昨日は星組宝塚大劇場公演千穐楽。
愛月ひかるさんが愛してやまない宝塚大劇場を去る日でした。
公演に引き続いて上演されたサヨナラショー。
仕事やりくりして、何とか配信で観ることができました。
愛月ひかるサヨナラショー
2021年11月1日(月) 4:20pm 配信視聴
(上演時間: 15分)
愛ちゃんのこれがやりたい、これをファンの方にお見せしたい、そして、ファンの愛ちゃんのこれが観たいがたっぷり詰まったショーでした。
そもそも二番手退団でサヨナラショーをすることがレアで時間も通常より短いですが、近年のトップスター、トップ娘役のサヨナラショー含めた中でも出色のショーだったと思います。
セットリスト
1.幸せの鐘の鳴る日 (誰がために鐘は鳴る) *新人公演初主演公演
2.Eres mi amour~大切な人~ (シークレットハンター) *初舞台公演
3.マドリードへ (マノン) 男役黒燕尾
4.ブーケ・ド・タカラヅカ (Bouquet de TAKARAZUKA) 退団者6名
5.うたかたの恋 (うたかたの恋) マリー:舞空瞳
6.You Are My Sunshine (Ray) 全員
7.バンバン (不滅の棘)
白やシルバーで華やかな刺繍飾りのついた黒燕尾で大階段に登場。
新人公演初主演作「誰がために鐘は鳴る」から「幸せの鐘の鳴る日」、そして初舞台公演「シークレットハンター」の「Eres mi amour~大切な人~」を続けて歌う愛月さん。
宙組時代の愛ちゃんを思い出して、胸がいっぱいになります。
続く「マドリードへ」では、愛月さんが数フレーズ歌った後、大階段から降りてくる黒燕尾の男役たち。
愛月さんを逆三角形の頂点とした黒燕尾男役群舞。
愛ちゃんトップの日があればかくありなんと思える究極にクールな群舞でした。
退団者6名(紫月音寧・夢妃杏瑠・漣レイラ・彩葉玲央・湊瑠飛・澄華あまね)が「ブーケ・ド・タカラヅカ」を歌いながら銀橋渡り。
そして
大階段に白い軍服を着た愛月さんが立ち
「うたかたの恋」のイントロが流れ始めると、「ルドルフだ!」と思わず前のめりになって画面を見つめました。
愛月さんが「宝塚おとめ」のやりた役にずっと書き続けていた「うたかたの恋」のルドルフ。
私でも「これを!サヨナラショーで!!」とテンション上がったくらいですので、ずっと愛ちゃんを応援してこられたファンの方々の思いはいかばかりかと。
この瞬間、大劇場の客席では声にならない嗚咽があふれたのだとか・・・さもありなんです。
「マリー 来週の月曜日 旅に出よう」
「あなたとご一緒なら どこへでも」
という台詞から始まる曲。
マリーの舞空さんのカチューシャに三日月の飾りがついていて、「愛月の月だ」とその心遣いに泣きそうになったり。
サヨナラショーでやる曲は、これまでの出演作から選ぶのが通例だと思いますが、こうして自分の夢もファンの夢も叶えてくれた愛ちゃんステキだし、それを認めてくれた歌劇団の愛も感じます。
You Are My Sunshine
大階段から大階段から男役4名(瀬央ゆりあ・綺城ひか理・天華えま・極美慎)が歌いながら降りてきます。
「モアー・ダンディズム」フィナーレの白燕尾。
娘役も全員白のドレス、全員揃ったところで礼真琴さん大階段にこのショー初登場。
小さな羽根飾りがついただけの他の男役さんたちとほとんど変わらない白燕尾。トップスターとしては貴重な装いです。
そして愛月さんは上手花道に登場。天使の羽根のようなファーテールのついた白いロングコートに白燕尾。
ことちゃんが ♪You are my sunshine~ と歌ったのに呼応するように ♪I am your sunshine~ と歌うだけでも泣きそうになったのに、舞台の皆のところへ戻り、センターで礼さんとガッツリハグする姿に涙腺決壊

ラストは「不滅の棘」から「バンバン」
「不滅の棘」は愛月さん宙組時代の作品で、星組生は誰ひとり出演していませんが、礼真琴さん筆頭に全員が全力でバンバンする姿に、その組子たちの間を下手から上手へ、楽しそうに笑顔でタッチしていく愛月さんに、涙がとまりませんでした。
愛月さんが際立って素敵だったのはもちろんですが、礼真琴さんのホスト(ホステスか?)ぶりもすばらしかったです。
トップスターのオーラを抑えて二番手に徹し、みんなが揃う場面でも0番には決して立たず(なので、センター愛ちゃん、左右に舞空さん、瀬央さん)。
