今年4月、宝塚歌劇団を退団した元雪組トップスター 望海風斗さんのファーストコンサート。
タイトルの「SPERO」はイタリア語で「望む」の意味で、未来へ望むことや期待を作品に込められているのだとか。
望海風斗コンサート 「SPERO」
構成・演出・振付: 川崎悦子
音楽監修: 長谷川雅大
指揮: 西谷亮
衣装: 十川ヒロコ 及川千春
振付: 松田尚子
出演: 望海風斗/佐藤洋介 柳本雅寛 (Wキャスト)
村井成仁 山﨑感音 大月さゆ 工藤彩 半澤友美 小林由佳
スペシャルゲスト: ラミン・カリムルー(8/9-11)
2121年8月5日(木) 1:00pm 梅田芸術劇場メインホール 1階6列下手/
8月10日(火) 5:30pm 2階7列センター
(上演時間: 1時間40分)
望海さんの他に、男性と女性のダンサー兼アンサンブルが各2名、アクロバティックなパフォーマンスチームの女性が2人、ゲストダンサーが1人(Wキャスト)という編成で、バンドは舞台上で生演奏、MCは望海さん自身でもちろんダンサーたちと踊る場面もありますが、全体的に動きトークもあまり多くなくて、“ヴォーカリスト 望海風斗”の歌をじっくり聴かせる、といった趣きのコンサートでした。
「シネマな望海」「ジャジーな望海」というように4つのパートに分かれていて、映画音楽、ジャズ、ミュージカル、J-POPと、宝塚時代の曲を含めてバラエティ豊かな楽曲の数々をさすがの歌唱力で聴かせてくれました。
セットリスト
Ⅰ.Cinema
Changer (シャンジェ) (ドン・ジュアン)☆
この国に生きて (アル・カポネ)☆
As Time Goes By (カサブランカ)
Limelight -Terry's theme- (ライムライト)
SHARADE (シャレード)
愛した日々に偽りはない (オーシャンズ11)☆
Ⅱ.JAZZ
Lover Come Back to Me (コールマン・ホーキンス)
CHICAGO (フランク・シナトラ)
MISTY (エロル・ガーナー)
Ⅲ.Musical
Mamma Mia (マンマ・ミーア!)
そばにいて (魔法にかけられて)
Dreamgirls (ドリームガールズ) with 大月さゆ・工藤彩
あんな人が (ジキルとハイド)
星から降る金 (MOZART!)
ラミン・カリムルー ゲスト回
‘Til I Hear You Sing 「Love Never Dies」 ラミン・カリムルー
闇が広がる 「エリザベート」 ラミン・カリムルー・望海風斗
Anthem 「Chess」 ラミン・カリムルー・望海風斗
Dreamgirls (ドリームガールズ) with 大月さゆ・工藤彩
星から降る金 (MOZART!)
Ⅳ.J-POP
LA・LA・LA LOVE SONG (久保田利伸)
街の灯り (堺正章)
月光 (鬼束ちひろ)
始まりのバラード (アンジェラ・アキ)
Encore
SUPER VOYAGER!-希望の海へ- (SUPER VOYAGE!)☆
SPERO(オリジナル曲S
☆印:宝塚時代の楽曲
Ⅰ.Cinema
濃いグリーンのコートにかつてのキネマ女優といった趣きのウィッグで登場。
“舞台女優(または歌手)”という設定のようで、舞台がはけた後、スタッフと会話したり、バーに立ち寄ったり、朝楽屋入りする前にお気に入りのカフェをテイクアウトしたり、という芝居仕立て。
宝塚時代の楽曲が3曲入っていることもあって、このコーナーは男役のヴォーカルという印象でした。
8/5は三井住友カード貸切公演だったのですが、「Limelight -Terry's theme-」を歌った後、「人生に必要なものは、勇気と想像力、そして三井住友カード」とおっしゃっていました(笑)。ちゃんと後で、「少しばかりのお金よ」とフォローしつつ。
宝塚時代も貸切公演のたびにアドリブどこに入れようと考えていたとか。
