2021年05月06日

爆誕!望海風斗トート 「エリザベート TAKARAZUKA25周年 スペシャル・ガラ・コンサート スペシャル ver.」


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「エリザベート TAKARAZUKA25周年 スペシャル・ガラ・コンサート」の掉尾を飾る4公演は宝塚の本公演では実現しなかった望海風斗さんがトートを演じるスペシャルバージョン。
しかも、シシィはACT 1が夢咲ねねさん、ACT 2はこれが初役の明日海りおさん、ルドルフに七海ひろきさん、ゾフィには純矢ちとせさん、さらには大月さゆさん、美翔かずきさんと「89期バージョン」にもなっていて、情報公開された時から話題沸騰でした。

上演は中止になってしまったけれど、4公演中3公演無観客ライブ配信という厚遇。
初回だけ観るつもりだったのですが、あまりにすばらしかったので千穐楽も観ちゃいました。


エリザベート TAKARAZUKA25周年 スペシャル・ガラ・コンサート 
スペシャル ver.」

脚本・歌詞: ミヒャエル・クンツェ
音楽:    シルヴェスター・リーヴァイ
オリジナル・プロダクション: ウィーン劇場教会
構成・演出・訳詞: 小池修一郎
演出: 小柳奈穂子
音楽監督: 𠮷田優子   編曲: 甲斐正人
指揮: 西野淳
出演: 望海風斗  夢咲ねね  明日海りお  鳳真由  
宇月颯  澄輝さやと  七海ひろき  純矢ちとせ  
悠真倫  芽吹幸奈  桜庭しおん  大月さゆ ほか

2021年5月3日(月) 5:00pm/5月5日(水) 1:00pm 配信視聴
(配信時間: 2時間50分/休憩 25分)千穐楽はご挨拶含め3時間10分



フルコスチューム '16 宙組バージョンの感想はこちら


まずは望海風斗さんトートに登場からガツーンとヤラレタ感じでした。
「またの名を死」というルキーニ(宇月颯)の言葉に続いて現れたトート閣下。
シルバーメッシュの黒髪ロングヘア、右のおでこから頬にかけて梵字のようなタトゥー、冷たい顔した死神メイクと、フルコスチュームバージョンではないので扮装なしとすっかり油断していた画面の前の私たちを驚愕&狂喜させてくれました。

♪ 天使の歌は喜び 悪魔の歌は苦しみ 人が歌うその歌は 私を燃やす愛
人の命を奪って 弄ぶのさ冷たく ただ一つの過ちは 皇后への愛だ~

「私を燃やす愛」の歌い出しから一気にトートワールドへ。
歌唱力には折り紙つきの望海さんですが、本当に声がよく出ていてわが家のテレビを通してでもびんびん響く歌声。
音程はもちろんブレないし、感情を乗せて緩急自在に歌う姿は圧巻。
「愛と死の輪舞」はどこか一路真輝さんを感じさせる雰囲気があって、そういえばこの曲は宝塚初演にあたり一路さんのために新しくつくられた曲だったなと思い出したり。
「最後のダンス」の高音シャウト部分は先日観た朝夏まなとトートほどインパクトはありませんでしたが、迫力の歌唱で、高低音の音域の広さを再認識しました。「闇が広がる」も迫力たっぷりだったな。

「死ねばいい」「死は逃げ場ではない」といったトートの名台詞も芝居心たっぷりに聴かせてくれました。
芝居といえば、少年ルドルフが ♪昨日も猫を殺した と歌った時の反応はトートを演じる人によって様々なのですが、望海トートは「ふふん、やったのか」といった感じでにんまり笑っていたのも印象的でした。

ちなみに、お顔のタトゥーは1日目と2日目で少し違っていたことからみなさん解読が始まって、初日「ふうと」 2日目「のぞみ」 千穐楽 「25 CON」だった模様。

花組時代、明日海りおさんがトートを演じた時(2014年)のアンダースタディだったことは有名ですが、きっと本公演でもやりたかったに違いないし、私たちも観たかったと改めて思いました。

シシィ前半は夢咲ねねさん。
純白のマーメイド風ロングドレスにゴージャスな白い幅広チョーカーをつけて登場。
あのチョーカー、首の長いねねちゃんこそだよね、と思いました。普通の人がつけたら首苦しくなっちゃう。
エレガントな所作が際立って美しいねねちゃんですが、宝塚を卒業してから数々のミュージカルに出演している経験が役の上にも活かされてと感じました。「パパみたいに」の悠真倫マックスパパとのデュエットはじめ、場面ごとに表情がくるくる変わって本当にかわいい。一幕ラストの「鏡の間」では髪形を少し変えただけなのに輝くばかりの品と美しさが出せるのもすごかったです。
歌も現役時代よりのびやかになった印象で、「私だけに」特に千穐楽の歌唱は感動的でした。