愛ちゃんを贈る言葉は敬愛に満ちていて、カーテンコールでは「とても綺麗です」客席に愛ちゃんを送るペンライトを使うのを促し、「スペシャルゲストです!」と緞帳前に愛月さんをお連れする・・・ことちゃん、何てできる子なのと改めて思いました。
カーテンコールの礼真琴さん:
愛さんのサヨナラショー、千穐楽、させていただきましたけれども、あっという間の時間ではあったんですけど、その期間でも、こう、男役というのは、というのをすごく見せていた・・・見せていただいたというのは失礼ですね。もうなんか、ねー!(と後ろの組子を振り向く・・・ぶんぶんうなづく後ろの天飛華音くん)学んだわよねぇ!(ここで「急にオネエ」とツッミ入る・・・あのツッコミ絶妙だったけどどなたかな)
この星組で最後見せていただけて学ばせていただけたのは本当に私たち幸せだなと、思うよねー!(とまた振り向く)うん!」
東京公演もその愛さんの男役像を見て、学んで、少しでも多くのことを吸収できるように、そしてこの大切な仲間たちからもらう宝物もしっかり受け止めて、東京公演にまいりたいと思います。本日は本当にありがとうございました。
緞帳前がまた可愛くて・・・。
「こんな時は真ん中に行くものですかね?」と愛ちゃんを促して2人で舞台センターに行くことちゃん。
「どうしましょう」ということちゃんに「何かおもしろいことをやりたくなっちゃう」という愛ちゃん。
「~でござる」と十兵衛みたいな言葉になったことちゃんに「さっきから言葉づかいがおかしい」とすかさずツッコむ愛ちゃん。
「愛さんが星組にいらしてからずっと敵役ばかりだったので、今回『テンプテーション』で一緒に踊れるのが本当にうれしくて」とことちゃんが言えば、「私も。こっちゃんと踊ると自分もダンスが上手くなったような気がして・・・こっちゃん効果。ワタシ、こんなに飛んでる!とか」と笑顔の愛ちゃん。
互いの力を認め合って、互いにリスペクトし合う2人が自然体で話す会話がたまらなく好きでした。
そんなことちゃんに、ひと言を促された愛ちゃんが
「星組生として卒業できることを誇りに思います」とおっしゃった時、この日イチ泣きました。
星組ファンとしても、愛月さんが星組に来てくれてとてもよかったと思っていますし、短い期間ではありましたが、愛ちゃんが星組の舞台に遺してくれたものを決して忘れません。
ラストの曲がよく歌われる「TAKARAZUKA FOREVER」ではなく「さよならタカラヅカ」だったのも印象的でした。
愛月ひかるさんご挨拶:
今こうして、大劇場千穐楽までのすべての公演を終えられること、こうして、たくさんのお客様の前で卒業のご挨拶をさせていただけていることに、心から感謝申しあげます。
宝塚に出会ってから、宝塚が私のすべてでした。こんなにも夢中になれる、自分のすべてを賭けたいと思える場所に出会えた私は、本当に幸せ者です。憧れが強すぎるがゆえに葛藤することもたくさんありましたが、常に見失わなかったのは、宝塚を好きだという気持ちです。その気持ちと、宝塚の男役を極めないという志がなければ、今の私は存在しないと思っております。
男役に完成はありません。東京公演の最後の日まで、自分お男役像をつくり上げてまいります。
この大好きな宝塚大劇場とお客様に心から感謝の気持ちを込めまして、本当にありがとうございました。
礼真琴さんご挨拶:
皆様、本日は星組公演「柳生忍法帖」「モアー・ダンディズム」千穐楽を最後までご観劇いただきありがとうございました。星組の礼真琴です。
いつもより少し長めの公演期間となりました。この期間、星組全員で今日を迎えることができましたこと、本当にうれしい気持ちとほっと安心しております。
そして今、袴姿で階段を降りてきた大切な仲間たちのご挨拶を聞いて、今まで我慢してきた思いが溢れ出しそうで、でも出さないように我慢して、今、心がかき乱されております。本当にそれだけ濃い時間を過ごした仲間たちの卒業、悲しくない訳がありません。ですから、東京公演に向けて、このメンバーでつくる最後の舞台、もっともっと深めて、お客様にさらにレベルアップした舞台をお届けできますよう、全身全霊つとめてまいります。皆さま、東京公演もよろしくお願い申しあげます。本日は本当にありがとうございました。
愛ちゃんが終始ニコニコ穏やかな笑顔だったので、寂しいけれど幸せな気持ちにもなりました のごくらく度


