2020年08月19日
たとえ遠く離れても 心はすぐそばに 花組 「はいからさんが通る」
私の劇場再開1作目です。
8月末にも観る予定で、2回目観てから感想書こう、と思っていたら8月31日まで公演中止になってしまいました💦
花組新トップスター 柚香光さんのお披露目公演。
2017年10月に今回と同じ、柚香光・華優希主演で大阪と東京で別箱公演として上演された作品。
その時の感想(こちら)に、「宝塚大劇場の本公演でやってもイケるのでは?」 と書いていて、それが実現した形です。
宝塚歌劇 花組公演
ミュージカル浪漫 「はいからさんが通る」
原作:大和和紀
脚本・演出: 小柳奈穂子
作曲・編曲: 手島恭子 藤間仁
振付: 御織ゆみ乃 若央りさ AYAKO
装置: 稲生英介
出演: 柚香光 華優希 高翔みず希 瀬戸かずや 水美舞斗
和海しょう 華雅りりか 優波慧 朝月希和 永久輝せあ
飛龍つかさ 帆純まひろ 音くり寿 聖乃あすか 希波らいと
/英真なおき 美穂圭子 ほか
2020年7月24日(金) 1:00pm 宝塚大劇場 1階26列上手
(上演時間: 3時間5分/休憩 35分)
本来ならば3月13日から4月20日まで上演されていたはずの舞台。
マスクをして、話し声のひとつも聞こえない静まり返った客席に、「宝塚歌劇団 花組の柚香光です」と開演アナウンスが流れた時、胸がいっぱいになりました。
2月27日に星組公演を観て以来、5ヵ月ぶりの宝塚は、変わらず華やかに明るく私たちを迎えてくれました。
柚香さん伊集院少尉が歌う
♪たとえ遠く離れていても 心はすぐそばに
風に乗せて伝えよう 変わらぬ気持ちを
という歌詞がことさら心に染み入りました。
物語の舞台は大正7年の東京。
お転婆な女学生 花村紅緒(華優希)はある日、陸軍少尉の伊集院忍(柚香光)と出会いますが、彼は祖父母の代から決められた許嫁で、旧華族の伊集院家に行儀見習いに入ることになります。最初は反発していたものの紅緒は次第に忍に惹かれるようになりますが、ある日紅緒が起こした事件がもとで忍は九州の第十二小倉師団に転属となり、さらにシベリアへと出兵します・・・。
1975年から1977年まで少女フレンドに連載されていた大和和紀さんの原作を2時間30分(フィナーレ含む)で網羅したストーリー。
シベリアへ出兵した忍が現地で戦死したらしいところまでが一幕、二幕は青江冬星(瀬戸かずや)の出版社で働き始めた紅緒の前に忍そっくりのミハイロフ侯爵が現れ、彼の秘密を追って・・・とテンポよく展開します。
明るく元気で勝気で活発な女の子、彼女を取り巻く男たちはみんな彼女を好きになって、しかも揃ってイケメンという、いかにも少女マンガの王道ラブコメ。
雪組から組替えとなった永久輝せあさん演じる高屋敷要が役の比率が大きくなったことと、大劇場公演なので華やかなフィナーレが加わったことが大きな変更点でしょうか。主演は同じ2人だし。
・・・なので、印象も感想も前回とあまり変わりません(笑)。
柚香光さんは初演同様、まるで漫画から抜け出してきたような美しく華やかなビジュアルで、日本人とドイツ人のハーフの青年軍人という役がぴったり。
この作品はやはりタイトルロールのはいからさん=紅緒が主役の物語だと思いますので、忍はどちらかといえば受けの芝居が多くなりがちですが、いつもゆったり余裕綽々でやさしく紅緒を見守る笑顔が素敵すぎ
今の宝塚歌劇団でこれ以上この役にハマる人はいないのではないかしら。
歌唱もずいぶん向上したように感じました。どんな場面の歌も同じトーンで聞こえるのが課題かなぁ。ミュージカルの歌は台詞だから。
