2022年07月04日

But not today 「トップガン マーヴェリック」


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1986年に公開された「トップガン」の36年ぶりの続編。
もともとトム・クルーズ好きの不肖スキップではありますが、特に「トップガン」と次の「デイズオブサンダー」の2作は青春の思い出として美しく彩られています。
宝塚歌劇のLVを観に映画館に行った時にこのフライヤーが置いてあるのを手に取って、「絶対観る!」「絶対観る!」「絶対に観る!」と心の中で強く3回つぶやきました。


トップガン マーヴェリック  Top Gun: Maverick
監督:ジョセフ・コシンスキー
脚本:アーレン・クルーガー  エリック・ウォーレン・シンガー  
   クリストファー・マッカリー
原案 :ピーター・クレイグ  ジャスティン・マークス
製作:ジェリー・ブラッカイマー  トム・クルーズ  
   クリストファー・マッカリー  デヴィッド・エリソン
出演:トム・クルーズ  マイルズ・テラー  ジェニファー・コネリー  
ジョン・ハム  グレン・パウエル  ルイス・プルマン  エド・ハリス  
ヴァル・キルマー ほか
音楽:ハロルド・フォルターメイヤー  レディー・ガガ  
   ハンス・ジマー  ローン・バルフェ
主題歌:レディー・ガガ「Hold My Hand」

2022年6月16日(木)2:45pm TOHOシネマズなんば スクリーン2(IMAX)
(上演時間: 131分)



物語:ピート・“マーヴェリック”・ミッチェル海軍大佐(トム・クルーズ)は、米海軍の過去40年間において空中戦で3機の敵機撃墜記録を持つ唯一のパイロットですが、昇進を拒み続け、問題を起こしては左遷されて、今はスクラムジェットエンジン搭載の極超音速テスト機「ダークスター」のテストパイロットを務めていました。ここでも危うく飛行禁止を言い渡されてもおかしくない状況の中、かつてよきライバルであり戦闘機パイロットとしてマーヴェリックと共に戦った太平洋艦隊司令官トム・“アイスマン”・カザンスキー海軍大将(ヴァル・キルマー)の要望により、ノースアイランド海軍航空基地の「トップガン」における教官職を命じられます。
そこでの任務は「確実に死人が出る」と言われる超危険なミッションのために、若者たち12人(“トップガン”を卒業したエリート)を訓練し、選抜して送り出すこと。訓練生の中には、かつてマーヴェリックの相棒であり親友でもあり訓練中の事故で亡くなったグースの息子・ルースター(マイルズ・テラー)がいました・・・。


ずーっと心臓バクバクで
時折胸がキュッとなって
じわっと涙ぐんで
たまにアハハと笑って
最後ボロ泣き

ほんと、体にワルい(褒めてます)


これ、観終わった直後 Instagram にポストした私のコメントです。
もう、これに尽きる。
とてもおもしろいという評判も、前作好きな人にはたまらないとも聞いていましたが、すべて想像をはるかに超えてきました。


いきなり鳴り響くトップガン・アンセムの鐘。
夕陽に染まる飛行甲板で慌ただしく作業するクルーたち。
轟音とともに発艦、着艦を繰り返す戦闘機。
そこに重なるケニー・ロギンスの「Danger Zone」

このオープニングだけで胸がいっぱいで、何これ?デジャヴ?と思いながら涙ポロポロこぼれました。

場面ターンして砂漠の中を走り抜ける1台のバイク。
36年前のスクリーンで観た時と同じフライトジャケットを着て、レイバンのサングラスをかけ、KAWASAKIのバイクで疾走するマーヴェリック。
もちろん、あの頃のような輝くような美しさから歳を重ねているものの、マーヴェリックが変わらずそこにいて、飛ぶことにこだわり続けていることにまた胸が熱くなります。


