2021年05月26日

それはそれはリュクスな時間 「LUXE」


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「LUXE」(リュクス)は、フランス語で優雅、豪華、贅を凝らしたという意味。
「氷艶hyoen2019 -月光かりの如く-」のメンバーが再結集してつくり上げるスピンオフ的な“第二幕”

2019年に「氷艶hyoen2019 -月光かりの如く-」に柚希礼音さんが出演することになった時、「柚希さんがスケート滑る、ましてや髙橋大輔さんと一緒に、なんてこの先二度とないよね」と思って観に行ったのですが(こちら)、二度とあった(笑)。

という訳で行ってまいりました人生二度目の横浜アリーナ。


「LUXE」
監修・演出: 尾上菊之丞
構成・脚本・演出: 原田諒(宝塚歌劇団)
主題歌: 平原綾香
音楽監督・作曲・編曲: 玉麻尚一   振付: 宮本賢二  当銀大輔
エアリアル振付・指導: 山中陽子  知念紗耶  衣装: 堂本敦子
空間演出: チームラボ   アーティスティックコンサルタント:  VOGUE JAPAN
出演: 髙橋大輔  荒川静香  柚希礼音  平原綾香  福士誠治  波岡一喜  
鈴木明子  織田信成  村上佳菜子  村元哉中  西岡德馬  田中刑事 ほか

2021年5月16日(日) 12:00pm 横浜アリーナ 
スーパーアリーナ センター北東ブロック 1列
(上演時間: 2時間35分/休憩 20分)



太陽の王(西岡徳間)から王位を譲ると言われた光の王子(髙橋大輔)がこれを拒否して「自分の人生は自分で切り開くもの」と自分探しの旅に出てしまい、王から「時を超え、姿を変えた王子」を追えと言われた、ハッサン(福士誠治)、ネッサン(波岡一喜)が狂言回しとなって、王子が巡る世界各地で華やかなレビューが展開されるという構成。

緑濃きアマゾン、アジア、摩天楼のニューヨーク、情熱のスパニッシュにブラジルのサンバと、次々に場所を変えて、ディズニーっぽい場面や演出もあって、しかもスケート、歌、ダンス・・・各界のスター勢ぞろいという、それはそれはリュクスでこの上なく楽しいショーが展開されました。


Act 1
1. Aurore -夜明け-
2. Fantôme -幻-
3. Magnificence -絢爛-
4. Miroir -鏡-
5. Revés -夢-
Act 2
1. Fascination -夢-
2. Passion -情熱-
3. Brise -風-
4. Carnaval -祝祭-
5. Phénix -不死鳥-
6. Luxe -リュクス-



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天井近くの高い高い位置に登場した柚希礼音さん扮する春の女神のエアリアルから始まりました。
全身金色のボディスーツに身を包み、ロープ1本の高い空中で真っ逆さまに釣り下がったかと思えば左右に大きく、真っ直ぐ開脚したり・・・観ているうちにみるみる涙があふれてきました。
これが初挑戦とは思えないすばらしいパフォーマンス。エアリアルの練習をしているのは知っていましたが、「本当は怖い」とおっしゃっていたことを微塵も感じさせず、あんな高いところから爪先までピンと伸ばした足一本でぶら下がって微笑んで真下見るなんて、観ている方は少しドキドキしましたが、よくぞここまで、と感動で胸が震える思い。輝くような笑顔を見せて去っていくまで目が釘付けでした。

後で、「あれが柚希礼音さんと知って驚愕」「新体操とかエアリアル専門の人かと思ってた」というスケートファンの方のご感想をたくさんお見かけして、ほんと、そうだよねぇ~と思うと同時にとてもうれしく、誇らしい気持ちにもなりました(立ち位置w)。


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次に柚希さんが登場するのは二幕冒頭。
ジャズエイジを思わせるニューヨーク摩天楼の場面です。
休憩中にこんなふうに、レコード盤を模した大きなステージが準備されていて、「柚希さんが黒燕尾で踊る」ということは開演前から話題になっていましたので、「次黒燕尾だ!」と楽しみに待ちました。

8人の男性ダンサーが踊る中、ラスボス感たっぷりに黒燕尾姿の柚希さんが登場した途端、また涙がぶわっと
宝塚を卒業して6年。大好きだった柚希さんのこの上なく美しいあの黒燕尾をまた見ることができるなんて。
現役時代を彷彿とさせる凛とした立ち姿、髪型はリーゼント、現役時代よりやわらかみを増した歌声、そして相変わらずキレッキレのダンス、そして投げキッス。
アリーナ中の注目をピタリと一点に集めるオーラ、指先足先までの立ち居振る舞いの美しさを一瞬でも見逃したくなくて、涙流しながら瞳孔全開という怪しい状態に。
白いドレスを着た鈴木明子さんとのデュエットダンスでは包容力たっぷりにやさしい王子様ぶりを如何なく発揮して、二人並んでゴンドラに乗った時の脚の組み方まだカッコよくて、空中に消えていく最後の最後まで、私たちの目を惹きつけて離しませんでした。

