

右の画像でお姫様抱っこされているの柚希レイチェルなの

ケビン・コスナー&ホイットニー・ヒューストン主演で1992年に公開されて大ヒットした映画「ボディガード」 私も大好きでした。
この映画がミュージカル化されて、柚希礼音さんが新妻聖子さんとともにW主演するという情報が公開された時、めちゃテンション上がったものです。
心待ちにしていた初日(3/19)が中止となり、続いて3連休(3/20-22)も中止が発表され、3月24日にようやく初日を迎えた公演。
3月26日にやーっと観られた、と思っていたら、この週末はまた公演中止。結局大阪は予定されていた13公演中5公演のみの上演となり、私も1回しか観られませんでした(涙)。
4月3日開幕予定の東京公演も、先行きはまったく不透明ですが、1回でも多く上演できて、1人でも多くの方に観ていただけますように。

原作: ローレンス・カスダン
(ワーナー・ブラザース映画「ボディガード」)
脚本: アレクサンダー・ディネラリス
訳詞: 森雪之丞 翻訳: 阿部のぞみ
編曲: クリス・イーガン
演出・振付: ジョシュア・ベルガッセ
美術: 二村周作 照明: 勝柴次朗
衣装: 十川ヒロコ
出演: 柚希礼音 大谷亮平 AKANE LIV
佐賀龍彦 水田航生 大山真志 福長里恩
内場勝則 ほか
2020年3月26日(木) 1:30pm 梅田芸術劇場
1階10列センター (上演時間: 2時間35分/休憩25分)
ホイットニーの楽曲やショーアップされたダンス場面もふんだんに盛り込まれた華やかなミュージカル。
ライブ&ショーの場面は衣装も華やかでダンスは迫力たっぷりで見ごたえ聴きごたえ十分。
この部分だけでも何度も観たいくらい。
レイチェルの姉 ニッキーが「妹への嫉妬心から見知らぬ男にレイチェル殺害を依頼した」という部分が「ストーカーからの手紙に一度だけレイチェルになりすまして返事を書いた」と改変されている以外はほぼ映画と同じ設定とストーリーでした。
映画でファンに囲まれたレイチェルをフランクがお姫様抱っこして救出するシーンもちゃんと再現されていて、ひょ~っ


ラスト近くでレイチェルをかばって銃弾を受け倒れたフランクを「この人、私のボディガードなのっ!」とレイチェルが叫ぶシーンが映画そのままで、ここでも


お姫様抱っこの場面は、レイチェルのライブと迫りくる不気味なストーカーを対比させる形で描いていて、照明の効果とともに演出が冴え渡っていました。
ファンに取り囲まれて華やかなステージを展開するレイチェルがストップモーションになるたびにストーカーが階段の上、途中、ステージ傍へとひたひたと近づいて来て、そこに心拍音のような効果音が重なって、結末がわかっていても緊張感が漲り、まるで映像を観ているようなシーンになっていました。
あの♪エンダ~~ こと I WILL ALWAYS LOVE YOU はラストにレイチェルがフルコーラス聴かせてくれますが、劇中では結構意外な使い方されていました・・・まさかフランクのエンダ~が聴けるとはね。
フランクの大谷亮平さんはこれが初舞台。
少し固さが残る感じなのですが、それがフランクの硬派で不器用な雰囲気と重なっていい感じです。
完全無欠のプロフェッショナルボディガードだったフランク。
レイチェルに思いを寄せ、一夜を共にしながらも、ボディガードとしての任務と責任感から彼女への思いを封印しようとしながらも愛の任務の板挟みで苦悩する姿がとても人間的。
長身でガタイもよく、柚希さんと並んでも背が高くてお姫様抱っこも楽々(?)という感じ。
そうそう、「バレーボールやってた」っていう台詞があって客席から笑いがもれていました。
それってリアル大谷さんエピソードですよね。
レイチェルの柚希礼音さん。
最初の登場から目を惹きつけて離さないスターオーラ。
いかにも生まれながらのスターといった華やかさ。
勝気でタカビーなレイチェルが、少しずつフランクに心を開き、信頼していく姿が自然でとてもチャーミング。
他の人の前ではいつも強気なレイチェルがフランクの前ではかわいらしい女性になって弱さも見せるところも説得力ありました。
スタイル抜群で衣装はどれもよく映えて、ダンスのすばらしさは言わずもがな。
が
「ちえちゃん喉壊しちゃった?聞いてて辛い」
柚希さんの初日(3/25)にご覧になったファンの方のツイートを読んでしまって、これが頭を離れず。
柚希さんが歌うたびに、「それほどでもないやん。ちゃんと声出てるし」と思ったり、「やっぱりあかん・・・」としょんぼりしたり。
とにかく歌声が気になって気になって、歌詞やお芝居に集中できなかったというのが正直なところ。
率直に言 うと、長い間柚希さんを観てきて、あんなにファルセットを使って歌う柚希さんは初めてでした。
そのせいか、歌声に圧というか、いつもの迫力がないし艶もない感じ。時折音程も不安定。
どうしちゃったのかなぁ。
特に一幕ラストの「I HAVE NOTHING」は高音部の発声が弱弱しくて聴いていてかなりキツイ感じでした。
二幕最後の2曲「ONE MOMENT IN TIME」「I WILL ALWAYS LOVE YOU」は(♪エンダ~は本当ならもっとのびやかで迫力あるはずという思いは残るにしても)さすがに聴かせてくれましたので、それまでが一層悔しい。 「もっと歌えるはず」と思ってしまいます。
ベストの柚希礼音のレイチェルを聴きたかったし、たくさんの人たちに聴いていただきたかったです。
「自分のすべてを賭けて挑んでいます」
とパンフレットのインタビューに答えていらっしゃる柚希礼音さん。
今回の不調はご本人が一番不本意で、さぞかし悔しく辛い思いをされていることでしょう。
プロとして調整ミスをかばうつもりはありませんが、どうか東京では、公演が無事開催されるととともに、誰よりも柚希さんご自身が納得できるパフォーマンスを示すことができるよう、心からお祈りしています。
そういう訳で私の「ボディカード」の記憶は、I WILL ALWAYS LOVE YOU の歌詞
My darling, you...
Bittersweet memories
みたいになっています。
ほろ苦い。

この日はアフタートーク「レイチェル一座のトークショー」がありました。
サイ役の水田航生くんの進行。
一人ずつ自己紹介する中、内場勝則さんが「どうも。ミッキーマウスです」と言ってまずは笑いを取ったり。

印象的だったのは ニッキー役の AKANE LIV さん。
宝塚時代、柚希さんと同期だったけれど、初舞台以来、同じ舞台に立ったことがなかったそう。
「音楽学校でも違うクラス(2クラスある)だったのであまり関わりもなくて。それがこんな大きなところで同窓会を・・・」と。
レイチェルに抱かれて死ぬところも2人で泣いちゃって、とおっしゃっていました。
その後のシーン、アカデミー賞楽屋のレイチェルの化粧前には、客席からは見えないけれどちゃんとAKANE LIVニッキーの写真が飾ってあるのだとか。
次に観られるのは東京千秋楽・・・だといいなぁ のごくらく地獄度



