
私は一度も読んだことがなく、映画も観ていなくて、2005年にオンエアされた井上真央さん主演のドラマで知りました。道明寺司より断然 花沢類派で、演じる小栗旬くんも「めちゃいーじゃん」となったのでした(小栗旬くんブレイクのきっかけとなったドラマでもあります)。なつかしい。
それを宝塚で、って、もっと早く上演されていてもおかしくなかったかなとも思いますが、いじめとか高校生なのに飲酒とか他にも際どいシーンとか、清く正しく美しいとは言い難い展開が足かせとなっていたのでしょうか。
そんなあれこれも歌やダンスで彩って、宝塚って何でもできちゃうよね。
宝塚歌劇 花組公演
TAKARAZUKA MUSICAL ROMANCE 「花より男子」
原作: 神尾葉子 「花より男子」
脚本・演出: 野口幸作
出演: 柚香光 城妃美伶 優波慧 聖乃あすか 希波らいと
高翔みず希 華雅りりか 音くり寿 ほか
2019年6月25日(火) 1:00pm 赤坂ACTシアター 1階P列センター
(上演時間: 3時間/休憩 30分)
お金持ちばかりが通う中でも超絶セレブの男生徒4人「F4」に支配されている英徳学園。
高校から入学した庶民の娘 牧野つくし(城妃美伶)は転校生の三条桜子(音くり寿)をかばったことから道明寺司(柚香光)と争い、赤札を貼られたため、全校生徒からいじめの対象となります。しかし、正義感と持ち前の“雑草魂”で果敢に立ち向かい続けるつくしに司は次第に心惹かれ始めます。一方、つくしはF4の一員ながら自分を危機から救ってくれた花沢類(聖乃あすか)のことが気になり・・・。
つくしと道明寺司の恋バナを軸に、花沢類の藤堂静への想いや三条桜子の陰謀、ティーン・オブ・ジャパンコンテストなどいろんなエピソードを盛り込んでテンポよく展開、歌もダンスもたっぷりで楽しいミュージカルに仕上がっていました。
スクリーンに映し出されたF4のイラストのそれぞれのところからF4が一人ずつ登場するという幕開き。
皆さん、原作漫画というよりドラマですごく研究したと思われ、特に柚香光さんの道明寺司と聖乃あすかさんの花沢類はそれぞれ、松本潤くん、小栗旬くんにビジュアルも雰囲気もそっくりでした。
この二人は台詞も寄せてきてる感じだったな。
寄せてきてるといえば、つくしの弟の進。青騎司くん。佇まいといいい台詞まわしといい、ドラマ版の冨浦智嗣くんそっくりでした。

オープニングはじめ、映像の使い方も楽しく効果的でした。
司がつくしをさらって自分の自宅に連れて行き、エステやヘアメイクやドレスアップさせて変身させる場面で、流れる映像もおもしろかったし、映像に合わせて踊る柚香さん道明寺もカッコよかったです。
花沢類が静を追ってパリに行ってしまったり、三条桜子の司への復讐劇が展開したりして、やっと互いの気持ちが寄り添って結ばれる司とつくし・・・「え?これで終わりな感じ?まだ二幕あるよね?」と思っていたら、司とつくしを囲んで学園じゅう楽しく歌い踊る中(側転連発でアクロバティック)、コツコツと靴音が響き、花沢類が帰ってきたところで幕。この一幕のエンディングもセンスいい!
二幕は、類と司の間で揺れるつくしからの、三角関係?からの、ティーン・オブ・ジャパンコンテストからの道明寺がNYに旅立つまで。ほぼドラマの1stシーズン網羅していました。
柚香光さんは「はいからさんが通る」をやった時には大人な伊集院忍少尉がぴったりだと思ったら、この道明寺司もこれ以上ハマりようがないというくらいハマりっぷり。
「うんどろの差だ」(雲泥)とか「さすが俺がビート版を押した女だ」(太鼓判)とか、偉そうに半笑いで威張って言う言葉の言い間違いが何ともおバカでかわいいし、「あいつキスしたことないってわざわざ言うってことは俺様にファーストキスされたいってことか」とかニヤニヤしながら言うところなんて爆笑してしまいました。
もちろんいかにも御曹司のオーラ全開だし、キレのあるダンスはシャープでカッコいいし、歌は・・だけどそれを補って余りある華やかさ。殴られる演技の上手さにも感心。
この作品観ていて、いろいろ言われているけれどやっぱり花組次期は柚香くんなのかなと思いました。
城妃美伶さんのつくしもとてもよかったです。
元々歌も演技力も評価高い娘役さんですが、身体能力の高さも証明。
「調子こいてんじゃないわよっ!」と司にとび蹴りするジャンプも綺麗に決まるし、コンテストの場面で見せた片手側転からの連続側転すばらしいし、その後の二重跳びも。
ドラマ版を参考にしたと思われるヘアスタイルはあまり似合っていなかったけれど、のびやかな歌声もよく通る台詞もすばらしかったです。
花沢類派のスキップ的には採点が厳しくなるところですが、聖乃あすかさんもよかったな。
ちょっとアンニュイな雰囲気でいつもやさしく静かに話す花沢類。金髪に全身白の衣装がよくお似合いのキラキラ王子様でした。
三条桜子の音くり寿さんが歌にお芝居にさすがの実力を発揮。
ぶりっ子と復讐に燃える女の二面性を見事に演じ分けでいて、クラブデザイアのシーンでの圧倒的な歌唱は聴き応えたっぷりでした。
藤堂静の華雅りりかさんも役自体がいい役で印象的。
あと、ティーン・オブ・ジャパンの準決勝に残った4人の中にめちゃかわいこちゃんいる!と後で調べたら美里玲菜さん。お姉様の綺咲愛里さんにそっくりの美少女です。
ラスト
NYへ旅立つ司を空港まで追いかけるつくし。
つくしが司の想いへの応えを告げると、司の表情がみるみる和らいで優しい笑顔になって、キスしようとするとつくしが避けるようにちょっと引いて、それをぐっと引き寄せてキス・・・というところで幕。Very very happy endでした。
ラストがクリスマスシーズンだったので、フィナーレはクリスマスメドレー。
優波慧さん・希波らいとさんの♪サンタが街にやってくる から始まって、聖乃あすかさんの♪ママがサンタにキスをした (これ、クリスマスソングの中でもとびきりお気に入りの1曲なのですが、それを花沢類に歌わせるとはなにごと!?)
そして、お芝居の続きのような柚香光さん道明寺と城妃美伶さんつくしのデュエットダンスでとても幸せな気分になりました。

ACTといえば劇場壁面のこの大懸垂幕。
この舞台観ることを思いついたのが遅かったのでなーんと一般発売でチケット買ったのですが、「P列って・・」と思ったけれど、ACTの1階は傾斜がついていてとても観やすかったです。ま、大劇場なら16列目でオケピもないから十分近くて観やすいわね。
ドラマもまた観てみたくなっちゃったなぁ のごくらく度


