2021年10月16日

今という二度と戻らない時間 星組 「柳生忍法帖」新人公演


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昨年、「減耀の谷」の東京新人公演が中止となって以来、星組にとっては1年8ヵ月ぶりの新人公演。
舞台も客席も熱い思いが溢れるようでした。
新人公演出演が初めてという人や日本物は初めてという下級生もいて、とても貴重な学びの場となったことと思います。


宝塚歌劇 星組 「柳生忍法帖」 新人公演
原作: 山田風太郎 「柳生忍法帖」
脚本・演出・新人公演担当:: 大野拓史
出演: 天飛華音  瑠璃花夏  碧海さりお  夕陽真輝  颯香凛  澄華あまね  
咲城けい  御剣海  水乃ゆり  奏碧タケル  星咲希  稀惺かずと  大希颯 ほか

2021年10月12日(火) 宝塚大劇場 1階13列センター
(上演時間: 1時間45分)



本公演の感想はこちら
    


今回は、本公演脚本・演出の大野拓史先生が新人公演も担当。
特に変更点はなく、本公演そのままの展開でした。

台詞のタイミングがかぶってしまったり、思わぬハプニングがあったり、新人公演らしさも見受けられる中、若者たちの懸命さと熱さが伝わる舞台でした。


天飛華音 (柳生十兵衛/本役:礼真琴)
野性味という面では本役の礼真琴さんよりむしろ適役では?と思えるかのんくん。
口跡よく力強い台詞と歌唱。歌や台詞以外にも殺陣や所作と決まりごとが多い日本物ですが、立派でした。
そしてやはり、センターに立つのが似合う華のあるスターであることを実証。
ソロの歌唱で少しかすれることがあって、練習しすぎかな?と思ったのですが、稽古中にのどを潰してしまったと終演後のインタビューでおっしゃっていたそうです。いや、そんなこととは全然感じられないくらいすばらしい歌唱でした。
礼真琴さんからは「絶対できる。大丈夫!」と声をかけられたのだとか。
そういえばことちゃんも、「Étoile de TAKARAZUKA」新人公演(2013年)で柚希礼音さんのダンスソロ「Scorpius」を踊った時、舞台稽古だっかであまりにできなくて号泣してしまって、柚希さんに「大丈夫や!」と励まされたのでしたね。そうやって星組の伝統は受け継がれていくのね。
ラストの銀橋ソロでは感極まって涙も浮かべていたかのんくんに思わずもらい泣き。


瑠璃花夏 (ゆら/舞空瞳)
可憐な容姿に透明感ある歌声、本役の天丸でも見せた芝居心を存分に発揮。さすがに実力のある娘役さんです。
日本物が好きというだけあって、着物の裾さばきなど所作も美しくたおやかな雰囲気。
舞空さんよりやわらかめの造形で表情豊か。小柄で華奢な体のどこにそんなパワーが、と思えるほど情感溢れるゆらでした。


碧海さりお (芦名銅伯/愛月ひかる)
今回の新公長の期のさりおくん。
ダンスの印象が強いですが、歌もお上手で台詞もしっかり。
愛月さん銅伯が金髪なのに対して、さりおくんは白髪(銀髪かな?)でした。
さすがに愛月さんの妖しい”人外のもの”感を出すのは手強かったようですが、難しい役を見事に演じ切りました


会津七本槍
咲城けい (漆戸虹七郎/瀬央ゆりあ)
大希颯  (香炉銀四郎/極美慎)
御剣海  (鷹ノ巣廉助/綺城ひか理)
奏碧タケル(平賀孫兵衛/天華えま)
紘希柚葉 (具足丈之進/漣レイラ)
碧音斗和 (司馬一眼房/ひろ香祐)
世晴あさ (大道寺鉄斎/碧海さりお)

咲城けいさんが堂々と落ち着いて、いかにも切れ者の知将という雰囲気。
かのんくんと同期で好敵手のさんちゃん。本公演での活躍も期待しています。
今回新人公演初出演で香炉銀四郎に抜擢された大希颯さんの美しさも際立っていました。
台詞の口跡は甘く、所作もまだまだですが、キラリと光るスター性。これからが楽しみです。
奏碧タケルさん孫兵衛が堀の女たちとの立ち回りで槍を落とした上に自分まで転んじゃって、ご本人焦ったと思いますがドンマイ。

総じて、十兵衛筆頭に男役は、台詞はもとより所作や殺陣、佇まいで本役のレベルの高さを感じました。
約束事の多い日本物はそれだけで大変なんだなぁと改めて思いました。
でもこの経験は彼女たちの今後にきっと力になるはず。

千姫の澄華あまねさんの貫録と存在感。
沢庵和尚の夕陽真輝さん、堀主水と柳生宗矩の二役を演じた颯香凛という新公上級生たちのふんばり。
本役に勝るとも劣らないダメ殿・加藤明成の風真斗和さん。
天秀尼の水乃ゆりさんの美しさと情感(歌もがんばってた!)。
多聞坊にこれも抜擢された稀惺かずとさんの明るさ。
・・・星組の未来は前途洋々だな。


碧海さりおさん(新公長学年)ご挨拶:
この作品は山田風太郎先生の小説をもとに、実在の人物や史実にフィクションが織り交ぜられており、立ち廻りや所作などこの作品だからこそ生まれる課題と向き合い、本公演で演出を手掛けてくださった大野先生のご指導のもと、今日までお稽古を重ねてまいりました。
星組での新人公演は約1年8ヵ月ぶりとなり、本日初めて新人公演を経験させていただく者もおります。また、ここにいるすべてのメンバーにとりまして、新人公演という学びの場を与えていただけることが大変ありがたく、幸せなことなんだと、今実感いたしております。
まだまだ課題は山積みではございますが、日々の本公演でも課題と向き合うことを忘れず、東京の新人公演に向けて、全員で努力を積み重ねてまいりたいと思います。


天飛華音さんご挨拶:
新人公演のない期間を経て、この新人公演の機会をいただけることが、どれほど自分たちの学びに繋がっているのか、経験させていただけることがどれほどありがたいことなのか、身をもって実感いたしております。新人公演のお稽古をしていく中で、下級生で一丸となって舞台に向かっていける喜びを感じたり、悔しい思いや、大きな不安に飲み込まれそうになったり、日々たくさんの溢れる思いを感じながら過ごさせていただきました。
すべての思いが、この新人公演を経験させていただけるからこそ感じられる財産であり、私たちのすべての学びに繋がっているのだなぁと実感いたしております。
当たり前ではない時間、今という二度と戻らない時間を大切に、これからもたくさん悩み、より魅力溢れる舞台人になりたいと、日々感じております。また東京の新人公演に向かわせていただける幸せと、新たにできた課題を胸に、これからも日々精進してまいります。本日は誠にありがとうございました。

お客様と思いを共有できるこの空間が大好きです。何より今日こうして新人公演をさせていただけたことに感謝の気持ちでいっぱいです。明後日からの本公演も、今回学んだことを活かし、さらに成長できるよう精一杯がんばります。本日は誠にありがとうございました。


涙ぐみ、声を詰まらせながら一言ひと言かみしめるように話すかのんくん。
そのかのんくんを後ろから、笑顔と涙の入り混じったような表情で温かく見守るさりおくん。
中止になった「減耀の谷」東京新人公演はさりおくん主演だったことを思って、胸がいっぱいになりました。



悔しさも不安もすべて明日へ繋がる道 のごくらく度 (total 2315 vs 2315 )



posted by スキップ at 22:50| Comment(0) | TAKARAZUKA | 更新情報をチェックする
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