2021年06月20日
25/37 彩の国シェイクスピア・シリーズ
近ごろは宝塚歌劇以外は観劇パンフレットはよほどのことがない限り買わないようにしているのですが、「終わりよければすべてよし」はシェイクスピア・シリーズラストなのでまとめがあるかも、と思って購入したところ、予想通り、全37作品の上演記録、ポスターと舞台写真が掲載されていて、懐かしく振り返ることができました。
このシリーズで私が最初に観た作品は第8弾「マクベス」(2001年)。今はなき近鉄劇場でした。
唐沢寿明さんのマクベス、マクベス夫人は大竹しのぶさんでした。
マクダフは勝村政信さんだったのですが、大阪公演は体調不良で休演された記憶(代役調べたら田村真さん)。
まだ「シェイクスピア・シリーズ」のことも、さいたま芸術劇場のことも知らないまま観ていました。
それからしばらく飛んで、次に観たのは第12弾「ペリクリーズ」(2003年)。
内野聖陽さんのペリクリーズ、素敵だったな。この作品はロンドン ナショナルシアターでも公演されたこともあって、以降、よく登場することになる和の演出がとても印象的でした。
この年に「リチャード三世」も観ています。1999年に上演された第3弾の再演。リチャードの市村正親さん以外のキャストを一新して上演されました。私の「リチャード三世」のイメージをつくった作品。夏木マリさんのエリザベスも凄かったな。
第13弾「タイタス・アンドロニカス」以降の作品は、大阪公演がなかった第30弾「リチャード二世」(2015年)以外はすべて観ています。
昨年、「ヘンリー八世」が大阪公演中止となって観られず、「ジョン王」は全公演中止に・・・と2020年はやはり演劇界(だけではないけれど)受難の年だったなぁ。
蜷川さん演出で、藤原竜也くん&鈴木杏ちゃんの「ロミオとジュリエット」(2005年)も観たのですが、あの作品は「シェクスピア・シリーズ」ではなかったのだと今さらながら気づくなど。
シリーズ37作品中リアルで25作品観ました(プラス番外編1本)。
どの作品にも思い入れがありますが、なんとか振り絞ってトップファイブ
・リチャード三世 (2003年)
・間違いの喜劇(2006年)
・オセロー(2007年)
・リア王(2008年)
・ヘンリー四世(2013年)
「リチャード三世」はブログ始める前で感想が残っていないのですが、私にとってこの後いろんな演出、役者さんで観ることになるこの作品の原体験のような舞台。舞台奥から背中を丸めて足をひきずって出てきた市村正親さんのリチャードが今も目に浮かびます。
「間違いの喜劇」はオールメールシリーズの中で一番好きな作品です。本当に楽しかったな。
なぜかカーテンコールで爆泣きした「オセロー」。
「リア王」は二幕ほぼ泣き通しでしたが、目をえぐり取られたグロスター伯爵に狂気のリア王が「お前が誰かは知っている・・・お前の名はグロスター」と言った場面は忘れられません。
ハル王子とフォルスタッフのわちゃわちゃが楽しく、それだけに亡き父の王位を継いでフォルスタッフを切り捨てるヘンリー五世が切なかった「ヘンリー四世」
この5作品中4作品に吉田鋼太郎さんが出演されていて、役者としても、2017年以降のラスト5作品は蜷川さんの魂を受け継がれた演出家としても、「シェイクスピア・シリーズ」の顔だった鋼太郎さん。
すばらしい舞台の数々、本当にありがとうございました。
彩の国シェイクスピア・シリーズ
第1弾 「ロミオとジュリエット」(1998 年1月)
演出:蜷川幸雄 出演:大沢たかお 佐藤藍子 他
第2弾 「十二夜」(1998年10月)
演出:蜷川幸雄 出演:冨樫 真 鶴見辰吾 他
第3弾 「リチャード三世」(1999年2月)
演出:蜷川幸雄 出演:市村正親 有馬稲子 久世星佳 他
第4弾 「リア王」(1999年9月)
演出:蜷川幸雄 出演:サー・ナイジェル・ホーソン 真田広之 他
第5弾 「夏の夜の夢」(2000年4月)
演出:蜷川幸雄 出演:瑳川哲朗 白石加代子 宮本裕子 他
第6弾 「テンペスト」(2000年5月)
演出:蜷川幸雄 出演:平 幹二朗 寺島しのぶ 鈴木一真 他
第7弾 「冬物語」(2000年7月)
OUDS(オックスフォード大学演劇協会)作品 監修:蜷川幸雄
第8弾 「マクベス」(2001年3月)
演出:蜷川幸雄 出演:唐沢寿明 大竹しのぶ 勝村政信 他