二幕から登場の明日海りおさんシシィ。
袖の部分が少しシースルーになった薄いブルーの綺麗なドレスに凛とした立ち姿、強い眼差しが印象的なシシィ。
ついこの間までトートだったことが信じられない可愛さ、美しさで、シシィとしてのオーラも抜群。
この明日海さんシシィと望海トートが歌う「私が踊る時」やラスト 白い衣装で抱き合う「愛のテーマ」なんて、みりだいフェチでなくてもアガリます。
歌はソプラノで乗り切っていましたが、まだ発展途上といった印象でした。声量的にも歌の表現的にもまだまだといった感じ。でも、現役の男役時代は歌うまスターの一人でしたし、ポテンシャルは十分だと思いますので今後に期待・・・というか、次に東宝でやるシシィ、多分一人は明日海さんですよね。

ルドルフは、初日が澄輝さやとさんで2日目3日目が七海ひろきさん。
澄輝さんは宙組公演(2016年)の3人のルドルフ(澄輝さやと・蒼羽りく・桜木みなと)の中で一番好きだったので、また観ることができてうれしかったです。切ない雰囲気はあの頃のままでした。
七海ひろきさんは「エリザベート」には出ていないそうですが、悲劇の皇太子ルドルフはイメージぴったり。ビジュアルも現役時代そのままな感じ。歌唱も現役時代そのままな・・・(以下自粛)。

宇月颯さんのルキーニがとてもよかったです。
髭とか浅黒い肌とかがないバージョンなので、チャラ男っぽい軽薄な感じのつくりがハマっていました。歌もうまいし、二幕冒頭「キッチュ」のトークのこなれた感じ。カメラ目線で「みんな、すっぴんで眼鏡かけて髪ボサボサなんじゃない?綺麗にして観てよ」ってズバリ言い当てられてこちらが焦りました(笑)。


初日のカーテンコール
ねねちゃんが「私ごとではありますが・・・」と89期メンバーでこのガラコンができた喜びを話ながら泣いてしまって、あんなふうに涙するねねちゃんを見るのはとてもレアなので、喜びはもちろんですが、この状況下で多くの出演作が中止になるなど、辛いこともたくさんあったんだろうなともらい泣き。

続く明日海さん。
「爆誕した・・・爆誕で言葉あってる?」と望海さんに聞いてからの「爆誕した望海トートの黄泉感」。
もう、今泣いた涙も乾いて大笑いしながら拍手してしまいました。
まさに「爆誕」という言葉がぴったりの望海さんトートですが、3日で終焉を迎えるのが何とも切ない。

こんな2人にはさまれて、普段のご挨拶はゆるふわな望海さんが「私がしっかりしなければ」と思ったのか、きちんと締めていたのもおもしろかったです。
千穐楽では、自分の両側をパレードする人たちみんなに笑顔向けるようと真ん中に立って首を左右に高速回転する望海さんもかわいかったな。

千穐楽はいろんな人のご挨拶がありましたが、ただ一人現役から出演した悠真倫さんの、「夢の国から、元の夢のムラへ帰ります。夢のムラへ戻って、この状況を受け止めて真面目にがんばっている仲間たちとともにがんばります」という言葉を聞いて、堰を切ったように泣いてしまいました。
緊急事態宣言が延長されようとしている状況下、自分がチケット取っている公演が観られなくなるのはもちろん辛いけれど、中止になるかもしれない不安を抱えながら毎日お稽古に励み、前を向いて進もうとしているジェンヌさんたちの気持ちを思うと心が痛くてたまりません。本当に無事公演が再開できること、初日を迎えられること、千穐楽を終えられることを心から祈っています。

そして、千穐楽カーテンコールに登場した小池修一郎先生の長い長いお話(この公演は36,000人超がライブ配信で観ていて、さらにライブ中継には6,000人とか)の後、小柳奈穂子先生が「ひとつだけいいですか」とつけ加えてくださったこと。
「拍手を届けられなくて残念というお客様の声がありましたが、稽古と公演観てきて、同じ無観客であっても稽古場と公演は全然違っていました。たとえ配信であっても皆様の思いは届いていると思います」
この言葉にどれほど救われたことか。

劇場で観られなかった無念や画面の中 拍手が聞こえない切なさは変わりありませんが、この言葉を胸に刻んで、これからも心からの熱い拍手を目一杯贈り続けたいと思います。



ロミジュリもガラコンも、本当ならば万雷の拍手に包まれていたはずの公演 のごくらく地獄度 (total 2245 vs 2247 )


posted by スキップ at 18:27| Comment(0) | TAKARAZUKA | 更新情報をチェックする
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