2022年02月10日

十一面観音さまに魅入られる


naranationalmuseum.jpg


昨日、奈良公園を歩いていてこのポスターが目にとまり、あまりの美しさに魅入られるように博物館に吸い込まれました。


特別展 国宝 聖林寺十一面観音 ―三輪山信仰のみほとけ
奈良国立博物館


実は仏像にそれほど詳しい訳ではない不肖スキップ。
こちらの観音様は奈良県桜井市の聖林寺にいらっしゃって、天平彫刻の名作で日本を代表する仏像のひとつで「比類なき美しさ」と形容されていることも初めて知りました。


naranationalmuseum2.jpg.jpeg

入口のこのパネルだけでかなりテンション上がりました。
十一面観音菩薩立像が奈良国立博物館で展示されるのは、1998年の特別展「天平」以来24年ぶりなのだとか。

右側はこちらも国宝で、今は法隆寺にいらっしゃる地蔵菩薩様です。
どちらも江戸時代までは大神神社に祀られていたのだそうです。
かつての日本では神仏習合と言って、神道と仏教は融合した一つの信仰体系だったところ、明治新政府による神仏分離令で廃仏運動が起こりましたが、住職や周辺の人々によって近在の寺に移されて難を逃れた・・・ということを場内の映像コーナーで学びました。勉強になったわぁ。


naranationalmuseum5.jpeg

入ってすぐ音声ガイドの案内があって、天海姐さんの姿にまたテンション上がる(^^ゞ



「世の中にこんな美しいものがあるのかと、私はただ茫然とみとれていた」という白洲正子さんの言葉とともにそこに立つ観音様。


十一面観音様も地蔵菩薩様も、博物館のフロアにガラスケースも柵もなくすっくと立っていらっしゃいました。
尊きことこの上なく、お姿に見とれながら周りを5周ぐらいしました。
十一面観音様はもちろん、やわらかな光を放っているように感じる地蔵菩薩様も、いつまでも見ていたい、その場を離れたくないという気持ちになりました。

お寺に安置されている背部は拝見できないということで、今回の展示がどれほど貴重なものかわかります。
十一面観音様はずいぶんお背も高く(像高約2メートルだとか)、オペラグラスで頭上をご覧になっていらっしゃる方がちらほらいらして「オペラグラスの使い方!」と思った次第です。


naranationalmuseum3.jpeg

こちらはロビーに展示されていた写真パネル。
観音様の別ショットです。美しい。


一緒に展示されていた正暦寺の日光菩薩様、月光菩薩様もとてもお綺麗で見とれましたし、三輪山絵図など三輪山信仰にまつわるあれこれの展示品もとても興味深かったです。
そして今、すっごく三輪さんに行きたい。



naranationalmuseum4.jpeg

さらには、別エリアの展示「お水取り」も、あの修二会に至るまでに練行衆(れんぎょうしゅう)という僧侶の方々がそのように清廉で厳粛な日々を過ごされているのかと、目が覚めるような思いでした。



naranationalmuseum6.jpeg

外に出たら飛行機雲の跡がまるで博物館からのぼる煙のようでした。






naranationalmuseum7.jpeg

naranationalmuseum8.jpeg

最後に悲劇が



紙を食べさせまいとする人間と絶対に食べたい鹿氏との熾烈なバトルが繰り広げられたのでした・・・余韻台無しじゃん のごくらく地獄度 (total 2266 vs 2263 )

posted by スキップ at 22:33| Comment(0) | ちょっとおでかけ | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
コメントを書く
コチラをクリックしてください