2019年10月14日

この場所で起こる奇跡を信じている 「紅ゆずるラストデイ」 ライブ中継


bennylastday.jpg星組トップスター 紅ゆずるさんラストデイ。

紅さんの宝塚愛にあふれた、そしてファンはもちろん、組子やスタッフやたくさんの人々の、紅さんへの愛に満ちた温かいとてもよい千秋楽でした。


宝塚歌劇 星組東京宝塚劇場公演千秋楽 
「紅ゆずるラストデイ」 ライブ中継
ミュージカル・フルコース 「GOD OF STARS-食聖-」
スペース・レビュー・ファンタジア 「Éclair Brillant」
紅ゆずる サヨナラショー

出演: 紅ゆずる  綺咲愛里  礼真琴  万里柚美  美稀千種  
如月蓮  白妙なつ  天寿光希  音波みのり  麻央侑希 
瀬央ゆりあ  有沙瞳  極美慎  舞空瞳/汝鳥伶  華形ひかる ほか

2019年10月13日(日) 1:30pm TOHOシネマズなんば スクリーン1
(上映時間: 4時間50分 <カーテンコール含む>/休憩 30分)



宝塚大劇場公演の感想:
「GOD OF STARS-食聖-」
「Éclair Brillant 」


お芝居とショーの感想は大劇場公演の時に書きましたので、今日は千秋楽スペシャルで気づいたところを。


◆「GOD OF STARS-食聖-」

・食聖コンテストでホン・シンシン(紅ゆずる)が登場して最初の台詞「今日の俺、超端正!」
 「超端正」 後でどこかでもう1回言ってたなぁ。
・「ここは少林寺ではなく小さい寺と書いて小林寺」と管長(大輝真琴)に言われたホン
 「聞いてないし、映ってないし!」とツッコんでいました。映像の不具合で「小林寺」の文字が映ってなかったのだと、中継組はその時初めて知りました。
「機転の利くクソジジイ!」とも言っていて、口は悪いけど褒めることも忘れないホン(笑)。
・管長と小林寺の皆さんはラスト一列に並んでラインダンスしながら横に動いてはけて行かれました。

・ラスト
アイリーンとたくさんの子どもたちに囲まれたホン
「俺はまだまだ稼ぐぜー」の後に、「リー・ロンロン これからがんばれーっ!」と叫ぶ。
それまで笑って観ていたのに、一気に涙腺が緩みました。
これを聞いた時の礼真琴くんの表情も見たかったな。


◆「Éclair Brillant 」

2ヵ月ぶりくらいに観て、改めてステキなショーだったなと思いました。
お芝居はラスト以外結構平気だったのに、ショーでは何でもないシーンでも紅さんがスクリーンに映るだけで涙が込み上げてきてコマッタ。

「ボレロ」はますます研ぎ澄まされて凛とした空間を生み出していました。
本当に、ここ数年のショーの中でも際立った名シーンだと思いますし、このような群舞で送られる紅さんは幸せでしょう。

大劇場で観た時から多幸感に満ちていて大好きだったデュエットダンス。
紅さんが綺咲さんを抱きしめるところ、向かい合った時に声に出さずに口が「ありがとう」と動いて、それはそれはやさしい手つきの右手が綺咲さんの頭を包み込んで、万感の思いを込めるように抱きしめて、綺咲さんの目から涙が一筋こぼれるという、愛にあふれた美しいシーンを最後に見せていただきました。

銀橋でお辞儀する綺咲さんに隣から目一杯の拍手を贈る紅さんの笑顔にまた涙。
こんなシーンも初めて観た気がします。本当に、心から拍手を贈りたいという気持ちが伝わってきました。


◆紅ゆずるサヨナラショー

万里柚美組長が読む紅ゆずるさんのメッセージ。
「小学生のころ、テレビで初めて宝塚を観たあの頃の自分に言ってやりたい。あなたの進む道はすばらしい道よ、と。とんでもないでこぼこ道だけど」

