2021年11月29日

一瞬一瞬を目に焼き付けて 星柳生忍法帖/モアー・ダンディズム!」


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今回の上京ははじめに「吉例顔見世大歌舞伎」ありきだったのですが、当初第二部、第三部と観るつもりでいて、「ん?第二部観なければ星組観られるじゃん!」と気づきまして、第二部はあっさりあきらめ・・・仁左衛門さん・千之助くんの「連獅子」は観たかったけれども。

という訳で、宝塚大劇場で7回(+新人公演1回)観た作品ですが、行ってまいりました東京宝塚劇場。
これが本当のナマラスト観劇。
東京公演初日のご挨拶で礼真琴さんが「宝塚大劇場を卒業していよいよラストステージとなった卒業する7名の皆さま、そして107期生の研1さん・・・このメンバーでしかできない舞台を嚙みしめながら過ごしてまいりたいと思います。皆さまも一瞬一瞬目に焼き付けてお帰りくださいませ」とおっしゃっていた通り、『一瞬一瞬目に焼き付けて』観納めてきました。


宝塚歌劇 星組公演
宝塚剣豪秘録 「柳生忍法帖」
原作: 山田風太郎 「柳生忍法帖」
脚本・演出: 大野拓史
ロマンチック・レビュー 「モアー・ダンディズム!」
作・演出: 岡田敬二  
出演: 礼 真琴  舞空 瞳  愛月ひかる  美稀千種  白妙なつ  
天寿光希  音波みのり  大輝真琴  輝咲玲央  漣 レイラ  ひろ香 祐  
瀬央ゆりあ  朝水りょう  綺城ひか理  有沙 瞳  天華えま  小桜ほのか  
極美 慎  碧海さりお  天飛華音  都 優奈  水乃ゆり  瑠璃花夏 ほか


2021年11月26日(金) 1:30pm 東京宝塚劇場 1階10列下手
(上演時間: 3時間5分/休憩 35分)





宝塚大劇場観劇時の感想:
柳生忍法帖
モアー・ダンディズム!



東京公演初日から1週間ですが、お芝居、ショーともに大劇場公演終盤の進化と深まりをそのまま保った印象で高クオリティの安定感ハンパない。
中でも歌に芝居にダンスに、礼真琴さんの無双ぶりが際立っています。


「柳生忍法帖」
今回「殺陣をしながら歌う」という新たなジャンルを開拓した(ジャンルなのか?)礼真琴さん。
あんなに動きながら、剣を捌きながら、響き渡る歌声はぴくりともブレないの凄すぎる。どんな声帯と横隔膜と筋力なんだ。
♪信じるのは この手にした刃 切り開け~ の「り」が少し巻き舌気味なのも劇中の歌い方としては新鮮。

大劇場公演が終わって東京で観るまでの間に原作をサッと読み返したのですが、礼真琴さんの描き出す十兵衛が原作のイメージを絶妙に表現しているのに改めて感動。
鬼神のごとく強くて揺らぎない信念を持っているのに、いたずらっ子のような可愛げと愛嬌があって心優しきヒーロー・・・そりゃ堀の女たちもゆらも惚れるよね

ゆらに恋心を打ち明けられて、十兵衛はもとよりその場にいた全員「びっくりだゼ」という感じですが、次の場面の地下牢でゆらに寄り添われている十兵衛が、特に嫌そうに拒むでもなく、かといってその思いを受け容れている様子でもないところなんて、ほんと原作の十兵衛そのままです。
そんなこんながあって、ラストの「もう一人、俺だけが弔ってやれる女がいる」が効いてくるのだと思います。

殺陣は相変わらずキレッキレで観ていてホレボレします。


細かい演出の変更が何点かあるようですが、私が気づいたのは以下の2点。
冒頭東慶寺門前: 七本槍が堀一族の男を二人斬って、より残忍性が強調されていました。
ラスト鶴ヶ城門前: 柳生宗矩と沢庵和尚に責められて逃げ出した十兵衛に千姫の台詞 「お待ちなさい。もうよいではないか」→「捨ておけ 捨ておけ」に変更。

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大劇場で最初に観たころは「これでいいのか?」とも思いましたが、盛り込みすぎ(というかうまく選択集中できなさすぎ)の感はあるにしても、大野先生が山田風太郎氏の原作をリスペクトしていて、その世界観をうまく宝塚の世界に置き換えているのはよく伝わりました-ゆらをよくあんなにトップ娘役の役として成立させたよね-これはこれで娯楽時代劇とし楽しいと、大劇場千穐楽からほぼ1ヵ月ぶりに観てそう思いました。
要するに礼真琴率いる星組が好きってことです(そこ?(^^ゞ)


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こんな席でした。観やすかったです。



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こちらは宝塚大劇場で撮ったもの。
お芝居終わって、左右の花道に置かれていた経典が舞台中央に集められた瞬間。この後すぐ幕が下りました。


「モアー・ダンディズム!」
「ミッション」と「アシナヨの場面で泣くという事案発生。
もともと好きな場面ではあったのですが、1ヵ月のインターバルで少し飢餓状態だったところへあの切なさが涙を誘ったと思われ。

「ミッション」の主人公ミハイルは”戦いに向かう青年”という設定ですが、戦いというより「革命」ではないかという気持ちが大劇場観劇時からずっとあって、今回少し俯瞰して観てやはりそう感じました。革命の中で受け継いでいく魂のリレー。
あの戦いのダンス、本当にすばらしいです。

「アシナヨ」は

♪アシナヨ  感じているかい どれほど愛しているか
 君と出会ったときから僕の世界目覚めた
 アシナヨ わかっているかい 君が僕を変えたこと
 花の香りに振り向いて空の色や風の歌にときめく

という歌詞が恋人に向けた言葉であるとともに、愛月さん
への思いであるようにも感じられ、後半の礼・舞空のデュエットダンスに重なる愛月さんの歌声がまるで二人を包み込むようでナミダ。
礼真琴・愛月ひかる タイプが全く異なる二人ですが、本当にステキな1 2 コンビになったなと、惜別の気持ちでいっぱいです。

もちろん愛月さんの♪薄紫の~ も白軍服のゴールデンデイズも素敵だし、星男たちの「ハードボイルド」はクールさとセクシーさにますます磨きがかっているし、ことちゃんの歌声は響き渡るし(くり返し)。

こちらも1ヵ月のインターバルの間に過去の「ダンディズム」シリーズが他のロマンチック・レビューの映像をいくつかザックリ観ましたので、あれはあのショーの、とか、この場面はあの人がやってた、とかいろいろわかった上で観るのはまた興味深かったです。
特に「ハードボイルド」は、真矢みきさんも湖月わたるさんも、バウで観た凪七瑠海さんもステキだったけれど、シャープで現代的な”礼真琴の”PARADISO すごく好きだなと改めて(また結局そこ?(^^ゞ)



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劇場ロビーのクリスマスツリー
クリスマスシーズンに東京宝塚劇場行くのは初めてでしたのでツリーも初めてです。
星組色のブルーで、オーナメントも星がいっぱいでした。


12月26日の千穐楽までまだ1ヵ月も続く公演。
その日まで星組生全員揃って元気に駆け抜けられますように。



これが本当にナマ観納め のごくらく地獄度 (total 2233 vs 2234 )


posted by スキップ at 22:00| Comment(0) | TAKARAZUKA | 更新情報をチェックする
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