2022年06月18日

大切な 大好きな あなたへと続く道 星組 「めぐり会いは再び next generation」


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今日 6月18日は宝塚歌劇星組「めぐり会いは再び next generation/Gran Cantante!!」東京宝塚劇場公演初日。
宝塚大劇場公演は、4月30日から5月19日まで中止となってしまいましたが、東京では1公演も欠けることなく駆け抜けられますように。
そして千秋楽には、強く明るく高らかに「星組パッショ~ン!!」が響き渡ることを楽しみにしています。


宝塚歌劇 星組公演
ミュージカル・エトワール 「めぐり会いは再び next generation-真夜中の依頼人(ミッドナイト・ガールフレンド)-」
作・演出:小柳菜穂子
作曲・編曲:青木朝子   オリジナル作曲:𠮷田優子
音楽指揮:佐々田愛一郎
振付:御織ゆみ乃  若央りさ  AYAKO
擬闘:栗原直樹   装置:稲生英介   
映像:上田大樹   衣装:有村淳

出演:礼 真琴  舞空 瞳  美稀千種  白妙なつ  天寿光希  音波みのり  
大輝真琴  輝咲玲央  ひろ香 祐  瀬央ゆりあ  朝水りょう  綺城ひか理  
有沙 瞳  天華えま  華雪りら  小桜ほのか  極美 慎  天飛華音  
咲城けい  奏碧タケル  水乃ゆり  瑠璃花夏  詩 ちづる  稀惺かずと  
大希 颯/万里柚美  美穂圭子 ほか

2022年4月23日(土) 1:00pm 宝塚大劇場 1階18列センター/
4月24日(日) 3:30pm 2階7列センター/
5月21日(土) 3:30pm 1階5列センター/
5月22日(日) 3:30pm 1階22列上手/
5月24日(火) 3:30pm 1階12列下手/
5月29日(日) 3:30pm 2階3列上手/
5月30日(月) 1:00pm (配信視聴)


中止期間中のチケット4枚が消えてなおこれ。
何回観るつもりだったのかっていう・・・💦


物語の舞台はとある王国の王都マルクト。
オルゴン伯爵の次男で末っ子のルーチェ・ド・オルゴン(礼真琴)は、大学卒業後も定職に就かず、友人レグルス(瀬央ゆりあ)が親から受け継いだ探偵事務所の居候兼手伝いをして暮らしていました。ガールフレンドのアンジェリーク(舞空瞳)とは10年以上の付き合いですが、お互い意地を張ってけんかばかり。そんなある日、探偵事務所にアージュマンド(瑠璃花夏)という女性が現れ、王家に代々伝わる秘宝“一角獣の聖杯”を守るために、爵位を持つルーチェに王家の花婿選びに潜入して、秘宝を狙う怪盗ダアトをつきとめてほしいと依頼します・・・。


2011年に柚希礼音さん主演の星組で上演された「めぐり会いは再び」。
好評を受けて2012年に続編の「めぐり会いは再び 2nd ~Star Bride~」が上演され、その 2nd に登場した、ヒロイン・シルヴィアの弟(当時14歳!)のルーチェの10年後を描いた物語。
全く新たなお話なので前2作を観ていなくてももちろん楽しめますが、物語のあちこちに前作へのオマージュが散りばめられ、小ネタもたっぷり、オルゴン家の執事ユリウス(天寿光希)、ルーチェの兄マリオの妻・レオニード(音波みのり)など、3作ずっと登場する役(しかも同じ演者)もあって、前作観ていたら何倍も楽しい作品になっています。


前2作の感想はこちら:
「めぐり会いは再び』-My only shinin’ star-」 (2011年)
「めぐり会いは再び 2nd ~Star Bride~」 (2012年)


・レグルスの探偵事務所にはルーチェの他に、女優志望でオーディションを受けては落ちているティア(有沙瞳)、筆の遅い劇作家のセシル(天華えま)、発明好きで人付き合いが苦手なアニス(水乃ゆり)という大学時代の仲間が入りびたり
・アンジェリークの周りには、育ての親であるローウェル公爵(輝咲玲央)がアンジェリークとルーチェの仲を何とかしようと甥のフォション(ひろ香祐)、その妹レオニード(音波みのり)を呼び寄せ、アージュマンドこと侍女アンヌ(瑠璃花夏)も交えて策を練る
・王宮には多くの花婿候補が集まる中、国王の右腕である宰相オンブル(綺城ひか理)が息子のロナン(極美慎)を花婿にしょうと虎視眈々
・さらには、パンを盗んで街人たちに追われるコソ泥3人組(天飛華音・奏碧タケル・大希颯)や、オルゴン家を訪ねる途中で迷子になった双子(稀惺かずと・詩ちづる)
・そして「めぐ会い」といえば、なフォーマルハウト座長(美稀千種)率いる旅芸人の一座

