2020年03月20日

その意気に応えて 「偽義経冥界歌」 ライブビューイング


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劇団☆新感線39興行 いのうえ歌舞伎「偽義経冥界歌」は、2019年春 大阪・金沢・松本で興行、今年2020年春に東京・福岡と年またぎの変則上演。
昨年フェスティバルホールで観劇してワタクシ的にはこの作品については「完結」していて、東京公演を観に行くつもりもライブビューイングを観る予定もありませんでした。
それでも、新型コロナウイルス感染拡大防止の一環で2月28日から休演していた公演を、3月19日から再開、そしてライブビューイング決行に踏み切った劇団☆新感線の意気には、新感線ファンとして応えない訳には参りません。

しばらく舞台から遠ざかっていることもあって、オープニングで Judas Priest が流れ始めたら、背中ゾクゾクしました。

それにしても、こういう状況とはいえ、新感線(しかもJの人が2人も出ている)のライビュチケットが当日でも買えるというのはいささか隔世の感があるというか、何となく切ない。


2020年劇団☆新感線39興行・春公演
いのうえ歌舞伎 「偽義経冥界歌」 ライブビューイング
作: 中島かずき
演出: いのうえひでのり
美術: 二村周作  照明: 原田保  衣装: 竹田団吾  音楽: 岡崎司
出演: 生田斗真  りょう  中山優馬  藤原さくら  粟根まこと  山内圭哉  
早乙女友貴  右近健一  河野まさと  逆木圭一郎  村木よし子  山本カナコ  
村木仁  川原正嗣  三宅弘毅  橋本さとし ほか

2020年3月20日(木) 6:00pm TOHOシネマズなんば 本館スクリーン8
(上映時間: 3時間45分/休憩 25分)


舞台を観た感想はこちら
最後に観たのが2019年3月20日でしたのでちょうと1年ぶりでした。



ストーリーやキャストの感想は、昨年の舞台の時書きましたので繰り返しは避けるとして、
素直に、観てよかったと思いました。

20日間休演していたとは思えない完成度。
全体でお稽古されていたのか個人に任されていたのかわかりませんが、いつでも幕を開けられるよう、心も体も日々舞台とともにあったことは明らか。
しかも休演で「舞台に立ちたい」という飢餓感がよい方に作用して、役者さんたちの爆発力がすばらしかったです。
本当にこの日のライブビューイングを観られてよかった。いろいろ調整してエイヤッと観に行った自分をほめたい。


昨年から舞台がより熟成されたことももちろんあると思います。
生田斗真くんの源九郎義経こと玄九郎国衡はもちろんのこと、それぞれ役の深みが増していて、より役が体に入っている印象でした。
橋本さとしさんの秀衡、りょうさんの黄泉津の方ご夫妻の迫力たるや、スクリーンを通してもビシビシ伝わってきました。
大画面で細かいところまで拾えること、音響がよかったこともあって、舞台観た時に不明瞭だと感じた点も1年越しにクリアになったりも。

ただやはり、生きた生身の人間が極限まで命のやり取りをする物語が観たい、という気持ちは拭えなかったかなぁ。

何度切られても平気、絶対に死なない「人外のもの」という設定は、物語としては反則だと思うのです。そこに立ち向かうのがまた「人外のもの」というのも。
・・・まぁ、だから「冥界歌」なのですけれども。

「立ち向かう」という意味では、黄泉津の方が本当にすばらしかった。
あの最期はシビれますし、くくりとの場面はやはり泣いてしまいました。


2020年版はキャスト変更が2人あって、一人はくくりの山本カナコさん。
カナコさん、昨年秋の「けむりの軍団」をお怪我で休演されていましたのでお久しぶり。
お元気そうで、あの素敵な歌声もまた聴けてうれしかったです。デキる部下感強めなくくりでしたが、ラストシーンの包容力はさすがでした。

もう一人は弁慶の三宅弘毅さん。
策略家というよりいい人感漂う弁慶でした。
客演ですが、常陸坊海尊の山内圭哉さんとともに準劇団員でお二人の息もぴったり。


カーテンコールでは生田斗真くんがご挨拶。
会場の人たちはもちろん、ライビュの私たちに向かっても心を向けて手を振ってくれて、「東北 元気か~」と物語の舞台も忘れずに。

「ここに集まった皆さんと、全国の映画館に集まった皆さんと、そして、今日来たくても来られなかった皆さんが、また集まれますように」

という言葉が心に沁みました。



これから千穐楽まで、そして博多座も休演なく続けられますように のごくらく地獄度 (total 2083 vs 2084 )



posted by スキップ at 23:39| Comment(0) | 演劇・ミュージカル | 更新情報をチェックする
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