2020年10月30日

それがぁ それが~ タカラヅカ 月組 「WELCOM TO TAKARAZUKA -雪と月と花と-」


wecometotakarazuka.jpg本来なら4月に初舞台を踏むはずだった106期生のお披露目公演。
そして、入団64年目 現役最長キャリアの専科 松本悠里さんの退団公演ともなりました。

元々は東京オリンピックに合わせて企画された作品で、坂東玉三郎さんが初めて宝塚歌劇の監修をされたことでも話題の日本物レビューとシェイクスピアの「十二夜」を原作にしたパリが舞台の明るく楽しいミュージカルコメディの二本立て。
宝塚歌劇公演再開のラストバッターとなった月組。下級生をA B2つのチームに分けて、人数を減らしての上演ですが、そんなことは感じさせない華やかな舞台を繰り広げています。


宝塚歌劇 月組公演
JAPAN TRADITIONAL REVUE
「WELCOME TO TAKARAZUKA -雪と月と花と-」
監修: 坂東玉三郎  
作・演出: 植田紳爾
作曲・編曲: 𠮷田優子
振付: 花柳壽應  山村友五郎  花柳壽輔  
出演: 珠城りょう  美園さくら  月城かなと  光月るう  夏月都  紫門ゆりや  白雪さち花  千海華蘭  鳳月杏  輝月ゆうま  晴音アキ  夢奈瑠音  蓮つかさ  海乃美月  佳城葵  暁千星  蘭尚樹  風間柚乃  天紫珠李  結愛かれん/
松本悠里 ほか


2020年9月27日(日) 11:00am 宝塚大劇場 1階7列センター/
10月9日(金) 1:00pm 1階24列センター/10月25日(日) 11:00am 1階3列上手/
10月29日(木) 11:00am 2階1列センター
(上演時間: 45分)



日本人の精神性の原点ともされ、日本の四季折々の美しさを愛でる「雪月花」をテーマにした日本物レビュー。
日本舞踊を洋楽に乗せて、というのは宝塚の日本物ではよくある手法ですが、今回はテーマ曲以外は全場面クラシック音楽。それがとてもよく雪月花のテーマとも呼応してハマっていて、ここ数年観た中ではとびきりセンスのいい日本物となっています。

そして

あなたの夢はなんですか みんなあなたに叶えましょ ~
それが それが 宝塚 それが それが 宝塚
WELCOME WELCOME TAKARAZUKA WELCOME WELOCOME TAKARAZUKA
と、1曲だけのテーマ曲が繰り返し歌われるので、めちゃくちゃ耳に残ります(笑)。


プロローグ
チョンパで華やかな幕開き。
最初観た時は日本物のお化粧に目が慣れていなくて、主要メンバー以外は誰が誰だかわからなかったけれど、だんだん目が慣れてきました(^^ゞ
チョンパっていきなり始まって「わぁ~というイメージですが、3列目で観た時は目をこらして、まだ暗い中、皆さんがさわさわと静かに銀橋に並ぶのがうっすら見えて、それはそれでワクワクしました。

舞台奥に2人立って歌う娘役さんがとてものびやかで透明感のある綺麗な歌声で、一人はきよら羽龍さんとわかったのですが、プログラム調べたところもうお一人は静音ほたるさん。B日程は咲彩いちごさんと詩ちづるさんでした。皆さん104期、105期の若い娘役さん。これからが楽しみです。


口上
舞台一面に横一列に並んで正座した初舞台生39名。紋付に緑の袴ではなく、すみれ色の振袖姿です。中央に裃姿の光月るう組長。
光月組長のひと言ひと言に全員揃って顔を上げたり左右を見たり頭を下げたり・・・すばらしく統制のとれた姿に「あぁ、初舞台生だなぁ」と思いました。半年遅れましたが、令和初の初舞台生となった彼女たちに幸多かれと祈ります。
口上の後に全員で歌うのも ウェルカム ウェルカムでした(笑)。ここはやっぱり ♪宝塚 わが宝塚 清く正しく美しく~ という団歌がよかったなぁ。せっかく逸翁の扇の前なのですから。


 (ビバルディ 「四季」より「冬」)
伏見稲荷を思わせる朱塗りの千本鳥居に降りしきる雪。そこにせり上がって登場する朱の大振り袖を着て紫の傘をさした松本悠里さん。二度と帰らぬ待ち人を待ち続ける女心を踊ります。
現れては消えてゆく待ち人の幻?は、千海華蘭さん、春海ゆうさん、蘭尚樹さん。カゲソロの白雪さち花さん含めて、さすが松本先生の場面、選りすぐりのメンバーです。


 (ベートーヴェン 「月光」)
真っ暗な新月から月が満ちていき、三日月、下弦の月、満月へと姿を変える中、ベートーヴェんのピアノソナタ「月光」をボレロ風にアレンジした群舞。大変見応えありました。
全員墨色の着物で文楽の人形遣いさんのように顔を覆った中、下手の集団からスックと立ち上がる暁千星・天紫珠李、上手からは鳳月杏・海乃美月、センターからは美園さくら、そして珠城りょうさんがせり上がって加わります。
群舞が複雑なフォーメーションを描きながら一糸乱れず展開して、その静謐なまでの美しさに息をのむ思い。
真ん中の珠城さんをみんなで取り囲むような振り付けはギエムの「ボレロ」を思い出しました。
下手花道端から舞台上手奥まで斜め一直線に全員が並ぶフォーメーションを最初に観た時、ここ、2階から観たら絶対綺麗だろうなと思って、実際2階で観たらその美しさに震えました。
音楽もすごくよかったし、全員が手にした扇が銀色なのかな?光が反射してとても綺麗でした。

ただ一つ心残りは、ホリゾントの空に浮かぶ月が群舞の盛り上がりとともに刻々と姿を変えるのですが、踊りを観るのに夢中になっていて気づいていたら月の形が変わっていて、4回観て4回ともどの月も変わる瞬間を見逃したという・・・。


 (チャイコフスキー 「くるみ割り人形」より「花のワルツ」)
月城かなとさんの花の男が鏡に向かって振りを確認するうち、鏡の中自分(風間柚乃)が自由に踊り出す、という場面。
月城さんの華ある美しさもさることながら、風間柚乃さんが対等に踊って2人きりで舞台を支えていることにオドロキ。
おだちん、ダンス苦手なイメージありますが、日舞はお得意なのかな。
最後は2人とも引き抜きで衣装が変わり、そのままフィナーレへ突入。


WELCOME TO TAKARAZUKA
ほぼプロローグと同じ感じの総踊りがあって、もう一度、松本悠里さんの場面があります。
ラスト近く、 ♪永遠に変わらぬ宝物 みんなあなたの宝物 それが~ それが~ たからづかぁ~ それが~ それが~ たからづーかぁー ウェルカム ウェルカム・・・と歌いながら全員が銀橋を渡っていくところ、3列で観た時は目の前で眼福すぎて、「ここはごくらくかいな」と本気で思いました。

ほんと、宝塚わが心のふるさとならぬ、大切な宝物。
あなたの夢はなんですか みんなあなたに叶えましょ って言われると本当に叶えてくれる気がします。
そして、ウェルカム ウェルカム たからづーか が頭の中をぐるぐる(笑)。



→ 「ピガール狂騒曲」につづく

posted by スキップ at 22:15| Comment(0) | TAKARAZUKA | 更新情報をチェックする
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