ラストはCarnaval -祝祭-の場面。
極楽鳥のようにカラフルな羽根をつけたスケーターたちのダンス、グリーンの羽根たっぷりの、ブラジルのカーニバルでも実際に使われているという通称“スーモ”という衣装を纏った平原綾香さんパッショネイトの歌手の歌声が響く中、太陽のようなカルナバルの女王として登場した柚希礼音さん。
長い手足を惜しげもなくさらしたダルマの衣装で、頭にはオレンジや黄色の羽根、背中の赤い羽根の揺らし方が群を抜いていました。いや~、華やか。平原さんはちゃんとスケート靴履いていらっしゃいましたが、柚希さんはダンス主体ということで(^^ゞ
この場面、ハッサンの福士誠治さんとネッサンの波岡一喜さんも羽根をつけて滑りながらサンバを歌い踊っていらっしゃいました。このお二人のスケートはもう安心して観ていられるレベルです。


もちろん柚希さん登場以外の場面も見応えたっぷり。

アマゾンのジャングルで、若い旅人を誘惑し、食いつくす「人喰花」を妖艶に演じた荒川静香さん。
荒川さんは「「氷艶 HYOEN 2017 -破沙羅-」の蛇髪姫が大好きだったのですが、悪役がとてもよくお似合いです。
妖しく色っぽい表情、邪悪な雰囲気も迫力たっぷり。スケーティングは相変わらず美しくてイナバウアーはため息が出るほど。

鈴木明子さんんも織田信成さんも村上佳菜子さんも。
一流のスケーターの方たちはスケートテクニックばかりではく、表現者としても超一流であることを再認識。

そして、様々な表情を魅力たっぷりに見せてくれた髙橋大輔さん。
Miroir -鏡-はギリシャ神話の「ナルシス」がモチーフ。
泉の水に映った自分に恋してしまうナルシスを髙橋大輔さん、水面に映ったナルシスの虚像を田中刑事さんが演じて、二人のスケートが同時に観られるなんて、こんな贅沢なことあるでしょうか。
衣装はブルーの濃淡、髪型も似せて同じ動きで滑る二人。とてもドラマチックで見応えのあるデュオスケーティングでした。
ずっと同じ動きをしていた虚像が自由に舞い始め、やがてその虚像に追い詰められ狂気へと走り出すナルシス。水面の自分に口づけしようとして湖に落ちて死ぬナルシスのように、二人のBL的なキスシーンもあってドキドキ💗リンクの端と端で相手を振り返るラストが切ない。

Revés -夢-では、現在のアイスダンスのパートナー 村元哉中さんとのペアスケートも見せてくれるという、これまたこんな贅沢なことあっていいの?という感じ。
平原綾香さんが歌うシャンソン「黒い鷲」に乗って美しく情熱的なスケーティング。

一幕ラストはスケーター全員が登場して明るく華やかなエンディング。
キラキラしたシャボン玉がスケートリンクいっぱいに広がって、夢のようなシーンでした。

二幕、黒燕尾のNYに続いて Passion  -情熱-の舞台はスペイン。
女性スケーターのコスチュームにフラメンコの衣装は相性がよくて、華やか。ここでも荒川静香さんの存在感が際立っていて、まるで氷上のカルメンといった風情でした。
そして、マタドールの髙橋大輔さんとスパニッシュの親和性のよさ。フラメンコのリズムに乗ったステップ、次々と相手を変えて女性たちと踊るダンス。村元哉中と組んだ時のオレの女感(笑)。最後には薔薇を加えてポーズって最強すぎでしょう。

プロジェクションマッピングの炎が燃えさかる中、Phénix -不死鳥-の名のとおり、広いリンクを縦横無尽に滑る髙橋大輔さん。本当にドラマチックで、まるで一編の映画を観ているようです。
そしてラストにはソロで歌も披露。
これが甘く切なくいい声で、「あれ?大ちゃんめちゃ歌うまくなってる」と驚いたのでした。


カーテンコール。
柚希さんは黒燕尾で登場。ちゃんとスケート靴履いて(笑)。
白いドレスの鈴木明子さんをエスコートしているテイで、実はエスコートされていたのですよね(^^ゞ

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前回はやらなかったのですが今回は気合入れて、FCから案内があった応援バナーをプリントアウトしてラミネート加工もして持参。
カーテンコールの周回の時、最前列で目一杯の笑顔で掲げていたら、柚希さんから指差しいただきました



とても楽しかったけれどやはり1回では目が足りない。別方向からもスタンドからも観たい(欲ばり) のごくらく地獄度 (total 2255 vs 2255 )


posted by スキップ at 22:50| Comment(0) | エンタメ et. al | 更新情報をチェックする
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