2022年06月07日

スーパーテンテンタイム! 星組 ミュージック・パフォーマンス「ten∞ten TIME」


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紅5が活動していたころ(多分今も正式に解散した訳ではない)、 KURENAI GREENこと天寿光希さんが一番好きだった不肖スキップ。
メンバーが次々と退団していく中、ただ一人残った天寿さんは、このまま劇団に残って組長とか専科になっていくのではないかとも考えていました。

その天寿さんの退団と、番手ではないスターとしては異例のミュージック・パフォーマンスの開催が発表された時は、寂しいやらうれしいやら。
絶対観たい!と意気込んだもののチケ取りはあえなく撃沈(ほんと、あの平日10時の電話だけで受け付けるシステム何とかしてほしい)となっていたところ、配信されることになって、ほんと、天寿さんってば厚遇されているなぁと改めて思いました。
劇団も天寿さんの貢献度、よく評価しているということですね。


宝塚歌劇星組 ミュージック・パフォーマンス 「ten∞ten TIME」
構成・演出:指田珠子
音楽:青木朝子   振付:御織ゆみ乃
美術:國包洋子   衣装:加藤真美
出演:天寿光希/有沙 瞳  夕陽 真輝  天飛華音  綾音美蘭

2022年6月6日(月) 7:45pm 宝塚ホテル 宝寿の間(配信視聴)
(上演時間: 1時間30分)



星組の若手メンバーを引き連れてのミュージック・パフォーマンス。
この日がラストということもあって、すっかり完成された様子。
天寿さんの下級生への温かい心遣いや日ごろの優しさもあってか、4人のメンバーものびのび。
パフォーマンスはもちろん、トークもとびきり楽しい時間でした。


セットリスト
treasure TIME  星を継ぐ者 (龍星) 
         夢を見れば (エンター・ザ・レビュー)
takarazuka TIME ソウル・オブ・シバ (ソウル・オブ・シバ)
         七つの海 七つの空 (エル・アルコン)
         Round Table (ランスロット)
         夢を売る男 (オーシャンズ11)
         モロイ兄弟 (オーシャンズ11)
         炎の中へ (スカーレット・ピンパーネル)
         My sweet life (かもめ)
         歴史は作られる (鎌足)
         龍神 (龍の宮物語)
         ブエノスアイレスで私は死のう (Éclair Brillant) 
           天寿・天飛 タンゴ/夕陽 歌
tatinomiya TIME 限界突破×サバイバー (VERDAD!)
ten∞ten TIME  AVANZER!!ーいざ進めー (VERDAD!) 天寿・有沙以外3人
         エメ (ロミオとジュリエット)  天寿・有沙デュエット
         あの子はあなたを愛している (ロミオとジュリエット) 有沙
         娘よ (ロミオとジュリエット)
         青い星の上で (夢は世界を翔けめぐる) 天寿以外
         ten∞ten TIME   
Encore      すみれの花咲くころ インストルメンタル 黒燕尾ソロボレロ



オープニングは「星を継ぐ者」・・・というだけで胸がいっぱいですでに涙目。
この曲のことを語ると長くなりますので、後日別記事でアップしたいと思います。
2曲目の「エンター・ザ・レビュー」は天寿さんが91期生として初舞台を踏んだ作品。

ここまで終わったところでメンバー自己紹介。
最後だから意外な一面を、みたいなテーマだったかな。


綾音美蘭:動物占いはどっしりとしたサル、綾音美蘭です。
     -「私は情熱的な黒ヒョウです」と天寿さん。私も黒ヒョウ!とTVの前でテンション上がる不肖スキップ。
天飛華音:肉食にみえて実は和食派、天飛華音です。
夕陽真輝:星組の騒音機、夕陽真輝です。
     -「よっマイクいらず!」とツッコむ天寿さんに「はいっ!」とドデカボイスで応える夕陽くん。
有沙瞳:見た目は天使、中身はスナイパー、有沙瞳です。
     ー「天使、まー、はいはいそういうことにしときましょう」と天寿さん。
天寿光希:歩くマイナスイオン、天寿光希です。

綾音美蘭ちゃんのことを「綾音ミランダ・カー」と呼ぶ天寿さん。
何かにつけて「パパの餃子は〜?」と振って、美蘭ちゃんが即座に「世界一~!!」と手を挙げて応じるととてもうれしそうに笑う天寿さん。
あー、「食聖」でアイリーンの子ども時代やってた子だったか、と再認識しました。


セトリの中で最初の2曲と「ソウル・オブ・シバ」「夢は世界を翔けめぐる」以外はすべてリアルタイムで観劇して聴いた曲。
改めて、天寿さんの宝塚の歴史は私が星組を観てきた歴史だなぁと思いました。
「オーシャンズ11」「VERDAD!」「ロミオとジュリエット」から複数曲入っているのも、私の好きな作品ばかりで、「天寿さん😢)となりました。

「Éclair Brillant」からの「ブエノスアイレスで私は死のう」は天寿さんと天飛くん、男役同士のタンゴ。
本公演の時は瀬央ゆりあさんと綺城ひか理さんが踊ったシーンです。
端正な天寿さんがダンスをリードして、懸命に食らいついて詰めていく天飛くんの相乗効果で熱く切なく、美しもキレのある情熱的なダンスでした。
ラストのキメポーズの二人のシンクロっぷりの美しさ✨
夕陽真輝くんの歌もとてもよかったです。


tatinomiya TIME
バーテンダーの有沙瞳さんが関西弁でペラペラとまくし立てる”tatinomiya”
「天寿さんには生け贄にされたり間違って刺されたり、お母さんの愛人なのに狙われたり。まぁあ私も天寿さんの腕撃ったりしたんですけど」といった感じ。