紅緒の華優希さんは前回大抜擢と言われましたが、3年を経て堂々トップ娘役としての凱旋です。
明るく可愛く元気いっぱい、すっかり手の内のお役とお見受けしました。
前作「A Fairy Tale」で、少女から老年期までを演じ分けてお芝居の上手さを印象づけましたが、全力投球だった3年前と比べると芝居にも台詞にもより緩急がついた感じ。歌は柚香さん以上に課題ですが・・・がんばってほしい。
にしても、やっぱり紅緒のような女の子は苦手だし感情移入できないなぁ・・・と思っていたら、3年前にも同じこと書いていました。
「ま、個人的に私は紅緒みたいなタイプの女の子は苦手なので、まわりにいたらちょっと嫌だけど(笑)」
ロン毛の青江冬星は鳳月杏さんに代わって瀬戸かずやさん。
「あきらくんにあの髪型どーなん?」と心配していたほど事故物件でもなく、少し三の線を強調しつつも、ラリサのために身を引くことを決めた紅緒を抱きしめて、「全部忘れさせてやる」は聴かせてくれました。
鬼島軍曹の水美舞斗さん、蘭丸の聖乃あすかさんは初演と同じ役。
水美さんの鬼島軍曹が荒々しさはそのままにより色っぽくなっていて、3年という時の流れを感じました。フィナーレ階段下りの時の開襟ぶりにドキッとしました。
聖乃あすかさんの蘭丸もぴったりですが、ステイホーム中に少し大きくなったかな?初演時の「あの綺麗な子だれ?」感が薄れたのはちょっぴり残念。
永久輝せあさんの高屋敷要はストーリーに深く絡まないけれど忍の友人として重要なポジション。
バンカラ豪快なキャラクターはプリンス然とした永久輝さんとはギャップがありますが、好演でした。欲をいえば永久輝さんの軍服姿も見てみたかったな。
初演で城妃美伶さんが演じた環は音くり寿さん。
音くりちゃんがやると途中で悪女に豹変しそうな気が・・・と思っていたら、後でそんなツイートたくさんお見かけして「やっぱりね」となりました。お芝居も歌もハイテクの音さん、フィナーレのエトワールでも美声を響かせていました。
英真なおきさん、美穂圭子さんの伊集院伯爵夫妻。
お芝居たっぷりの英真さんはともかく、美穂さんはソロの歌もほとんどなくてもったいないと感じました。
フィナーレ
瀬戸かずやさん銀橋渡りソロ → 華雅りりかさん、朝月希和さんなど娘役中心のモダンガール・モダンボーイ → ロケット → 男役群舞 → デュエットダンス という流れ。
ロケットは上半身が着物のような変わったコスチュームでしたが、女学生の制服をイメージしたものだとか。
密を避けるためかいつもより人数少な目でした。
男役群舞は A 大正バージョン(軍服)と B 浪漫バージョン(黒燕尾)が日替わり。この日はAでした。
後で録画していた映像を観ましたが、黒燕尾のBの方が好み。
デュエットダンスは2人との真っ白の衣装で、劇中では果たせなかった忍と紅緒の結婚式をイメージしたお芝居のワンシーンのよう。笑顔の2人が手をつないでクルクル回るところなんてハッピー感満載・・・なのはよいとして、華さんあまり“ダンス”していないように見えるのはいかがなものか。振付(御織ゆみ乃)の問題か本人の技量に起因するのか。。。
パレード:
エトワール 音くり寿
飛龍つかさ・優波彗・帆純まひろ
聖乃あすか・朝月希和
永久輝せあ
水美舞斗
瀬戸かずや
華優希
柚香光
聖乃あすかさん 上級生3人一気抜きですね。
中止になった3月にはSS席2列センター取れていて、再開した今回も8月末はS席ながら6列だったのに公演中止よいお席にご縁のない公演となりました の地獄度 (total 2131 vs 2135 )
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