一昨日は宝塚歌劇月組 東京公演千秋楽 トップスター 珠城りょうさんのラストデイ。
相手役の美園さくらさん、そして7名の退団者とともに、達成感あふれた笑顔を見せた珠城さん。
作品にも恵まれて、すばらしい大千穐楽となりました。
宝塚歌劇月組 東京宝塚大劇場公演
「桜嵐記/Dream Chaser」 千秋楽ライブ中継
2021年8月15日(日) 1:30pm TOHOシネマズなんば スクリーン6
(上映時間: 5時間 <カーテンコール含む>)
宝塚大劇場の感想:
桜嵐記
桜嵐記 キャスト編
桜嵐記 新人公演
Dream Chaser
珠城りょうサヨナラショー
8月12日に東京宝塚劇場で観納めるつもりでしたが、上京を取りやめましたので、この公演を観るのは6月21日の宝塚大劇場公演千秋楽ライブ配信以来、ほぼ2ヵ月ぶりでした。
作品やサヨナラショーの感想、セットリストは上記のとおり宝塚大劇場公演時に書きましたので繰り返しませんが、東京公演期間中にさらに熟成されたことに加え、ラストデイのパワーが熱量を高め、珠城さん、美薗さんはじめ月組一丸となって渾身の舞台を見せてくれました。
「桜嵐記」
やっぱり好き過ぎる。
何度も言われていることですが、退団公演ということを抜きにしても、宝塚歌劇の中で指折りの名作だと思います。
ただ、楠木正行=珠城りょうのイメージが私の中で強すぎて、もし再演されるとしても他の人がやる正行が全く想像できません。
多分これから、たとえば歴史書などでも「楠木正行」の名前を見ることがあったら、必ず「桜嵐記」の、珠城りょうの、楠木正行を思い浮かべるに違いありません。
最初から完成度の高い舞台でしたが、久しぶりに観る「桜嵐記」は、すばらしさはそのままに、より一層深くて熱い物語になっていました。
イントロダクションが終わって、舞台がまだ仄暗い中、父正成の後ろから弓を片手に歩む正行の大きな背中を観ただけでぶわっと涙があふれて、ほぼ泣いていたような状態ですが、特に四條畷の合戦からラストの出陣式までは、泣き声を押し殺して歯を食いしばって観ていましたので、終演後は頭と顎が痛かったです。
正行の最期の「エンヤラ エンヤラ ドッコイセー」は、まさに最期の力を振り絞らんがごとくより一層力強くなっていました。
そして、後村上天皇の「戻れよ」
my 後村上史上、最強で最も切ない「戻れよ」
涙ナミダ

「Dream Chaser」とサヨナラショーは合わせても体感時間10分くらいでした。
大劇場の感想にも書いたとおり、私は「Dream Chaser」のデュエットダンスが大好きなのですが、こんな包容力があってゆったりとしつつドラマチック、しかも技術はしっかりなデュエダン踊れるトップペアは、たまさく去りし後、今の宝塚にはいないなぁと思ったら、改めて寂しくなりました。
千海華蘭さんマーリンの台詞から始まって、♪恐れられる王でなく 愛される王に~ と珠城さんが歌う「アーサー王讃歌」の歌詞が、この作品がトップとしてのプレお披露目公演だった珠城さんのトップ人生とも重なり、この「サヨナラショー」は本当によく考えられた構成だなぁと改めて思いました。
そして「千秋楽?冗談じゃねぇーっ!」と「BADDY」で締めくくり。ほんと、このお別れが冗談ならよかったのに。
いつもそうですが、退団者の皆さまはとてもすっきりした、晴れやかな笑顔。
ご挨拶もそれぞれの思いがこもっていてすばらしかったですが、
香咲蘭さんさんの
「さぁ、準備はできました。忘れものなし。悔いなし。たくさんの経験、思い出、出会い、感謝。すべてをトランクに詰め込んで、新たな道へと進んでまいります。皆さま 本当にありがとうございました。」
が特に印象的でした。
そして
美園さくらさんご挨拶
宝塚の娘役として歩んだ旅路も、今日最後の時を迎えました。
今なお、決して見果てることのない芸の道、その夢を追いかけ、挑み続けた道のりに決して恥じることのないよう、新たな人生という名の舞台で、力の限り、自分自身の花を咲かせてまいります。
これまでの歩みの中、出会ったすべての方々、皆さまとの思い出と、永遠に輝き続けるこの美しい舞台に、心からの愛を込めて、本当にありがとうございました。
短い中にも万感の思いがこもったご挨拶。
さくらちゃん、大劇場の時は、「このふるさとがいつまでも甘き調べを奏でる場所でありますように」と「 I AM FROM AUSTRIA 」の言葉を引用していましたが、今回は「ピガール狂騒曲」から「人生という名の舞台」とさり気なく。とても気が利いていてクレバーな印象です。
カーテンコールの退団者ひとことで「今まで生きてきた中で一番幸せだったと思いました」と感極まるさくらちゃん。
さくらちゃんが幸せで本当によかった。
珠城りょうさんご挨拶
皆様 本日は月組公演の千秋楽をご観劇くださり、誠にありがとうございました。世の中の状況が厳しくなる中で、本日、出演者、スタッフ全員が揃って今日という日を迎えられましたこと、この偶然ではない奇跡を心から誇りに思います。