このtatinomiyaに次々現れる客は、みんな天寿さんがかつてやった役の扮装。
綾音美蘭:「眠らない男 ナポレオン」 ナポレオン二世。マッシュルームの髪形カワイイ。
天飛華音:「Thunderbolt Fantasy」 蔑天骸(ベツテンガイ) じゃんけんの時、手が出るか天寿さんも心配してた(^^ゞ
夕陽真輝:「柳生忍法帖」 沢庵和尚

そしてオーラス今度こそ天寿さんが・・・というところでリュック背負ったイケコ 小池修一郎先生登場。爆笑したよね。
リュックからおにぎり落ちる芸やバランスボール芸といった伝説のイケコ芸をきっちり披露。
このバランスボールでみんなでバスケしたのが一番の思い出なのだとか。「ちなみに私は球技がドヘタです」と天寿さん。

「お稽古場で何か選ぶ時、普通は上級生順なのに天寿さんはじゃんけんで選べるようにしてくださって。そのじゃんけんが楽しかったので最後の思い出にここでじゃんけんがしたい」と綾音美蘭ちゃん。
「何賭ける?何か賭けるものがないと燃えないタイプだから・・・罰ゲームにしよう」「自分の長所を10秒間言うこと」と天寿さん。

ここで「じゃんけんしたい」と物おじせず言う美蘭ちゃんあっぱれだし、その後の展開が、あいこ繰り返した後、「ッシャー!」と有沙、夕陽、綾音が勝ち抜けて、天寿、天飛の2人でさらにあいこを重ねるスリリングの果てに「何出す?私グー」とカマかけるように言う天飛くんに言う天寿さんも、しっかり空気読んで勝ちに行った天飛くんという、すべてが神がかっていて、手を叩いて爆笑しました。

ちなみに負けた天寿さんの「自分の長所」は照れながら「娘役よりかわいい」とひたすら自分の可愛さをアピールしていらっしゃいました。

夕陽くんの沢庵和尚の拵えから「柳生忍法帖」の新人公演の話になって、天飛華音くんが喉を壊して数日前から声が出なくなって辛い思いをしていた時に天寿さんにたくさん励ましてもらい、「そばにいたのに気づいてあげられなくてごめんね」と言ってくださったと涙ながらに言えば、天寿さんの役を新公で演じた夕陽くんはお化粧を見てもらって、自分でお化粧して天寿さんに見せに行ったらじっと見つめて「綺麗だよ」と言ってくださった、と温かいエピソードばかり。


ラストのトークでも
綾音ちゃんが「今はまだ楽しくて仕方ないけど、明日の朝になったら寂しくてきっと泣くと思います」と言えば、天飛くんは「天寿さんの前では芸名じゃない自分を出してしまう」と言いながらウルウルして、天寿さんに「泣くな!」と言われ「泣かないっ!」と返すのを3回くらいやっていましたし、夕陽くんは話しているうちに涙出てきて自分に驚いた顔見せて「これは心の汗ですね」と言ったり。
有沙さんは「みんな素直じゃないですね。強がっちゃって・・・私は泣く」と。

「どっしりとした猿以外はみんな泣きましたね」と天寿さん。
「どっしりとした猿は明日の朝泣きます」

そして有沙さんが「ここでサプライズが」と取り出したのは、「龍の宮物語」の清彦さんこと瀬央ゆりあさんからのメッセージ。
次に舞空瞳さんからのメッセージが続いて、「こうきたら次は・・」と有沙さんが言えば、「そうだね。礼真琴、おいで!」と天寿さん。
3人3様のメッセージは天寿さんへの敬愛に満ちたもので聴いていて涙がとまらなくなりました。


ラストの「ten∞ten TIME」はこのMPのために天寿さんが作詞した曲。
𠮷田優子先生が曲をつけてくださったそうです。
人間には無限大の可能性がある、愛は人を喜ばせると、後輩たちへ、そしてファンの私たちへ、熱いエールと温かい思いが溢れていました。

アンコールのスミレのボレロ。
下級生時代に仕立てた黒燕尾を着て、共演者のカゲコーラスで、御織ゆみ乃先生振付のボレロを一人静かに踊る天寿さん。
凛として男役としての誇りと自信に満ちた姿は神々しくさえありました。
踊り終えて三方礼をする天寿さんの端正な所作と美しい姿にまた涙がどっとあふれました。


カーテンコールで一人出てきて、「大劇場でも泣かなかったのに・・・」と話しながら涙声になる天寿さん。
「ひとりじゃだめだ。みんな~」と仲間を呼び入れてまた笑顔。

元々何でもできる優等生で、MC力もあって、周りを気遣い和ますことのできる人。
”天寿光希”という男役の宝塚人生を辿りながら、共演者、この場にいない星組の組子たち、私たちファン、すべての人たちに想いを届けようとしてくれているよう。
笑いも涙もいっぱいで、有沙さんがおっしゃっていた通り、「とても尊い時間」。
スーパーテンテンタイムを共有できて、幸せでした。




配信があって本当によかった・・・ケド、やっぱりリアルで観たかったな のごくらく地獄度 (total 2309 vs 2312 )


posted by スキップ at 22:59| Comment(0) | TrackBack(0) | TAKARAZUKA | 更新情報をチェックする
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