
毎年12月のお楽しみ 矢野顕子さんのさとがえるコンサート。25周年です。
今年は楽しみにしていた「やのとあがつま」も、夏の矢野顕子トリオも中止になってしまったので、矢野顕子さんの歌声を聴くのは去年のさとがえる以来1年ぶりです。矢野さんも「バンドでやるコンサートは今年これが最初で最後」とおっしゃっていました。
このコンサートも開催が危ぶまれていたものの何とか東京で1回だけ開催。
ありがたいことにライブ配信されて自宅で楽しむことができました。
矢野顕子 さとがえるコンサート2020
出演: 矢野顕子(vo. pf.)
佐橋佳幸(g) 小原礼(b) 林立夫(ds)
2020年12月13日(日) 6:30pm NHKホール(配信視聴)
(演奏時間: 2時間)
オープニング曲を歌い終えたところでありがとうと言いながら感極まって涙ぐむあっこちゃんにTVの前でもらい泣き。
コンサートでこんな矢野さんを観たのは初めてかもしれません。
1席おきに座るマスク姿の客席が映っていましたが、開催に至るまではご本人はもちろんスタッフの方たちも本当にどれほどの苦労があったのでしょう。
過去のセットリスト調べていて、2018年のさとがえるコンサートの感想(こちら)に、
「来年もここに戻ってくると必ずしも言える訳ではありません」と矢野さん。
生きるってそういうこと。
矢野さんが戻ってきても私が行けない場合もあるし、もしかしたら世界が大変なことになってることだってあるかもしれない。
だからこそこの一瞬一瞬、一曲、一音が愛おしく大切に思える時間。今年も幸せな時間をありがとう。
という記述があって、「まるで今年のことじゃない!」と愕然としました。
でも最後は
“See you next time, and be safe. Thank you so much!”
と明るく力強い声で締めてくれたあっこちゃんにうれしくなってまたナミダ。
SET LIST
1. バナナが好き
2. クリームシチュー
3. ふりむけばカエル
4. 愛を告げる小鳥
5 .春咲小紅
6. Paper Doll
7. Prayer
8. H.O.S. (Instrumental /新曲)
9. When We're in Space
10 .大家さんと僕(新曲)
11. 遠い星、光の旅。 (新曲)
12. また会おうね
13. 津軽海峡・冬景色
14 .ラーメンたべたい
15. ひとつだけ
Encore
16. ごはんができたよ
17. Greenfields
このバンドでのコンサートも3年目。
最初からそうだったけれどますます安定して、バンドとしてのアンサンブルのよさもパワーもさらにアップしていました。
「初めてレコーディングした時から一緒にやっている人」と矢野さんが紹介したベースの小原礼さんをはじめ皆さん超レジェンドな人たちながら若いころから互いの才能も実力も認め合っていて、気心知れた温かさがあふれる空間。演奏が始まるとのびのびとやりたいことをやる矢野さんを世界観をよく理解しているバンドメンバーが自由に泳がせて最高のグルーヴ感で応じてくれる感じがいつもながら最高です。
そうそう、矢野さんが小原さんや林さんをバンドメンバーとしてすばらしいので「皆さんもバンドを組まれる時にはぜひ推薦します」とおっしゃっていました。どんなバンドだったら来てくれるのだろうww
もちろんライブで聴くにこしたことはありませんが、流れるように鍵盤を奏でるあっこちゃんの指先とか、小原礼さんのベースのボディの部分が結構傷だらけとか(笑)、映像ならではの細かい部分も見られて楽しかったです。
矢野さんは黄色いボリューミーなドレスで登場。
8曲目の「H.O.S. 」という曲がこのコンサートのためにつくられたInstrumental の曲で、バンド3人のシビレる演奏を楽しませてくれたのですが(H.O.S.ってハヤシ・オハラ・サハシかな?)、矢野さんは「私も聴衆として楽しみます」と一旦退場。
後半は白いドレスにウィッグも変えての登場でした。
どの曲もよかったですが、前半のハイライトはやはり「Paper Doll」からの「Prayer」。
「Paper Doll」は「山下達郎が私のために書いてくれた曲」(違)とおっしゃっているくらい矢野さんお気に入りの曲で、ここ数年毎年やっていらっしゃいます。
もしも僕を 本当に ひとり占めしていたいなら
手のひらを 握りしめ 僕をつぶせば いいんだよ
ドラマチックなヴォーカルに呼応するような佐橋さんのギターと低く響く小原さんのベース、リズムを刻む林さんのドラム。
矢野さんのピアノソロもたっぷりあって、これ、会場にいたらめちゃ緊張して耳を研ぎ澄まして聴く曲です。
それに続く「Prayer」は元々好きな曲ですが、
わたしの目が閉じられてゆく時が来ても
あなたの声も 指先も 心も
愛に包まれているように
というところで思わず落涙。
今の時代だから、ということばかりでなく、本当に普遍的にいい曲だなぁと改めてしみじみ。
この曲の最初の ♪時を越え 空を越え たどりつくから の出だしの高音部分が出ていなくてドキリとしましたが、これ以降は問題なく歌っていらっしゃったので、一時的なのどの不調だったのかな。
後半は「When We're in Space」から、新曲2曲を挟んでアンコールまで矢野顕子ヒットパレードというか、私の好きな曲オンパレード。
時を刻むカチカチ音のようなドラムアレンジの「また会おうね」、「矢野がやれば矢野の歌」とおっしゃる「津軽海峡・冬景色」・・・聞き慣れた曲ばかりですがアレンジが変わると毎回新しい発見もあって楽しい。
大好きな「ひとつだけ」も聴けたし、バナナもクリームシチューもラーメンもごはんも食べて、満腹満足のさとがえるコンサートでした。
カーテンコールの後、出演者と客席みんなとで写真撮影していました。
そんなこと今までしたことないので、25周年ということ差し引いても今年の「さとがえるコンサート」が本当に特別なものだったと感じられます。


もちろん会場でライブで聴くのに勝るものはありませんが、自宅のソファーでワイン片手にくつろぎながらTVで観るさとがえるコンサートもなかなか楽しかったな。
来年はコンサートツアーできて、ライブで観られますように のごくらく地獄度



