2021年06月28日

こんな贅沢ある? 「寺田瀧雄没後20年メモリアルコンサート」


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“宝塚のモーツァルト”と言われ、3,000曲を作曲された寺田瀧雄先生の没後20年メモリアルコンサート。
本当は昨年開催予定だったのがコロナ禍で1年延期となってやっと今年開催されました。

私が宝塚歌劇を観始めた子どもの頃は、作者や演出家、作曲者が誰なんてことは全く眼中にありませんでしたが、それでも寺田瀧雄先生の名前は覚えていて、あの頃観ていた作品ほとんど寺田先生の曲だったのではないかと思うくらい。

植田紳爾バージョン、柴田侑宏バージョンと、それをミックスしたALLバージョン(大阪初日と東京千秋楽のみ)があって、出演メンバーからいってもALLバージョン一択でしょう、と思っていたら皆さん考えは同じらしく、この日だけチケットは完売していました。
先行販売全滅ですっかり意気消沈してあきらめかけたのですが、いやいやジュンコさん(汀夏子さん:私のタカラヅカ初恋の人です)出るし、と思い直し、一般発売に参戦して何とかB席をもぎ取りました。梅芸3階のてっぺんからの観劇となりましたが、聞きしに勝る豪華キャストで「やっぱりあきらめずにチケット取ってよかった~」と思えた楽しく贅沢なコンサートでした。


寺田瀧雄没後20年メモリアルコンサート
All His Dreams "愛"

監修: 植田紳爾
構成・演出: 三木章雄
音楽・指揮: 𠮷田優子   振付: 御織ゆみ乃
出演: 榛名由梨  鳳 蘭  汀夏子  安奈淳  瀬戸内美八  
髙汐 巴  寿ひずる  平みち  剣 幸  日向薫  杜けあき  
安寿ミラ  涼風真世  麻路さき  真琴つばさ  白城あやか  
湖月わたる  月影瞳  朝海ひかる/轟 悠
コーラス・ダンス: 出雲綾  羽純るい  久路あかり  牧勢海  
舞城のどか  桜一花  彩海早矢  鶴美舞夕  妃白ゆあ

2021年6月26日(土) 5:00pm 梅田芸術劇場メインホール 3階7列上手
(上演時間: 2時間50分/休憩 30分)



かなり年齢層高めな梅田芸術劇場(私も人のことは言えんが💦)。
入場の列で目の前に尚すみれさんがいらっしゃってテンション上がる・・・そうそう、すみれちゃんもあの時代だったよねーとキレッキレのダンサーだった現役時代に思いを馳せました。


司会やMCはなく、鮮やかなフューシャピンクのスーツを着て登場して、いきなり「LOVE LOVE LOVE」を歌い踊る湖月わたるさん。
わたるさん、相変わらず現役感ハンパない。
そして、バックダンサーの中にやたら頭身バランスとダンスが綺麗な人がいると思ってオペラあげたら、何と朝海ひかるさん。
コムさんは今や舞台ではすっかり“女優さん”ですが、この日は髪も短く、現役時代のコムさんが帰ってきたようま雰囲気でした。


寺田先生の楽曲を、作品で組んだ演出家の先生(内海重典、鴨川清作、酒井澄夫、草野旦、三木章雄の各先生)ごとに何曲かずつ歌っていくという構成。
真琴つばささん、麻路さきさん、白城あやかさんと、暗黒時代(私が宝塚を観ていなかった時期)にもかかわらずお顔と名前は知っているスターさんばかり出てきたり、寿ひずるさんがに「わー、いーちゃんだー!」となったりする中、涼風真世さんが変わらず妖精さんで、美声も相変わらずで、本当にこの人たちに経年とか年齢はないなと改めて感じました。
涼風さんは「昔妖精 今妖怪」というのを自虐ネタにしていらっしゃいますが、昔も今もずっと妖精。

