、1回でも多く一人でも多くのお客様に感謝の思いを伝えたい、その思いで今日を無事に迎えられましたこと、本当にうれしく思っております。また、皆さまにお会いできる日を心からお待ち申しあげております。本日は本当にありがとうございました。
そして星組パッション!
ありちゃん、いいですか?としっかり確認。
会場や映画館の皆さんは声を出さないで、ご家庭は、多分配信を観てくれているであろう星組の仲間たちは大きな声で、と。
皆さま また会う日まで、どうかお元気でお過ごしくださいませ。
本日はありがとうございました。
「この全員でつくりあげた全国ツアーを一生忘れません」という言葉で涙がぶわっあふれて、それ以降泣きっぱなし。
涙ぬぐいながら拳を振り上げて星組パッションしたさー(映画館です)。
鳴り止まない拍手に最後は緞帳前に出てきてくれた礼真琴さん(とても狭かったらしい)。
トップスターとして、公演再開にあたりどれほどのプレッシャーがあったことでしょう。
もちろん物理的にも代役の人たちのお稽古を見たり、段取りの変更、そして全員を引っ張って、再開するまではほとんど眠れていないのではないかな。本当に本当にお疲れさまでした。
心湧き立つ熱い舞台をありがとう!

ありちゃん 星組にようこそ!
とびきり熱く楽しい舞台をありがとう



