2020年02月04日

イマーシブシアター初体験 「サクラヒメ」


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Immersive(イマーシブ)は「没入感」という意味でゲームなどにも使われる言葉だそうです。
「イマーシブシアター」はニューヨーク発の「体験型演劇」。
観客が客席に座って鑑賞するのではなく、座席が取り払われ、演者に導かれながら自分の意思で会場内を動き回り、さまざまな場所で繰り広げられるパフォーマンスを体感するというものです。
これが日本初となるイマーシブシアターが、日本最古の劇場である南座で上演されるのが意義あることなのだとか。


sakurahime2.jpgイマーシブシアター  サクラヒメ
~「桜姫東文章」より~

脚本・演出・振付 : DAZZLE
音楽: 林ゆうき
振付(日本舞踊): 尾上菊之丞
出演: 純矢ちとせ   川原一馬   荒木健太朗  世界  
平野泰新  Toyotaka  高田秀文  新里宏太 ほか

2020年1月30日(木) 4:00pm 南座 1階
「都人」エリア   (上演時間: 70分)



座席が2種類
① 1階エリア(移動体験型):観客は「都人(みやこびと)」となって舞台の進行に応じて1階席エリアを回遊して鑑賞。
② 2階・3階エリア(着席鑑賞型):観客は「雲上人(うんじょうびと」]となって上階の客席から舞台の進行を座って鑑賞し、物語の結末を決める裁決(投票)に参加。

チケットを買う時、「ずーっと立ちっぱなのかよぉ」と少し躊躇したのですが、めったにない機会と思って①の都人エリアを選びました。
(結果的に怖れていたほど立ちっぱなしではありませんでした。)

劇場に着くとまずクロークに案内されて手荷物を預け(小さなバッグ等は持って可)、黒い羽織を渡されてそれを着用します。


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私はこんな紋の入った羽織でした。


南座1階は客席がすべて取り払われていて、舞台もフラット。
真ん中に1段高く橋のようになった舞台が後方まで延びていて、私たち都人はその周りを取り囲むようにして適当な場所に立って開演を待ちます。
MCが入り、幕が上がるとサクラヒメ一行が花魁道中のように舞台奥からこの橋の方へじわりじわりと進み出て開演です。


正面のフラットのステージの他に客席の上手下手に可動式の舞台(お座敷)が現れ、また、2階3階の四方には外に突き出たお立ち台のような特設アクティングステージが設けられていて、物語の展開に沿ってあちこちで同時多発的にさまざまなパフォーマンスが繰り広げられ、都人たちは好きな場所に移動して観ることができます。

火事の場面では「危ないから下がって!」と言われて一斉に後ろまで下がったり、正面の舞台のすぐ目前にギュウギュウ詰めに正座(!)したり、ちょっと傾斜のある橋の上り口のところに「ここに座りなよ」と言われて座ったり。
ある時は、お座敷で開催されていた賭場に呼ばれて丁半博打もやらせていただきました。
ちゃんと白い台の場が設定されていて、木札を渡され、壺振りのお姉さんがサイコロを振ると木札をパァーンと置いて「丁!」「半っ!」ってやるの、おもしろかったな。


「生まれつき左手が開かない」という台詞もあり、物語は「桜姫東文章」がモチーフ。
意にそぐわない縁談から逃れるために恋人と心中したサクラヒメが花魁に生まれ変わって、陰陽師や義賊など5人の男性と出会い、運命の相手を探し出すというストーリー。

が、ストーリーはあってなきがごとし。

サクラヒメや5人の男性それぞれのパフォーマンスを楽しむという感じ。
日舞、剣舞、タップダンス、ストリートダンス、アクロバットに歌。
役者さんたちのテクニックはいずれも一流で見ごたえありました。

サクラヒメの純矢ちとせさんは日舞の名取で宝塚時代から定評ありましたが、所作が本当に綺麗。
杵屋勝三郎さんご指導による三味線も披露されていました。

それらがあちこちで同時進行するので、都人の私たちは全部観るのはとても無理。
リピーターと思われる若いお嬢さんのグループは特定の役者さんのファンでどの場所に現れるかご存知らしく、正面舞台の前に座っていたかと思うとその場面が終わるやサブステージ前に移動と、自由に追っかけて楽しんでいらっしゃるようでした。
私はといえば、純矢ちとせさん以外どなたも存じ上げませんし(EXILEの世界さんは以前観た「刀舞鬼 -KABUKI-」にゲスト出演されていた記憶がありますが、お顔わからなかった💦)、動くのも面倒なので(←)、呼ばれて賭場に行った時以外はほぼ正面ステージ前か橋のたもとに座っていましたが、何か?

5人の男たちは
木々の声を聴き、星の行方を読み、術を操る神秘的な陰陽師(川原一馬)
孤高の気高さと圧倒的な剣術の強さを持つ浪人(荒木健太朗)
弱者の味方、優しさとユーモアを併せ持ち自由に生きる義賊(世界)
一本気で仲間思いの男気に溢れ火事場でのアクロバティックな活躍を見せる鳶(平野泰新)
医は仁術の精神で貧しい者には無料で治療を施す心優しき町医者(Toyotaka)

と後で読んで「ほぇ~」となりましたよ。
わかったのは陰陽師くらいかしら。サクラヒメの目の前で夜空に満天の星を出すシーン、素敵でした。


5人の中から誰を選ぶか、は雲上人の投票によって決まります。
5色の中からこれと思う札を一斉に上げるという方式。
その投票で選ばれた人によって次の台詞も違うので、その日、その回ごとに結末が変わるマルチエンディングという趣向です。
私が観た日は「赤」の鳶が選ばれました。


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このカップル。
平野泰新くん。すごく高さもキレもあるバク宙、すばらしかったです。
この日、アフタートークも平野くんだったのですが、元新体操の選手だったのだとか。納得です。


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カーテンコールは写真撮影OKで、メインキャスト立ったのと座ったのと2ポーズ。



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終演後、横においていたバッグがこんなことになっていました。


間近に舞台を観て、時には物語世界の中にも入れていただき、ラストは降りしきる桜の花びらの中に身を置くという、またとない経験、楽しかったです。



「5種類すべてのエンディングを観たい」「1階席も2階席もどちらも見てみたい」とおっしゃる方も多いそうですが、私は1回でおなかいっぱいでございます の地獄度 (total 2066 vs 2069 )


posted by スキップ at 23:36| Comment(0) | 演劇・ミュージカル | 更新情報をチェックする
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