そして、
安奈淳さん「愛の宝石」、汀夏子さん「アマール・アマール」、榛名由梨さん「ファニー・フィーリング」、鳳蘭さん「スキャット」と連続して“ベルばら四天王”が登場。
ジュンコさんが台詞のように表現力よく歌う歌い方にすごくクセがあって、こんな歌い方だったかしらと思いながら聴きました。後の曲でもそうでしたが、声を張る部分でマイクを離すクセがあるのね(わざとかな?)あんなことも現役時代はやっていなかったように思いますが何せ子どもだったからよくわかっていなかったし覚えていません←

4人歌い終わったところで4人のトーク。
仕切りは鳳蘭さんで、Act 2でもこの4人のトークありましたが、どちらもなかなかのカオスぶりでした。
榛名由梨さんのフリーダムさ(笑)。でも卒業して何十年も経って、それぞれご妙齢にもかかわらず、「ショーちゃん」「ツレちゃん」「ジュンちゃん」「オトミ」と呼び合えるのってすばらしい。
ここでは寺田先生との思い出を語るということで、ショーちゃんは一度だけショーちゃんの声に合わせて曲をつくってくださって褒められた話、ツレちゃんは「私音符読めないんです」と言ったら「僕も独学だから」とおっしゃったけれど後で他の人に聞いたら大阪音大卒だった話、そしてジュンコさんが「私あんまり覚えてないねん」と言ったすぐ後で安奈淳さんが「寺田先生とはいっぱい思い出があって・・・」と言って、客席笑ってました。シンガーだったオトミさんの方が寺田先生とは一緒に機会が多かったのかな。
そういえば、この日客席の拍手が一番大きかったの、安奈淳さんだったと思います。

この後も、杜けあきさん、剣幸さん、日向薫さん、月影瞳さん、高汐巴さん、平みちさん、瀬戸内美八さん、安寿ミラさんと、出てくる人出てくる人全部知ってるスターさんで本当に豪華キャスト。
寿ひずるさん、高汐巴さんといえば、峰さを理さんも同期だったなぁとしんみりしたりも。

汀夏子さんの「夢人」、懐かしかったな。今でも歌えるもん。
榛名由梨さんの「永遠」は白城あやかさんとの台詞のやり取りつき。「とわっちなんね?」と無法松の言葉が蘇ります。

そして一幕ラスト。
剣幸さんセンターに、安寿ミラさん、真琴つばささんが左右に並んで歌い、ホリゾントから登場した白マントのダンサーが3階のてっぺんからオペラなしでもそれとわかる朝海ひかるさん。
こんな贅沢ある?
「ジャンクション24」という作品の「Dance With Me」 という曲ですが、当時を知らなくて公演を観ていない私でも、これがすごいことだとわかります。幕間のSNSでも話題沸騰でした。


Act 2 まずは植田紳爾先生の作品から。
「夜明けの序曲」「風と共に去りぬ」「去りゆきし君がために」(汀夏子さんのサヨナラ公演!)「白夜わが愛」と、このあたりは全部観てるなぁ。
そして「ベルサイユのばら」。
榛名由梨、鳳蘭、汀夏子、安奈淳で「愛あればこそ」って、こんな贅沢ある?(二度目)
この後は4人でベルばらトーク。

「ベルばらといえばショーちゃん。私自分でブロマイド買ってショーちゃんにサインもらいに行った」と鳳蘭さんが言えば、榛名由梨さんも「覚えてるよ」とおっしゃっていました。
「私がパリ公演行ってる間にベルばらが大ブームになって、でも私オスカルとかでけへんと思ってたら先生がフェルゼン編書いてくださった」と鳳蘭さん。
あとの二人はわりとおとなしめで“最下級生”安奈淳さんは話振られても「もう時間と違う?」と言って客席笑っていました。
この後のベルばらメドレーは、涼風真世さん「我が名はオスカル」、朝海ひかるさん「愛の巡礼」、湖月わたるさん「愛の面影」というラインナップ。
朝海さん、現役時代より歌うまくなった印象でした。宝塚のスターさんたちはご挨拶で「これからも精進してまいります」とよくおっしゃっていますが、それは宝塚を卒業してもずっとそうなのだろうなといつも思います。

