2020年09月28日

松本幸四郎の歌舞伎を知ろう


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国立劇場による歌舞伎入門動画「歌舞伎を知ろう」
日ごろ歌舞伎にふれることの少ないビギナー向けに、歌舞伎の魅力や特徴を楽しく、面白く、分かりやすくご紹介するという歌舞伎入門動画です。
幸四郎さんご出演ということで見よう見ようと思っているうちにあれれと日時は流れ、配信期間最終日にやっと拝見しました。


松本幸四郎の歌舞伎を知ろう
第1回:「歌舞伎役者は神出鬼没」~舞台と大道具~

出演: 松本幸四郎  八嶋智人
2020年9月26日(土) 視聴
(視聴時間: 30分)



昨年、三谷かぶき「月光露針路日本」で歌舞伎初出演を果たした”自称歌舞伎初心者”八嶋智人さんが幸四郎さんに質問し、幸四郎さんが答える形で進行します。


「歌舞伎役者は神出鬼没」がテーマということで、まずは歌舞伎の舞台機構から。
花道、セリ、すっぽんなどを紹介して、それぞれを使った舞台映像が流れました。
映像は、国立劇場で上演された歌舞伎公演のものなので、あまり観たことがないものもあって、「もっとそこ見せて!」と思ったりも。

その舞台機構を使った役者の入退場ということで、「勧進帳」の弁慶の飛び六方が紹介されました。
「私はまだ国立劇場で弁慶を演じておりませんので、松本白鸚という役者のものを」と幸四郎さん。
「白鸚という役者って、お父様じゃないですか!僕も共演したから知ってますよ」と八嶋さんがツッコむのはお約束(笑)。

続いて「宙乗り」では、幸四郎さん自身の映像。
「江戸宵闇妖鉤爪―明智小五郎と人間豹―」の恩田乱学のもので、高い空中で前転、後展とくるくる回りながら移動する幸四郎(当時染五郎)さん。
この演目はナマで観た(2008年11月2009年10月)のですが、多分2009年版の方かな?
いや~、実際に観た時もすごいと思いましたが映像で観ると改めて凄まじいほどの宙乗りでした。


後半は、「伽羅先代萩」の仁木弾正に扮した幸四郎さんがすっぽんから登場。
これはこの動画のために撮り下ろしたものらしく、面明かりを持って仁木弾正を照らしながら前を行く黒衣さんのさらに前からのカメラが新鮮でした。
仁木弾正がすっぽんから登場する時の煙は茶殻を焚いてつくっているものだそうで、それをつくる大道具さん(?)の様子も映し出されました。あんなふうに妖し気にゆらりと燻るような煙の絶妙さはそんな細かな作業からできているだなぁと興味深かったです。


場面を一気に変える「浅葱幕」が紹介され、海を表現するために波を描いた「道具幕」の前で舟に乗る幸四郎さんと八嶋さん。
歌舞伎でよく見かけるこの舟には運転手さんがあんなところにいらっしゃるのは初めて知りました。ずっとリモートで動いていると思ってたのですが、そういうことだったのかー。

八嶋さんが定式幕を閉めようとしてすごく力が必要で全然できなかったことにもオドロキ。
以前幸四郎さんもたっつけを着てやっていらっしゃいましたが、歌舞伎役者さんはコツがわかっていらっしゃるのでしょうね。
幸四郎さんは「花道からお客様がよく見える」ともおっしゃっていて、「ひゃ~、あんぐり口を開けて見とれないようにしないと」と思いました。

最後は幸四郎さんが「まず今日はこれぎり~」とよいお声で発してすっぽんで下がって幕。

ビギナー向けということで、すでに知っていることや南座の舞台体験などで見聞きしたことがほとんどでしたが、中には新鮮な驚きや発見もあって、楽しい30分間でした。




楽しかったけれどいろいろ配信慣れしてきてこれで1800円はちょっと割高かな~? の地獄度 (total 2155 vs 2155 )



posted by スキップ at 22:48| Comment(0) | 歌舞伎・伝統芸能 | 更新情報をチェックする
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