
宝塚歌劇 星組公演 「ロックオペラ モーツァルト」
The Musical ≪Mozart, l'opéra rock≫
Produced by WAM PRODUCTIONS
International Licensing & Booking, G.L.O, Guillaume Lagorce, info@glorganisation.com
潤色・演出: 石田昌也
初日カーテンコール
本編感想
さて、ざくっとキャストの感想を。
ヴォルフガング・アマデウス・モーツァルト: 礼真琴
「全力で暴れたい」の宣言通り、全身全霊でヴォルフガングを演じきった礼真琴さん。
「歌、ダンス、芝居 3拍子揃った」はこの人のためにあるような言葉です。
スター揃いの95期の首席で、将来を嘱望されて抜擢され続けて、それにずっと応えてきた礼真琴さん。
ご本人にはもちろん様々な苦しみや葛藤もあったと思いますが、星の王子様として大切に育てられ、周りの期待どおりにセンターに立った姿に感無量です。
若々しいエネルギーに満ち、フレッシュさがありながら堂々としたモーツァルトでした。
ホールに響き渡る歌唱やキレッキレのダンスがすばらしいのはもちろん、子供のような無邪気な笑顔を見せたかと思えば、酒場で男たちにからまれ「ヴォルグガングの意味を知っているか?」と言う時の荒々しさ、女性を相手にした時の色っぽさ、天才の狂気、死に怯える表情など、細やかな演技も見ものでした。
以前、大劇場で某作品を観ていて意識なくしてしまって(コラッ!)、すごくいい歌声が聞こえてきて目が覚めたことがあったのですが、その時舞台上で歌っていたのは礼真琴さん。
礼真琴さんののびやかな歌声が大好き。
これからトップとしてどんな役を演じどんな歌を聴かせてくれるか、本当に楽しみです。
コンスタンツェ: 舞空瞳
舞空さんも102期の首席で、初舞台の時から華やかな可愛らしさと実力で注目されていた娘役さん。
礼さんの相手役と噂にのぼり始めた時、「舞空さん、かわいいけどことちゃんの相手役には大きい(身長が)」と思っていました。
実際二人並ぶと大きいのだけど(←)、そんなことどうでもいいワと思えるくらいお似合いのカップル。
お得意のダンスはもちろん、歌も演技もよくて、笑ったり怒ったりすねたり、表情豊かでとてもかわいい、衣装もどれもよくお似合いでした。
悪妻と名高いコンスタンツェですが、この作品では描き方が違っていて、モーツァルトの才能ごと愛するよき理解者となっているのもよかったです。
姉のアロイジアにやきもち焼いてぶんすか怒っていた少女時代と、ヴォルフガングの妻となった落ち着いた雰囲気との演じ分けもお見事。
アントニオ・サリエリ: 凪七瑠海
凪七さんの硬質な感じの声とあまり変わらない表情が、誰にも心を開かない孤独なサリエリにピタリとハマっていました。
お顔はいく分ふっくらされたようにも感じますが、相変わらず細身のシルエットに黒い衣装が似合って、カッコいい。ソロの歌もすべて安定の上手さで、やっぱり華も実力もある人だなぁと再認識。
レオポルド:悠真倫
「エリザベート」のマックスパパもそうですが、悠真倫さんお父さん役やらせたら天下一品。
ヴォルフガングの才能を育て導いた、厳しくも誠実で温かいお父さん。
いかにも宮廷音楽家といった風貌も素敵なおじさまで、♪パリへ行くのだ~ と歌う「父の戒め」のソロも聴かせてくれました。
アロイジア: 小桜ほのか
ヴォルフガングの初恋の人でコンスタンツェの姉。
登場時の「Bim Bam Boum」 の美声と誘惑する歌詞が何とも印象的でした。
コンスタンツェと張り合う歌も聴かせてくれて、歌の上手さ際立っていました。
ジュースマイヤ:極美慎
元はサリエリの弟子だったけれどモーツァルトの才能に心酔して弟子になる人物。
ビジュアルが異次元のカッコよさ。足ながーい!
極美慎くん、あまり歌えないイメージだったのですが、♪他の店にすればよかった とラップ調で歌う「オペラップ」は声もよく出ていて成長したなぁと思いました(どんな上から目線)。
独裁的で権力の象徴のようなコロレド大司教の輝咲玲央さん。
ヴォルフガングに容赦ないけど二幕では18禁のエロシーン(言い方)も見せてくれます。
対照的に、権力者ではあるけれど芸術や音楽を愛し、ヴォルフガングにも理解を示して温かいオーストリア皇帝ヨーゼフ2世のひろ香祐さん。
そしてキュートなその侍従 咲城けいさん(本編の感想に書きました)。
いつもの二枚目はどこへやらの日和見で打算的な小役人を演じきったウィーン国立劇場支配人 ローゼンベルグの紫藤 りゅうさんはこれが最後の星組公演。
ヴォルフガングの上品でやさしいママ アンナ・マリアの 万里柚美さん、反対に気が強くて強欲、だけどとっても美人なコンスタンツェのママ セシリアの音波みのりさん、コンスタンツェの美人姉妹 音咲いつきさん、星蘭ひとみさん、出番は多くないながら、二幕の熱唱が印象的なヴォルフガングの姉 ナンネールの桜庭舞さんと、娘役も役が豊富。
星組が誇る歌姫 白妙なつさんと夢妃杏瑠さんは、オランジュ皇妃や歌姫 マダム・カヴァリエリで美声を響かせてくれました。
こうしてみると人材豊富で群舞のダンスはもちろん、コーラスも重層的でこれでバウ組も合流したらどんなことになるかと、これからの星組 本当に楽しみ。
追記:
星組で「ロミオとジュリエット」再演の期待も高いですが、私は今の星組には「1789」の方が合っいるのではないかなと思っています。
で、妄想キャスティング。
ロナン: 礼真琴
オランプ: 舞空瞳
アルトワ: 愛月ひかる
ロベスピエール: 瀬央ゆりや
ダントン: 綺城ひか里
デムーラン: 天華えま
マリー・アントワネット: 音波みのり or 有沙瞳
フェルゼン: 極美慎
ペイロール: 天寿光希
ソレーヌ: 小桜ほのか
いやん。自分で書いてて観たくなってきた

「ロックオペラ モーツァルトはBDもCDも発売。両方買ってしまいそう のごくらく地獄度



