2021年08月26日

祝 寄せ書きサイン色紙当選 「七月大歌舞伎」 夜の部


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松竹座の七月大歌舞伎 7月14日の夜の部を観に行ったところ、関西・歌舞伎を愛する会のデスクで「七月大歌舞伎 出演俳優7名による『寄せ書きサイン色紙』抽選販売のご案内」なるものをたまたま発見。
「あれ?初日にはこんなのやっていなかったよね?」と思ったのですが、後で聞いたところによると、当初は初日からの販売予定だったところ、鴈治郎さんの復帰を待って7月13日から販売されたのだとか。
昼の部、夜の部各10枚限定ということでしたが、「何だか当たる」予感がして申し込んだところ見事当選。
仁左衛門さん・鴈治郎さん・扇雀さん・孝太郎さん・幸四郎さん・壱太郎さん・隼人さん
サインを持っている役者さんも何名かいらっしゃいますが、この7名が揃った寄せ書きって一世一代かなと家宝にしたいと思います。


関西・歌舞伎を愛する会 第二十九回
七月大歌舞伎 夜の部
2021年7月14日(水) 4:30pm 松竹座 3階1列センター


一、双蝶々曲輪日記  引窓
出演: 片岡仁左衛門  松本幸四郎  中村壱太郎  
中村隼人  上村吉弥  中村孝太郎 
(上演時間: 1時間10分)



仁左衛門さんの南与兵衛、吉弥さんのお幸、孝太郎さんのお早と万全の体制の中に幸四郎さんの濡髪長五郎が入っての「引窓」。
幸四郎さんの濡髪が11年ぶりと聞いて愕然。
この間観たと思ったのに・・・と調べたら、確かに、2010年の松竹座 「七月大歌舞伎」で、あの時は「引窓」の前に「井筒屋」「米屋」「難波裏」がついた半通しでした(こちら)。


あの時も今回も、南与兵衛は仁左衛門さん。

人殺しの下手人を詮議にやって来た二人(珍しい立役の壱太郎くんと隼人くん)を一旦離れに待たせて、一人になった途端、郷代官に取り立てられた喜びを隠し切れずにんまり笑って、まるでスキップするように自宅に入る姿の可愛らしさも当時のまま。端正で柔和な笑顔が、水に映った濡髪の姿に気づくと一転、険しい表情に一変するところなど、緩急自在のお芝居がさすが。息子を思う母の気持ちを思い、その息子にも心を寄せる情味あふれる南与兵衛。あまり声を張らない台詞もかえってリアルさを増している印象です。

幸四郎さんの濡髪。
11年前は「小顔がお相撲さん役に邪魔している」と感想を書いたのですが、この11年の間にすっかり恰幅よくなられて(笑)、ビジュアル面でも違和感ありませんでしたが、何よりすばらしかったのは声。太く低い声を無理に出している感じが全くなくて、ここが一番変わったところではなかったでしょうか。
濡髪も与兵衛同様母を気遣い、自分が逃げることで母にも与兵衛にも迷惑をかけるとお縄につこうとする心情が切ない。

以前にも同様のことを書きましたが、与兵衛、濡髪、お幸、お早、この家族はみんな、それぞれが互いを思いやる姿が温かく、そして切ない。そしてその思いやりの中心にいる人物はお幸・・・もっと言えば、お幸が我が子濡髪を何としても生かそうとする母心に、与兵衛もお早も、当の濡髪までもが応えようとしているように思えます。

 
二、恋飛脚大和往来  新口村
出演: 中村鴈治郎  中村虎之介  中村千之助  坂東竹三郎  中村扇雀
(上演時間: 55分)



鴈治郎さんが忠兵衛と孫右衛門の二役、扇雀さんの梅川という座組。
真っ白な雪景色の中、雪よけのむしろの中で寄り添う忠兵衛と梅川が揃いの黒小袖で姿を現す幕開きの美しさ。
この場面の梅川は坂田藤十郎さん(忠兵衛も)や片岡秀太郎さんで拝見することが多かったので、在りし日のお姿が目に浮かんで切なくなりました。
そして、孫右衛門といえば我當さんだなぁとこれまた思いを馳せたり。

とはいうものの、鴈治郎さんの忠兵衛・孫右衛門も、扇雀さんの梅川もよかったです。
何年か前の歌舞伎座で、藤十郎さんの忠兵衛、扇雀さんの梅川で「新口村」を観た時、普段どちらかといえばキツい女性のイメージが強い扇雀さんが、藤十郎さん忠兵衛と並ぶととても儚げでたおやかな梅川だった記憶があったのですが、今回はその時よりはしっかりものの印象ながら、やはりたおかやで美しい梅川でした。

鴈治郎さんは忠兵衛もさることながら、孫右衛門がすばらしかったです。
矍鑠、厳然とした中に覗かせるわが子への思いや、足どりもおぼつかないような年老いた感じ。
梅川に目隠しを取られて忠兵衛と手を取り合って泣き崩れるところは思わずもらい泣き。

竹三郎さんが短い出ながら忠三郎女房でお元気な姿を見せてくださったのもうれしかったし、ちょっとした箸休め的な万歳(虎之介)と才造(千之助)、若いお二人の明るさにも心休まる思いでした。



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開演前にデスクに置いてある番号を取って、幕間に見に行くとこんなふうに当選番号が書いてある方式(一番下)。
いかにも手づくり感満載。この日のワタクシ 128番でした。



プレゼントじゃなくて「買う権利」なのですわよ のごくらく地獄度 (total 2292 vs 2293


posted by スキップ at 22:59| Comment(0) | 歌舞伎・伝統芸能 | 更新情報をチェックする
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