大ヒットした映画にありがちな2、3という続編を製作せず、こうして36年を経て(2020年公開予定だったので厳密には34年かな)つくられた作品は、撮影技術の大幅な進歩もさることながら、その年月も感じさせる滋味あふれるものともなっていて、「ドキドキハラハラしつつも最後スカッとハッピーに収まる典型的なアメリカ映画」だったオリジナルの「トップガン」を踏襲しつつ、オリジナルにオマージュを込めたとても心に響く人間ドラマとなって私たちの前に姿を現しました。

本来2020年夏公開予定だったはずが「コロナ禍で劇場閉鎖が相次いて何度も公開延期された間、『配信』という圧力もあったけれど、トムはあくまで『これはスクリーンの大画面で観るべき映画だ』と屈しなかった」と、字幕を担当された戸田奈津子さんが(字幕:戸田奈津子というスーパーにも胸が熱くなったよね)おっしゃっていて、トム・クルーズは強い信念を持ってこの映画の力を信じ、しかも観客が安心して映画館に足を運べるようになるまで2年待ったのだと思うと・・・。
その考えが正しかったことは、まさしくこの映画が「映画館で観るべき映画」であることが証明しています。


グースが亡くなった事故を心の中に澱のように抱えるマーヴェリックと、その息子であるルースターとの葛藤を中心に据えながら、マーヴェリックとイアイスマンの互いを認め合った変わらぬ思い、ペニーとの年齢を重ねたならばこその愛、そしてトップガン訓練生たち同士の競争や葛藤など、心情表現も豊かなな人間ドラマとなっていて、その上でこれでもかといわんばかりの超絶飛行シーンの連射・・・ほんと、体にワルイ(2回目)。

ペニーが「私をコックピットに乗せてボスニアに飛ばされた」から始まるマーヴェリックの”やらかし”を次々挙げていく場面では、二人が一緒に、そして離れて過ごした36年を思いやると同時に、たとえば「湾岸戦争」という言葉ひとつにも自分自身のこの36年の中のあのころがふっと胸をよぎって、ここでまた泣くという・・・。


映画を観た後、アイスマン役のヴァル・キルマーは映画の役同様、実際に咽頭がんを患って声を出すこともできなくて出演が危ぶまれた、ハングマン役のグレン・パウエルは当初ルースター役のオーディションを受けたけれど落選してハングマン役をオファーされた時、断ろうと思っていたけれどトム・クルーズからメッセージをもらって考えを改めた、などナド、エモーショナルなエピソードが次々出てきてさらにこの作品への思いが深まりました。

ストーリーは細かく語り出したらキリがないくらい語りそうなので、たくさん出ているレビューを見ていただくとして、一つだけとりわけ印象に残った場面を。

トップガンに赴く前、最新鋭機のテストパイロットとしてマッハ10の限界に挑んだマーヴェリックに、ケイン少将(エド・ハリス)が「戦闘機はいずれ君らを必要としなくなる。命令に違反するコスパの悪い人間はお払い箱になり、無人機の時代がやってくる」と言った時、マーヴェリックが静かに切り返したひと言 "But not today."(だとしても、それは今日ではありません)。


配信、ストリーミングサービスなど、映画産業の衰退にコロナ禍が拍車をかけたこの時代。
「映画」という娯楽がいつの日は時代の波に淘汰され、「映画」や「映画スター」という存在も未来に居場所はないのかもしれません。
けれど、それは今日じゃない。
「映画館で映画を観る」ことの楽しさを味わえる今日、映画のすばらしさに感動できる今日。
私たちの今日はそんな日。
それを強く感じさせてくれた「トップガン マーヴェリック」、そしてこんな映画をつくってくれたトム・クルーズが大好きです。




公開が終わるまでのもう一度・・・いや、あと3回ぐらい観たい のごくらく度 (total 2318 vs 2319 )




posted by スキップ at 22:57| Comment(0) | TrackBack(0) | movie | 更新情報をチェックする
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