成績がほめられたものではなく、舞台の隅が定位置だった紅さんが自分はいらない子なのではないかと落ち込んだりもしましたが、舞台の隅にいるからこそ頑張らないでどうするという星組の愛のムチを受け、自主稽古を重ねて「私を見つけてくれるお客様はいる」と信じてやってきた紅さん。

「私が今、ここにいるのは、あきらめなかったから。あきらめなければ、夢はかなう。宝塚がそのことを教えてくれました」


紅ゆずるサヨナラショー セットリスト
1. ひとかけらの勇気 (スカーレット・ピンパーネル)
2. オーム・シャンティ・オーム (オーム・シャンティ・オーム/紅・綺咲・星組全員)
3. 夢を売る男 (オーシャンズ11/紅・如月・麻央)
4. Sue Me (ガイズ&ドールズ/紅・礼)
5. あなたを見つめると (スカーレット・ピンパーネル/綺咲)
<紅子さんコーナー>
6. Killer Rouge (Killer Rouge/如月・麻央・星組生)
7. エストレージャス (エストレージャス/礼真琴・如月・麻央・星組生)
8. あなたこそ我が家 (スカーレット・ピンパーネル/紅・綺咲)
9. Seven Wonders (キャッチ・ミー・イフ・ユー・キャン/紅・綺咲)
10. Goodbye (キャッチ・ミー・イフ・ユー・キャン)
11. ありがたやなんまいだ (Another World/全員)



明るく楽しいサヨナラショー。
さすがに全部観ていますし全部知っている曲でした。

「スカーレット・ピンパーネル」から、紅さん、綺咲さんそれぞれのソロとデュエットで3曲入っていて、お2人にとってどれほど大切な演目かということがよくわかります。
お2人のトップお披露目演目であり、紅さんにとってはワンチャンスだった新人公演初主演作品、そして綺咲さんは初舞台の作品。

「Sue Me」で久しぶりに礼真琴くんのアデレイドが観られたのもうれしかったです。
あの頃より見違えるほどほっそりしていますが、やっぱりすごくキュートだし歌うま。
紅さんネイサンとのカップル、好きだったな。「ガイズ&ドールズ」 また観たくなりました。

そして紅子さん登場。
「台風いいかげんにしろよ。 日本国民に謝れ!宝塚ファンに謝れ!」から始まって、もう言いたい放題(笑)。
言いたい放題ではあるのだけど、いろいろなところに紅さんの気遣いや愛があふれていました。
「スカピンの新人公演の時、佐々田先生のはいっ!っていう合図がないと(歌に)入れなかった」と言っては銀橋で三つ指ついてお礼を言ったり。

紅さんは音楽学校受験の時、うれしくて廊下の手すりや教室の窓をあちこち触ったそうですが、この時も「ここ触っとこう」と大道具触ったり、「ここが0番」と銀橋の真ん中に座って床を撫でたり・・・宝塚愛ダダ漏れで、観ていて泣き笑いです。

「ゆずるちゃんが退団して寂しいけど、紅子、ちょっと気になる生徒がいるの。誰かわかる?真琴よ、ま・こ・と」
「真琴ったら顔はかわいいのに声はハスキーなの。ギャップよね、ギャップ。人生はギャップよ。私も黙っていたら美人と言われるんだけど、しゃべるとこんなだし」
ちゃんと後を託す人のことを忘れない、気遣いの人なの。


ラスト前の「Goodbye」は礼真琴くんから手渡された深紅の薔薇の花束を抱え、銀橋から一輪一輪客席に投げ入れながら。

これ、とうこさん(安蘭けい)もやってたよなぁ、あの時、柚希さんが涙をこらえて「星を継ぐ者」を歌ってたよなぁ、とまたまたウルウルしたところで、♪ありがたや~ なんまいだ~ の大合唱。
最後のチーンというおりんの音色まで入って、泣き笑いです。



