2022年05月04日
新人公演だから得られるこの尊い経験 雪組 「夢介千両みやげ」 新人公演
雪組 「夢介千両みやげ」は新人公演も観ることができました。
縣千さん主演の新公は昨年の「CITY HUNTER」から2作連続観劇です。
宝塚歌劇雪組 「夢介千両みやげ」 新人公演
原作:山手樹一郎
脚本・演出:石田昌也
新人公演担当:生駒怜子
出演:縣 千 華純沙那 華世 京 一禾あお 真友月れあ 紗蘭令愛
涼花美雨 紀城ゆりや 花束ゆめ 聖海由侑 愛陽みち ほか
2022年4月12日(火) 6:00pm 宝塚大劇場 1階21列センター
(上演時間: 1時間45分)
本公演の感想はこちら
”日本物の雪組”とはいえ、下級生にとっては初めて日本物に挑戦する人も少なくないと思われ、着物の着付けや所作など、お芝居や歌以前に課題も多くて大変だったと思いますが、懸命に取り組んでいる姿はいつもながら清々しいです。
ストーリー展開や演出自体は本公演そのままでした。
変更点は春駒太夫が小屋前で手妻を披露してお客さんを呼び込む場面で、壮海はるまさんが演じた楽屋番に当たる役が新人公演ではなくて、座員の娘役さん2人(麻花すわん・菜乃葉みと)が交代で呼び込みやっていたところぐらいかな。
新人公演の配役が発表された時、前回ヒロイン 音彩唯さんの名前がなくて「新公出ないの?」と心配の声もあがりましたが、三太の妹・お鶴ちゃんでキュートな姿を見せてくれていました。
縣 千(夢介/本役・彩風咲奈)
これが3回目の新人公演主演で卒業の学年となる縣千さん。
前回から今回までの間にバウホール主演を経験したこともあってか、余裕綽々といった感じです。
明るくて華があって、真ん中に立つのが本当によく似合うスターさん。
本役の金の字含めて「何をやっても縣千」と感じることなきにしもあらずですが、それもスター性の裏返しと言えなくもありません。
すでに本公演でも4番手のポジションでお芝居でもショーでも主要ポストを任されることの多い縣さん。
おおらかでのびやかな持ち味はそのままに、さらに緻密さを身につけてますますの活躍を期待しています。
華純沙那(お銀/朝月希和)
新公初ヒロインの華純さん。106期生では月組の花妃真音さんに続いての新公ヒロイン誕生です。
日本物で気が強い女スリというなかなかハードルの高い役に果敢にチャレンジしていました。
最初のソロの曲がとても緊張していてどうなることかと心配しましたがすぐに落ち着きを取り戻した様子。
歌も台詞も聴き取りやすくてよき。面差しが野々すみ花さんに少し似ていると感じました。
華世 京(伊勢屋総太郎/朝美絢)
こちらも抜擢が続く106期の首席。
さすがに優等生で特にどこが悪いというところはありませんでしたが、新公観て、この総太郎という役の難しさと本役の朝美絢さんの上手さを改めて知った思いです。クズ男っぷりとかわいさの絶妙なバランス・・・朝美さんさすがです。
華世さんは台詞の口跡よく、目をひく華やかさも持っていてスター候補生の一人であることは確か。
着物の着こなしや所作もまだまだこれから場数を踏んでさらによくなっていくと期待しています。
一禾あお(三太/和希そら)
この役も本役の和希そらさんが力を抜いた感じで演じているように見えて、ふとした表情に寂しさが滲んでいたり、本当に上手かったのだなぁと感じた役です。
一禾さん、妹弟たちのよき兄貴で元気のよい三太像でしたので、東京公演では三太の孤独な胸の内も表現できるよう、さらに深みを目指してがんばっていただきたいところです。
夢白あや(浜次/妃華ゆきの)
お銀さんの他にも、お松(花束ゆめ/野々花ひまり)、春駒太夫(有栖妃華/愛すみれ)、お滝(莉奈くるみ/希良々うみ)と娘役さんに目立つ役が多い作品ですが、中では浜次を演じた夢白あやさんが頭一つ抜きん出た印象でした。
美人さんで台詞もしっかり。着物の着こなしも本役のお糸の時とは違ってちゃんと芸妓さんのそれになっていて感心しました。
真友月れあ(嘉平/汝鳥伶)
主要キャスト以外ですごく上手いなと思ったのは真友月れあさんの嘉平。
夢介の爺やで本役は専科さんという滋味ある役どころを違和感なくこなしていて、「え?専科さんまじってる?」と思ったくらいです。
夢介に総太郎のお嫁さんが決まったと喜ぶ両親(紗蘭令愛・涼花美雨)が「いつか見に行く」と言う夢介に「いつ行くの?」「今でしょ」とはけながらアドリブ放って笑いを誘っていたり、わちゃわちゃした分、役が多くて、下級生にまで役がついてよい勉強になった公演だったのではないかと思います。
ご挨拶は新人公演長学年と主演まとめて縣千さんお一人で
縣千さんご挨拶:
皆さま この「夢介千両みやげ」の新人公演、お楽しみいただけましたでしょうか。ありがとうございます。
この新人公演が皆さまにとって、いいみやげ話になったなぁと思っていただけましたら幸いでございます。
春の暖かさを感じるこの季節、この劇場内も皆さまがお天道様のようにやさしく温かく見守ってくださり、こんなにも心躍らせて公演できましたことは、感謝の気持ちでいっぱいでございます。わたくしたちは、この明るく希望に満ちた物語をお客様にお届けするために何が自分に足りないのか、何を求められているのかを考え続けて、みんなで刺激し合い、向き合いながらこの物語を紡いでまいりました。
新人公演だから得られるこの尊い経験は、仲間の一人ひとりが今、噛みしめていることと思います。この1日限りの与えていただいた役を全力で生きて、思いきり楽しんで、この空間に笑顔の花が咲いたらいいなと思っておりました。お客様の笑い声や拍手がほんとにうれしくて、私たちのその気持ちを受け取ってくださっているのだなと本当に感じました。きっと、ひとつも見逃さないと、聞き逃さないと、集中してくださって、観てくださっているのだなと思うと本当にうれしいです。
皆さまに映る私たちの姿が恥じるものにならないよう、今後も精進し続けてまいりたいと思います。本日は本当にありがとうございました。
フィナーレの最後に皆さまのお手を拝借して手拍子をしたこと、この私たちの巻き起こす波に皆さまが乗ってくださる、そのやさしさが、この新人公演に対する皆さまのお心なのだなと思うとうれしいです。
この今、この瞬間感じている思いを胸にとめて、これからもがんばってまいりたいと思います。本公演でも日々感じておりますが、1回の公演をするためにどれだけ多くの方にご尽力いただいて公演をしているのか、感謝の言葉はつきないです。私たちはこうして皆さまに愛してもらっていることに感謝の思いを忘れず、これからも皆さまの心に響く舞台づくりを目指してまいりたいと思います。本日は本当にありがとうございました。
プログラム置かれたこの座席見ると「新人公演だぁ」とテンションあがります。
「お手を拝借」で客席で観ていた上級生も一緒に盛大に手拍子していたの温かかった のごくらく度 (total 2298 vs 2299 )
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