心から愛し、情熱を注いできたこの舞台、私は男役として舞台に立っている瞬間、自分以外の人生を生きている時間がたまらなく大好きでした。
この立場になり約5年、はじめは大きく感じた羽根も、組のみんなの思いが1本1本の羽根になり、ファンのみんなの愛が温かい風を起こし、わたくしは今、とても軽やかに羽ばたいています。月組を見守り、応援してくださいました皆さまにも心から感謝申しあげます。
今この瞬間、ここにあるもの(・・・ここでゆっくり360℃回転して舞台、そして組子たちを見渡す)、このすべてが、わたくし自身のすべてをかけて守り、愛しぬいた存在です。珠城りょうの宝塚人生は、最高に濃密で、愛にあふれた日々でした。これからの人生も、皆さまからいただいたたくさんの愛と温かい思いを胸に、力強く、そしていつも心を豊かに、生きてまいりたいと思います。今まで巡り逢ってくださいましたすべての皆さまに、心からの感謝を込めまして、14年間、誠にありがとうございました。
「わたくしは今、とても軽やかに羽ばたいています」の言葉どおり、トップスターという大きく重い鎧を脱いで、明るく軽やかで晴れ晴れとした表情でした。
何度か繰り返されたカーテンコール。
この公演を最後に専科に異動する紫門ゆりゃさん、輝月ゆうまさんを特別に呼び出して言葉を促す珠城さん。
このお二人は下級生時代からともに月組で喜びも苦しみも分かち合った特別な存在なのだなと改めて感じました。
「月組で初舞台を踏ませていただき、月組配属になったわたくしたち4期生はいなくなりますが」と香咲蘭さんと顔を見合わせながら涙ぐむ珠城さん。
「れいこ、海」と呼びかけて、「月城かなと、海の美月率いる月組をよろしくお願いいたします」という珠城さん。
月城さんが珠城さんに投げハートしたのを受けて、今度は全員で観客に向けて、「これでも喰らえ~!」とサッと投げハート。
もちろん涙はあったけれど、多幸感に満ちたよき千穐楽でした。
ただ一つ、ラストのあれを除いては。
最後に緞帳前に出てきた珠城さんと美園さん。
「皆さま こんなに幸せな時間をありがとうございました」という美園さんに
「皆さんと先生方のやさしさがあって、ここまで来れたと思いますので、皆さんに、いろんな「歌劇」とかでバレちゃっているからね、皆さんの温かさに恥じない人生をこれからも歩んでいってください」と珠城さん。
そこで美園さんが
「珠城さん、こんな私を、こんな私を、こんな私を」(涙ながらに3回)
「いつも導いてくださって本当にありがとうございました。大好きです!」
これに対して珠城さん
「(戸惑ったように)あぁ、ありがとうございます。導いたのは月組のみんなですけど」
ここは珠城さんの照れとか、飾った言葉を使えない珠城さんの実直さとか、これがたまさくの関係性といったご意見も見かけましたが、最後の最後にこれではいくら何でもさくらちゃんが可哀想。
ともに手を取り月組の舞台をつくり上げてきた相手役なのですから、敬意やねぎらいの言葉があってしかり。いくら照れくさくても、たとえ「好き」という言葉は使わなくても。
もしかしたら誰もいないところでそんな言葉をかけているのかもしれませんが、さくらちゃんが最後に、この場で、どれほど決死の思いでこの言葉を発したと思うと、それに応える度量を見せてほしかったと残念でなりません。
ともあれ、珠城さん、さくらちゃん、退団者の皆さまのこれからの人生に幸多かれと願います のごくらく地獄度




ようやく見ることができました、「桜嵐記」!
劇場のように集中してみることができませんでしたが(^^;評判通り、素晴らしい作品でした!
内容もそうですが、月組の組子一人一人に合わせた、いわゆる「当て書き」作品が少なくなった昨今、久しぶりに「あ~宝塚だなぁ」と、違う意味でも感慨にふけった感です。(ショーもそうです)
あの幕前での出来事、私も「どうしたの?」と思いました(笑)あれが普段の姿なんでしょうけどね。全て終わって気が抜けたのか、さくらちゃんの行く末を思っての言葉なのか、わかりませんが。
私はそういうたまちゃん、嫌いではないのですが(すみません)映像が残るだけに、もう少し配慮が必要だったかもしれませんね。
「桜嵐記」ご覧になっていただけてよかったです。
サヨナラ公演としても、宝塚の日本物としても、いつまでも心に残る名作
だと思います。
もともとの楠公贔屓にこの作品でますます拍車がかかりました。
上田久美子先生、本当にすごいですよね。
私も珠城さんは好きなスターさんの一人ですし、ああいう関係に
至るまでにいろいろあったらしきことも聞いていますので、一概に
責めるつもりはもちろんなくて、ただ残念だったなーという印象です。
あの後、さくらちゃん捌ける場所間違えたらしいのですが、
動揺しちゃったんじゃないかな。