2019年11月09日

Next スタンバイOK(?) 雪組 「ハリウッド・ゴシップ」


hollywood.JPG新人公演主演5回のパリパリの雪組御曹司。
今年7月にオンエアされたFNSうたの夏まつりではDA PUMPとともに「USA」を歌い踊って、その脚の長さ、驚異の頭身バランスが話題となった彩風咲奈さん。
二度目の東上公演主演です。


宝塚歌劇雪組公演
ミュージカル・スクリーン 「ハリウッド・ゴシップ」
作・演出: 田渕大輔
作曲・編曲: 青木朝子
振付: 御織ゆみ乃  桜木涼介  KAORIalive
出演: 彩風咲奈  潤花  彩凪翔  早花まこ  
千風カレン  真那春人  煌羽レオ  愛すみれ   
諏訪さき  眞ノ宮るい  縣千/夏美よう  梨花ますみ ほか

2019年10月31日(木) 11:00am シアター・ドラマシティ 12列センター
(上演時間: 2時間30分/休憩 25分)



物語の舞台は1920年代、サイレント映画最盛期のハリウッド。
スターを夢見るエキストラ コンラッド・ウォーカー(彩風咲奈)はトーキー映画のオーディションに挑みますが、このオーディションはプロデューサーのハワード・アスター(夏美よう)が仕掛けた話題作りで、主演は今をときめくスターのジェリー・クロフォード(彩凪翔)と最初から決まっていたのでした。それを知ったコンラッドはハワードのもとへ抗議に向かいますが、そこで出会った往年の大女優アマンダ・マーグレット(梨花ますみ)から、大スターに育ててあげようと提案されます。アマンダは自分を踏み台にしてスターとなったかつての恋人 ジェリーへの復讐を企んでいました・・・。


ハリウッドのスターを夢見ながら、スクリーンの隅でくすぶっている若者が、大女優に演技はもちろん、所作や言葉遣い、洋服や身につけるものまでスター教育を受け、スターの階段を駆け上がるという「マイフェアレディ」のようなシンデレラストーリーと思いきや、そこにはひとひねりあって、純朴な青年だったはずのコンラッドが、スターになるにつれ勘違いして傲慢になっていき・・・という展開。そこに常にリベラルな視線を持った新人女優 エステラ(潤花)との恋もからみます。

ハリウッド映画の世界の中で様々な思惑や嫉妬、エステラが働くダイナーでの滋味ある人間模様など、魂魄な物語の中にいろんなドラマがあって見どころたっぷり。
撮影シーンや制作発表、パーティなど華やかシーンあり、歌やダンスも盛り込まれた佳作でした。


どこか自信なさげで服装もあか抜けないオーディションの場面から一転、ジェリーのスタントとしてマタドールの衣装で登場するコンラッドの華やかさ。真っ赤なマタドールが長い手足に映え、キレ味鋭いダンスで踊る姿はすでに十分スターなんだけど・・・と思いましたが、後になってアマンダはただの気まぐれではなくこのスター性を見抜いていたのね~とも感じました。

アマンダにあれこれ指南を受けて、最初にいかにも仕立てのよい濃いブルーにピンストライプのスーツで現れた時の水もしたたるイケメンっぷり。
あのスーツ大好きだったなぁ・・・って、ワタシ、「I AM FROM AUSTRIA」の感想にも「鳳月杏さんパパのピンストライプが・・」と書いていて、ピンストライプ好きか!

夢見たスターの座を手に入れながら、自分を見失い、栄光と虚構の狭間で揺れるコンラッド。
スターになって笑顔も見せなくなって、やがて曲折を経て自分を取り戻し、本当に笑えるようになった姿が清々しい。
彩風さん、細かい感情の変化も丁寧に表現していて、本当にスタイル良くてどの衣装もお似合い、お得意のダンスはもとより歌唱も充実と、次のトップへスタンバイOK!という感じでした。

エステラはこれまた次期?トップ娘役の呼び声高い潤花さん。
ジェリーに見初められてヒロインに抜擢されたのに自分を見失わず地に足つけて生きる女性で、コンラッドと心を通わせながらも不安定なジェリーにもきちんと気持ちを寄せることができる芯の強い女性がよくハマっていました。華やかなビジュアルでドレスの着こなしもステキ。課題の歌は高音が少し苦しいかな~。がんばって。

彩凪翔さんのジェリーもとてもよかったです。
絶頂に立つスターらしい傍若無人なふるまいの中に孤独と虚勢が見えるジェリー。
いつそのスターの座を脅かされるかもしれないという不安からクスリに手を出し狂気へと堕ちていく様が切ない。

自分を利用してスターになったジェリーにコンラッドを使って復讐しようとした大女優 アマンダ。
でも本当は心からジェリーを愛していたことが最後にわかります。
梨花ますみさんは大女優の貫禄十分で演技にももちろん不満はありませんが、ジェリーの相手としてはもう少し若く華やかな人のキャスティングがよかったのではないかな~と思いました。
まぁ、今回の出演者の中にはそれに見合う人はいないのですが。

ゴシップ紙のコラムニスト キャノンの愛すみれさんの相変わらずの美声、出てくるたびに表情だけで場面をさらったダイナーの女主人 早花まこさんが印象的でした。


フィナーレ:
男役黒燕尾のタンゴ。
男役x娘役カップルで踊る中、センターの彩凪翔さんは縣千くんと踊っていて、男役同士のタンゴが色っぽくてとても新鮮ででした。
そして総踊りとなったところで、「来たぜ~!」という感じで両手広げて上手からパァーン!と現れる彩風咲奈さんの一気に目を奪うスターオーラ。

潤花さんとのデュエットダンスも振付とてもかわいかったです。
彩風さんがピストルバーンして潤花ちゃんがハートを撃ち抜かれるとか、彩風さんが顔を近づけるとふふふって逃げる潤花ちゃんとか、そうかと思うとほっぺにキスしたりとか・・・大好きな星組 ロミジュリのデュエダンに似てるな~と思って、振付に桜木涼介先生の名前があったので桜木先生かなとも思いましたが、プログラムには記載がなくてはっきりわからず・・・。



プログラムにはちゃんとフィナーレまで載せてください のごくらく地獄度 (total 2031 vs 2033 )


posted by スキップ at 22:45| Comment(0) | TAKARAZUKA | 更新情報をチェックする
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