柴田侑宏先生の作品は「凱旋門」から。
轟悠さん、月影瞳さんという当時のコンビで「雨の凱旋門」 素敵でした。
曲名を紹介する時、轟さんが出だし間違えてしまって「間違いました」と言い直されたのですが、歌い終わって次のコーナーを紹介する時に今度は月影さんが噛んでしまって、二人揃ってちょっとうなだれながら互いに慰め合うように顔を見合わせて下手にはけていくのがツボでした。

「忠臣蔵」の「花に散り雪に散り」をオリジナルの杜けあきさんで聴けたのうれしかったし、高汐巴さんの「琥珀色の雨に濡れて」もとてもよかったです。
瀬戸内美八さん中心の「小さな花がひらいた」メドレーに続いて、安奈淳さんの「紫に匂う花」(あかねさす紫の花)、汀夏子さんの「生きるときめき」(星影の人)と続いたのも感動。「あかねさす紫の花」は今でも大好きな作品ですし、新選組の沖田総司を主人公にした「星影の人」は、当時の私の最多リピート公演(今はあっさり記録更新していますが)。「生きるときめき」なんて一緒に歌い出しそうな勢いでした(^^ゞ

フィナーレは出雲綾さんが「桜の舞」で美声を響かせて、安奈淳さん、剣幸さん、杜けあきさん、涼風真世さんで「愛!」、そして鳳蘭さん「セ・マニフィーク」。この曲は今でも宝塚のショーで時々歌われる大好きな曲ですが、オリジナルの鳳蘭さんで聴けるなんて、こんな贅沢ある?(三度目)

ラストは全員で「パレードタカラヅカ」と「さよならタカラヅカ」で華やかに。
「皆さーん、青春時代に戻りましたかー?」「私たちも戻りました」とカーテンコールの鳳蘭さん。

青春時代だったのかどうか、ではありますが、時を超えて生き続ける名曲と宝塚の不滅感、存分に味わえた公演でした。
それもこれも、数々の名曲を遺してくださった寺田瀧雄先生のおかげです。本当にありがとうございました。



梅芸3階は音響がよろしくないのがとても残念 のごくらく地獄度 (total 2268 vs 2268 )


posted by スキップ at 23:51| Comment(2) | TAKARAZUKA | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
こんにちは。
スカステで放送されるまでのお楽しみですが、ネット上でもいろいろ話題になっていたので、スキップさんの感想で、ますます楽しみになりました。
個人的には、「ジャンクション24」に期待!
もう20年も経つのですね。それでも、耳なじみのある名曲が山ほどある!という感じで。
OGの皆さんは(特にベルばら4強の方たち)いつもパワフルですね。現役時代オーラを放っていた方たちも、先輩と一緒になると小さくなるのが楽しいです(笑)
Posted by はぎお at 2021年07月11日 10:43
♪はぎおさま

とっても豪華メンバーで楽しかったです。
歌唱についてはちょっと手に汗握る感じの人がいらっしゃったり
現役時代そのままの雰囲気の人がいる一方で「え~、こんなに
なっちゃったの!?」の方もいらっしゃいましたが、本当に皆さん
明るくてパワフルで、観て聴いて笑って元気をいただきました。

そう言えば、舞台には出ていらっしゃいませんでしたが、劇場入る時
前に尚すみれさんが並んでいらっしゃいました。

「ジャンクション24」は本当に素敵でしたので、スカステでオンエア
されるなら録画して何度もリピートしてしまいそうです(^^ゞ
Posted by スキップ at 2021年07月11日 23:23
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