という感じで登場人物もエピソードも盛り盛り。
舞台上にたくさんの人がいて走り回っていて、ダンスパーティの場面なんて最初観た時、「もう、わちゃわちゃし過ぎ!」と思ったくらい。
公式サイトの公演解説に「架空の王国を舞台に、個性豊かなキャラクター達が繰り広げる、ミステリー仕立てのラブコメディ」とあるものの、ミステリーという点ではすぐにネタバレしてしまいますが、とびきり明るく楽しく、元気になれるハッピーラブコメディです。

「舞台設定は西洋ファンタジー風世界、ただし内容は超自然的なことは起きないラブコメホームドラマ」と小柳菜穂子先生がプログラムで語られているとおりの物語なのですが、原作から10年というリアル時の流れと同じく、物語上でもルーチェは10年の歳月を重ねていて、そのルーチェ(と演じる礼真琴)の成長物語になっているところもとてもよき。

愛する母の死に向き合うことができず、「ルーチェ」と呼びかけられて伸ばされた手を取ることができなかったことがトラウマとなって、自分に王子の資格なんかないと人を愛することに臆病になったまま育ったであろう少年。
10年経ってもそのトラウマを引きずり、大学を卒業してもモラトリアム生活を続けて、大好きなアンジェリークにも素直になれないでいたルーチェが彼女を守って王国を背負っていく覚悟を決めるという物語にもなっているのです。

そして、悩めるルーチェの背中を押すのが、母の臨終のあの時も、オルゴン家でずっとルーチェを見守ってきた執事のユリウスで、その姿に星組でともに過ごしてきた天寿光希・礼真琴の姿がシンクロするという泣かせる演出になっていて、さすが小柳先生と涙流しながら感心することしきり。

さらにここ、舞台下手では音波みのりさんレオニードがアンジェリークに「あなたは立派な王女様になるわ。でも何かのために自分の人生を諦めるなんてこと、絶対にあっちゃだめよ。接待に。自分の心を見失わないで」と勇気づける場面が重ねられていて、目も心も忙しい。小柳先生すばらしい。

この場面で、レオニード、ユリウス、そしてルーチェとアンジェリーク歌い継ぐ「めぐり会いは再び」がとても感動的。
 
レオニード: どんな時も 心強く 笑顔を絶やさずに 生きていれば 
       いつかきっと 夜は明けてゆく
ユリウス:  どんな時も 愛を信じ 感謝を忘れずに 生きていれば
       いつかきっと 光満ち 輝く未来が見える
ルーチェ&アンジェリーク: その優しさを勇気に変えて もう一度歩き出す
              あなたがくれた大切な想い ずっと守るため
              暗い夜空に迷った時も 光が道を照らす
              大切な 大好きな あなたへと続く道を
              だから必ず 必ず会える
              まためぐり会う もう一度 



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ちなみに10年前のルーチェはこちら。キャワイイ~


10年前もかわいかったけれど、24歳になったルーチェもとってもキュートな礼真琴さん。
ぶんすか怒った顔も、ちょっと拗ねた態度も、表情豊かでとてもかわいい。
優しい心を持って傷つきやすくナイーブだけどつっぱって強がっている感じもよく出ていました。
アンジェリークが本当のことを言いたくて言い出せず、「何でもない!さようなら!」と行ってしまった時にルーチェの言う「何だよ」がいかにもそんな若者の「何だよ」でキュンとしました。
声がよくて歌はもちろん、台詞も明晰かつ緩急があってとても聴き取りやすい。
「ダンスは得意なんだ」とアンジェリークに言うところや、「真実はいつも一つ!」とキメ台詞で拍手や笑い起こるのはことちゃんならでは。