緑の袴の正装での退団のご挨拶

綺咲愛里さんが
「これでよかったのです、私の宝塚人生は」と口調もそのままに「鎌足」の与志古の台詞を引用。
「悩みました、苦しみました、悲しみもありました。それでも、私は楽しかった!嬉しかった。そして、皆様と私の宝塚への志は生き続けます」と、とても素敵なご挨拶でした。


紅ゆずる 挨拶全文
とうとう宝塚を旅立つときがやってまいりました。宝塚人生のゴールへ。見えるものがこんなにもきれいなものだとは私は想像できませんでした。今まで過ごしてきた時間がこの瞬間のためのものなのかもしれないと今、感じています。
 出演者、スタッフ、そして、お客さま、宝塚を心から愛する人が集うこの場所が私は大好きです。一度きりしかない人生の中で、心が震えるほど愛する場所で過ごすことができた私は、本当に幸せ者です。この場所が大好きだから、この場所で起こる奇跡を信じているから、1人では乗り越えることができない壁を乗り越えることができました。
 この美しい宝塚が、いつまでも永遠でありますように。今まで本当にありがとうございました。


同期のお花渡しは予想通り 朝夏まなとさんでした。
繰り返されるカーテンコールの中にも心に残る言葉がたくさん。

「ずっとそばにいてくれた綺咲愛里と一緒に卒業し、ずっと私を支えてくれた礼真琴に後を託せる私は本当に幸せ者です」
「私はパレードの時にいつも思っていることがあって、この場所からなら届くんじゃないかなと思うので、この場を借りて言わせてください。
小林一三先生 宝塚歌劇団を作ってくださって本当に本当にありがとうございます!」

「タカラジェンヌとして・・・これからは元がつくんですが・・元タカラジェンヌとして」

「皆さん毎日いろいろ大変でしょう、そんな方々が宝塚を見て少しでも笑顔になってくだされば、それが私たちの仕事です。そのために自分が試行錯誤するのは、苦でも何でもありません」

「礼真琴が率いる星組をどうぞよろしくお願いします。可愛い顔してハスキーボイス。人生はギャップです。私も黙ってればいいのにと言われます。無理です!星組を、星組をよろしくお願いします!」
涙をこらえて90度のお辞儀で応え、客席にもキリリとした目線を向けた礼真琴くん。


ラストは幕前に2人で出てきた紅さんと綺咲さん。
「宝塚でも言いましたが、こんなにいつも可愛いと思わせてくれる相手役は私にとっては綺咲愛里しかいません」
この言葉を聞いて、泣くまいと踏ん張って目を大きく見開くあーちゃんの可愛らしさよ。
そして、「紅さんがいなければ私はここにはいません」とキッパリ。

客席の「最後に二人で盛大に投げキッスして」というリクエストに
「さゆみさんに?」という綺咲さんに
「ちゃうやろ」と即行ツッコむ紅さん。
「それは後でやればええやん」とやさしく言って、2人で客席に投げキッス。
上手の袖へはけ際にはもう一度綺咲さんの肩を抱いて笑顔でピースサインキメた紅さん。



ずっと柚希礼音さんを観てきた私にとって、紅ゆずるさんは今の5組のトップスターの中でも特別な存在。
何でもできる優等生で体育会系の長男(柚希礼音)とお行儀よくて素直な三男(真風涼帆)の間で、やんちゃで奔放だけど実は繊細な次男というイメージ。
柚希さんとともにあった日も、北翔さんのそばで二番手として力を蓄えた時期も、そして満を持して星組を背負って立ってからも、どこか手がかかるし気になる、見守っていかなければ、というような気持ちでした。

でも、そういうことを抜きにして、私は紅ゆずるというスターがとても愛おしいし大好きだと改めて実感したラストデイ。
紅さん、綺咲さんをはじめ退団者の皆さまの未来に幸多かれと心から祈っています。




ありがとう さようなら いつかまた会える日まで のごくらく度 (total 2119 vs 2121 )


posted by スキップ at 15:49| Comment(0) | TAKARAZUKA | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
コメントを書く
コチラをクリックしてください