柚希礼音さんは1999年に宝塚音楽学校を卒業して初舞台を踏み、今年で芸歴20周年。その記念の年に様々な挑戦を私たちに見せてくれていますが、この作品もその一つ。
初めてのひとり舞台です。
REON YUZUKI one-man show
Musical 「LEMONADE」
作・演出： 小林香
音楽： 江草啓太
振付： 川崎悦子 Oguri (s**t kingz)
美術： 石原 敬 照明： 高見和義
音響： 山本浩一 映像： 石田 肇
出演： 柚希礼音
2019年7月13日（土） 5:00pm シアター・ドラマシティ 8列センター／
7月15日（月） 12:30pm 5列下手
（上演時間： 1時間40分）
岬の先端にあるサナトリウムの一室が舞台。
この部屋で療養しているのは映（はゆる）。
自身の広告代理店 ハユル・アドを立ち上げ忙しく充実した日々を送る中、血液疾患で倒れ、無菌室での治療を経てこのサナトリウムに移った彼女は悩みを抱えていました。自分とは別の人格－リラとブルーが突如現れるのです。医師のカウンセリングを受けながら自分が多重人格であることを受け入れられない映。ある日彼女は、このサナトリウムが天文台だった頃の管理人 Billの古い日記を見つけます・・・。
「ひとり芝居に多重人格とはまたうまいこと考えたなぁ」というのが最初の感想。
しかも、オトコが一人まじっている（笑）。
東京公演の情報を一切シャットダウンして臨みましたので、映がリラに変わり、さらにブルーが現れて、舞台上で鏡に向かって髪をかきあげジェルでなでつけ、スーツに着替え、ネクタイをしめて・・・とナマ変身すところでは「え、そんなの聞いてないよ～
」となりました。そうして現れたブルーがまた超クールで、あの低音ヴォイスの歌声響かせ、セクシーなダンス踊って見せてくれて、今でも現役男役十分イケるやん！！という感じ。
透明感をたたえ、ひたすらまっすぐに生きようとする映
自由奔放で、赤いドレスを翻して情熱的に歌い踊るリラ
いかにもキレ者でダンディ、ダークジャケットに黒いネクタイでクールにキメるブルー
三人三様、人格が変わると、声や表情はもちろん、仕草や身にまとう雰囲気まで、一瞬で切り替わるのすごい。
後半の3人が歌い継ぐ場面なんて、まるで映像繋いだように瞬時にガラリと別人格になれるあたり、本当にすばらしかったです。
振付は映とリラを川崎悦子さん、ブルーをOguriさんで分担して踊り方を変えてあるのだそうです。
映が手がけている瀬戸内リゾートプロジェクトのプロモーションという設定で、柚希さんが映像と“共演”して歌い踊る場面があったり、映とリラ、ブルーが3人一緒に登場するシーンもあって、ストーリー性がある中にショーアップされた部分もうまく織り込まれて、柚希さんの歌とダンスをたっぷり楽しめる構成。
When life gives you lemons, make lemonade.
Billの日記に書かれていたこの言葉や
LOVE 0が1になると
LIVE 生きるになる
映がコピーを考えてたどり着いて歌うこの歌詞のように
人生へのメッセージが随所に詰まった、映の自己発見の物語となっていますが、実は私はこの種の自己啓発的な物語が苦手･･･別人格が現れなくなってきっちり自立できる以外に結末ってある？という感じで若干醒めた目で見ていたました。
が、終盤、ポロポロ涙をこぼしながら「Three Seconds」を熱唱する柚希さん＠映にもらい泣きする事態に・・・。
多分それは、柚希さんがこの作品をとても愛していて、死ぬほど激しく踊って熱く歌って、そのメッセージを観客に伝えようとした姿に心打たれたのではないかと思います。
先にレポを書いた「氷艶2019」でもそうでしたが、舞台に立つ柚希さんを観るのが幸せ、柚希さんのファンでよかった、と思わせてくれる作品でした。
カーテンコールではいつものちえちゃん
「とおい～」「ちかい～」のいつものコール＆レスポンスでは、(ドラマシティは最後列でも梅芸3階より近いので）「ちかい～」と応える人がチラホラいると、「ここはとおい言うところやろ！」といキビしいツッコミも（笑）。
Home Party で「はゆる」ブロックになるまで、ずっと「はいる」だと思っていたことはヒミツです のごくらく地獄度
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