アンジェリクと初めて出会った時の回想シーン。
9歳のルーチェを和波煌くんが演じて横に立ったことちゃんが台詞を言うのですが、これが大人になったルーチェとはくっきり違う少年の声と口調で、“声”の演技力にいたく感心。
もちろんダンスや筋トレ、そして立ち廻りでは文句ない身体能力の高さを発揮。
そうえばダンスの場面で、Twitterで見かけた「戸惑うアンジェリークの手を取って自分の胸にあて、自分は両手を放して踊るところがカッコイイ」って、ほんの一瞬なのに皆さんよく観ていらっしゃる・・・ほんとカッコいいから見て。

キュートさでは負けていないアンジェリークの舞空瞳さん。
勝気でルーチェのことが大好きなのだけどこちらも素直になれずいつも喧嘩になってしまう。
実は王女様なのですが、ちゃんと自分の意志を持ってそれをきちんと言葉にすることができる現代的でクレバーなプリンセス。
衣装もどれもよくお似合い。
ダンスパーティで最初はディスコダンス初めてで戸惑いがちのアンジェリークがルーチェのリードで段々楽しそうに踊るようになって・・・というダンスの変化がさすがの上手さ。ルーチェがアンジェリークを横抱きみたいなポーズになってアンジェリークが上げた右足に左足を上げて合わせる振付(語彙力💦)、「TOP HAT」で星風まどかさんがやっていて驚いた振付でしたが、舞空さんの上げる足の高さハンパない。
♪あなた 私を照らす たった一人の王子様 とルーチェを思って歌うソロも聴かせてくれました。

レグルスの瀬央ゆりあさんは探偵の仕事はあれだけど(笑)いいヤツ感満載。
ルーチェのことも、事務所に集まる他のメンバーたちのことも、それなりに心配している兄貴分といった感じ。
礼真琴さんとは同期で同世代なのでぴったりのキャスティング。
ラストでティアに照れながらプロポーズするところ、1回だけ言い出す前に「ハハハハハハ」と笑った時があって、何だかとてもかわいらしかったです。

抜群に歌がうまくて滑舌もいいティアの有沙瞳さん(ルーチェを足で押えるところ毎回笑っちゃった)、ふんわり弱気な眼鏡くんが意外とお似合いセシルの天華えまさん、長くつ下のピッピみたいな髪型と棒読み風の台詞がいかにも機会オタクっぽいアニスの水乃ゆりさんといった個性的な事務所の仲間たち。

黒いムードプンプン、クールでカッコいい宰相オンブル・綺城ひか理さん・・・の息子にしてはいささか頼りなげだけどビジュアル抜群のロナン 極美慎さん。
コソ泥3人組(天飛華音・奏碧タケル・大希颯)も双子(稀惺かずと・詩ちづる)も、若い人たちの活躍がうれしい。
そういえば、ルベルの天飛くんが双子にチャララララ~ンと手品見せるところ、初日は拍手起こっていましたがそれ以降はなくなっていましたね。
アンヌの瑠璃花夏さんもかわいいお顔と美声が際立っていました。

最初の方で美稀千種さんフォーマルハウト座長が「コスモ王国の立派なご領主になられたエルモクラート先生。なぜかアジズ様のお付きだったケテル様もご一緒らしいし・・・」(真風涼帆さんと芹香斗亜さんのことね)みたいなことを言った後、「座長何言ってるかわかった?」と聞かれた座員のアルタイル(碧音斗和)が「全然わかんねぇ。だって俺、まだ研5だし」と言っていたのが、碧音くんが休演になってしまって紘希柚葉くん代役となったのですが「俺、研6だけどわかんねぇ」という台詞変更に小柳先生の細やかな心配りを感じました。

そして、2011年の1作目から同じ役で出演されている執事ユリウスの天寿光希さんとレオニードの音波みのりさん。
前述しましたが、これが退団公演となる天寿さん、音波さんがそれぞれ礼真琴さん、舞空瞳さんを励まし託すような場面に、この場面のために初演から二人の役を配したようにさえ感じたくらいです。


6回も劇場で観たのに、宝塚大劇場千秋楽を配信で観て、ここにあの人いたのか、とかまだまだ気づいていなかったことを多数発見。
繰り返しになりますが、舞台上に人多すぎ。
それでも裏を返せば観るたびに新鮮な驚きも与えてくれる訳で、東京公演でもさらに進化を遂げて、全公演完走できることを心から祈っています。



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ポスターも素敵だけどこの先行画像も好きでした。



ショー「Grand Cantante!!」につづく →


 
posted by スキップ at 18:27| Comment(0) | TrackBack(0) | TAKARAZUKA | 更新情報をチェックする
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