
ずい分前に読んだもので、このブログにも書いたことがあります。検索してみたら2009年でした(こちら)。
当時も再読だったのですが、ステイホーム中に本棚の整理をしていてこの本を再発見。
なつかしいと同時にこれは「今また読むべき本」ではないかと再々読した次第です。
「たのしみは日常のなかにあり―『独楽吟』にまなぶ心の技法 」
著: 橘曙覧
解説: 武田鏡村
東洋経済新報社刊
1994年 天皇皇后両陛下が訪米された際のクリントン大統領の歓迎式典スピーチで有名になった
たのしみは 朝おきいでて 昨日まで 無かりし花の 咲ける見る時
は今でも大好きな一首。
読み進んでいくうちに心にとまった歌を書き留めると、2009年の記事に書いた三首がそのままで、ちょっと笑ってしまったり。
たのしみは そぞろ読みゆく 書(ふみ)の中(うち)に 我とひとしき 人をみし時
たのしみは 心をおかぬ友どちと 笑ひかたりて腹をよるとき
たのしみは 空暖かに うち晴れし 春秋の日に 出でありく時
そして今回、新たにこれも、となった歌がこちら
たのしみは 庭にうゑたる 春秋の 花の盛りに あへる時時
いや、ほんとそう!
この歌のところで、私もわが家の小さな庭に出て花を眺めてみたくなりました。
いつも花が咲いている訳ではありませんが、朝起きて玄関を出て門扉を開けに行く時、疲れて夜帰宅した時、その日ごと、季節ごとに迎えてくれる花やグリーンたちにどれほど癒され励まされていることかと改めて実感しました。
昨年までとは比べるべくもないくらい物心両面でストレスフルな日々を余儀なくされる2020年。
そんな日々の中でも橘曙覧を見習って、ささやかなたのしみに心を寄せて幸せを感じるゆとりは持っていたいと思います。
たのしみは 神の御国の 民として 神の教へを ふかくおもふとき のごくらく地獄度



