2020年01月10日

薮下哲司さんとともに「ONCE UPON A TIME IN AMERICA」を観る


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2020年1月 宝塚大劇場外のパネル。
このトップ画像、時代が変わったのを感じるよねー。


2020年ヅカはじめは雪組「ONCE UPON A TIME IN AMERICA」でした。
この後何回か観る予定ですので舞台の感想はまた改めるとして、この日は毎日新聞大阪開発主催の「薮下哲司さんと宝塚歌劇を楽しむ特別鑑賞会」でしたので、まずはそちらのレポを。


第12回 薮下哲司さんと宝塚歌劇を楽しむ特別鑑賞会
2020年1月9日(木) 1:30pm エスプリホール



薮下哲司さんは元スポーツニッポン新聞の宝塚歌劇担当記者で「歌劇」や「宝塚グラフ」に公演評も書いていらした方。映画・演劇評論家として活躍され、「宝塚歌劇支局プラス」というブログも運営されています。

その薮下さんが定期的に開催されている宝塚歌劇鑑賞会。今回初参加でした。
午後1時30分に集合して、宝塚大劇場3階のエスプリホールで松花堂弁当の昼食をいただき、薮下さんの講演を約40分お聴きした後、大劇場で3時公演を観劇、というスケジュールです。定員100名 即日完売だったとか。

公演のお話が中心となるのですが、できるだけネタバレは避けながら、これから観る公演をわかりやすくすように、という配慮がされた楽しい講演でした。
以下は印象に残った点をいくつか。


◆ みりおとだいもん

明日海りおさんの公演(A Fairy Tale/シャルム!)でも鑑賞会をやりましたが、明日海さんはカップルやファミリーなど2人以上で参加の人が多かったのに対して、望海さんの公演はほぼ一人参加。
「20世紀号に乗って」でもやったけれど、東京で1泊ツアーだったにもかかわらず全員一人参加でした。

-みりおとだいもんでそんなにファンの資質が違うっていうのに、何だかわかる気もしますしおもしろい。


◆ ONCE UPON A TIME IN AMERICA

小池先生は初めてこの映画を観た時、まだ演出助手だったころから「これを宝塚でやりたい」と思って40年間温めていた題材。
同じ禁酒法時代のギャングを扱った「アデュー・マルセイユ」も「ONCE UPON A TIME IN AMERICA」にインスパイアされてつくった作品。

-私もずい分前に映画観ましたが、バイオレンスシーンとか激しすぎて、これを宝塚でという発想はなかったなぁ。


映画は1968年に始まって過去を遡る形で、40年間の時間軸が時系列どおりに展開しないので少しわかりにくい部分もありますが、舞台では40年を30年に短縮し、映画にない場面を挿入して、うまくヌードルスとデボラの話に集約していると思います。

マックスを演じた彩風咲奈さんが二番手としての風格がついて大きくなり、引き締まって顔も変わってきた。
責任ある地位にだんだん近づくと変わっていくんだと思いました(トップ近いってことかな?)。
また、マックスを大きくふくらませるために小池先生がジミー(実在の人物)も大きくしたのだが、演じる彩凪翔さんがいい人か悪い人かわからない人物を誠実に演じていて絶妙です。

朝美絢さんは今回娘役ですが、プロローグは男役としてダンスシーンがあるのでお見逃しなく。

この作品はVISAもかんぽも(冠が)ついていなくて、劇団としては逆に力が入っている作品でセットも豪華。デボラのフォーリーズのショーシーンなどブロードウェイの本場さながら。


◆ 望海風斗のノド

望海さんは「元々歌は得意ではなかった」と言っていたが、どうだか。
努力と精進を重ねて強靭なのどをつくりあげた人。
公演中の節制もとてもきちんとしています。
専門家に言わせると「宝塚で本当にのどが強いのは望海風斗さんだけ」だとか。

相手役の真彩希帆さんもすばらしいのどで綺麗な高音を聴かせてくれる。
本当はもっと声は出るが望海さんの邪魔にならないようコントロールしているそうです。


◆ 小池修一郎先生

小池先生は3月に65歳で定年となり、その後も変わりなく歌劇団の演出を続けられますが、組織上は「団友」となります。
(他に谷正純先生や三木章雄先生も団友なのだとか)

そういう意味で、「ポーの一族」や「ONCE UPON A TIME IN AMERICA」は自分のやりたい作品をやらせてもらった。
これまで、歌劇団がこれをやってくれという作品をやった答えを出してきたので「ポー」や「ONCE」
はご褒美かもしれません。
「ポーの一族」は明日海りおというエドガーがいてこそできたというのもありますが、この2作品で40年間のうっ憤を晴らしたかも(笑)。

-小池先生がずっとやりたかった2作品の主演が89期の仲良し2人というのも胸熱です。



この後、舞台を観たのですが、もともとストーリー知っていることもあり、薮下さんのお話を踏まえて映画と舞台との違いもよくわかりましたし、あぁ、ここが小池先生が工夫したところなのかなと感じられたりもして、いつもとは違った味わい方もできました。
小池先生の貴重なエピソードも伺うことができてよかったです。

薮下さんは想像していたよりソフトな語り口で淡々と話される方という印象でした。
きっともっとたくさんの知識や情報をお持ちだと拝察いたしますので、個人的にいろいろお話伺ったみたいところです。←



これでお弁当がおいしければ言うことなし(いや、はっきり言ってマズイし) の地獄度 (total 2056 vs 2059 )



posted by スキップ at 23:45| Comment(0) | TAKARAZUKA | 更新情報をチェックする
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