2020年06月07日

同じ時代に生まれてきたことを誇りに思う 「歌舞伎家話 第二回」


kabukiyawa2 .JPG

楽しかった前回の歌舞伎家話からあーっという間に1週間が過ぎて、やってきました第2回。
次週の第3回(松本幸四郎さん、市川猿之助さん)も発表されて、しばらく継続する企画のようです。


歌舞伎夜話特別編 「歌舞伎家話」第二回
出演: 尾上松也  中村七之助  小栗旬

2020年6月5日(金) 8:00pm配信開始 (約70分)



第一回のゲストだった松也くんがホストとして「同世代の友人と語り合いたい」と仲のよい七之助くんと小栗旬くんをゲストに迎えた第二回目。
歌舞伎ばかりでなく、新感線やミュージカル、ストプレの話まで、この3人ならではのトークはバラエティに富んでいて楽しかったです。

3人の共通の友人である生田斗真くんの結婚が公表された日でもあり、「斗真おめでとう!」と3人の笑顔の祝福で始まりました。

小栗旬くんを七之助くんたちと結びつけたのは七之助くんの親友でもある松本潤くんですが、それよりずっと以前の23、4歳のころ、旬くんは藤原竜也くんに「お前は絶対歌舞伎を観に行くべきだ」と言われて観に行ったのだそう。竜也くんといえばもちろん勘九郎さんの親友で、このあたり、勘七兄弟の華やかな人脈の凄さを改めて感じました。

そんな旬くんが言ってくれた忘れられない言葉を挙げたのは松也くん。
コクーン歌舞伎「三人吉三」(2014年)を観に行った旬くんが、「波ちゃん(七之助くん)と俺(松也くん)と勘九郎さんと同じ時代に生まれてきたことを誇りに思う」と言ってくれたのだそうです。

それに対して旬くんは「RED」を観に来てくれた波ちゃんが
「すごくいい芝居。旬はこの芝居、誇りに思った方がいいよ」と言ったエピソードを披露。

「三人吉三」は上七之助くんが「決まったよ」と松也くんに電話をくれたのも忘れられないのだとか。
松也くんは初日終演後の乾杯の挨拶で泣いたそうです。
「いつも『あの人、泣いてる』とか思う方なのに、あんなに感極まったのは後にも先にも初めて。主演の3人に選んでもらって本当にうれしかった」と。
そうそう、あの時、「お坊 松也くん?抜擢だなぁ」と驚いたものでした。
お稽古も大変で、前日まで串田さんからいろいろ変更が入り、初日の朝、通し稽古→記者会見→夜 初日開演だったそう。


そこから、「大変なお芝居」の話になって、旬くんが、歌舞伎役者さんが公演中、たとえば一部と三部の間で出ていない二部の時間に来月の演目の稽古するってどうなってるの?」と驚いて、
「脳みそのどこかに保管しておく場所があるの?」と言ってたの、おもしろかったな。
「歌舞伎はみんな集まっての稽古が5日間くらいしかないから、それまでに個人の部分は仕上げておかないと間に合わないから」と松也くん。

旬くんは「ムサシ」の大変だった話も。
ラストシーンの脚本が上がってきたのが初日の2日前で、藤原竜也くんと2人、朝早く劇場が開くのを待って劇場入りして稽古したとおっしゃっていました。

3人共通の舞台として「劇団☆新感線」
(七之助くんは「歌舞伎NEXT」ですが)
「新感線は出るものじゃなくて観るもの」と言ったのは七之助くん。
でも「舞台裏でのサポートが凄い」ともおっしゃっていました。

旬くんは「360度回転する劇場、自慢じゃないけど最初だったからほんと大変だった」と。
でも3人とも「この3人で新感線出たい」そうです。
いのうえさん、聞いてたかな~?

旬くんははじめが映像だったので舞台に出始めのころはリアクションしてるつもりでも「何やってるかわからない」と言われたこともあったそうです。
七之助くんは「根本は一緒だけど映像はこっぱずかしい」そうです。「そもそも素顔で出るのがはずかしい」のですって。
旬くんは「歯の浮くよう台詞とか絶対自分は言わないなと思いながらその感情にフタをする」ことも(笑)。

「その点、ミュージカルはどうなの?急に歌い出してこっぱずかしくないの?」と松也くんに振る七之助くん。
「うまい人は台詞(芝居)と歌の境目がない」と松也くん。
「歯の浮くような台詞があっても映像よりフィルターがある」ともおっしゃっていました。

七之助くんは「兄や父とも恋人やったことがあって、稽古の時はこのまま(素顔)だけど、それはちゃんとできる」そうです。

質問コーナー
・3人ともほめられるとのびるタイプですか?
松:ほめられるの好き。
七:ほめられるの嫌いな役者なんていない。
旬:ほめられたい。

・やってみたい時代は?
松:本名の龍一は坂本龍馬から。なので坂本龍馬やってみたい。
旬くんやってたよね。(「西郷どん」ですね)
七:多分絶対ないけど父も演じた秀吉とか。
旬:昭和の時代。自分の父親とかもう少し上の。戦後の復興期とか。

松也くんと旬くんが初めて一緒に仕事したのは大河ドラマ「天地人」(2004年)
笹野さんが秀吉で、その前で軍議するシーンだったそうです。
「ひとっことも話さなかった」と言う松也くんに「人見知りだもんね、マッティ」と七之助くん。

余談ですが、「天地人」で小栗旬くんが演じた役は石田三成。旬くんの三成、すごくよくて大好きでした(元々、“義の人”三成好き)。

・もし3人で歌舞伎の舞台に立つとしたら?
七:2人で僕を取り合ってよ。
旬:「ジョン王」名古屋公演は御園座で、歌舞伎公演をやる劇場で楽しみにしていたけど中止になってしまって・・・演舞場とか、花道がある劇場に出てみたい。

ここで前回も出た「新感線は花道を走るけど、歌舞伎では花道を悠然と引っ込む」話になって、
旬くんが「へたしたら戻る時あるじゃない?ダンダンダーンとなって、お、行くのかと思ったらまた戻って、行かないんかい!と」って言っていて、歌舞伎よく観てるんだなぁとうれしくなりました。


そして最後に
3人がそれぞれ「劇場で、お客様の前で、芝居がしたい」という思いを口にして幕となりました。
いかにも同世代3人の、歌舞伎以外のお話多めな印象の家話でしたが、演劇フェチとしてはいろんなお話が聞けてとても楽しかったです。



ロサンゼルス在住の小栗旬くんは朝4時からのご出演、ありがとうございました のごくらく度 (total 2103 vs 2111 )


posted by スキップ at 23:06| Comment(0) | 歌舞伎・伝統芸能 | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
コメントを書く
コチラをクリックしてください