観劇予定だった星組公演が中止になった5月1日。
それならば、と予定が重なってあきらめていた宙組「NEVER SAY GOODBYE」の千秋楽ライブ中継を観ることにしました。
配信で自宅のTVで観るのではなく、あのコーラスを映画館の大画面で、大音量で聴きたいと思いましたが、なんせ行くと決めたのが前日(4/30)なので、TOHOシネマズなんばは完売、梅田でラスト1席をもぎ取りました。最前列だったけどね~💦
宝塚歌劇 宙組公演
ミュージカル 「NEVER SAY GOODBYE」-ある愛の軌跡-
東京宝塚劇場公演千秋楽 ライブ中継
作・演出:小池修一郎
作曲:フランク・ワイルドホーン
2022年5月1日(日) 1:30pm TOHOシネマズ梅田 スクリーン8
(上映時間: 3時間50分 <カーテンコール含む>)
スタッフ、出演者、あらすじなどは大劇場観劇時(こちら)で
大劇場で最後に観たのが3月10日だったので、50日ぶりのネバセイ。
「やっぱり映画館に来てよかった」と思いました。
宙組のコーラスは力強く重層的でいつもすばらしいですが、この作品は特に神がかっている感じです。
一幕後半、反乱軍が決起したことが伝わり、市民たちが立ち上がる「ノー パサラ」からラストの「ONE HEART」の大合唱への流れ、そして二幕の市街戦「バルセロナの悲劇」は本当にトリハダものでした。
千秋楽の高揚感と集大成感、そしてこの日は、作曲のフランク・ワイルドホーンさんと初演で主役のジョルジュを演じた和央ようかさんご夫妻が観劇されているということで、星組生の気迫もひとしおだったのではないかしら。
ジョルジュのホテルにフィルムを返してほしいと乗り込んで来たキャサリンを送っていく時、二人でマリブの朝焼けを見ながら歌う曲
さぁ 見てごらん 夜が明ける 海を赤く染め
この世界が 例え暗闇に閉ざされているとしても
いつか朝日が 射し込む日が 訪れる
を聴いただけで、この同じメロディで最後にもう一度歌うことになる別れの場面が心に浮かんでウルウル。
そしてその別れの場面で、「僕の命を君に託す」と撮りためたフィルムをキャサリンに渡すジョルジュにまた涙がどっとあふれました。
大劇場で観た時の感想にも書いたエレンとの別れの場面で、エレンが ♪忘れてしまったの パリで交わした熱い口づけと炎の夜・・・と歌ったのにジョルジュが ♪忘れられはしない リブの夕陽を を応えているのを今回初めて気づきました。
「おい!エレンともマリブに行ったんかい!💥」と思うと同時に、エレンと見たのは夕陽で、キャサリンとは朝陽を見るというあたり、細かく伏線張られていて、さすが小池先生、となりました。
ただ、最初に観た時にも感じたのですが、現代のペギーが”ジョルジュとキャサリンの孫”という設定は出来すぎというか盛りすぎというか、なくてもいいんじゃないかなと思いました。キャサリンがアメリカに帰って、別の男性と恋をして子どもを産んだとしてもそれでジョルジュへの思いが消えたことにはならないし、あの状況下ではその方が自然なのではないかと。
スペイン内戦を描いているといっても、民衆の本当の敵=ファシストの反乱軍は出てこなくて、民衆・義勇軍 vs アギラール率いるPUSCという形になっているのも、脚本の難点と言えなくもないとは思います。
ジョルジュの真風さんは大画面で観てもとびきりカッコいい。
カメラの角度によってお顔がやつれて見える時がありましたが、張り詰めた状況の中の1ヵ月間の公演、心身ともにお疲れもたまっていたことでしょう。
歌は相変わらずクセのある真風節ですが、とても丁寧に心をこめて歌っているのが伝わる歌唱で胸を打たれました。
キャサリンの潤花さんも大画面ドアップで観ても本当に美人さん。
力強い瞳が、信念を持って自分の意志で生きているキャサリンによくハマっています。
大劇場公演終わってからこの日までの間に初演の映像をサッと観る機会があったのですが、それと比べるとやはり楽曲のキーは下げられていましたし、真風さんとのデュエットがあまり綺麗に聞こえないなど歌の課題は残りますが、地声は力強く、堂々たるヒロイン感は無敵。
若翔りつさん、瀬戸花まりさん、そして忘れちゃならない留依蒔世さんといった歌うまさんはもちろん、今回、桜木みなとさんの歌がとてもよかったことを改めて感じました。ずんちゃん歌うま。
そして芹香斗亜さん。
ヴィセントととしての劇中の歌はもちろん、フィナーレ冒頭の”歌唱指導”と呼ばれるところの主題歌ソロがすばらしくて、涙でました。
あそこで泣いたの初めてじゃないかな。
フィナーレの男役ムレータ振り回しはよかったけれど、やはり映像では劇場で観た時の圧倒的なパワーが感じられないのは残念。
この公演を最後に退団する 春瀬央季さん、瀬戸花まりさん、水香依千さん、穂稀せりさん、愛海ひかるさん 皆さん晴れやかな表情で素敵なご挨拶をされていて、よき千秋楽でした。
そういえば、開演前の諸注意アナウンス、宙組は瀬戸花まりさんだと、映画館で聞いて初めて気づきました。
次公演からはまた別の方が担当されることになるのね。
映画館の最前列画面近すぎ のごくらく地獄度



