2019年08月30日

初音ミク南座初お目見え 「八月南座超歌舞伎」


minamiza201908.jpg2016年から毎年ニコニコ超会議の中で「伝統芸能である歌舞伎とNTTの最先端技術 ボーカロイドの融合」として幕張メッセで上演されてきた「超歌舞伎」。
南座新開場記念として、歌舞伎発祥の地 京都に登場。
初音ミクさんもバーチャルアイドルとしては史上初めて、南座の舞台にお目見えです。


八月南座超歌舞伎 
2019年8月14日(水) 3:30pm 南座 3階1列センター



一、 超歌舞伎のみかた
出演:中村蝶紫   澤村國矢
(上演時間: 30分)


蝶紫さんと國矢さんで「超歌舞伎」予習編。

「超歌舞伎のみかた」がスクリーンで上映された後、超歌舞伎特有の要素である「分身の術」や「変化の術」を実演をまじえて解説の後、客席に募って「分身の術」の体験コーナー。
この日はツインテールの10歳くらいの女の子でしたが、見よう見まねながらとても上手に見得していて感心。

客席全員で大向うの練習もしました。
「超歌舞伎」では大向うはいつでも好きな時にかけていいのだそう。
初音ミクさんの屋号は「初音屋」、超高臨場感通信技術「Kirari!」を駆使するNTTさんにもちゃんと屋号があって「電話屋」ですって(笑)。

14色に発光するというペンライトの説明&販促も。
初音ミクさんはグリーンがイメージカラーということで、ミクさんの登場シーンでは緑、青龍は青、獅童演じる佐藤四郎兵衛忠信赤、ラストの桜ではピンク・・・など。
「ペンライトは絶対必要」と力説するお二人のペンライト営業トークが一番印象的でした・・・それでも買わなかったけれどもww



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この方が初音ミクさんです(私以外 皆さまご存知かと思いますが)。


二、 お国山三 當世流歌舞伎踊 (おくにさんざ いまようかぶきおどり)
作: 松岡亮
振付: 藤間勘十郎
出演: 中村獅童  初音ミク ほか
(上演時間: 15分)


この公演のために書き下ろされた新作舞踊。
プロジェクションマッピングで桜や紅葉が舞い散る中、豪華絢爛な踊り絵巻が展開されます。
初音ミクさんが出雲のお国、中村獅童さんが名古屋山三という布陣で、歌舞伎役者さんの他に花柳流の女性の舞踊家さんたちも加わった総踊りで華やか。

「見事な二枚扇遣い」とおっしゃられましてもそこは初音ミクさんですし・・・。
聞くところによるとミクさんの動きは藤間勘十郎さんの振付をそのままに取り込んでいらっしゃるということで、そりゃまぁ出演者の誰よりもお上手な訳です。
山三の拵えもよくお似合いの獅童さんですが、踊りは・・・(以下自粛)。



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三、今昔饗宴千本桜 (はなくらべせんぼんざくら)
中村獅童・初音ミク 宙乗り相勤め申し候
脚本: 松岡亮
演出・振付: 藤間勘十郎
出演: 中村獅童  初音ミク  中村蝶紫  澤村國矢 ほか
(上演時間: 1時間15分)


この公演のメインイベントです。
初音ミクさんの代表曲「千本桜」と歌舞伎の「義経千本桜」をコラボレーションして「ニコニコ超会議2016」で初演された作品に南座ならではの宙乗りも加えたバージョンアップ版


まずは獅童さんの口上から。
紋付袴で正座してピシッと口上した後、立ちあがっていろいろ解説。
最前列の超歌舞伎?の法被着てる熱烈ファンのお客様見つけて、イジッた挙句、「今日のペンライトはこの人の通りに」とおっしゃっていました。
カーテンコールではその人を舞台にあげて一緒にノリノリだったりも。


物語の舞台は大正百年の帝都桜京。
美しく咲き誇る千本桜をめぐって、美玖姫(初音ミク)、佐藤四郎兵衛忠信(中村獅童)、青龍(澤村國矢)らの運命が激動する物語。

ラストの宙乗りとその盛り上がりばかりクローズアップされている印象ですが、フツーに面白かったです。
ストーリーもちゃんとある(←)し、映画館のスクリーンのような大画面に映し出されるプロジェクションマッピングは美しくて迫力満点。

初音ミクさんも思っていたより「浮いた」存在ではなく、まぁ、芝居という点ではいろいろとビミョーな部分はあるにしても、役者さんたちとの掛け合いもタイミングはぴったり。練習したんだろうなぁ、役者さんたち。

中村獅童さんは踊りの時とは打って変わったようなイキイキっぷり。
押し出しよくて存在感はやはり群を抜いています。
お芝居もさることながら、客席を乗せたり煽ったりの、本当に上手い。

リミテッドバージョンでは忠信を演じた澤村國矢さんのご活躍もとてもうれしかったです。
國矢さんが登場すると所作や声がやっぱり歌舞伎役者さんだなぁと不思議な安心感。
青龍となって火を吹く場面は、口からハーッ吐くと後ろの映像から火の玉が出てきて相手を攻撃!・・・とこれぞまさしく歌舞伎とテクノロジーの融合といった趣き。

名題下さんたちなのか専門のアクション俳優さんなのか、番付を買わなかったのでわからなかったのですが、獅童さん忠信との立ち廻りも迫力ありました。
巨大梯子。倒れる時は客席から「おぉ~」という声も。

ラストの宙乗り。
初音ミクさんの「千本桜」が爆音で鳴り響くなか、二人で宙乗りして「オイ!オイ!オイ!」と拳を突き上げ客席を煽る獅童さん。
3階席前に結構滞空時間長く客席を見渡していらしたのですが、目の前にいたワタクシ、ペンライト持っていなかったのでニラまれた(気がする)。

ま、この公演に限らず、ペンライト振って盛り上がるタイプの人間ではありませんので、「ふーん」という感じで見ていましたが、三階から見下ろすピンクのライトに染まる客席は綺麗でしsた。


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「ここからは撮影OK」という獅童さんの声で始まるカーテンコールの撮影タイム。
その間も花道に出てきたかと思えば、ピケターンみたいに回りながら舞台に戻ったり、最後まで目いっぱい客席を盛り上げようとする獅童さんの姿に胸が熱くなりました。


ひと幕ごとに「幕間 20分」「幕間 30分」と表示が出るたびに「20分も!?」「30分も?!」とざわめく客席が新鮮でした のごくらく地獄度 (total 2095 vs 2098 )


posted by スキップ at 23:07| Comment(0) | 歌舞伎・伝統芸能 | 更新情報をチェックする
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