第9弾 「ウィンザーの陽気な女房たち」(2001年5月)
演出:鴻上尚史 監修:蜷川幸雄 出演:江守徹 江波杏子 宮崎美子 他
第10弾 「恋の骨折り損」(2001年7月)
OUDS(オックスフォード大学演劇協会)作品 監修:蜷川幸雄
第11弾 「ハムレット」(2001年9月)
演出:蜷川幸雄 出演:市村正親 篠原涼子 夏木マリ 他
第12弾 「ペリクリーズ」(2003年2月)
演出:蜷川幸雄 出演:内野聖陽 田中裕子 市村正親 白石加代子 瑳川哲朗 他
第13弾 「タイタス・アンドロニカス」(2004年1月・2006年4月)
演出:蜷川幸雄 出演:吉田鋼太郎 麻実れい 真中 瞳 岡本健一/小栗旬 他
第14弾 「お気に召すまま」(2004年8月)
演出:蜷川幸雄 出演:成宮寛貴 小栗 旬 高橋 洋 月川悠貴 大石継太 他
第15弾 「間違いの喜劇」(2006年2月)
演出:蜷川幸雄 出演:小栗 旬 高橋 洋 内田 滋 月川悠貴 吉田鋼太郎 他
第16弾 「コリオレイナス」(2007年1月)
演出:蜷川幸雄 出演:唐沢寿明 白石加代子 勝村政信 吉田鋼太郎 他
第17弾 「恋の骨折り損」(2007年3月)
演出:蜷川幸雄 出演:北村一輝 姜暢雄 窪塚俊介 高橋 洋月川悠貴 中村倫也 他
第18弾 「オセロー」(2007年10月)
演出:蜷川幸雄 出演:吉田鋼太郎 蒼井 優 高橋 洋 馬渕英俚可 山口馬木也 他
第19弾 「リア王」(2008年1月)
演出:蜷川幸雄 出演:平 幹二朗 内山理名 銀粉蝶 高橋 洋 吉田鋼太郎 他
第20弾 「から騒ぎ」(2008年10月)
演出:蜷川幸雄 出演:小出恵介 高橋一生 長谷川博己 月川悠貴 吉田鋼太郎 他
第21弾 「冬物語」(2009年1月)
演出:蜷川幸雄 出演:唐沢寿明 田中裕子 横田栄司 長谷川博己 瑳川哲朗 他
第22弾 「ヘンリー六世」(2010年3月)
演出:蜷川幸雄 出演:上川隆也 大竹しのぶ 池内博之 吉田鋼太郎 瑳川哲朗 他
第23弾 「じゃじゃ馬馴らし」(2010年10月)
演出:蜷川幸雄 出演:市川亀治郎 筧 利夫 山本裕典 月川悠貴 他
第24弾 「アントニーとクレオパトラ」(2011年10月)
演出:蜷川幸雄 出演:吉田鋼太郎 安蘭けい 池内博之 橋本じゅん 中川安奈 他
第25弾 「シンベリン」(2012年4月)
演出:蜷川幸雄 出演:阿部 寛 大竹しのぶ 窪塚洋介 勝村政信 鳳 蘭 他
第26弾 「トロイラスとクレシダ」(2012年8月)
演出:蜷川幸雄 出演:山本裕典 月川悠貴 小野武彦 他
第27弾 「ヘンリー四世」(2013年4月)
演出:蜷川幸雄 出演:吉田鋼太郎 松坂桃李 木場勝己 他
第28弾 「ヴェニスの商人(2013年9月)
演出:蜷川幸雄 出演:市川猿之助 中村倫也 横田栄司 高橋克実 他
第29弾 「ジュリアス・シーザー」(2014年10月)
演出:蜷川幸雄 出演:阿部 寛 藤原竜也 横田栄司 吉田鋼太郎 他
第30弾 「リチャード 2 世」(2015年4月)
演出:蜷川幸雄 出演:さいたまネクスト・シアター
第31弾 「ヴェローナの二紳士」(2015年10月)
演出:蜷川幸雄 出演:溝端淳平 三浦涼介 高橋光臣 月川悠貴 他
第32弾 「尺には尺を」(2016年5月)
演出:蜷川幸雄 出演:藤木直人 多部未華子 辻 萬長 他
第33弾 「アテネのタイモン」(2017年12月)
演出:吉田鋼太郎 出演:吉田鋼太郎 藤原竜也 柿澤勇人 横田栄司 他
第34弾 「ヘンリー五世」(2019年2月)
演出:吉田鋼太郎 出演:松坂桃李 吉田鋼太郎 溝端淳平 横田栄司 他
第35弾 「ヘンリー八世」(2020年2月)2/27以降中止
演出:吉田鋼太郎 出演:阿部 寛 吉田鋼太郎 金子大地 宮本裕子 谷田 歩 他
第36弾 「ジョン王」(2020年6月) 全公演中止
演出:吉田鋼太郎 出演:小栗 旬 横田栄司 吉田鋼太郎 他
第37弾 「終わりよければすべてよし」(2021年5月)
演出:吉田鋼太郎 出演:藤原竜也 石原さとみ 溝端淳平 横田栄司 他
「ジョン王」きっとリベンジしてくださると信じています のごくらく地獄度 (total 2265 vs 2267 )
この記事へのコメント
コメントを書く
コチラをクリックしてください