そういえば、サヨナラ公演の「シルクロード」でも、「イープラス!」とか「ローチケ!」とかよく聞いたな。
Ⅱ.JAZZ
ここは男役時代を彷彿とさせるパンツスーツ。
ジャズは望海さんの声質にもよく合っているように思いました。
このコーナーではゲストダンサー(佐藤洋介/柳本雅寛)とのダンスも。
コンテンポラリーダンサーの柳本雅寛さんは宙組「シャーロック・ホームズ」の振付をされたそうで、「変わり者の演出家に呼ばれて」と(はい。生田大和先生ですw)
その時宝塚歌劇も初めてご覧になったそうで、「必ず見つけ出すと言っただろう」と真風くんが潤花さんの手を持つシーンを再現して「カッコよかったわ~」とおっしゃっていました。
Ⅲ.Musical
スモーキーなピンクのドレス。
ジャケットを脱ぐと背中が大きく開いていて、大人っぽい女性のドレスがよくお似合いでした。
人気ミュージカルの好きな曲揃いでしたが、TAKARAZUKA plays Disney のCDで望海さんが歌っていらした「そばにいて」をナマで初めて聴けたのと、M!の名曲「星から降る金」が特に好きでした。
8/10はラミンさんゲスト回。
これが本当にすばらしくて。
まず、登場の「‘Til I Hear You Sing」に圧倒される。
声、声量、表現力・・・どれをとっても圧巻で聴き惚れました。
この曲は望海さんの大好きな曲で、ぜひ歌っていただきたいとリクエストされたそうですが、この曲が聴けたこと、本当に望海さんに感謝したい。
震えるくらい感動して、ラミンさんの「Love Never Dies」 何かで観ることができたら絶対観たいと思いました。
ラミンさんの歌声をナマで聴いたのは今回が初めてではなくて、2015年 柚希礼音さんの宝塚退団後初舞台「プリンス・オブ・ブロードウェイ」(こちら)で「THE PHANTOM OF THE OPERA」はじめ数々の楽曲を歌い上げられるのを聴いて大変感動した時の記憶も蘇ってきました。
あとの2曲は望海さんとのデュエットですが、「闇が広がる」は日本語、「Anthem」は英語で。
日本語の歌詞もほぼ違和感なくて、迫力たっぷりの「闇広」を聴かせていただきました。
望海さんの声との相性もよくて、このお二人でもっといろんな曲を聴きたいと思いました。
通訳さんを介してトークもありました。
細身のダークスーツにネクタイ、腕時計もきちんとつけたラミンさん。
「‘Til I Hear ~」を望海さんがリクエストしたという話の時には、「あなたのほしいものは全部あなたのものだ」なんて、シシィに対するフランツみたいなことおっしゃっていました。
会場のペンライトがとても綺麗なことにも触れて、「みんなあなたの名前のペンライト振ってるでしょ?これはあなたのコンサートだから。だからもしみんながラミンというペンライトを振ってるコンサートに来たら僕のために歌って」なんて、なんてジェントルマンなんでしょう。
イギリスでおすすめの場所は?という質問に「一番は僕の家」に、望海さん、客席に向かって「みんなで行きましょう」と。
このあたり、望海さんがまるで夢見る少女のようだったのもとてもかわいかったです。
Ⅳ.J-POP
ポピュラーな曲ばかりですが、ちゃんと望海さんの歌になっているのがすばらしい。低音から高音まで音域の広さに改めて感動。
中でも「月光」が特に好きだったな。
一番自然体の望海さん、という雰囲気でした。
望海さんの歌唱力を存分に味わえるとともに、飾らないお人柄も垣間見えたコンサート。
選曲のセンスもよくて、「望海風斗 第二章」 上々の船出ではないでしょうか。
「近い未来にまたお会いしましょう」と締めくくった望海さん。
次の舞台は来年1月「INTO THE WOODS」 楽しみです。

グッズのジュートバッグ 他の方が持ってらっしゃるのを見てかわいかったので買おうと思ったら完売💦・・・で、これ買うために8/10 私には珍しく開場15分前から並んだわぁ のごくらく地獄度



